リヴィエラ・ディ・レヴァンテ（東海岸）の町々

2019/09/01 - 2019/09/30

現在住んでいるリグーリア州の東海岸Liviera di Levante を９月の土日に訪問した記録です。10月のものも若干混じっています。どれも別々の日に行きました。表紙写真はポルトフィーノです。何をするのもトロいので2か月遅れの投稿です。
ちなみに「リヴィエラ」というのはイタリア語で海岸を表す一般名詞ですので、リヴィエラ海岸という呼び方は誤りです。
西海岸Liviera di Ponente にも行くつもりが雨期が始まってしまって行けなくなりました（あちらは特に冗談じゃないぐらい雨が降ります・・ってこう書いている時点でサヴォナが浸水している・・）。春になったら行って旅行記書きます。

エリア イタリア

チンクエ・テッレばかりが異常に有名になってしまい、オーバーツーリズム現象が起きていますが、東海岸にはそれ以外にもいいところがたくさんありますので紹介します。
ここはもう有名になってますがボッカダッセだっせ～。ジェノヴァの町はずれにあるので簡単に行けます。健脚ならブリーニョレ駅から歩いて行けます。市民のジョギングルートになっています。山手にはアルバーロという高級住宅地があります。

ネルヴィです。ジェノヴァから電車で15分ぐらいで簡単に行けるので、旅行者の方は時間つぶしにどうぞ。海沿いに延々と何キロも遊歩道が続いています。ここもジョギングしている人がとても多いです。

次はラ・スペツィアからすぐのポルトヴェーネレです。ここは行かれた方も多いのではないでしょうか。

街への入り口の門です。

高台から教会を見下ろしました。でも私がヘタクソ写真を投稿する必要ないですね。もう他の方々の旅行記にお任せします。

ということで次の場所。
こちらはカモッリCamogli、ジェノヴァ人が一番好きな海岸小都市だそうです。ジェノヴァからとても近いので余裕があればぜひ行ってみて下さい。観光客が少ないし何よりきれいなところです。

北部の海岸ではとっても珍しいフィーキディンディア（ウチワサボテンの一種）を見つけたのでついとってしまいました。南から移植したんでしょう。
シチリアやカラブリアなら至る所に生えています。

港のそばにあるマリア様の祠、貝殻で装飾されているのが珍しいです。

カモッリの港です。ここから船に乗ります。

カモッリから船に乗って向かうのは中世に建てられたサン・フルットゥオーゾ修道院です。現役ではなく今は遺跡や城の保存管理を行うFAIという財団の下に置かれています。ポルトフィーノ半島の先の船でしか行けない入り江にあります。この日はかなり波が高かったです。船酔い体質の人はきついかも・・もし行かれるなら波がまだ穏やかな6月や7月がいいと思います。

修道院に着きました。前は海、後ろは山という位置にあるので災害に弱そうです。実際に何度か高波や豪雨や土砂災害で破壊されたそうです。よくこんなところに建てたなあと思ってしまいます。
今は海水浴場とレストランもある世俗的な場所になっています。

元修道院の中です。創建当時は一応ロマネスクの時代です。しかし度重なる天災に修道士たちも音を上げて打ち捨ててしまい廃墟となりました。後にジェノヴァのドーリア家が修復して一族の墓所として利用していました。

内部から見た海です。まだこの季節ならきれいなところだなあで済ませられますが、１１月頃は高波や大雨で大変だと思います。維持するのも一苦労ではないでしょうか。これを入力しているのが11月なので特にそう思います。この地域の10－11月の豪雨は半端ではありません。

ドーリア家の墓所だったところ。ジェノヴァにおなじみ白黒模様です。しかしこんなところを墓にしたら墓参り大変だったのではなかろうか。アンドレアをはじめみんな海の男たちだからどうってことなかったんでしょうか。

もとクリプタです。

かすかに彩色が残っているところもあります。よく残ったなあと思います。

カモッリに戻る船の中から撮りました。

次はセレブのリゾート、ポルトフィーノです。みんなチンクエ・テッレにばかり行きたがるけどこちらの方がよっぽどいいところなのに・・なぜ？
日本人を全く見かけませんでした。情報が偏ってますね。でもここの旅行記投稿は多いので、賢い旅人はこちらに行くということでしょうか。

山の上の城から見下ろしました。

私はアマルフィ海岸よりきれいだと思うのですが、いかがでしょうか。

どなたの別荘なのでしょうね。世界のセレブがよく来られるところです。

丘を登ったところにある教会です。

こちらはサンタ・マルゲリータ・リグレにあるジェノヴァ名門貴族の別荘、ヴィッラ・ドゥラッツォです。

一応ファサードです。うーん・・ヴェネツィア貴族の別荘をブレンタ川沿いで色々見たからどうしても比べてしまう。凡庸だなあ（平民が言うなって）。

中に入りました。ジェノヴァの宮殿でも感じたのですが、ライバルのヴェネツィアに比べるとなんだか野暮いというか美的センスがいまいちというか、洗練されていないように感じます。無骨なのがこの都市の人たちの特徴なのかも。イタリアではジェノヴァ人はドケチで有名です。芸術にかけるお金をケチったとか？

ついこういう妙なものに気を取られてしまいます。カエル？サンショウウオ？

こんな写真を投稿してどうするんだ？と言ってるような。獅子でしょうか？

さてここはセストリ・レヴァンテ。海がきれいだと聞いたのでやって来ましたが、南部シチリアやカラブリアやプーリアの海をよく知っている者としては全然大したことがありませんでした。ので海の写真はばっさり省略。
突き出た半島部の高台に上ったところにある古いSan Niccolo教会です。どう見てもロマネスクで私の趣味ですが、よーくあることに閉まっています。開くことあるのかな？日曜の正午です。

扉の鍵がさびた鎖で閉められているので、何となくずっと閉まったままの雰囲気です。開いてたよという情報求む。

モネッリアMonegliaというセストリ・レヴァンテの近くの小都市にも行きました。「最も美しい村」に登録されていますが、はっきり言って、え？これが？というところでした。ので景観写真は省略（これならマルケ州の登録されてない小都市にもっときれいなところあるよー）。教会前の床のみ掲載。

教会の横に彫られている彫刻。13世紀のものだそうです。戦勝記録らしい。これは何となく趣味。ランゴバルドっぽいと思ったけど違った。

お次はラパッロ。高校の世界史でラパッロ条約を習いましたがその場所です。
この海の城砦が有名なのですが、昨年秋の地中海ハリケーンでここの港は完全に破壊されたそうで（知らなかった）、城砦も修復されないまま閉鎖されています。

現在の港の様子です。まだ整備が進んでいないようです。掲示板に貼ってあった昨年の写真では本当にぐちゃぐちゃに壊された港の惨状が写っていました。

特に目的もなく海岸をぶらついていたら、「栗だ栗だよみんなおいでよ海からやってきた栗だよー」（船で輸送されたという意味でしょうか？）という声が聞こえて行ってみると無料で焼き栗が配られていました。一袋いただいて食べながら散歩継続しました。おいしかったー。焼き栗ボランティアの皆様、ありがとう。イタリアの栗は大きくてほくほくしています。

ラパッロの海に注ぐ川です。

この旅行記へのコメント （4）

• マリアンヌさん 2020/05/17 13:34:44

  Liviera di Levante

  Janua (ex-Fiorenza)さんへ
  
  お久しぶりです。だいぶ4トラお休みしてしまい、今頃お邪魔してます。
  長期間、北イタリアに滞在されていらしたなんて羨望です。
  
  サン・フルットゥオーゾ修道院、船で行けるんですね。ドーリア家、お墓参り大変だったでしょうね｡海洋国家にはいとも容易いのかな？
  ポルトフィーノは、美しい入り江ですよね。昔、訪れた時にブランドショップで私にとっては法外な価格のビーサンやタオルに驚いたけど。
  最近、チンクエ・テッレは、ちっとも秘境じゃなくて混雑してるから興味薄くなります。
  サンタ・マルゲリータ・リグレは、海辺に泊まっただけなんですが、高台にジェノヴァ名門貴族の別荘なんてあるんですね。確かにヴェネツゥアと比べると(笑)
  
  なんと言っても、セストリ・レヴァンテのSan Niccolo教会とモネッリアMonegliaの彫刻と床に興味津々です♪ご紹介頂きありがとうございます。
  
  マリアンヌ
  

  PuellaApuliaeさん からの返信 2020/05/17 18:52:36

  Re: Liviera di Levante

  マリアンヌ様、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
  １年滞在の予定だったのに、降ってわいた災難で半年滞在になってしまいました。
  サン・フルットゥオーゾ修道院は前から行きたかったところなのです。期待通りでした。そばのレストランについて帰国後に知ったのですが、おいしいことで有名な店だったそうで・・残念です。もし将来また機会があれば行ってみたいです。
  イタリアの教会はせっかく行ったのに閉まっていたということが多くて、開いていたら儲けものと思うようにしています。

• cokemomoさん 2019/11/29 23:50:44

  ボッカダッセといえばーー

  Fiorenzaさん、こんにちは。
  
  Imagineさんへのコメントでドラマのモンタルバーノのことを書いておられたので、ニッチすぎる話ですが書いてしまいます。
  モンタルバーノのパートナー、リヴィアはボッカダッセに住んでるという設定なんですよね。ジェノヴァの街外れにあってこんな海岸があるんだと思いながら写真を拝見しました。ドラマでたまにリヴィアの家が出ますが、これは本当に北部で撮っているのか？経費節減のためシチリアのどこかで撮っているんじゃないかと考えてしまってます。
  
  imagineさんに（ネット上でですが）モンタルバーノのドラマを教えてもらい、一話から日本放送分は全て見て、そして私もラグーサに行ったのでした～。シクリはいつかの宿題です。
  
  あまり海の方に行かないのでリグーリア州の景色は新鮮です。
  セストリ・レヴァンテの教会の姿はいいですね～～♪内部の写真がトリップアドバイザーに一枚あったけれど、人の姿がメインでよく分からない、なぜっ！？
  
  それでは、また～。
  
  
  
  
  

  PuellaApuliaeさん からの返信 2019/11/30 00:35:10

  Re: ボッカダッセといえばーー

  cokemomoさま、こんばんはー
  もう日本にお戻りですね。昨日おとといエミリア・ロマーニャではポー川があふれ出していました。これでもう止まってくれればよいのですが・・。
  コメントありがとうございます。そうでした、リヴィアはボッカダッセに住んでいるのでした。でも撮影は絶対シチリアですよ。雰囲気が違います。南部の景色に慣れたら北部の海岸はいまいちにしか映りません、ほんと。
  モンタルバーノは原作者が亡くなってしまったそうで、今後の放送はどうなるのでしょう。せっかくはまってしまったのに・・。最初のタイトルのシーンで出てくる怖そうな高架橋はシクリ近くのもので、あそこ通りました。見ると何度でも行きたくなります。
  ではまた。エミリア・ロマーニャ旅行記お待ちしています。