2019/03/11 - 2019/03/15
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タヌキを連れた布袋(ほてい)さん
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「サバは,この地域では最後に植民地に組み入れられた土地である。英人商人A・デントたちがここを租借したのが1878年だった。すでにサラワクには英人J・ブルックの白人王国が成立しているし,ブルネイ沖のラブアン島は英領となっている。
北ボルネオの植民地編入がなぜ遅れたのか,いくつか理由が挙げられる。その一つは,ここが最後に残された真空地帯で,列強は互いに進出を邪魔しあったからである。もうこの時期になると,スペイン,オランダ,イギリスだけでなく,アメリカ,ドイツ,イタリアなどの出遅れ組が登場する。だから一国による支配はなかなか完成しなかった。
国家を統一したばかりのイタリアは,ブルネイ王に迫って,ガヤ島を割譲させようとした。ガヤ島は,コタキナバルのすぐ沖にあり,ジャングルがこんもりと茂って,今日でもイスラム化したバジャウ族の漁村が一つあるだけのところである。1870年にイタリアはここを獲得して,囚人を送りこみ流刑植民地にしようとした。オランダやイギリスはここに来るまでに,いくつか途中に拠点を持っているから,進出は自然の勢いといえるが,あの地中海の長靴からガヤ島までの一足飛びは,ずいぶん突飛な感じである。これはやはりスエズ運河の完成と汽船の発達なしには考えられない。
イタリアは,この流刑植民地を日本交易の中継点にしようとしたのだという。明治日本がそれほど魅力があったとは,と苦笑が湧いてくるし,犠牲になるバジャウ漁民はさぞかし迷惑な話だったろう,と思う。だがこのガヤ島獲得計画はイギリスの反対でつぶれた。
もう一つ,この土地の獲得を遅らせる独自の理由があった。現地の支配者が誰であるか,実は,はっきりしなかったのである。ここほど移動分散型社会の特徴が極端にあらわれている土地も珍しかった。
そのことは地形や生態の条件から単純に説明できるように思う。一見して明らかなようにボルネオは,内陸の拡がりを持った,東南アジアで最大の島である。拡がりといっても,平野はなく,いくつかの盆地や高原があるだけだった。大部分は山麓のジャングルだった。河ごとに社会のまとまりが生れてくる仕組みは東南アジアの他の土地と似ていたが,その河も内陸部まで伸びるものはすくない。
コタバトのプランギ河流域のように,上流と下流の同族が競いあう状況はここにはなかった。大まかにいえば,内陸と沿岸はそれぞれ別個に歴史を生きていた。ボルネオは,住民に極端な分散を強要する土地だった。この島が地球上でもまれなほど無数の部族,種族を生んで,民族学の宝庫となっているのはそのためである。」
鶴見良行「土地転がし」(『鶴見良行著作集7 マングローブ』(みすず書房)収録)より
バンダルスリブガワン逍遥~その1:空港から市内バス
https://4travel.jp/travelogue/11563561
バンダルスリブガワン逍遥~その2:BSB街歩き
https://4travel.jp/travelogue/11563765
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.0
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 徒歩
- 航空会社
- エアアジア
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
バンダルスリブガワン(BSB)では「何もやることがない」と言われるが,街歩きはなかなか充実して楽しかった。
ブルネイではBSB以外の場所へも行ってみたいと思っている。
当初は,レンタカーを借りて,スリア(セリア)油田あたりを目標にしてブルネイ国内を一日ドライブしようと考えていた。
ネットで見ているとブルネイのレンタカーの料金は結構高いことが書いてあるが,現地へ来れば格安のレンタカーが見つかるだろうと踏んでいたのだ。
ところが,それがうまくいかなかった。出会ったのは高いのばかり。やむなくレンタカーは断念することにした。 -
スリアへはBSBBTからマイクロバスが出ている。
これに乗ればスリアへ行けないことはないが,向こうへ着いてから足がないのは困る。下手をすると,炎天下をバスで往復するだけになってしまう。 -
そこで目を付けたのがトゥンブロン(Temburong)飛び地。
ブルネイ本土の東方にある飛び地だ。周りはマレーシアに囲まれているので,BSBから自動車で行く場合は国境を越える必要がある。 -
このトゥンブロン飛び地の中心都市バンガー(バンガル)へ,BSBから船で行くことができるらしい。
船だと国境を越える手続が必要なく,移動にかかる時間も大幅に短縮される。
ここへ行ってみることにしよう。 -
バンガー(トゥンブロン飛び地)行きの船着場は,ブルネイ川にかかる「サレハ王妃橋(RIPAS Bridge)」東詰に近いところにある。
(「Temburong Boat Jetty」Google座標:4.877845,114.950483)
BSBBTから39番のバスに乗ると,次の停留所が「Temburong Boat Jetty」。
2km弱なので歩けない距離ではないが,暑い季節はややつらいと思う。 -
船着場はこんな感じ。
船の時刻表は↓を参照。おおむね06:15-18:15の間に45分間隔で運航しているが,金曜日は12:00-14:00の便が欠航するので注意が必要。
スケジュールはそこまで厳格ではない印象だった。
http://www.mpabd.gov.bn/SitePages/Temburong%20Speed%20Boat%20Services.aspx -
カウンターの上に乗船名簿が放り出してあるので,それに氏名・国籍・パスポート番号を記入する。
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壁の掲示に「運賃7BND」と書いてあるのに,なぜか6BNDだった。
切符には不動文字で「6BND」と書いてあるから間違いではない。
(1BND=約83円) -
ボートが到着した。
-
乗り込む。
座席は,両舷に平行のロングシートが向かいあう形で配置されている。
15名ほど乗り込めば満席になるだろう。 -
ボートはすぐに出発した。
まずはブルネイ川を河口まで下る。両岸はすぐにジャングルになり,ニッパ椰子が生い茂っているのが見える。
河口が近づいてくると,岸はマングローブに変わる。 -
ブルネイ川の河口を出ると,飛び地側のトゥンブロン川の河口に入るまでの間は,ブルネイ湾の海原を一直線に駆け抜けていく。
遠くの海面上に蜃気楼のように見えているのは,ブルネイ本土のムアラ(Muara)とトゥンブロン飛び地を直接道路でつなぐために建設中のトゥンブロン橋である。完成したら,全長が約30kmに及ぶ大きな海上橋となるようだ。
ということは,今乗っているこのボートは,いつか使命を終えてなくなってしまうかも知れないわけだ。
さて,ボートはトゥンブロン川に入って遡上しはじめた。
トゥンブロン川は狭くて曲がりくねっているので,ボートは右へ左へ大きく傾斜しながら,波を蹴立てて走っていく。結構な迫力だ。(動画46秒↓)
https://youtu.be/5z8yHQH_tJI -
ボートは約45分でバンガーの船着場に到着した。
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BSBの船着場より,バンガーの船着場のほうが造りが立派だ。
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バンガーは,のどかな田舎町だった。
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さらに川を遡っていくと,ウル・トゥンブロン国立公園へ至る。
正確には,遡上できるのは途中までで,あとは陸路を行かざるを得ないようだ。かえって不便なので,ツアーの場合はバンガーから陸路をとるのが一般的。
トゥンブロン飛び地に来る旅行者は,普通はこの国立公園へのツアーで来ているはずだ。 -
トゥンブロン川沿いにはちょっとした遊歩道も整備されているが,人っ子一人いない。
本当にのんびりしたところなのだが, -
なにげなく,恐ろしい警告があったりする。
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バンガーの街を歩き回っていたら,公設市場があった。
ただし,店は十軒ほどしか出ておらず,客の姿はほとんどない。 -
もうコアタイムを過ぎてしまったようだ。手作りの軽食やおやつ類が少しだけ売れ残っている。
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ある店で,プルッウダン(Pulut Udang/バナナの葉のちまき・海老の田麩入り)と,テータリックのジェリーを購入し,市場内のテーブルで食べてみる。
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このプルッウダンは最高に旨かった。
すぐに店へ取って返して,最後の3本も全部買い占める。店のおばさんはたいそう喜んでくれた。 -
先にも書いたが,今日は金曜日(イスラームの休日)なので,正午から午後2時の時間帯のボートは運休してしまう。
猛暑なので,午前中の最後のボートでBSBへ帰っておくことにしよう。 -
帰途の船賃は,掲示のとおり7BND。(1BND=約83円)
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午前中最後のボートに積み残されたら困るので,いち早く乗船しようと身構えていたが,結局,船客は十人ほどだった。
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帰途のボートも,
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なかなかスリリングな航行であった。
このボートに乗るだけでも,トゥンブロンを訪れる価値は充分にあったと思う。 -
BSB到着直前には,カンポンアイールを河上に見ることができる。
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出発した船着場へ戻ってきた。
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BSBBTへ戻るバスはいつ来るか分からないので,マッカーサー通りまで歩いて戻る。
通りとブルネイ川の間は広場のようになっていて,露店が出ている。 -
ここでやっと,
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ナシカトッに巡りあうことができた。
ブルネイでひそかに有名な,アヤムゴレン+サンバル+米飯で1ドルの庶民弁当である。(1BND=約83円) -
この飲み物は,鮮やかなオレンジ色をしている。
「ASAM SAMBOI」と書いてあるが,”SAMBOI”は「酸梅」だろうか。するとこれは酸梅湯だ。
これも1BND。 -
富裕な王国・ブルネイの旅とはいえ,工夫をすればそれなりに安く楽しむことができそうだ。
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☆BSBでの移動は,(レンタカーを借りない場合は)公共バスに頼ることになろう。運賃は一律1BNDで,運行時間は06:00-18:00。タクシーは台数が少ないので,要所でこそ拾うことができるが(空港,バスターミナル,有名モールなど),それ以外では難しい。
☆公共バスの運行は18時に終わるので,夜に出歩きたい場合は宿の場所をよく考えて予約する必要がある。
☆キアンゲの朝市(オープンマーケット)は見るべし。衛生的で秩序のあるブルネイらしい市場。ガドン地区へ行くときは,ついでにウェットマーケット(魚市場)も覗いてみるとよい。
☆ウル・トゥンブロン国立公園への現地ツアーに参加するもよいが,BSB=バンガーを乗合ボート(片道7BND)で往復するだけでもかなり面白い。飛び地の田舎町バンガーを自分のペースで見て回ることができるし,何と言っても格安で済む。トゥンブロン橋が完成したら乗合ボートは廃止されてしまうかも知れないので,今のうちに乗っておくべし。
☆ブルネイでは,何も考えずにいるとシンガポール並みの出費をすることになるが,ちょっと工夫をすればマレーシア並みの出費で楽しむことができるだろう。
☆ブルネイに酒は無い。非ムスリムは入国時に手続をすれば酒2本を持ち込むことができるが,宿が「アルコール禁止」のところだと結局飲むことはできない。
バンダルスリブガワン逍遥~その1:空港から市内バス
https://4travel.jp/travelogue/11563561
バンダルスリブガワン逍遥~その2:BSB街歩き
https://4travel.jp/travelogue/11563765
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