2016/09/16 - 2016/09/16
2168位(同エリア2843件中)
わになのかさん
- わになのかさんTOP
- 旅行記112冊
- クチコミ7件
- Q&A回答0件
- 65,983アクセス
- フォロワー7人
「まあ、俺はオランダに生まれて良かったと思うよ」
かつて同僚はそう言った。
「そりゃあ、スウェーデンとかに比べたらどうかと思うけど、、いや、その分税金は高いからなんとも言えないか。とにかく南の方よりかはましさ。」
それを聞いたとき、自分の国が大好きなオランダ人でも北欧は一目置いてるんだなあ、とかそんなことを僕は思った。しかし、疑問なのはなぜ南の方よりかはましなのか。バカンスにイタリアやスペインに出かけているではないか。それを素直に口に出してみると、同僚は少し肩をすくめて言ったものだ。
「バカンスには最適さ、なにしろ年中暖かいし、リラックスした雰囲気が最高。でも住むとなりゃあ別だろうな。」
それはなぜ、と問う前に彼は答えた。
「あの時間感覚には付いていけないだろ。シエスタとかさ。」
そして、にやりと笑って彼はこう付け加えた。
「南に行けば行くほど、総じて人は怠けものになるのさ。」
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 乳幼児連れ家族旅行
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
アパートから出ると雲一つない青空。既に日差しは強かった。
路地に面する建物は5,6階はあり、そのせいでまだこの時間は通りは日陰になっていて歩きやすい。
今日はトラムに乗って色々と回る予定だ。今回のリスボン旅行ではYellowbusのチケットをネットで購入してきた。これもヨーロッパの各地で見られる乗り降り自由の都市巡回バスなのだが、リスボンはバスツアーに加えてトラムツアー。しかもテージョ川のボートコースまで入っている。さすがはリスボンだ。移動手段はバスよりもトラムということだろう。とはいえ、始発までにはまだ時間があるので、昨日立ち寄ったロシオ広場まで行ってみることにした。
朝はやはり人が少ない。ロシオ広場もほぼ独占状態だ。くるりと歩いてから、アウグスタ通りを引き返す。 -
歩いていると、建物の壁がさまざまな装飾タイルで覆われているのに気づく。ポルトガルの伝統工芸アズレージョだ。決して派手ではない、少し色あせ、ところどころ剥がれたタイル。しかしよく見ると繊細で美麗な模様と、絶妙な色づかい。芸術品ではない普段使いの装飾が、街並みをさらにノスタルジックに見せている。
-
通りの終端にあるアーチを抜けると、テージョ川に面したコメルシオ広場に出た。ここが今日乗るトラムの発着場だ。トラムツアーはルートがたくさんあって入り乱れている。行きたい場所に行くためにはうまく停留所を選ばなければならない。
「はい、ということで、ここから乗るよ」
もちろんルートを組んでくれたのは妻である。偉そうに言ってすみません。
「いやー、でも暑いな。。」
「うん、あの子はいつも通り走り回ってるけどね」
「広いところだと元気になるよな。しかし、うちの子はかわいいな」
「うん、君はバカだね」
しょうもない会話をしていたらすぐに時間が来た。しかし、トラムは来そうにない。
「来ないね」
「まあ、時間は多少ルーズかも」
だが全然来ない。ふと見ると、停留所の壁になにやら白い紙がペラペラと風に翻っている。んん?なになに?
「あー、ここは停留所じゃなくなったって」
「ええ?!最新のルートマップをダウンロードしたのに?」
「なんかロシオ広場あたりかららしいよ」
「いやだー、あそこまで戻るの無駄じゃん」
周りの人たちも僕らを見て張り紙の存在に気付いたらしい。
めいめいが首を振り振り停留所から離れていく。
「どうすっか?」
「じゃあ、がんばって歩いて、途中で早めに昼食にしましょう。調べたレストランは確か朝10時からやってるはずよ」
やられた、これが南のクオリティか。てきとーだなあ。 -
ここでリスボンの地形を説明すると、さきほどのコメルシオ広場とアウグスタ通りあたりを中心にした扇状地みたいなすり鉢状になっている。しかも結構な傾斜だ。つまりどこへ行くにも坂を上らなければならない。
時折狭い坂道をトラムが行き交う。なかなか趣深い情景だ。
ーーー暑くなければ。
「あっつーーー。」
「言わない!余計暑い!」
「もう歩きたくないよー」
娘も半べそ状態だ。
「もうすぐそこだから。。」
しかし、たどり着いたレストランに入ると
「え?12時からだけど?」
と普通に言われた。
「ええ、10時からって書いてあるけど」
「いやいや、今日は12時ね。」
てきとーー!?
「どうする?」
「こうなったらこの上の展望台まで歩こう!」
「いやあーー!?」
娘が泣いたのは言うまでもない。 -
しかし、がんばった先には絶景が待っていた。
-
アルファマ地区のポルタス・ド・ソル広場。
ここはトラムが頻繁に停まり、待ってる人も少なく、かつ降りる人も多いというトラム停留所の穴場だった。 -
イチオシ
そして、広場から少し歩けばサンタ・ルジア展望台だ。ここは良い風が吹いて若干涼しい。絵描きさんがいて、黙々とリスボンの風景画を描いていた。娘が興味津々で見入っていると、おじさんが優しく微笑んでくれた。娘も気をよくして、ずっと傍で見ている。機嫌が直ったようでなによりだ。僕らも少し腰かけて休憩をすることにした。
ふとおじさんが描いた絵を見る。
ーーーめちゃくちゃうち好みだった。
妻を見ると、妻も目でうなづく。
「買いだね」
「イエス、買いだ」
しかし、どれも良くてなかなか選べない。娘が絵描きに見入っているのを良いことに、散々悩むのを楽しんで、街を走るトラムの絵を一枚購入した。
ヨーロッパの観光地に行くとよく絵描きさんを見かけるが、買いたいと思えるものに出会うことはほとんどない。
つまり超ラッキー。ほんとうにいい買い物をした。 -
そのあと、展望台から川へ向かって迷路のような路地を降りていった。
青い空と白い壁がいい。 -
狭い路地裏のアトリエへ。
以前テレビで紹介していたのを妻が覚えていて調べてくれた。
Azuleijos de Fachada
伝統的なアズレージョを、今風のデザインでアレンジした作品を出しているそうだ。一つ一つ手作りで絵も微妙に違う。
ここでもめいっぱい悩んで、お気に入りをチョイスした。
裏にコルク板が付いているかわいい鍋敷き。
あれ?この前もどこかで鍋敷き買ったな。。
※鍋敷きはpot stand っていうらしい
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
リスボン(ポルトガル) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
リスボン(ポルトガル) の人気ホテル
ポルトガルで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ポルトガル最安
488円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
0
9