2013/03/15 - 2013/03/24
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kunyuさん
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2013年の春にスペインを旅してきました。
情熱の国スペイン。アラブとヨーロッパが混ざり合った不思議な歴史を持つ国スペイン。
広いスペインを11日間フルに使って走り回りました。
中央部はマドリッドやコルドバ、トレドなどを観光。レアルマドリードの試合も観戦しました。
北はビルバオなどのバスク地方。スペイン狭軌鉄道でのんびりローカル線の旅です。
南はセビーリャやグラナダやバルセロナ。夜行列車にも乗りました。
とても盛りだくさんの、すばらしい旅行になったと思います。
今回もブログ『マリンブルーの風』に掲載した旅行記を若干省略の上再編集して掲載しています。
ブログには最新の旅行記も掲載していますので、ぜひご覧下さい。。
『マリンブルーの風』
http://blog.livedoor.jp/buschiba/
2013年スペイン旅行記目次
http://blog.livedoor.jp/buschiba/archives/52344924.html
■ 日程
3/14 成田→マドリッド
3/15 マドリッド
3/16 コルドバ レアルマドリード観戦
3/17 トレド
3/18 マドリッド→サンティアゴ・デ・コンポステーラ→フェロール
3/19 フェロール→オビエド→サンタンデール
3/20 サンタンデール→ビルバオ→レオン
3/21 レオン→セビーリャ→グラナダ
3/22 グラナダ→バルセロナ
3/23 バルセロナ
3/24 バルセロナ→成田
3/25 成田着
今回のスペイン旅行記は野球観戦記です。バルセロナなのにサッカーではなく野球。
実はスペインにも野球のリーグがあるのです。
どんな野球場で、どんな試合が行われるのでしょうか。
スペイン野球のレベルはどのようなものなのでしょうか。
2013年3月23日にバルセロナでビラデカンス対サン・イナジオ・ビルバオの試合の試合を観戦しました。観戦記の後編をご覧ください。
- 旅行の満足度
- 4.5
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2回裏。ホームのビラデカンスは1回表に1点取られています。まずは早めに追いつきたいところ。
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ビラデカンスはライト前ヒットを放ちますが、後が続かず無得点に終わりました。
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サン・イナジオのアルバレスという1番バッターは小柄ですが、なかなかシャープなバッティングです。
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アルバレスがサードにセーフティバント。サードがボールをお手玉する間に1塁ベースを駆け抜けました。このサードはあまり上手な守備ではありませんね。
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1塁ベース上のアルバレス。かなり広いリードを取っています。
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3番バッターが出てきました。打ちそうな風貌です。
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ヘッドスライディングで盗塁を決めるアルバレス。かなり足が速いです。
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セカンドゴロを軽快に処理するサン・イナジオのクエスタ。
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キャッチャーのホセ・モラレス。
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ホセ・モラレスは4番を打っており、元ロッテのベニーと里崎を掛け合わせた風貌です。
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ユニフォームの着こなしがだらしないですよ。主審が岡田正義ならイエローカードです。
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豪快なスイングです。
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ベンチに貼ってあったビラデカンスのオーダー表。
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そしてベンチの棚にぶらさがる謎のカエル人形。
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ビラデカンスの先発は左腕のモンテーニョ。195センチの長身から投げ下ろすストレートは威力十分です。1回こそ失点しましたが、2回以降はサン・イナジオ打線を抑え込み、三振の山を築いています。
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1塁側の客席に回ってみました。
サン・イナジオの先発ロペスです。こちらも好投を続けています。 -
4回表。ホームチームのビラデカンスが反撃に転じました。
先頭のゴンザレスが左中間へのスリーベースヒットで出塁。その後2死2,3塁となり、グルロンがレフトにタイムリーヒット、1-1の同点に追いつきます。 -
3塁ランナーがホームイン。
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1塁でドヤ顔のグルロン。
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ホームインしたランナーがベンチに迎えられます。ベンチはかなり盛り上がっていますね。
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グルロンは盗塁でセカンドへ。送球がそれました。
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盛り上がるベンチ。ビラデカンスはさらに押し出しで1点を追加、1-2と逆転に成功しました。
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試合前に比べれば客が増えたようです。
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ピッチャーのモンテーニョ。
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モンテーニョを正面から。
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追いつかれたサン・イナジオは無死2塁の場面で送りバントを仕掛けます。
スペイン野球は意外と送りバントが多いです。盗塁も仕掛けますし、アメリカよりも日本に近いスタイルなのかもしれません。
そういえばスペインはイタリアやオランダと違い、スモールベースボール路線を志向していると言われているそうです。 -
再びビラデカンスのベンチに戻ってきました。
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逆転に向けて盛り上がるベンチでは、控えの選手が折れたバットでゴミ箱を太鼓代わりに叩き、ラテンのリズムで応援しています。
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6回裏。カノが打った!
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打球はセンターに抜け、2塁ランナーが一気にホームを突きます。1-3と点差を広げました。
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次のバッターに指示を出す監督。
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しかしきれいにゲッツーが決まりチェンジ。
ビラデカンスとサン・イナジオ、どちらのチームもショートやセカンドは守備がうまく、センターラインがしっかりしています。この試合でも何度かゲッツーが決まりました。
また、ピッチャーが1塁に牽制球を投げた時のサードの動き。元ロッテのホセ・フェルナンデスあたりだと2,3歩歩くだけですが、ビラデカンスのサードはちゃんと走ってサードベースに入っていました。
中には下手な選手もいますが、カバーリングなどの動きもきちんとしていましたから、スペイン野球は守備重視で基本をしっかりやっていると言えるでしょう。レベルが上とされるイタリア野球よりも守備力は上かもしれません。 -
ベンチで壁当てをするボールボーイの少年。彼もまた未来の野球選手でしょう。
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サードのコーチャーズボックスに立つサン・イナジオの監督。
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ベンチはにぎやかで、野球談議が繰り広げられています。
ちなみに球場外に飛び出したファールボールは試合に出ていない選手が取りに行きます。 -
空振り。
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今日の主審。審判は2塁ベース付近にいる塁審との2人制です。このおっさんに試合前日本語で「キョウハヨロシク」と話しかけられたのにはびっくりしました。
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ホセ・モラレスの打席。心なしか観客が増えています。ベンチ横のスペースから試合を観る人たちはサン・イナジオの関係者でしょうか。
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守備を終えてベンチに迎えられるビラデカンスナイン。
ビラデカンス先発のモンテーニョは8回を投げ切って降板。1失点で9個の三振を奪う好投を見せてくれました。まだ20代前半ですし、鍛えれば面白いピッチャーになりそうですよ。寒さを理由に2軍落ちしたロッテのゴンザレスの代わりにどうでしょうか。 -
日本のミズノのグラブを使っている選手がいました。
彼はどこでこのグラブを手に入れたのでしょうか。どんな野球人生を過ごしてきたのでしょうか。
残念ながら私にそれを聞く英語力はありません。 -
試合は終盤。8回裏です。
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9回表のマウンドにはビラデカンスの2番手ピッチャー、アルメンテロスが上がりました。
勢いのあるストレートを投げるのですが、一本調子で制球もアバウトです。
ランナーを背負う苦しいピッチングでしたが、なんとか0点に抑えて試合終了。
1-3でホームのビラデカンスがビジターのサン・イナジオに勝利しました。 -
勝利のハイタッチをするビラデカンスの選手たち。
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さらに敵チームであるサン・イナジオの選手たちともハイタッチしています。ボールボーイの少年もその輪に入っていました。
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にこやかにタッチを交わす両チームの選手たち。チームは違えど試合が終われば同じ野球好きの仲間なのです。
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観客に向けて拍手をするビラデカンスの選手たち。
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選手たちの写真を撮っていたらスコアボードが消灯し始めたのであわてて写真を撮りました。
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試合後の練習などは特になく、皆引き上げていきます。
ある選手に「明日は10時半から試合があるから来てよ」と言われましたが、残念ながらその日は帰国日。
「すみません。明日は日本に帰るので行けないんです」と答えました。 -
球場正面には選手たちの家族や友人が集まっています。ベンチで恋人と熱い抱擁を交わす選手もいました。ビジターのサン・イナジオの選手たちはチームのバスに乗って球場を去っていきました。
私は夕暮れの街をビラデカンス駅まで歩き、そのまま電車に乗ってバルセロナに戻りました。
以上、スペイン野球レポートでした。
まさかベンチに入れてもらえるとは思いませんでしたが、言葉は通じなくとも同じ野球好きとして受け入れてもらえたのでしょう。
試合は締まった展開で楽しめましたし、選手たちの応援もラテンのノリで面白かったです。
今回のWBCではスペインの国内リーグに所属する選手はわずか1人ということで物議をかもしたものの、選手のレベルはそれほど低くありませんでした。
スペイン野球のレベルは日本でいえば大学野球か社会人野球に相当すると言われているようで、ヨーロッパ内ではトップクラスのイタリア、オランダに次ぐ2番手、3番手の位置づけになるのだそうです。
前編のエントリでも触れたように、最近はアメリカのマイナーリーグやメキシカンリーグ、中南米諸国の国内リーグでプレーした中南米の選手がスペインに移住してプレーを続けるケースが増えており、こうした中南米からの移民によってリーグのレベルがかなり上がっているようです。
スペインの野球の大きな特徴のひとつは、イタリアやオランダとは違いスモールベースボールを志向していることです。
確かに盗塁や送りバントを積極的に試み、失敗しましたがスクイズもありました。
守備面もそれほどのほころびは無く、特にセカンドやショート、センターなどのセンターラインはかなり守備が上手でした。カバーリングもしっかりしており、イタリアで見られたような周囲の野手が全員でボールを追いかけるようなシーンはありませんでした。ベースカバーにもちゃんと入ります。
ピッチャーはかなりよさそうですね。ビラデカンスのモンテーニョもサンイナジオのロペスも球は速かったです。
特にビラデカンスの先発モンテーニョは8回を投げて9奪三振。まだ20代前半で上背があり、球も速いですからなかなか面白い選手ですよ。
ただランナーを出すと崩れる場面があり、モンテーニョはランナーを背負った初回にボークをかましていました。全般的にスペインの選手はメンタル面がややひ弱で、一度崩れだすと止まらない傾向があるそうです。そのあたりはラテン系で、我慢強くないということなのでしょうか。
バッティングについてはロースコアゲームだったので判断が難しいですが、選手によってはバントや右打ちなどの技術があるようです。少なくとも何も考えずにバットを振り回しているわけではないようですが、パワーがあるバッターがいるかどうかはわかりませんでした。中南米系の選手が多いので探せばいるのかもしれませんが。
ただそんなことよりも、ベースボール不毛の地と言われたスペインにも野球好きがいて、リーグ戦がちゃんとあり、選手たちが真剣にプレーしているという事実が何よりもうれしいです。
使い古したグローブにボロボロの硬式球。道具を手に入れるのも一苦労なのでしょう。
それでもわざわざヨーロッパでマイナー競技である野球をしようという連中です。それこそ筋金入りの野球好きに違いありません。
中南米からの移住組にしても、野球を続ける夢をあきらめきれずに、生まれた国を捨ててまでスペインに来ているのです。
彼らはとても楽しそうにプレーしています。恵まれない環境であっても、彼らに悲壮感は感じられず、逆に野球ができる喜びにあふれていました。
確かに技術的なレベルは日本より落ちるでしょう。ですが、野球を愛する気持ちや熱意は決して日本に負けていません。
イタリアやオランダの国内リーグやアメリカを目指す選手が多いようですが、日本のプロ野球や独立リーグでハングリー精神あふれるスペインの選手たちを育成込みでスカウトしてみるのも十分面白いと思います。日本でもスペイン語圏の選手が多数活躍していますから、ドイツやフランスやイタリア出身の選手を獲得するよりも言葉の面での心配は軽減されるはずです。
聞けばスペインでも野球を体育の一種目に組み入れる学校が増えているのだとか。将来スペイン野球の裾野が広がり、野球の認知度やレベルが上がってくれば、将来アジアやアメリカやヨーロッパを股にかけて活躍する選手が増えるかもしれませんね。スペイン野球の今後がとても楽しみです。
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