2019/04/29 - 2019/04/29
156位(同エリア385件中)
noriko norikoさん
- noriko norikoさんTOP
- 旅行記11冊
- クチコミ9件
- Q&A回答0件
- 17,054アクセス
- フォロワー0人
今回、ポーランド旅行で一番の目的であるアウシュヴィッツ強制収容所にいく予定をしました。
唯一の公式日本人ガイドである中谷剛さんの予約を取るため、1年以上前からコンタクトしていました。
「年明けに再度、連絡してください。」と言う言葉どおり、今年1月に再度連絡してみるも、
「5月1日は無理です。ユダヤ人団体でいっぱいです。」とお返事がありました。
「えー!年明けに連絡してと言ってたから、そうしたのに!」ってショックを受けていました。
5月1日~3日は毎年ユダヤ教の人たちが多く訪れる期間で、ガイド予約がとれないそうです。
そこで、日程を繰り上げることに決めて、何とかこの日の予約にこぎつけました。
定員ギリギリセーフで私たちは予約を取ることができたんです。
約30名くらいです。
午後2時に第一収容所のエントランス付近に集合。
第一収容所を1時間半ほど見学。
10分ほど休憩をとり、バスでビルケナウ第2収容所に移動。
そちらで1時間半くらい見学。
※入館前に空港のような手荷物のセキュリティチェックあり。
※トイレはセキュリティチェック前に済ませておくこと。
※3時間ほどほとんど座ることができません。ずっと歩きます。
歩きやすい服装と靴、最小限の荷物で来館されることをオススメします。
http://auschwitz.org/en/visiting/
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 2.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
セキュリティチェックを済ませ、ガイドの声がきこえるように無線ヘッドフォンを借ります。
ガイドの中谷さんの声がちゃんと聞こえるかどうか確認後、見学スタートです。オシフィエンチム (アウシュヴィッツ第一強制収容所) / アウシュヴィッツ博物館 建造物
-
収容所入り口のゲート。
アルバイト マハト フライ(ARBET MACHT EFREI)
「働けば自由になれる」と書いてあります。
実際に自由になった人はほとんどいません。
「B」が逆さになっているのは、このゲートを作らされていた収容者のせめての抵抗だったそうです。 -
電流が流れる鉄格子が張り巡らされた敷地。
-
この看板に書いてあるのを要約すると、
「1940年から1945年までに130万人の人がアウシュヴィッツに収容。
110万人:ユダヤ人
14万~15万人:ポーランド人
2万3千人:ロマ(ジプシー)
1万5千人:ソ連捕虜
2万5千人:その他の囚人
110万人の人たちがアウシュヴィッツで亡くなり、その約90%がユダヤ人だった。SS(親衛隊)たちはその大半をガス室で殺していった。」
はじめこの収容所には反政府の政治犯とされるポーランド人たちが多く収容されていました。
また、障がい者・同性愛者なども多く収容されていて、「国にとって戦力とならないもの」や弱者・マイノリティは必要とされていない時代だったのです。
今の日本はどうでしょうか? -
連行される人たちの写真パネルも数多くあります。
こうした写真はほとんどが、命がけで隠れて撮影したものです。
決して撮影することは許可されていませんでしたから。
遺品の歯磨き粉の中にフィルムを隠し、遺族がみつけたものもあったそうです。
そうした偶然と撮影者の想いが後世に遺されて行ってるんですね。 -
アウシュヴィッツ強制収容所の全容地図。
線路をはさんだ右側の部分が第1収容所。
線路の左側の大きい敷地が第2収容所(ビルケナウ)です。 -
これがガス室の縮小模型です。
左側の地下が脱衣所。ここで裸になります。
みんな「シャワーを浴びれる」と聞かされ、裸になり、右側の地下ガス室に送り込まれたのです。 -
これが地下のガス室の様子。
-
ガス室の手前の脱衣所。
-
実際にはソンダーコマンドという同じユダヤ人が特別任務を担っていました。
ガス室送りになるということを悟られぬように、シャワーを浴びるからと安心させるのも、同じユダヤ人の役目だったそうです。
なぜなら、ドイツ人に精神的負担を減らすためです。 -
これがチクロンBという殺虫剤。
これをガス室の天井穴から放り入れ、約20分ほどで絶命。
もともと殺虫剤だから、サリンのような猛毒ではないので、しばらくの時間もだえ苦しむ人たちの叫び声が相当大きな音でガス室から聞こえていたという。
この薬をガス室に投げ込む仕事も、ソンダーコマンドがやっていたそうです。 -
チクロンBの薬剤缶。
-
収容者たちのメガネ。膨大な量です。
-
義肢や杖など。障がい者たちは、労働できない使えない人たちとみなされ、多くの人たちが殺されていきました。
あの相模原障害者施設殺傷事件の犯人の声明文を連想させられます。 -
無数の食器。
最後まで生きる望みをもち、こうした自分の所持品をもってきたのです。 -
カバンには所有者の名前や住所が書いてあります。
あとで所持品が返却されることを、彼らに期待させておくためです。
彼らの手元に戻ることはありませんでした。 -
おびただしい量の靴。
-
クシやブラシの山。
-
これは収容者たちをカテゴライズするためのマーク。
赤▼は政治犯、緑は犯罪者、ピンクは同性愛者、紫はエホバの証人などの宗教異端者。
黄色と赤の△を重ね合わせのがユダヤ人。 -
囚人服の太ももあたりの服に上記のマークが縫い付けてあります。
-
こちらは胸元に。
-
これは収容所にいた栄養失調の子どもたち。
-
収容所にいた子供たちの多くは、容赦なく大人と同様に殺されていきました。
しかし運よく生き残った子どもたちもいて、毎年の追悼記念式典には生存者や遺族が出席しています。
が、幼すぎた年齢の子どもだった人たちは、当時の記憶がない人も多いのです。
当時の様子を証言できる人は年々少なくなってきています。 -
収容所のベッド。
-
ぺらぺらな布団。
真冬マイナス20度にもなるアウシュビッツで、こんな布団一枚で寝るなんて・・・。
凍死する人も多かったようです。 -
餓死刑のための独房。
-
コンクリート階段が人の通るところが凹んでいる。
それだけ多くの人が来場しているってことなのかな。 -
この花束のあるところに立たされて、銃殺刑が行われていました。
-
これも電流鉄線。
-
この風景は当時とほとんど変わらないそうです。
当時のポプラ並木は建物の高さくらいだったけど、今はそれ以上の高さ。 -
中央奥に見えるのがガス室の煙突。
-
ヘス所長が戦後絞首刑にされた場所。
多くの人たちを絞首刑にしてきたヘスもここで命を尽きる。
アウシュビッツが解放されるまで、ヘスとその家族はガス室から数百メートルの宿舎で、平穏に暮らしていました。
何万人という多くの人が苦しみもだえて命つきていくのを横目に見ながら。
そんなヘスも家庭では優しい良き父だったようです。
狂った時代の歯車の一つだったといえば、それまでだが、人間ってここまで裏腹なことができてしまうものなんだ・・・。
もしあなたがヘスの立場だったら、どうしますか?
時代にのまれ、抵抗するのを恐れ、同じ大罪をおかしていたかもしれません。
https://news.yahoo.co.jp/byline/norikospitznagel/20150817-00048550/
https://news.yahoo.co.jp/byline/norikospitznagel/20150820-00048653/ -
これがガス室。
-
薄暗いコンクリート壁に覆われた広い空間。
ここにギューギューに人が詰め込まれて殺されました。 -
チクロンBの投入口となっていた天窓。
チクロンBを投げ入れると、人がこの窓めがけて、人の山になって息絶えていったそうです。 -
ガス室の裏手にある死体を焼く焼却炉。
-
同じく焼却炉をひいて撮影したもの。
これら、死体処理するもの、毒ガスを投入するもの、それらの仕事はユダヤ人にやらせたそうです。
それらの特殊労働部隊をゾンダーコマンドといいます。
彼らはほかの収容者より待遇のいい生活をしてもらう代わりに、それらの労務に従事していたそうです。
それは少しでもドイツ人の精神的負担を減らすためだと言われています。
そして、秘密漏洩を防ぐため、ゾンダーコマンドも周期的に人を変えていったそうです。つまり、古いゾンダーコマンドたちは他のユダヤ人同様に殺されていったそうです。 -
ビルケナウに移動してきました。
この「死の門」と呼ばれる監視塔です。 -
死の門から入ってきた人たちが、生きてその門をくぐることはできませんでした。
ほとんどがここに来たら、労働できるかどうか選別され、老人・女・子ども・障がい者たちは貨車から降りたら、ガス室に直行させられるわけです。 -
これがその貨車。窓もありません。
これに何十人もの人が詰め込まれ、数日間かけてビルケナウに辿り着きました。
それまでに命尽きるものも少なくなったそうです。 -
貨車を降りからガス室までの道のりを、実際に歩いてみます。
-
広大な敷地には多くのバラック跡が。
戦後、この収容所が解放された時、燃料も食糧もない収容者たちは木造の壁などを取り壊し、極寒の冬の燃料にしたそうです。
そうやって本当に解放されるまでの数か月、暖をとっていたそうです。
ですから、煙突しか残ってないバラック跡がたくさんあります。 -
これは現存しているバラック。
労働できるものたちは、ここに収容されていました。 -
中は薄暗く、ほこりっぽい。不衛生どころではない。
人が住む場所ではないです。 -
この広大な敷地に、このようなバラック小屋が立ち並んでいました。
-
ビルケナウのガス室は証拠隠滅のために、こうして破壊されてしまっています。
-
がれきとなったガス室。
このガス室あたりは「死の門」から入って、一番奥の遠い場所に位置します。
とにかくビルケナウは歩きます。
何せ東京ドーム37個分の敷地です。
雨降りの時はレインブーツか、防水性の靴を履いた方がいいです。 -
アウシュビッツから車で20分ほど。
ある農村に住むAちゃん姉夫婦のご自宅。
ご主人のご両親と弟も一緒に同居しています。 -
Aちゃんのお姉さんが作ってくれたポーランド家庭料理。
パスタと鶏肉、そしてチーズが入っている。
美味しかったですよ。味はシンプルな塩とコショウ。 -
こちらもペンネとチーズ、そしていくつか野菜が入ってる料理。
これも美味しかったですよ。
なにせ、これらの料理すべてオーガニックですから。
この家庭で育てた野菜や鶏、チーズもオーガニックのエサを食べている牛から搾乳したもので作られていますから! -
デザートのケーキ。
-
はい!一番驚いたのは牛乳です。
常温でも全然あの臭さがないんです!
まったく匂わない牛乳なんです。
新鮮な搾りたての牛乳は匂わないって聞きましたが、これほどまで美味しい牛乳は初めてでした。 -
そんな牛乳でつくったカッテージチーズ。ふわふわです。
自家製のソーセージも、最高です! -
ご家族と記念撮影。
ほのぼのとして、殺伐としたアウシュビッツの後に心癒されました。
お父さんに「この村に独身男性でいい男がいたら、教えて。日本人女性と結婚したい人がいたら紹介して!」と激押ししておきました(笑)
本当にこんな家庭を築けたらと思う、ステキなご家族でした。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (4)
-
- mistralさん 2019/05/28 20:04:40
- 今でも思い出します。
- beckii8068さん
はじめまして。
旅行記の中で、アウシュヴィッツを訪問された
beckiiさんの旅行記を見つけました。
私も2016年、秋、中谷さんにガイドをお願いして
見学してまいりました。
収容所内で起こった事実を熱心にご説明下さった中谷さんに
ガイドをお願いして、本当に良かったと思った事でした。
一緒に見学したグループの人たちとは
なんとなく離れがたく想い、夕食をご一緒しました。
重苦しかった心のうちが、少し晴れた想いでした。
その折の体験は、まだつい昨日のようにはっきりと
思い出します。
今日bechiiさんの旅行記を拝見して再び中谷さんが仰っていたこと
思い出しました。
再び同じことを繰り返してはならない、と強く仰ってました。
mistral
- noriko norikoさん からの返信 2020/02/12 09:21:32
- Re: 今でも思い出します。
- 今までコメントに気づかず大変失礼しました。
Mistralさんも行ってらしたんですね。
アウシュヴィッツは決して浮足立つところではないけど、こんなのどかな村が悲惨な歴史を抱えているなんて・・・と思わずにいられませんでした。
でも、実際にあの場に足を運ばないとわからないことがたくさんありますね。
それを伝え続けている中谷さんは、日本人の誇りだと思います。
-
- マーさん 2019/05/28 15:56:19
- 初めまして
- マーと申します。
先日は、ウチの旅行記に いいね ! ありがとうございました。
beckii8068さんの行かれた、2週間程前にワタシも訪れました。
映像や画像で沢山のアウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所
関連見て来ましたが、やはり現場に立たないと判らない事って
ありますよね。 実際に訪ねてみて体感する事とでも云いますか
けっして観光ではありませんしね。
そして、後半 お知り合いのご家族のあたたかいおもてなし
画像からも伝わってくる感じを受けました。
また、続きを楽しみにしています。
- noriko norikoさん からの返信 2020/02/12 09:26:01
- Re: 初めまして
- マーさん、返信がこんなに遅くなって申し訳ありません。
2種間前に!そうだったんですね!!!
こういう負の遺産は、その場で見て聞いて感じるって、生涯の財産になると思いますよね。
年間、たくさんの人が世界中から見学に来て、それを体感してるわけですから、世界の平和のために想いを強くされると思います。
あのご家族のあたたかさを感じた際にも、家庭の幸せを守るためにも、ああいう悲惨なことはあってはならないって思いました。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
アウシュビッツ(ポーランド) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
アウシュビッツ(ポーランド) の人気ホテル
ポーランドで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ポーランド最安
487円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
4
54