2019/04/04 - 2019/04/04
27位(同エリア398件中)
かっちんさん
津山城の東にある旧出雲街道沿いに城東重要伝統的建造物群保存地区があります。
津山城東の町並みは、城下町の東西に貫く旧出雲街道を挟むように南北の町家が建ち並んでおり、町家は互いに壁同士を接するように、物件によっては柱や壁を共有しながら隙間なく延長1.2kmにわたり建ち並んでいます。
町家の構造は、つし二階建て(中二階)平入りで、出入り口は東側に寄せて設定されています。
外壁は、一階が下見板張り、二階が漆喰塗なまこ壁と出格子の窓を持ち、両側に袖壁を持つものが津山城下の典型的なものです。
明治以降の近代になると二階の立ちの高い本二階建ての町家が現れるようになり、これらの町家の二階の意匠は木製建具の腰高ガラス窓となり、近世以前の建築とは若干印象を異にしますが、両者が町並みに併存することで、変化のある景観を形成しています。
城東地区の町家景観で特筆されるのは、町家の表側の壁が旧出雲街道両側の側溝ぎりぎりに建てられるのが通例とされるため、自ずと一階庇の位置が隣同士で良く揃うこととなり、結果として庇が長く連続する景観を形成することです。
今日の午後は城東の町並みをゆっくり散策し、夕食は橋野食堂のホルモンうどんです。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・津山瓦版「出雲街道城東まっぷ」「河野美術館(建物)」「苅田酒造」「箕作邸」「忠兵衛鎌製作所」
・津山市観光協会「津山ご城下めぐり旅」「城東地区の街並み」
・津山市「城東地区歴史まちづくり計画」平成25年3月、「津山城東の町並」
・津山市「第2章 津山の歴史的風致及び維持向上の方針」2015.2.17
・津山市教育委員会「城東地区の沿革」「旧妹尾銀行林田支店」
・建築家と出会う SuMiKa「古民家保存再生、河野美術館」
・ad-sunlight「津山ご城下めぐり旅、コーヒースタンド福寿湯」
・RSK取材「出雲街道にお茶処(紬)オープンにあたって」
・エターナル ローズ「くくりざる」
・広島県の府中家具木工資料館「刀箪笥」
・京都通百科事典「京町家の意匠」
・デジタル岡山大百科「津山 歴史と文化の城下町、鍵曲がり」
・gallery&Cafe「さくら」
・橋野食堂HP
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
城東周辺の案内図
津山城の築城と並行して、城東地区の北寄りに社寺及び武家地が配され、町人地は南の低地側に配されました。
「城東重要伝統的建造物群保存地区」は、宮川大橋から東に向かって、橋本町、林田町(はいだちょう)、勝間田町、中之町、西新町、東新町を通る旧出雲街道沿いの町並みです。
旧出雲街道と社寺の多い上之町とは、13本もの小路で結ばれています。 -
橋本町
津山城から宮川大橋を渡り橋本町に入ると、旧出雲街道沿いに古い町並みが現れます。 -
鶴丸紋(橋本町)
菓子処「京御門」の看板に、津山を象徴する「鶴丸紋」が使われています。
津山城藩主だった森家の家紋が「鶴丸紋」です。 -
西美濃屋小路
旧出雲街道から小高い上之町に通じる最初の小路です。
「西美濃屋小路」は、美濃屋弥次郎の屋敷があったことから名付けられています。
旧出雲街道はここから林田町に入ります。 -
津山の町家(林田町)
一階に出格子と出入り口が東側に寄せてあります。
二階に漆喰塗なまこ壁と出格子の窓、両側に袖壁があります。
綺麗な建物なので再生されていますが、津山の典型的な町家構造です。 -
山本理容所(林田町)
町家ではありませんが、一階には鉄道マニアが喜ぶ写真や行先板が飾られ、二階ではミッキーの仲間が手を振っています。 -
お洒落な洋館と町家(勝間田町)
ここから勝間田町です。
河野磐さんが洋館の旧医院を改装し、平成14年にオープンした「河野美術館」があります。
町家部分は慶応3年(1867)、洋館部分は医院として大正7年(1918)に建てられ、代々住み継がれてきた建物です。
美術館の開館は土日のみで入場無料。 -
杉玉のぶら下がる「旧苅田酒造」(勝間田町)
創業は江戸時代後期の1758年。
かつて銘酒「諸白(もろはく)」の造り酒屋でした。 -
「つし二階」の町家(苅田酒造)
一階が下見板張りに出格子。
部屋の天井が低い「つし二階」(中二階)に、格子窓、なまこ壁、虫籠窓(むしこまど)が並びます。 -
イチオシ
造り酒屋の路地(苅田酒造)
妻面のなまこ壁、レンガ煙突、土蔵など、造り酒屋の建物が続く路地です。
「国信小路」と呼ばれる路地は、矢師の国信九郎左衛門宅に通じるいうことから名付けられました。 -
なまこ壁と虫籠窓(苅田酒造)
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レンガ煙突と土蔵(苅田酒造)
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木の門(苅田酒造)
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ちょんまげのような瓦(苅田酒造)
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高く伸びるレンガ煙突(苅田酒造)
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造り酒屋の建物(苅田酒造)
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江戸時代の町家(勝間田町)
築城当初はここ勝間田町までが商家の城下町でした。 -
コーヒースタンド福寿湯(勝間田町)
元々、昭和初期まであった銭湯「福寿湯」を改装してできたコーヒー屋さん。
店内には風呂屋の頃の名残りが多く残っています。 -
関貫小路
津山森藩の時代、宮川大橋西詰と翁橋東詰(城西)の二箇所に大番所が設置されました。
この大番所の近傍に関貫(木戸・自身番)を設け、往来の取締りと治安の維持にあたったので、この名がつけられました。 -
門前の生け花が素敵な お茶処「つむぎ」(中之町)
ここから中之町です。
自宅を和風カフェに改装した町家です。 -
火の見櫓の梯子(中之町)
復元された火の見櫓が、作州城東屋敷の真横に立っています。 -
作州城東屋敷(中之町)
作州城東屋敷はもともと旧出雲街道に面した町家の跡地に建ち、明治8年以降教育の場として長く親しまれた地です。
映画「男はつらいよ」シリーズの寅さんロケ地になり、昔懐かしい道具や襖絵などが展示され、観光休憩所にもなっています。 -
くくり猿(作州城東屋敷)
家の軒先にぶら下がっている「くくり猿」。
災いを防いでくれる「守り神」や願いを叶えてくれる「願い神」です。
飛騨高山の「さるぼぼ」をもとに、中之町の婦人会のお母さん方の手作りです。 -
刀だんす(作州城東屋敷)
衣装箪笥と比べるとひきだしが浅く、奥行きは30cmしかなく、横幅が長く、大小の刀を収めるのにちょうど良い寸法に作られた刀専用の箪笥です。
右下の小さなひきだしは、つばの替えや手入れ道具などを入れました。
材料の桐は、湿気の侵入を防ぐ性質があり、刀剣や美術品などの保存に適しているとして古来より重用されました。 -
格子となまこ壁が美しい町家(中之町)
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イチオシ
黒い板壁に真っ白な桜が映える「福田屋小路」(中之町)
「福田屋小路」は福田屋吉右衛門の屋敷があったことから名付けられました。 -
大きな桶の「三谷糀屋」(中之町)
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「大戸」と「くぐり戸」の残る町家(中之町)
大きな荷物を運ぶときは「大戸(おおど)」を使い、夜間や人の出入りには、大戸の内側一部に作られた「くぐり戸」が使われます。 -
大曲がり(西新町)
中之町と西新町の境に、旧出雲街道をわざと「かぎ形」に曲げた「大曲がり」があります。
これは城の防御のための策として見通しを悪くし、敵の襲撃をそぐためのものです。 -
用水桶のある町家(西新町)
隣の町家とは隙間なく接して建てられています。 -
ごんごバス(西新町)
津山市内を走るコミュニティバス「ごんごバス」です。
「ごんご」とは津山地方の方言で「河童」のこと。
東循環線は城東地区の旧出雲街道を走るので、町歩きの片道に利用すると便利。
運賃は200円。 -
gallery & Cafeさくら(西新町)
築170年の町家で、モダンなデザインに改装された落ち着いた雰囲気の店内です。 -
板戸のある町家(西新町)
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大隅小路(西新町)
この先の上之町にある大隅神社の参道であることから、この名前がつけられました。 -
イチオシ
庇が長く連続する景観(西新町)
町家の一階庇の位置が隣同士で良く揃い、庇が長く連続する景観となっています。
これは町家の表側の壁が旧出雲街道両側の側溝ぎりぎりに建てられるのが通例とされるためで、城東地区の特徴といえます。
手前は古い町家を改装した「和風創作 Gohandocoro がり」です。 -
イチオシ
漆喰の看板が独特の町家(西新町)
看板には、本家薄荷糖(はっかとう)、龍教湯(りゅうきゅうとう)、ひぜんぬり薬と書かれており、昔は薬屋だったのでしょうか。
古い町家を改装した「古布shop藍」です。 -
箕作阮甫旧宅(西新町)
幕末に活躍した洋学者「箕作阮甫(みつくりげんぽ)」の生まれ育った家です。
当時の町家がそのままの雰囲気で解体復元されています。 -
津山洋学資料館(西新町)
江戸後期から明治初期にかけて、津山藩は優れた洋学(蘭学)者を輩出しました。
西洋の内科医学を初めて紹介した宇田川玄随(うだがわげんずい)や、幕末の対米露交渉に活躍した箕作阮甫など、津山ゆかりの洋学者らの資料を展示しています。 -
イチオシ
綺麗なお庭(東新町)
犬矢来(いぬやらい)の置かれた門からの眺めは、旧梶村家住宅の庭園と座敷です。
ここから東新町です。 -
旧梶村家住宅
前面に主屋、西方に高塀・門や庭園、後方に座敷、付属屋、背面に東蔵・西蔵・茶室・裏座敷や洋館など8館を配し、「城東むかし町家」として公開されています。
正面の主屋は、江戸後期頃の平入り木造つし二階建てです。 -
大正期の洋館(旧梶村家)
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大正期の東蔵(旧梶村家)
蔵の中は展示室になっています。 -
久米土人形(東蔵)
津山市久米の里で幕末より昭和末期まて゛五代にわたり作られました。 -
大正期の座敷と庭園(旧梶村家)
では、町歩きを続けます。 -
東美濃屋小路(東新町)
美濃屋与治右衛門の屋敷があったことから、この名前が付けられました。 -
町家(東新町)
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隣と接している町家(東新町)
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奥行がよくわかる町家(東新町)
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焼杉板が黒光する町家(東新町)
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イチオシ
屋根に煙出しのある鍛冶屋(東新町)
包丁や鎌を作っている「本家忠兵衛鎌製造元」です。
昔は鍛冶屋さんが26軒あったそうで、今では2軒が続けています。
煙出しにガラスがはまっていますが、冬になると雪が舞い込んできて寒いので、ガラスをはめられたそうです。 -
早瀬豆腐店(東新町)
昭和23年に創業した豆腐店で、ここは工場から運ばれる豆腐の直営店です。
大正時代の建物を活用しています。 -
スイーツ「豆乳ソフトクリーム」(早瀬豆腐店)
豆腐の味がほのかに感じる美味しいソフトクリームです。
お昼は豆腐御膳もあります。 -
ノコギリ屋根(東新町)
昭和の初めに撚糸工場として建てられ、北向きの自然採光を取り入れる「ノコギリ屋根」の構造です。 -
荒神曲がり(東新町)
西の「大曲がり」と同じく旧出雲街道を「かぎ形」に曲げた「荒神曲がり」。
江戸時代ここに荒神社という神社があり、その名の由来になっています。 -
お寺のような銀行(川崎)
「旧妹尾銀行林田支店」は、津山市城東地区から東へ350mの所にあり、大正9年(1920)に当時の頭取 妹尾順平氏によって建てられました。
見学可能ですが、今日は時間がないので後日訪れることにします。 -
橋野食堂(川崎)
玉琳バス停近くのお店です。
創業約130年の4代続いている老舗食堂です。
すぐ隣の精肉店より仕入れる鮮度抜群の大腸、小腸、ハラミ、ハツ、センマイなど5~6種のホルモン入りのうどんが名物! -
鉄板でテキパキ作るご主人(橋野食堂)
これは「ブタうどん」。 -
「ホルモンうどん」はこれ(橋野食堂)
柔らか麺に絡む自家製味噌ダレは、1ヶ月ほど寝かせて、ニンニクやリンゴ、柚子など10数種類の食材の旨みが凝縮されています。
まさに、秘伝のたれで焼き上げた「ホルモンうどん」は絶品です。 -
真っ赤に染まる夕焼け(津山駅近く)
帰りは歩き疲れたので、「ごんごバス」に乗り津山駅近くに戻ってきました。
今日は1日、いい天気でした。 -
ジェット機が交差する夕暮れ(吉井川)
交差する前から見ていましたが、無事すれ違いました。
城東の町並みは、古い町家を残し、かつ空き家を再生して新しいお店にするなど有効活用し、生き生きした町並みでした。
明日は城西の町並みを訪れます。
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