2017/07/02 - 2017/07/02
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bunbunさん
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1984年に世界自然遺産登録されたカナディアン・ロッキー山脈自然公園群の中では、3番目の面積:1,406平方キロメートルのクートニー国立公園*)に行って来ました。今回はその形成過程と形状が特異なマーブル渓谷と、ネイティブ・アメリカンの時代から病気の治癒効果があるとして親しまれてきたラジウム温泉をご報告します。
なお、この旅行記は「カナダ サンシャイン・メドーズ ボウ滝」(https://4travel.jp/travelogue/11265529)の続きとなります。
*) この国立公園の日本語名称この他クートニィ、クーテネイ等があります。
この旅行記には花の説明が多く出てきますが、殆どは
秋山裕司著「カナディアンロッキーの高山植物」(株)クラックス・パブリッシング(2017)ISBN978-4-9903945-0-9C0045
によります。
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8:00バンフの宿泊ホテル:リムロック・リゾート・ホテル(Rimrock Resort Hotel)を出て、トランス=カナダ・ハイウェイ(Torans-Canada Highway、国道1号線)をバスで西に進みます。
途中左車窓(南)で見えたサンダンス山脈(Sundunce Range)北端の山々。 -
トランス=カナダ・ハイウェイとバンフ=ウィンダミア・ハイウェイ(Banf-Windermere Hinghway、ブリティッシュ・コロンビア州道93号線、British Columbia Highway 93)が交差するキャッスル・ジャンクション(Castle Junction)付近で見えたキャッスル・マウンテン(Castle Mountain、2,766 m)。
地質学的には、キャッスル・マウンテンの上部は、石灰岩や頁岩などの先カンブリア時代後期からカンブリア紀(10億年前~5億年前頃)の堆積岩と、変成石英岩でできています。もともと古代の浅い海に堆積したこれらの堆積物は、8,000~5,500万年前に起きたララマイド造山運動(Laramide orogeny)の間に、古生代後期から中生代(3億年~1億年前頃)の若い層の上に押し上げられてました。この若い層は、現在キャッスル・マウンテン下部の森林で覆われた、緩やかに傾斜した基盤を形成しています。*)
グーグル・アースでご覧頂けばお分かりのように、この辺の山は西海岸と平行した山と谷からできています。これはララマイド造山運動によって、褶曲や断層が起こったためですが、キャッスル・マウンテンの上部の急峻な絶壁は、これらの断層の一つであるキャッスル・マウンテン断層(Castle Mountain Fault)によるものです。
山の名前はその形状が城に似ていることから、1858年にスコットランドの地質学者兼生物学者兼外科医のジェームズ・ヘクター(James Hector、1834-1907)によって付けられました。
この後バスはバンフ=ウィンダミア・ハイウェイに移ります。
*) 詳細はhttps://4travel.jp/travelogue/11446239の付録1.を参照してください。 -
左車窓(南)に見えたストーム山(Storm Mountain、3,158 m)。この山はアルバータ州とブリティッシュ・コロンビア州の境界かつバンフ国立公園(Banff National Park)とクートニー国立公園(Kootenay National Park)の境界の大陸分水嶺に位置しています。
地質学的には、上記先キャッスル・マウンテン同様、カンブリア時代からジュラ紀にかけて浅い海に形成された堆積岩が、ララマイド造山運動の間に東のより若い岩の上に押上げられたものです。
山の名前は1884年にカナダの地質学者で測量士のジョージ・マーサー・ドーソン(George Mercer Dawson、1849 ?1901)によって付けられましたが、その理由は、彼が山の下キャンプをしていたほとんどの時間、山が嵐に覆われていたことによります。
同じ理由で彼が名付けた標高3,095 mの同名の山がバンフの南東約70 kmに有りますが、別物です。 -
左車窓(南)に見えた山々。
中央やや右の山の後方はスタンリー・ピーク(Stanley Peak、3,155 m)、そこから流れ出す氷河はスタンリー氷河(Stanley Glacier)です。今回は行きませんが、ここからスタンリー氷河に向かう約5 kmは人気のハイキングコースになっています。 -
マーブル渓谷(Marble Canyon)入口の駐車場に着きました。駐車場の西に見えた絶壁(山に見えますが、上は台地になっています。)。
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南西に延びるバンフ=ウィンダミア・ハイウェイの先に見える山はヒューイット・ピーク(Hewitt Peak、3,066 m)で、クートニー国立公園はあの山までとなります。
この山は、地質学的には上記キャッスル・マウンテンやストーム山と同様、石灰岩等の先カンブリア時代からジュラ紀にかけて浅い海で形成された堆積岩が、ララマイド造山運動の間に東のより若い岩の上に押上げられたものです。 -
駐車場の西端から見た、マーブル渓谷を流れるクートネー川*)(Kootenay River)の上流(北北西)側です。
ここから北北西に延びるマーブル渓谷のハイキングに出発です。
*) 英語では国立公園のクートニーと同じスペルですが、川の日本語は殆どこの名称が用いられます。 -
遊歩道が始まる駐車場の北東端に向かいます。
途中で見えたクートネー川と絶壁。
ここで、川の向こうの立ち枯れの木々について説明しておきます。
この立ち枯れは山火事によります。
「2003年の暑く乾燥した夏に雷が原因でこの山火事は発生し、40日間で170 km2(クートネー国立公園の12%)を焼失しました。
火はマーブル渓谷を造った水と同様に自然なものです。歴史的に、主要な火事は200年から300年ごとにこの亜高山帯の森林を燃やしています。ここの動植物はこれらの自然現象によって引き起こされた変化に依存しています。時間が経てば、この地域には山火事の前よりも多様な野生生物が生息することになります。マーブル渓谷に沿って散歩してください。水の力を体験し、火がどのように森林を再生するのかを見てください。
火はマーブル渓谷で高速道路を飛び越え、バーミリオン峠に向かって進みました。峠に組織された防衛隊は、観光客の多いボウ渓谷に火が移動するのを止めました。
パークス・カナダ*)の職員は、一般に危険なすべての火災を抑制するために積極的に行動しています。 17機のヘリコプターと120名の人々がこの火事と戦い、彼らは成功しました!誰もけがをしたわけではなく、火は封じ込められて消されたのです。
火は栄養素をリサイクルし、植物が繁殖するのを助け、様々な動物の生息地を提供する景観のなかに、モザイク状の植物群落を作り出します。」
-遊歩道入り口にあった説明板の文章の和訳-
*) Parks Canada. 国立公園等、カナダの自然・文化遺産を管理する国の組織です。 -
駐車場の北東端にあった、この駐車場を起点とする様々なトレッキングコースの説明板の地図。
丁度いいので、この地図を使ってこの付近の地勢を説明します。
上が北です。
右上から左下に走る黒の実線は、バンフ=ウィンダミア・ハイウェイ(ブリティッシュ・コロンビア州道93号線)です。このハイウェイの南側をハイウェイに沿って現在地まで流れる川はバーミリオン川(Vermilion river)です。現在地から北北西に延びる谷を流れる川はトクム・クリーク(Tokumm Creek)、その先左上に続く谷はプロスペクターズ渓谷(Prospector’s Valley)です。プロスペクターズ渓谷からトクム・クリーク、現在地付近で南西に曲がって流れる川はクートネー川です。現在地からクートネー川に沿った約700 mがマーブル渓谷となります。 -
駐車場から遊歩道に入りました。
この川はバーミリオン川で、駐車場のある位置でバンフ=ウィンダミア・ハイウェイと駐車場をトンネルで横切り、バンフ=ウィンダミア・ハイウェイの北を流れて、この先でクートネー川に合流します。 -
1つ上の写真の反対側にあったマーブル渓谷の説明板です。
上の鳥観図はマーブル渓谷とハイキングコース、下はこの付近が海底にあった頃の地図です。4トラさんの写真では分かりにくいかも知れませんので、前者の拡大版を右に付けました。川の両側は遊歩道です。
「マーブル渓谷のお話
14,000年前から現在までの渓谷の形成をたどってみましょう。
マーブルキャニオンへようこそ。このセルフ・ガイディング・トレイル*)に沿っての往復ウォーキングには約30分かかります。**)
ロッキー山脈が高く押し上げられる前の5億年以上の間、浅い熱帯の海がこの地域を覆っていました。この時期に堆積した炭酸塩堆積物は、今日私たちが峡谷とその周辺で見る石灰岩と苦灰岩***)になりました。****)」
-説明文の和訳-
*) self-guiding trail 案内板や解説板などが常設されていて、訪れる人々が周辺の自然の成り立ちや変遷について容易に理解ができるようになっているトレイル。
**) 片道約 700 mです。
***) 石灰岩と苦灰岩の化学式はそれぞれCaCO3、CaMg(CO3)2でどちらも炭酸塩です。
****) 年代については上記私の説明と多少のずれがありますが、ここでは説明文の年代をそのまま記載しています。 -
マーブル渓谷が形成される過程の説明板。
「滝は14,000年前にここにありました。*)
山は巨大な圧縮力によって形成されます。古代の海からの平らな堆積物はくしゃくしゃにされ、そして山を形成するために上と東に押し出されました。
頑丈な岩は折り曲げられますが、ある時点を過ぎると、それは裂けるでしょう。その過程で、裂け目の両側が互いにずれて、断層と呼ばれる状態が生じることがあります。時々、マーブル渓谷の石灰岩のように岩石は割れますが、ずれないで一連の接合部を残します。ここでは、そのような接合部が露出され、トクム・クリークによって侵食されています。」
-説明板の文章の和訳-
*) 上のかまぼこのような図形の右端です。時代が新しくなるにつれてこの位置は左に移動していきます。 -
クートネー川東側の遊歩道を上流に向かいます。
北北西(写真右側)から流れてきたクートネー川はこの位置で南西に方向を変えます。
その南西下流方向です。
川が薄いミルキーブルーなのは、氷河によって削られてできた、石灰岩等の微粒子が縣濁しているためと思われます。
詳細はhttps://4travel.jp/travelogue/11230654の付録3.をご覧ください。 -
途中で見えた絶壁とクートネー川。
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最初の橋を東から西に渡ります。
橋の上から見た前方上流(北)側の風景。
谷が深くなってきました。 -
マーブル渓谷形成過程の説明板です。
「滝は11,000年前にここにありました。*)
ロッキー山脈で最も印象的な風景のいくつかは氷によって造り出されました。 1 km以上もの氷が、かつてあなたが今立っている場所を覆っていました。
2つの氷河の出会いが、峡谷形成に適した条件を作りました。
プロスペクターズ渓谷を削り出した氷河は、バーミリオン渓谷(Vermilion Valley)の氷河よりも小さいものでした。前者はそれほど深く渓谷を削らず、バーミリオン渓谷の底からずっと高い所に谷を残しました。
氷河がプロスペクターズ渓谷を後退したとき、融けた水が激流となって解放されました。このとき石灰岩の割れ目は自然な流路を提供しました。水は渓谷を流れ落ち、その縁を越えてバーミリオン川に流れ落ちました。」
-説明板の文章の和訳-
*) 上のかまぼこのような図形の右端です。時代が新しくなるにつれてこの位置は左に移動していきます。 -
橋を渡りました。
上流側(北)の風景。 -
下流側(南)の風景。
クートネー川はここで蛇行します。
遠くに見える山はバーミリオン・ピーク(Vermilion Peak、3,962 m)です。 -
橋を渡りクートネー川西側の遊歩道を上流方向に北上して、途中クートネー川の上に飛び出した展望台から見た上流(北)側。
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橋を渡りクートネー川西側の遊歩道を上流方向に北上して、途中クートネー川の上に飛び出した展望台から見た上流(北)側。
-
さらにクートネー川西側の遊歩道を上流方向に北上して次の橋に来ました。
橋を西から東に渡ります。
橋の上から見た下流側。 -
橋を東に渡り、クートネー川東側の遊歩道を上流方向に進みます。
遊歩道脇にあった花。
アルパイン・アーニカ(Alpine Arnica)。
キク科
ウサギギク属 -
遊歩道脇にあった花。
シュラッビー・シンクフォイル(Shrubby Cinquefoil)
バラ科
キジムシロ属 -
遊歩道脇にあった花。
スカーレット・インディアン・ペイントブラシ(Scarlet Indian paintbrush, Scarlet Paintbrush, Painted Cup, Prairie Fire)
ゴマノハクサ科
カスティレア属 -
次の橋に来ました。
橋の上から見た下流側。 -
橋の上から見た上流側。
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1つ上の写真の下側。
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橋は渡らず、クートネー川東側の遊歩道を上流方向に進みます。
遊歩道脇にあった花。
プリックリー・ローズ(Prickly Rose、オオタカネバラ、ワイルド・ローズ)
バラ科
バラ属
アルバータ州の州花です。
ハマナスに似てますが、別種です。 -
遊歩道脇ににいたリス。
キンイロジリス(golden-mantled ground squirrel)
学名:Callospermophilus lateralis
哺乳綱ネズミ目
リス科
警戒心が強く、高い草の向こう等を見る必要があるときに、前足の掌を胸につけ後足でこのように立って見張りをします。危険を仲間に知らせる時には鳥のさえずりや口笛のような甲高い声を出して鳴きます。
サンシャイン・メドーズ(https://4travel.jp/travelogue/11265529 )にいたコロンビア・ジリスと同じジリスの仲間です。 -
次の橋にきました。
橋を東から西に渡ります。
橋の上から見た下流側。 -
1つ上の写真の下側。
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橋の上から見た上流側。
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橋を西に渡り、クートネー川西側の遊歩道を上流方向に進みます。
遊歩道脇にあった花。
アルパイン・ミルクベッチ(Alpine Milkvetch)
学名:Astragalus alpinus
マメ科
ゲンゲ属 -
次の橋にきました。
橋を西から東に渡ります。
橋の上から見た上流側。 -
1つ上の写真の下側。
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1つ上の写真のさらに下側。
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橋の上から見た下流側。
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橋を東に渡り、川の東側遊歩道を通って次の橋の横まできました。
2段になった滝の上側の落差の小さい滝です。 -
さらに北に移動して滝の上流です
ここはもう峡谷にはなっていません。
遊歩道はここまでです。
ここで引き返します。 -
下流側。
2段になった下側の落差の大きい滝の上部です。 -
橋を東から西に渡ります。
橋の上から見た上流側の落差の小さい滝とその上流。 -
橋の上から見た落差の大きい滝の滝壺。
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橋を西に渡って西側の遊歩道にやって来ました。
渡った橋の下を通して見た2段の滝。 -
少し下流(南)側に下がって見た橋と2段の滝。
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脇にあった、次に説明する、崩落した岩。
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説明板
「浸食は時を越えて続く
小石を含んで滝を流れ落ちる水は、落下点の岩盤を破砕し、大きな滝壺を作ります。その結果、上の岩は下の空洞に崩落するでしょう。それは峡谷の歴史の中で何回も起こり、これからも再び何回も起こるでしょう。
これらは風景が形成された過程は、これからもあなたの目の前で続きます。」
-説明文の和訳(英語は文学的表現ですので、分かり易いようかなり意訳してます。)- -
クートネー川西側の遊歩道を下流方向に進みます。
遊歩道脇にあった花。
コモン・ラブラドール・ティー(Common Labrador Tea)
学名:Ledum groenlandicum
ツツジ科
イソツツジ属 -
クートネー川西側の遊歩道をさらに下流方向へ進みます。
遊歩道脇にあった花。
バンチベリー(Bunchberry、ゴゼンタチバナ)
学名:Cornus canadensis
ミズキ科
ゴゼンタチバナ属 -
クートネー川西側の遊歩道をさらに下流方向へ進みます。
遊歩道脇にあった花。
アルパイン・ミルクベッチ(Alpine Milkvetch)
学名:Astragalus alpinus
マメ科
ゲンゲ属 -
クートネー川西側の遊歩道をさらに下流方向へ進みます。
遊歩道脇にあった岩。
頁岩(shale)
堆積岩の一種で、堆積面に沿った劈開性(薄く層状に割れやすい性質)を持ちます。
この頁岩の割れ目(劈開面ではありません)に溜まったガスがシェールガスです。 -
クートネー川西側の遊歩道をさらに下流方向へ進みます。
遊歩道脇にあった花。
ブラックティップド*)・グランセル(Black-tipped Groundsel)
学名:Senesio lugens
キク科
サワギク属
*) 英語をそのまま発音するとブラックティップトゥになりますが、和名はこれで通っているようです。 -
森と絶壁
この森の木は背が低いので、山火事の後に再生したものでしょう。 -
森の中の頁岩
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橋を東から西に渡ります。
橋の上から見たクートネー川の下流側。 -
1つ上の写真の下方。
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橋の上から見たクートネー川の上流側。
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1つ上の写真の下方。
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橋の東端から見たクートネー川の下流(南)側。
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橋の東端から見たクートネー川の上流側。
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橋を東に渡り、クートネー川東側の遊歩道を南下して、次の橋にやってきました。
橋の上から見たクートネー川の上流側。 -
1つ上の写真の下方。
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橋の上から見たクートネー川の下流側。
後方の山はバーミリオン・ピークです。 -
1つ上の写真のやや下方。
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1つ上の写真の下方。
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橋は渡らずに、クートネー川東側の遊歩道を南下して、次の橋にやってきました。
橋の上を少しずつ東から西に移動しながら写真を撮っていきます。
クートネー川の上流側。 -
クートネー川の上流側。
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クートネー川の下流側。
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1つ上の写真の下方。
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橋を西に渡り、クートネー川西側の遊歩道を南下して、途中クートネー川の上に飛び出した展望台から見た上流(北)側。
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クートネー川西側の遊歩道をさらに下流方向へ南下して次の橋にやってきました。
この橋を西から東に渡る途中で見た、クートネー川の下流側。
川はここで蛇行しています。 -
橋から見た上流側。
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橋を東に渡り、クートネー川東側の遊歩道をさらに南下します。
遊歩道脇にあった花。
イエロー・ヘディサラム
学名:hedysarum sulphurescens
マメ科
イワオウギ属 -
駐車場近くまで戻ってきました。
南西に曲がったクートネー川の下流方向。 -
マーブル渓谷の駐車場を出て、バンフ=ウィンダミア・ハイウェイを南下します。
中央の山はマーブル渓谷の駐車場からも見えたヒューイット・ピーク、手前の川はクートネー川です。 -
右(西)側車窓の風景。
中央に見える岩山はフロー・ピーク(Floe Peak)、手前の川はクートネー川です。 -
右(西)側車窓の風景。
中央やや右の山はホワイト・テール山(Mt. White Tail)、その左の尖った山は、ホワイト・テールSE1(White Tail SE1)の東の峰です。 -
右(西)側車窓の風景。
中央やや左の山はホワイト・テール山、右の岩山はベレンドライ山(Mt. Verendrye)です。 -
右(西)側車窓の風景。
右の岩山はシスターNW2(Syster NW2)、中央はシスター・ピーク(Shyster Peak)の東端、左はクルック山(Mt. Crook)の東端です。 -
バンフ=ウィンダミア・ハイウェイ(ブリティッシュ・コロンビア州道93号線)とブリティッシュ・コロンビア州道95号線、British Columbia Highway 95)の合流地点にある、ラジウム温泉(Radium Hot Springs)に着きました。
この温泉施設には2つの大きなプールがあり、1つは浸かるための39°Cのお湯が、もう1つは「プランジプール(Plunge Pool)」と呼ばれるオリンピックプールの3分の2の大きさで29°Cの温水が入っています。前者は浸かるだけですが、後者は泳ぐこともできます。水源はプールの下から流れ込む44℃の小川です。
ラジウムという名前が付いたのは、温泉に放射性のラジウムが含まれているからですが、他にラジウムがα崩壊してできたラドンが含まれています。ラドンもα崩壊しますが、これは放射線の一種であるα線(陽子2個、中性子2個からなるHe原子核)を放射して最終的には安定な鉛になります。放射線の被曝限界は国際放射線防護委員会(International Commission of Radiological Protection; ICRP)によって定められており、一般人の場合自然界以外からの放射線量は1 mSv/y(ミリシーベルト/年)です。ラジウム温泉での被爆量は30分の入浴で水からが1.3 μSv(1 μSvは1 mSvの1/1000です。)、周辺環境からの分も含めて7 μSvですから全く問題ありません。
伝承によると、先住民は関節炎の痛みを和らげるため、あるいは戦闘中に受けた傷害を治癒するためにラジウム温泉を浴びていました。1880年代になると、入植者のジョン・マッケイ(John McKay)がコロンビア川沿いの住宅を建てましたが、彼の土地にははたまたまラジウム温泉が含まれていました。
1890年に、ローランド・スチュアート(Roland Stuart)と呼ばれる紳士が、温泉を囲む160エーカー土地を1ドル/エーカーで購入しました。彼は温泉の経済的可能性を初めて認めましたが、最初は入浴ではなくボトル入り飲料水の販売から報酬を得ることを期待していました。1911年に、イギリスの医学雑誌が水中にラジウムがあるかもしれないと示唆しました。 1913年のマギル大学(McGill Univesity)による研究は、これが本当であることを示しました。スチュアートは、彼のわずかに放射性を有する湧き水が、イギリスのバース(Bath)の有名な泉よりもっと治療力を持っているかもしれないことに気づきました。彼は開発のための十分なお金を用意できれば、さらに多くの経済的可能性が出てくると予想しました。その問題は、少なくとも一時的に、億万長者のSt ジョン・ハームワース(St John Harmsworth)によって解決されました。ハームズワースはラジウム温泉に最初に来たとき首から下が麻痺しており、毎日数時間湯に浸って過ごしました。明らかに、治療の4ヶ月後、彼は足を動かすことができました。彼は謝礼の意味でスチュアートへ2万ドルを寄付しました。そして、スチュアートは第一次世界大戦の始め、イングランドに向かう前にコンクリートのプールと丸太風呂の家を建設しました。
1920年に連邦政府と州政府の間の交渉が終了し、クートニー州立公園(Kootenay Dominion Park)の設立が発表されたときには、スチュアートはまだ戻っていませんでした。 スチュアートの代理人であるアール・スコヴィル(Earle Scovil)は、スチュアートと連絡を取ることができず、政府に温泉の適正利用を促しました。政府は、バンフ - ウィンダミアロードが完成する1年前の1922年、その要求に応じました。スチュアートは結局彼の160ドル(=1ドル/エーカー×160エーカー)の投資に対して約4万ドルを受け取りましたが、その時でさえ、他の者は50万ドルの価値を泉に置いていました。
その後数年の間に、プールは少し変更され、より行き届いた浴場施設が造られましたが、それらは1948年の冬の間に全焼し、現在の石造りの建物に置き換えられました。温度の低いプールを含む新しい施設は、1951年に正式にオープンしました。源泉の入り口は、温度の高いプールのコンクリートの下に隠され、大衆の目からは見えない状態となりました。
1967-1968年の冬の間に行われた大改装では、古いプールの撤去とすべての温水源収集システムの設置が行われました。最近、大規模な改装によって、入り口のロビーと更衣室が一新され、訪問者が期待する全てを提供できる近代的な施設となりました。現在、ロビーでは食べ物や土産物の購入が可能です。また、歴史的なスパサービスを復元し、利用者にさまざまな待遇オプションを提供する新しい4000平方フィートのデイスパもあります。 -
受付です。
ここでロッカーのキーを借りて水着に着替え、プールに行きます。 -
受付に向かう途中の窓から見えた温度の低い(29°C)プール。
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反対側の窓から見えた温度の高い(39°C)プール。
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原住民がこの温泉を利用していたの様子を描いた絵。
この後、温度の高い(39°C)プールへ行きましたが、カメラを持ち込めなかったので写真はありません。 -
プールから出て周辺をお散歩です。
遊泳禁止の温度の高い(39°C)プール。 -
源泉の小川がプールの下に流れ込んでいます。
-
遊泳ができる温度の低い(29°C)プール。
-
オックスアイ・デイジー(Oxeye Daisy)
学名:Leucanthemum vulgare
キク科
キク族 -
オックスアイ・デイジー
-
シュラッビー・シンクフォイル
マーブル渓谷にもありましたね。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 森の番人さん 2019/05/06 03:53:20
- Radium Hot Springs
- bunbunさん、こんにちは。
いつも、ありがとうございます。
随分昔、Radium Hot Springsの近くのキャンプ場でキャンプした時に、Radium Hot Springsにも行きましたが、Radium Hot Springs、崖の合間の秘境温泉という感じで良いですよね!
バンフの方からRadium Hot Springsまでのハイウェイも絶景ですしね。
今年はヨーホーへ行こうかと思って計画を立てている最中なんですが、Radium Hot Springsにも寄ろうかどうか、ちょうど迷っていたところでした。(笑)
森の番人
- bunbunさん からの返信 2019/05/06 21:51:09
- RE: Radium Hot Springs
- 森の番人さん、こんばんは。
ご訪問、いつも私の拙い旅行記に投票ありがとうございます。
森の番人さんにとってアメリカ大陸なんかご自宅の敷地みたいなものですよね。いつも羨ましく旅行記を拝読しております。私なんかカナダに行きたいと思ったのが40年程前、具体的な計画を立てたの30年程前、実際に行けたのが一昨年ですから、大変です。カナダはいい国ですよね。その気になればいつでも回れるとは羨ましい限りです。私はそう度々いけませんので、森の番人さんの旅行記で行った気分にさせて頂きます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
bunbun
-
- 黒田(温泉)さん 2019/05/03 23:38:27
- 凄いですね!
- 凄いワイルドな旅をされましたね!
カナダの温泉なんて夢の又夢です!
尊敬します!
- bunbunさん からの返信 2019/05/04 22:56:33
- RE: 凄いですね!
- 黒田(温泉)さん、こんばんは。
またのご訪問、いつも私の拙い旅行記に投票ありがとうございます。
カナディアンロッキーは1990年に、レンタカーで回る綿密な計画を立てましたが、すごい人気で航空券が取れず、断念しました。その後は仕事が忙しくてなかなか行けなかったのですが、定年退職して毎日が日曜日になったので、めいっぱい回ろうと10日間のツアーに参加しました。ラジウム温泉は最初知らなかったんですが、ツアーに含まれていたので行った次第です。温泉と言っても日本の温泉とは全く違って、温度が低めの設定ですので、美しい自然の岩や森に囲まれたプールで、リラックスしたり、泳いだりすることがメインです。あまりに広い浴槽(プール)でしたので、気持ちよく泳いでいましたら、遊泳禁止の看板が立っていて慌てて止めました。泳げるのは別のプールでした。
距離的にはバンフから140 km程で、ハイウェイを1時間半も走れば行けますので、その気になればだれでも簡単に行けると思います。「尊敬」なんてとんでもございません。
それよりは黒田(温泉)さんの「温泉ウォーキング」には圧倒されます。日本の温泉で行ってない所はないんじゃないですか。まさに尊敬です。
bunbun
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