2019/03/10 - 2019/03/10
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mirilinさん
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みなと横浜自慢の3つの塔をご存知ですか?
威風堂々とした「神奈川県庁の塔」、そのそばにある白くて柔らかいフォルムが美しい「横浜税関の塔」そして、その二つの塔を見守るように建つ「横浜市開港記念会館の塔」。
かつてこの3つの塔は、横浜港に向かう船からよく見えたそうで、船乗りたちからも「キング」、「クィーン」、「ジャック」と呼ばれ親しまれていたそうです。今は大きなビルなどに視界が遮られ、海から3つの塔を一緒に見るのは至難の業。それでも、その愛称と共に今も横浜市民に愛されています。
いつの頃からか、横浜市がこの3つの塔を大切な観光資源とするようになり、ついには3月10日は「横濱三塔の日」(3と10だから)として、いろんなイベントが開催されるようになりました。
今年は、ジャックの塔に登る企画があったり、クィーンと呼ばれる横浜税関も、これまで一般公開されなかった6階の屋上に上ることができたり、創建当時の状態に復元された3階の保存室も見られたりと盛りだくさん。
3塔を愛する横浜市民としても、歴史的建造物好きとしても、たまらない企画に、カメラぶら下げ意気揚々と出かけたのは言うまでもありません。
先着300名に限定されていたジャックの塔に登ってから、人数制限なしのクイーンへと向かいました。
ジャックの塔の様子はこちら https://4travel.jp/travelogue/11468608
※横浜税関(クィーン)の特別公開はこれに先立ち1月26日にも開催されました。もちろんその時にも行ったので写真は2日間のものが混在してます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 徒歩
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ジャックの塔(横浜開港記念会館)から海に向かって1~2分歩き海岸通りを渡ればクイーンの塔がある横浜税関庁舎に到着です。
この税関庁舎は、国会議事堂を設計した大蔵省営繕財務局の技師・吉武東里の設計によるもので、平成13年(2001年)に横浜市認定歴史建造物に認定されています。
こちらは車寄せのある正面玄関です。 -
美しい造形美を見せる正面玄関はロマネスク風。
特に半円形のアーチは、ロマネスク様式の基本要素で、庁舎の主要なモチーフとなっており、あちらこちらで見ることができます。 -
今日は締まっていましたが、アーチを潜った先にある正面玄関の扉のデザインも素敵です。
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正面玄関右側の柱にある表札です。
庁舎新築当時の大蔵大臣「高橋是清」の直筆と伝えられています。
関東大震災(大正12年)で税関庁舎が倒壊。その後、財政窮乏の続いた時代、時の大蔵大臣高橋是清の「失業者救済のため土木事業を起こすべき…」との発言を受けて失業者救済を兼ねて建設されたのが、現在の税関庁舎だそうです。
昭和9年の竣工です。 -
ちなみに左側には、英語の表札がありますが、その後ろになにか昔貼り付けられていたような縦型の跡があるのがわかるでしょうか?
戦後、米軍に接収されて表札が掛け替えられた後だそうです。
戦争の爪痕がまだ見られるのです。 -
こちらは海側正面です。
ベージュ色の建物にイスラム寺院風の緑のドームをいただく、優雅で威厳のある外観は、海から見ると、ドレスを広げたクィーンのように見えるかもしれませんね。 -
正面玄関にあるライトです。かつてはガス灯だったそうですが、もちろん今は電灯です。
細かいところまで細工が美しく施されています。 -
窓まわりにある飾り柱も、ローマ風。港の税関らしくロープのモチーフにも思えます。
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さて、いよいよ庁舎内です。
庁舎内には東側のみなと大通り側にあるこの入口から入ります。こちらの入口もしっかりアーチですね!
麻薬探知犬をモデルとした税関イメージキャラクター「カスタム君」がいつもお迎えしてくれています。
1階の展示室はいつでも無料で見ることができます。建物の歴史から麻薬がどのように密輸されるかなど、なかなか興味深い展示内容なので、お勧めです。 -
今日は6階の屋上と3階の保存室がメインなので、1階の展示コーナーは素通りして、エレベーターで7階の展望台へ。
7階のエレベーターホールから下を見下ろしたら、中庭にあるホールの丸屋根が見えました。で、その屋根の中心は・・・パスポートの表紙についている菊の紋のように見えるのですが・・・ -
こちらは通常も解放されている7階の展望台。大桟橋に係留されている豪華客船も良く見えます。
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イチオシ
この展望台からもクイーンの塔は間近に見られます。
そして、右奥にはキング(神奈川県庁)の塔も。
御夫婦の2ショットを見られます。 -
そして展望台から階段を下りて、6階の屋上へ行きます。本邦初公開、職員も滅多に上がれないそうです。
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屋上からは赤レンガ倉庫も全貌がよく見えます。
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現在の横浜のシンボルの一つである帆船型のインターコンチネンタルホテルや観覧車も見えます。
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イチオシ
ベイブリッジと大桟橋の豪華客船も一望のもと。税関屋上の棟飾り越しに見る港の風景…この一枚は大好きな一枚です。
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イチオシ
ふと上を見上げると、塔の横を1羽のかもめが悠々と飛んでいました。
これまたお気に入りの一枚です。
(^-^ ) ニコッ -
塔の中を通って反対側の屋上にも行くことができます。
間近で見上げる塔は本当に立派です。
実は、当初は神奈川県庁本館(キング)の塔より2メートル低い47メートルで設計されていた為、当時の税関長・金子隆三に「国の機関である税関が県庁より低いとはなにごとか!」と一喝され、5階建ての一部を4階に削って、浮いた予算で青銅のドームを作り、塔の高さが51メートルに改められたという逸話も残っています。
ちょっとしたプライドからこの優雅なフォルムができたかと思うと、面白いですね。 -
反対側の屋上からは象の鼻公園の広場が見えます。
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客船の後ろのニョロニョロと横に伸びた細い埠頭が、2009年の開港150周年に再建された「象の鼻」。
象の鼻に似た形の埠頭ですが、実はここが「横濱港」の発祥の地です。
1859(安政6)年頃、開港にあたり、現在象の鼻パークがある場所に、2本の突堤が造られ、横浜で最初の波止場になったそうで、明治には東側の突堤が弓なりに延び、その形が「象の鼻」に似ていることから、「象の鼻地区」と呼ばれるようになったそうです。
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先程から写っていた客船は何かな?とアップにしてみたら、我が国が誇る最大の客船「飛鳥Ⅱ」ではないですか!大きいですね~
(1月26日の特別公開時の写真です) -
平成2年に皇太子殿下がここからこの景色をご覧になったそうで、こんな記念のプレートが屋上にありました。
当時は象の鼻公園も大桟橋も整備されてなかったので、美しくなった横浜港を是非また見に来て頂きたいですね。
天皇になると無理かしら?
当時は、29年後に天皇に即位するとは思いも及ばなかったことでしょうね。 -
建物の壁全体を覆っているのは優しい色合いのサンドベージュの磁器のタイルです。
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外壁の上部には、パルメット(棕櫚/シュロ)とハニーサックル(忍冬/スイカズラ)をかたどった波型の棟飾りがあります。棟飾りは大小あわせて461個。下から眺めた時に同じ大きさに見えるよう、この6階テラスのものはやや大きいそうです。手のひらを広げたような扇状のパルメットは、ギリシャ時代の神殿装飾にも残っているそうですが、この建物を優美に見せているポイントの一つです。
外装の修復が終わり、こうして公開に至ったのですが、よく見ると、修復部分との色が随分違いますね。 -
隣のJAビルのガラス窓にも、その優雅な姿がくっきりと映し出されていました。
やっぱりクィーンですから、常に鏡で身だしなみをチェックしているってわけですね(笑)
(#^.^#) エヘッ -
さて、エレベーターで3階に降りて、特別公開の部屋を見ていきたいと思います。
まずは、「旧貴賓室」です。現在、会議や記者会見などが行われる場所だそうです。 -
照明は蛍光灯にはなっていますが、それ以外の作りは昔のままだそうです。
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ここの床は、絨毯の回りをぐるりとフローリングが囲んでいます。
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ドアにも細かな意匠が施された銀の金属飾りがあります。
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とても細かな彫金が施されていますね。
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壁には、「天正遣欧少年使節」がベニスに入港した際の大きな絵が飾られています。
この絵は、戦前には新港4号岸壁階上の船客待合室に掲げられていましたが、戦後、この庁舎がGHQから返還された際に、ここに移されたものだそうです。 -
その絵の額の左上部には、世界地図が付いていました。
今の時代でもヨーロッパは遠くて「ピジネスクラスで行きた~い」と、必死でマイル貯めてる私なのに、当時の少年たちは達は立派でしたね~ -
旧貴賓室の天井にはこんな飾りもあります。
中央には十字架のようなクロスがありますが、これは羅針盤を表わしているとのこと。港の税関ですもんね。 -
梁にも銀のプレートがあります。なんとここには菊の文様がついています。
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旧貴賓室の隣は「旧総務部長室」で、創建当時は貴賓室の次室として使われていたそうです。
「次室」になると照明はぐっとシンプルになりますね(笑) -
何気なく置かれている衝立ですが、布地の部分には、獅子、鳳凰、麒麟などが細かく織られているます。
木枠部分の中心には菊の御紋もありました。 -
壁には、こんな梁型埋込み装飾があります。
金属製に見えますが、石膏の上に銀色の塗装が塗り重ねられたものだそうです。 -
そして「旧総務部長室」の隣の部屋は「旧税関長応接室」。創建当時は「税関長付属室」として使われていたそうです。
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柱型、巾木、化粧縁などは創建当時のままだそうで、柱の角を絶妙な加減で丸みを持たせているあたり、当時の職人の技が伺えます。
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「寄木張り」のフローリングが床を囲んでいます。
ローズ、チーク、サクラ、ブナ、ナラなどの堅木を組み合わせてデザインされていますが、昭和9年の創建時のデザインを、昭和52年にそのまま復元されたものです。 -
先ほどの「旧総務部長室」に比べれば少し豪華になったでしょうか?
でもまだ、貴賓室に比べると随分地味な照明です。 -
そして、一番奥の部屋が「旧税関長室」
急に人がいっぱいですね。 -
この「旧税関長室」は、昭和20年からの8年間、GHQに横浜税関庁舎が総本部として接収されていた時には、マッカーサー元帥の執務室だったとのこと。
そうそう、旗が2本たっていますが、右側の旗は、日の丸の白地の部分が青と白に斜めに分かれている「税関旗」なんです。この青は、昔は海を、最近では空港も税関の管轄となったため海と空の青を意味しているそうです。 -
「旧税関長室」の窓からは、キング(神奈川県庁)の全景が見えます。
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この部屋にはいろいろな展示品もあります。
税関長の礼服も飾られていましたが、同じく飾られている歴代の税関長の写真には、この礼服を着ている人がたくさんいました。 -
まるで宝塚の衣装のようなゴージャスさですね。
菊花紋に準ずる国章である五三桐花がたくさん付いていました。 -
立派な勲章も並んでいます。
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この部屋の窓際に置かれたこの机は、なんとあのマッカーサーがここで執務を行っていた時代からあるものだそうです。
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階数表示もレトロ感いっぱいです。
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いかにも日本の「お役所」といった感じの飾り気の無い階段(笑)
重厚な感じはするものの、冷たさを感じませんか? -
でも、床はカッコいいのです。市松模様の石の床に、凝ったモザイク。このモザイクは、まず真鍮の枠を敷き、その間に石をはめ込んでいるそうです。
羅針盤を思わせるクロス(十字)の意匠は、さまざまな場所に配されています。
さきほど見てきた部屋の中にもクロスモチーフのものがいくつもありましたよね。 -
ほら、天井にもその象徴的なクロスのデザインを取り入れたライトがあります。なかなかのこだわりですね。
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あ!この日は麻薬探知犬のデモンストレーションもありました。
横浜には空港はないので、彼らは主に港や郵便局で活躍しているそうです。 -
会場から参加者を募り、一人だけ麻薬の匂いをつけた付けたスーツケースを持って立っていると、クンクン匂いをかぎながら歩いていた探知犬君は、見事にその人の前でお座りしました。
写真はまるで飼い主と愛犬みたいですが、犯人確保の瞬間です。
あまりに素晴らしいので、相方が「あの犯人役は仕込みに違いない」と呟いていました(笑) -
クイーン の美しさは、昼だけではありません。
このライトアップされた姿を、船の汽笛を聞きながら眺めれば、みなと横浜感は満点。
横浜自慢の夜景にも一役買っているであろう、このムーディーな姿のクイーンをご紹介して、クイーン編は終わりとします。
ライトアップはいつでもやってるので、横浜にお越しの際は是非見てくださいね~
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