冬のレッサーパンダ紀行【10】 神戸市立王子動物園　王子に来てくれて本当にありがとう・・・ミンファちゃん王子での最後の週末

2019/02/16 - 2019/02/17

２月６日、神戸市立王子動物園から、２月２０日にミンファちゃんが彼女の所属園である鯖江市西山動物園に帰郷するとのリリースが発せられました。

これはミンファちゃんの来園当初から約束されていた帰郷であり、ファンとしては覚悟していた移動ではありますが、それでも、ミンファちゃんが王子にいてくれた５年間が素晴らしいものだった事もあり正直ちょっとしたショックではありました。
動物園の世界にはブリーディングローン（BL）と言う制度があり、各園館で繁殖のための個体の貸出しが行われていますが、若年世代でのBLではなく、所属園での繁殖を経験した後のある程度年齢を重ねてからのBLとしては、ミンファちゃんの王子へのBLはここ１０年で最大級のヒットだったと思います・・・これに匹敵するのは栃さんの旭山動物園へのBLくらいでしょうか。

ミンファちゃんの王子での５年間の活躍は、単に３匹の子供を産んだ事だけにとどまらず、キーパーさん、ファンも巻き込んで王子レッサーを取り巻く環境を激変させました・・・もちろんいい方向に。
さすが・・・としか言いようのない活躍をしてくれたミンファちゃんへの感謝を込めて、彼女が王子ですごす最後の週末に訪問しました。

ありがとう、ミンファちゃん。
素晴らしい５年間を頂きました。

これまでのレッサーパンダ旅行記はこちらからどうぞ→http://4travel.jp/travelogue/10652280

エリア 御影・灘(兵庫)

ついに来てしまったこの週末・・・今週末はミンファちゃんが王子にいてくれる最後の週末です。
この土日はそれぞれは短い時間とはなりますが王子動物園を訪問しミンファちゃんに感謝の気持ちを伝えたいと思います。

王子動物園の入園料は大人６００円、明日も来るので年パスを買おうかと思ったのですが３０００円の価格にちょっと尻込み・・・地方の園なら２回の来園くらいで元が取れる園も多いですが、都会の園はやはり高いですね。

入園し動物と子供の国エリアのレッサーパンダ舎に向かいます。

現在、この動物と子供の国エリアのレッサーパンダ舎にはミンファちゃんと一昨年生まれの双子のジャズ君＆メロディちゃんが暮らしています。

そして、性成熟を迎えたジャスメロ兄妹の寝室分けのために部屋数か足りなくなったこともありガイア君はミンファちゃんの移動を待たずカバ舎横の別宅に移動しています。

５年間の王子滞在中に２度の出産で３匹の子供を育て大いに王子レッサーを盛り上げてくれたミンファちゃん・・・２月２０日に所属園である鯖江市西山動物園に帰郷します。

２月６日の帰郷の発表以来、ミンファちゃんメインの展示シフトになっており、基本的にミンファちゃんは午前中メイン放飼場、午後はサブ放飼場で終日展示となっていました。

「見返りミンファ」の個体札を見れるのももうあと数日です。

ミンファちゃん。

市川市動植物園で生まれ、鯖江市西山動物園で５匹の子供を育てて名実ともに鯖江のエースだったミンファちゃん。
８歳にして王子にブリーディングローンで移動するとの発表があった日は本当に驚いたものです。

あれから5年・・・。

来園当初は「なぜミンファちゃんがここに・・・」と言う違和感もありましたが、いつの間にかここに居てくれるのが当たり前に思う様になっていました。

今回の帰郷は”はじめから約束された帰郷”なのに寂しくて仕方ないです。

当初は運動能力が高すぎて展示出来ず、
”ミンファ返し”と脱走防止のための400万円の壁の設置、
王子25年ぶりのレッサーの誕生、
関西の動物園ファンの心をぎゅっと掴んだティアラちゃんへの子育て、
そして、双子を出産、
キーパーさんも巻き込んで名物になったジャズ・メロ兄妹への子育て、
そして、１３歳を越えてガイア君が初めて味わった我が子との同居・・・。

ミンファちゃんのいた５年間のなんと濃密だったこと。
市川と鯖江でアイドルを張ったエースパンダの実力をここ王子でもまざまざと見せつけてくれました。

そして、午前中のサブ放飼場は愛娘メロディちゃん。

午後はメロディちゃんがバックヤードに収容され、ミンファちゃんがサブに移動、そして、ジャズ君がメインに出て来ることになります。

２月１４日からジャズ君と別居展示になったメロディちゃん。

同い年の兄妹の場合、１歳半を迎える年明けと同時に分ける園が多いなか２月中旬まで引っ張ったのはちょっと怖い気がしないでもないのです。

あくまでも一般論ですが、兄妹で間違いがあった場合、過去の事例から言っても、生まれた子も、園も、ファンも不幸な思いをすることになります。
兄妹分けの時期は各園の判断だけではなく、日動水のレッサーパンダ部会（そう言う名かどうかは知りませんが）で指針を設けてはどうかと思います・・・既にあるかもしれませんが。

メイン放飼場の右端からキーパー通路を眺めるミンファちゃん。

伝説の美パンダと超イケメンパンダの間に生まれたミンファちゃん。

今更ながらですが本当に美しい子。
日本の動物園動物の中でもここまで分かりやすい美しさを持つ子は滅多にいないと思うくらい美しいです。

コアラ舎の出口付近にミンファちゃんへの寄せ書きがありました。

この寄せ書きはミンファちゃんと一緒に鯖江に届けられるそうです。

カバ舎横のガイア君の別宅も訪問しました。

前妻のルナちゃん（現、富士サファリパーク）とは子宝に恵まれなかったガイア君ですが、ミンファちゃんと出会い１１歳で初めてパパになりました。

第１子のティアラちゃんとは同居の機会がなかったようですが、第２子、３子のジャズメロ兄妹とは同居もこなしました。
子供との同居が彼にとってどのような位置づけだったかは分かりません、ひょっとしたらただの有難迷惑だった可能性もあります、ですが、長年彼を応援して来たファンにとってはジャズメロ兄妹との同居は待望のシーンでした。

次、放飼場に戻った時はミンファちゃんはもういないんだよ・・・、

人情としては、出来れば最後くらいはミンファちゃんと同居させてあげたかったですが、それも彼にしてみれば有難迷惑な気持ちかもしれませんね。

ガイア君の別宅から本宅に他の子に会いながら戻りました。

宮崎からミドリちゃんが妊活で来園中で現在３頭体制のアジアゾウ舎。
手前からミドリちゃん、マック君、そして、一番奥に丸っこいお腹見えますかね？
ズゼさんです。

円形猛獣舎を代表していよいよ繁殖のステージに入るアムールヒョウのセイラちゃん。

安佐から来たアニュイ君はセイラちゃんと交替で１３時３０分からの展示とのこと。
１２月２０日にモスクワ動物園から来日したユキヒョウの男の子にも残念ながら会えませんでした。

レッサーパンダ舎に戻るとミンファちゃんが精力的に歩き回っていました。

モートから放飼場へ斜面を登るミンファちゃん・・・匍匐前進っぽく見える。

おそらくもうすぐ交替とリンゴの時間だと思うのですが、用事があり今日はここで切り上げます。

ミンファちゃん、また明日ね。

再び王子動物園。

結局、昨日年パスを買わなかったので今日も６００円を払って入園です。

レッサーパンダ舎の布陣は昨日同様。

午前中の今は手前のサブ放飼場にメロディちゃん、奥のメイン放飼場のミンファちゃんは木の上でお昼寝中でした。

なんせミンファちゃんとガイア君の子供ですから・・・可愛くならない訳がないメロディちゃんなのです。

かつ、どことなくおもしぃ雰囲気も合わせ持つ子なのです。

運動能力の高いミンファちゃんの脱走防止のために設置された柵・・・彼女の脱走防止にはなんと４００万円の費用が掛けられたそうです。

この破格の対応に３匹の仔パンダ誕生で応えたミンファちゃん・・・凄すぎです。

生まれ故郷の市川市動植物園、所属園の鯖江市西山動物園で数々の逸話を作り、ここ王子でも様々な逸話を作ったミンファちゃん

やはり彼女はスーパーヒロインですよね。

神戸の動物園らしい風景とミンファちゃん競演を撮る事が出来ました。

ミンファちゃんの得意技の枝運びも披露頂きました。

この技は多くの彼女の子供達にも伝承されていますね。

アスレチックの上に運び込んで食べる竹の葉はまた格別なのです。

そろそろ放飼場換えとリンゴタイムの時間ですね、ミンファちゃんも期待の眼差しです。

１３時前にキーパーさんが通路から園路に登場。

今日はミンファちゃんへの特別給餌があるようです。

メロディちゃんがバックヤードに収容され、ミンファちゃんがメイン放飼場からサブ放飼場に移動してきました。

そして、キーパーさんもサブ放飼場にやってきました。

メイン放飼場にはジャズ君が出て来ています。

「なんでママだけ！！」ｂｙジャズ君

美味しい香りのするバットを見上げるミンファちゃん。

さあ、５年間の感謝の気持ちが込められたおやつだよ・・・召し上がれ。

ブドウから食べるミンファちゃん。
レッサーの大好物はリンゴですが、ブドウは更にその上をいきますね。

羨ましそうにウロウロするジャズ君。

真ん中のレッサーは遠目ではパイナップルに見え「へ～、食べるのかな？」と眺めていたのですが、アップで見るとどうやら蒸かしたサツマイモのようですね。

ニンジン以外はきっちり食べたミンファちゃん（苦笑）

そう言えば西山にいた頃もニンジンは残した派でしたね、ミンファちゃんは。

「ニンジン以外おかわりください」ｂｙミンファちゃん

この掛け合いが王子で見られなくなるのは本当に寂しいです。

ミンファちゃんとキーパーさん、そして、ファンで作り上げたこの雰囲気と言うか空気感はこれからもずっと継承して欲しいですね。

ミンファちゃんへの給餌の後は、甘えた君なジャズ君への抱っこ給餌。

キーパーさんの作業着のレッサーアップリケが嬉しいですね。

ジャズ君・・・ママと過ごした素晴らしい日々はきっと君の将来の大きな糧となるよ。

ママからもらった愛情を将来のお嫁さん、そして、もし同居する機会があれば君の子供達に与えてあげてくださいね。

ミンファちゃん。

王子に来てくれて本当にありがとう・・・素晴らしい５年間をプレゼントしてくれました。
西山に会いにいくね。

この旅行記へのコメント （2）

• yayoさん 2019/02/19 10:21:10

  はじめまして。

  先日、王子動物園に行った時に初めてミンファちゃんを見たんですが、もうすぐ帰郷してしまうんですね。残念です。
  ところで、私は静岡在住（生まれも育ちも静岡）ですが、jillucaさんの旅行記を見て初めてレッサーパンダがたくさん県内にいることを知りました。特に静岡訪問の際の旅行記はとても興味深く拝見させていただいております。最寄りの動物園は日本平動物園になりますが、シロクマが有名なのは知っていましたが、レッサーパンダも全国からファンが訪れるくらい有名なんですね！日本平動物園は子供の時に行って以来一度もないので、また行ってみたくなりました。
  今年もぜひたくさん静岡にいらして下さい。
  また旅行記も楽しみにしております。

  jilllucaさん からの返信 2019/02/20 00:14:13

  RE: はじめまして。

  yayoさん
  
  こんばんは、はじめまして。
  ミンファちゃんは今日（2月20日）に鯖江に帰ちゃいます（涙）
  当初からミンファちゃんが鯖江に戻るのは決定事項ではあったのですが、王子での活躍があまりにも素晴らしく・・・関西人としてはやっぱり寂しいです。
  
  静岡県はいまやレッサーパンダ飼育園数日本一の県ですもんね。
  最寄が日本平ってのは羨ましい限りです・・・日本平は日本のレッサーパンダの繁殖や移動の計画を統べる園なんですよ。
  ホッキョクグマのロッシー君とバニラちゃんの人気には叶わないかもしれませんが、レッサーの人気もなかなかのものです（笑）
  今なら昨年生まれの双子のおチビにも会えますので、機会があればぜひ訪問してみてくださいね。
  僕も今年何度か伺わせて頂く予定です。
  
  jillluca
  
  > 先日、王子動物園に行った時に初めてミンファちゃんを見たんですが、もうすぐ帰郷してしまうんですね。残念です。
  > ところで、私は静岡在住（生まれも育ちも静岡）ですが、jillucaさんの旅行記を見て初めてレッサーパンダがたくさん県内にいることを知りました。特に静岡訪問の際の旅行記はとても興味深く拝見させていただいております。最寄りの動物園は日本平動物園になりますが、シロクマが有名なのは知っていましたが、レッサーパンダも全国からファンが訪れるくらい有名なんですね！日本平動物園は子供の時に行って以来一度もないので、また行ってみたくなりました。
  > 今年もぜひたくさん静岡にいらして下さい。
  > また旅行記も楽しみにしております。