2019/01/24 - 2019/02/07
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Vagabondeさん
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寒くても、天気があまり良くなくても、冬ならではの楽しみがポーランドにはあることを知りました。欧州大陸の真ん中に位置し、他国からの侵略につねにさらされ何度か「国」を失うという激動の歴史を経てきたポーランドをじっくりと味わえるのは、もしかしたら冬かもしれません。
2019年1月末から2週間、ワルシャワ→クラクフ→オシフィエンチム(アウシュヴィッツ博物館・ビルケナウ)→ヴロツワフ→ワルシャワ→グダンスク→ワルシャワと回ってきました。第二次世界大戦でほとんどの街が瓦礫になってしまったポーランドでは、近代以前の遺跡よりも、戦後にあらたに築かれてきた歴史を肌身で感じることができます。
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成田からLOTポーランド航空で11時間、直行便でワルシャワに14:25に到着。翌日に鉄道でクラクフに移動するため、中央駅近くのホテル・ポローニアに宿泊しました。ホテルからは(ソ連支配の社会主義政権時代の遺物として悪名高い)文化科学宮殿とショッピングセンター、オフィスビルが見えました。
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翌朝目覚めると雪景色。晴れていれば歩いて5分の駅まで、降りしきるボタン雪の中を雪靴をはいてトランクを引いて恐る恐る歩いていったら20分かかりました。今回の旅の反省その1。重い荷物は何かと足枷になるし、必要なものは全てポーランドで調達できるので、できるだけ身軽で行くべし、です。トランクなんていらなかった。少し大きめのリュックを背負うので十分でした。
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今回はワルシャワ、クラクフ、ヴロツワフ、グダンスクを回りましたが、都市間は鉄道利用を基本にしました。チケットはポーランド鉄道のホームページから買ったり、駅で買ったり。夏場のハイシーズンやワルシャワ→クラクフ、グダンスクなどの路線はネットで買っておいた方がいいかもしれません。特にワルシャワ→クラクフ、ワルシャワ→グダンスク間のICインターシティは冬場でも満席でした。
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クラクフは第二次大戦時にナチスドイツが市の中心部にあるヴァヴェル城に司令本部を置いたこともあり、14-15世紀からの街並みがそのまま残っています。ヴィスワ川のほとりにそびえる城とヴァヴェル大聖堂はこの町のシンボル。
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冬季は曇天が多いのですが、たまに陽射しが射し込むとヴィスワ川沿いのヴァヴェル城が美しく浮かび上がります。この城では歴代の王が戴冠式を行っていました。
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1月27日の国際ホロコースト記念日にかけてクラクフで行われた会議の後、しばらく同地に滞在しました。クラクフの見所は旧市街とヴァヴェル城周辺。旧市街はまがりくねった小道にライブハウスやカフェバーが並んでいて、観光客で賑わっています。旧市街にはこんな道を通って入ります。一周ぐるぐると探索しても1時間あれば回れます
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クラクフの旧市街は冬季も大勢の観光客で賑わっています。クリスマスから新年にかけてイリュミネーションが美しい
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クラクフだけでなく、ポーランドの市内移動は圧倒的にバスやトラムが便利です。都市によって多少のばらつきはありますが、平均して3ズウォチ=90円くらいのチケットで20分乗れて乗り換え自由です。あちこち移動する予定なら、13-15ズウォチで一日券を購入するのもあり。チケットは車内でも買える、と言われましたが、全都市で購入できたのは10回乗って3回くらい。少し大きな停留所の券売機で購入する方が安全です。ただし、クレジットカードは私は使えず、コインしか受け付けてくれませんでした。
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カジミエシュ地区の中心は1553年につくられたレーム・シナゴーグ。ユダヤ教のこと、その掟や冠婚葬祭、ユダヤ教徒がめざす生き方などが紹介されている展示が思いのほか興味深かったです。
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クラクフ市内で戦時にユダヤ人が強制的に住まわされゲットーとなったカジミェシュ地区は、戦後長く放置され荒れていたそうですが、この10年でお洒落なレストランやカフェ、ギャラリーが次々とオープンして新たに生まれ変わっています。
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カジミェシュ地区のかわいいカフェレストランです。
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アウシュビッツは訪れるべき歴史遺産です。教科書で習った「戦争」「差別」「絶滅収容所」を実際に自分の目で見て、空気に触れて、考えることは、現代を生きる人に課せられた使命かもしれません。クラクフからはバスが出ています。大型バスの本数は少ないけれど、オシフィエンチム(アウシュビッツのポーランド名)までのバスが3分おきに出ています。往復で1人24ズウォチ=720円。往きのバスでもらったチケットにクラクフまで帰る時刻表が書いてあるので、降りた停留所にその時刻にいればバスがきます。片道1時間半。
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アウシュヴィッツ博物館からはバス移動になりますが、3km離れたビルケナウの収容所跡の広大さには胸が塞がれます。窓もトイレもない貨物列車に乗せられてきた人々は、8割以上がこの線路の終点にあるガス室に送り込まれました。
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ドイツやチェコの国境とも近いシロンスク(シレジア)地方にも行ってみたかったので、ヴロツワフに行くことにしました。クラクフからICで3時間弱。金融と鉱業で栄えた人口62万ほどの中都市です。
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オドラ川の砂州に作られた街は、旧市街をぐるりと水に囲まれています。旧市街から橋を渡ったところに洗礼者聖ヨハネ教会(2つの塔が立っている方)がそびえています。4-10月の夏季期間は塔に登れるそうです。
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ヴロツワフは観光の呼び物として妖精の小さな像を市内に200体も置いています。探して歩くのも楽しいかもしれません。
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市内のあちこちにギャラリーがあります。路地をめぐってユニークなギャラリーを見つけるのもお楽しみの一つです。
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旧市街の市庁舎を囲む広場は街と観光の中心。まずはここから街歩きに出発
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ヴロツワフからは飛行機でワルシャワに戻りました。飛行機だと50分。
ワルシャワ市街地はドイツ軍の空爆により瓦礫の山となり、その後に残っていた写真や設計図をもとに建て直されているので歴史遺産が多いわけではありません。旧市街も大勢の観光客で賑わっていますが、新しさは否めません -
むしろワルシャワで見るべきなのは、戦争が残した傷跡です。1994年8月1日、ポーランド国軍がわずかな武器でナチス・ドイツ軍に起こしたワルシャワ蜂起を記念したモニュメントがこちら。少年や女性などもふくめた市民たちも、火炎瓶やドイツ軍から奪った武器で戦ったそうです。ソ連の赤軍が約束していた応援をよこさず、連合国側の助けもなく、蜂起は10月はじめに敗北しました。
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敗北後のぼろぼろになった国軍や市民たちの像もすぐそばにあります。それでもわずかな武器と、訓練もされていない市民たちが2ヶ月もナチス・ドイツに食い下がったことはポーランドの人たちの誇りになっている、とのこと。
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そこからほど近いところにワルシャワのゲットーがあった地区があります。1943年4~5月にかけて、ユダヤ人のレジスタンスたちが「このまま殺されていくよりは何かしなくては」と絶望の中から立ち上がって起こしたワルシャワ・ゲットー蜂起は、無残な敗北に終わり、最後にナチスドイツがシナゴーグを爆破して完全に破壊しました。戦後、ゲットーの中心であったところにモニュメントが建てられました。傍らにあるポーランド・ユダヤ人博物館は、9世紀から現代に至るまでのポーランドにおけるユダヤ人の歴史と文化を紹介する博物館です。半日かけてみましたが、まだ時間が足りないと思ったほど深く重い内容でした。館内にはカフェテリアがあり、おいしいポーランド料理が安価で食べられます
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ゲットー蜂起を主導したまだ20代だったユダヤ人レジスタンスのうち、モルデハイ・アニエレヴィッツたち一派は、蜂起が失敗したことがはっきりしたときに銃を互いに向けあって自殺しました。瓦礫を集めた彼らの墓が記念碑の近くにあります
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ポーランド・ユダヤ博物館の3分の1はホロコーストと反ユダヤ主義について割かれていますが、3分の2はその豊かな文化や伝統の紹介にさかれています。とは言っても、破壊されつくしたために残っているものがあまりにも少なく、このシナゴーグのレプリカも若い人たちが創作したものだとか
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ワルシャワの国立オペラ劇場で「椿姫」を鑑賞。オペラ劇場つきのバレエ団には日本人が7人もいて、うちプリンシパルが2人。すばらしい踊りを満喫しました。チケットはネットで購入。
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ワルシャワからグダンスクまでのICはプレミアム・トレインで、新幹線並みの設備が備わった快適な車内でした。無料で暖かい紅茶やコーヒーのサービスもあり、USBやコンセントもふんだんにあってあっと言う間の2時間半でした
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グダンスクでは運河沿いの散歩は必須です。たまたま晴れていて、気持ちよく散歩が楽しめました
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旧市街にある市場も訪ねたい。何種類ものりんごが1キロ90円くらいで売られていました。そのほかにも肉やさかなも新鮮で多様。ポーランドの食文化の豊かさがうかがえます
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グダンスクでぜひ訪れたいと思っていた連帯ヨーロッパセンター。2014年にオープンした博物館の入り口には、「ヨーロッパはここから始まる」というプレートが掲げられています。1970年12月グダンスクの造船所でストライキが弾圧されて死者が出た暗黒の木曜日事件から、1980年7月グダンスクのレーニン造船所のストライキに端を発した連帯の活動、ソ連の崩壊と中東欧諸国の民主化、ベルリンの壁崩壊、その後の連帯活動まで、内容の濃い展示です。
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聖母マリア教会周辺は観光客が大勢訪れるグダンスクの中心地区です。
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第二次世界大戦博物館の展示内容も濃くて興味深い。日本についても紹介されています
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ポーランドはロシア、ドイツ、イタリア、フランス、ユダヤ、とたくさんの文化が交わっているところなので、料理も多彩です。特に肉はすべての部位を余すことなく食べ尽くしている感あり、ソーセージは種類も多くて食べ飽きませんでした
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ピエロギは餃子ですが、中身の具はいろいろ。チーズや甘いクリームが入ったものもあります。焼き餃子と水餃子の両方があるので、お好みで。
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ポーランドはスイーツもおいしい。ほどよい甘さが辛党も惹きつけます。とくにアップルパイは最高!
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プレツキというジャガイモのパンケーキも名物。甘いものだけでなく、塩味もいけます。写真に撮り忘れましたが、パンの種類も豊富でどれも美味しい。
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グダンスクでは魚を食べました。ニシンがとくに美味
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