2019/01/01 - 2019/01/01
111位(同エリア1377件中)
tadさん
昨年は私にも家内にもいろいろあって、賀状も廃止しているが、帰宅してきた息子が赤間神宮と日清講和紀念館に行こうというので、元旦の昼前に訪問した。参拝する境内以外はそれほど混雑していない。もっぱら歴史の話が中心となる場所だ。最後の壇ノ浦の源平合戦(1185年)、安徳天皇、七盛塚などを見て、武家政治の時代が始まる起点の場所となったことを確認する関門海峡だ。
関門海峡が境内から見下ろせるが、このあたり一帯は、高杉晋作らが、4か国連合艦隊と戦い(1864年)、さらに幕府とも第二次長州戦争(1866年)で戦った場所でもある。長かった武士の時代がやっと終わるきっかけのひとつとなった場所でもある。奇兵隊のような平民が参加した軍が、萩にいる保守的な武士達を、わずかな人数で打ち破り、さらに、10数万人の幕府側の時代遅れの軍とも戦い、10分の1以下の平民の混じった軍で破った。勿論、高杉晋作や大村益次郎のような才能がいたことも大きいし、ムニエ銃のような近代式武器がグラバー、龍馬、薩摩などのルートでまとめて入手できたことも決定的な理由だ。
赤間神宮の隣には、春帆楼(本店)がある。伊藤博文がフグの公認となるきっかけをつくった場所だ。玄関の前には別の建物があるが、ここに、日清講和紀念館がある。その横には日清講和条約(1895年)の会議で中心となった伊藤博文と陸奥宗光の像が並んでいる。記念館は元旦も無料で開館していた。私は何度も案内などで訪問しているが、息子は久しぶりだったようで、その方面のプロらしいコメントを発していた。伊藤博文や李鴻章などが使用した浜離宮から送られた椅子がそのまま展示されているが、今とは、プロトコールが異なっていたようだ。
伊藤博文が明治時代の日本の近代化促進のために長年尽力したことは、近年の研究でますますはっきりしている。伊藤之雄氏や瀧井一博氏などの学術的著作を通じて、それまでの浅薄な小説やジャーナリストの著作にとって代わる説明が今は登場している。これらの著作を集中して読んできた私としては、それまでの幕末から明治維新の適当な小説類などが振りまいた、いい加減な話には乗らなくなった。大河ドラマなどに登場する英雄とやらが、それにふさわしい活躍をしたのかどうか、疑わしい例が多いのも、問題だ。個人的に好きな人物を盛り上げる話が中心にできるのは、小説家の特権であろうし、そういうものに群がる行動を抑えるのは簡単ではない。
大久保や木戸や伊藤は大きな視野を持っていったのに、西郷は国際状況の判断が甘かった。西郷は「廃藩置県」賛成以後は仕事をしていないように見える。死に場所を探し、若い同志を巻き込んだ人物にしか今は見えない。他藩にくらべ、武士を大量につくった薩摩は特に失業した武士の扱いに苦慮したのだが、西郷は彼らを道連れにしたというような説を聞いたことがあるが、そういう面もあったのかもしれない。(家内の先祖にも、西郷に巻き込まれて、城山に西郷の墓の斜め後ろに墓がある人物がいる。)
長州も失業した武士はやはり苦労したし、反乱も起こした。長年の特権階級の権利を謳歌したのだから、文句はいえない。私の先祖も権利喪失した一人だ。それぞれが頑張るしかなかった。この武士階級の特権を取り除いた明治維新の先導者達、あるいは暗殺の恐怖を乗り越えて引き続きその努力をした人達こそ、最高の英雄だろう。反乱軍のほうが英雄だというのは私にはありえない。
(2020年12月30日修正)
- 旅行の満足度
- 4.0
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赤間神宮
赤間神宮 寺・神社・教会
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
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赤間神宮
平家の七盛塚 -
平家の七盛塚の名前がある。
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平家の七盛塚
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平家の七盛塚の横
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栃木県日光の奥の湯西川温泉にある赤間神宮の分社からの奉納。
あちらも平家落人伝説がある。訪問したことがある。 -
耳なし芳一の像
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耳なし芳一の像
小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンが伝えた「耳なし芳一」
のお陰で伝説は残った。 -
赤間神宮
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赤間神宮と春帆楼の間にある安徳天皇の墓地
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奥に安徳天皇の御陵がある。
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Mausoleum of Emperor Antoku
安徳天皇 阿彌陀寺陵 -
安徳天皇 阿彌陀寺陵
(普段はこの扉は閉じている)
ここは、撮影していいのかどうか迷った。もしかしたら正月のような時だけ
開いているのかもしれない。皇居は、正月に一般参賀があるが、それと同様に
考えて、撮影し、公開させていただいた。長年下関に住んでいながら、開いて
いるところを初めて参拝した。 -
安徳天皇の陵から、そのまま横に移動すると、細い通路から、直接、春帆楼の敷地に入れる。
伊藤博文と陸奥宗光の像の背後から敷地内に入る。右手は春帆楼。 -
伊藤博文と陸奥宗光の像
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一月七日の撮影。イギリスの友人夫婦を案内した時撮影。
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伊藤博文と陸奥宗光の像の説明。
伊藤と陸奥は長年、明治憲法発布にむけて協力しながら準備を進めてきた。ウィーン大学のシュタイン博士のもとで先に伊藤が学び、続いて伊藤は陸奥をウィーンに送り込んだ。この両者については、次の口コミにも触れている。
https://4travel.jp/dm_shisetsu_tips/13112104
伊藤が最も頼りにした人物は別に薩長などは関係ない。(むしろ、同郷であっても仕事のできない連中には手厳しいのだ。)朝鮮総督府時代にも、もっとも伊藤が信頼した側近は福島出身だ。お手軽な小説家やジャーナリストや郷土作家などのいい加減な説が氾濫しているのは、相変わらずだ。NHKまでそういう仲間だから手が付けられない。。 -
以下の日清講和記念館は1月7日の写真も混ぜる。
1895年に春帆楼で日清講和条約を調印した。 -
日清講和記念館の入り口には4か国の翻訳説明があり親切。ここには何度も来ているが、中国、台湾、韓国からの訪問者も多い。パンフレットもそれらの言語が揃っている。
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日清講和記念館
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復元された講和会議の部屋。内部の椅子などは当時の本物。椅子類は浜離宮から下賜されたもの。
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一番左の大きい椅子が伊藤博文用。反対側の大きい椅子は李鴻章用。
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椅子の名前を見ていくと、当時のプロトコールは今とは異なるようだ。
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館内には、日清講和条約の原文のコピーなどが展示されている。伊藤博文や李鴻章の本物の書や掛け軸もある。これらは以前も紹介しているので、省略。
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春帆楼
春帆楼本店 宿・ホテル
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春帆楼
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春帆楼入口 元旦の日に撮影。
内部の見物はできない。宴会や宿泊の利用者のみだ。私は二度ほど、
宴会で利用したことがあるが、内部には貴重資料が多く展示してある。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 横浜臨海公園さん 2019/01/12 11:30:07
- 伊藤博文公
- tadさま、今年も宜敷くお願い申します。
旅行記を拝見させて頂きました。
伊藤公が事実と異なる記録が上程されたのは、韓国初代統監だった事で、当時の一部朝鮮人から恨まれ、更に戦後のサヨク万能思想に依る北朝鮮、中国、ソ連絶対主義に基づく歴史改竄が要因だったと考えております。
実際には伊藤公は日本への朝鮮併合に反対で、山県有朋を主軸とする併合賛成派と対立していたにも拘らず、一昔前までの歴史教科書には、あたかも伊藤公が朝鮮併合賛成筆頭の如き記述が、事実の如くまかり通っていたのが現実でした。
更に、日本人の悪い習性として、現実より情緒に弱く、薩摩では大久保利通の方が業務上に於ける現実推進派だったにも拘らず、西郷隆盛の人情論の方が優位なのは、現在の鹿児島県に於ける大久保西郷の人気を観れば一目瞭然です。
更に、明治期に於ける薩摩人脈文官では、小生、伊藤公配下の三島通庸の功績度はズバ抜けていると考えておりますが、現実には現代でも三島の評価は呆れるほど低く、兎に角、我が国では出来る人物への評価は宜しく無く、凡庸が良いというのは嘆かわしい限りです。
横浜臨海公園
- tadさん からの返信 2019/01/12 16:52:20
- Re: 伊藤博文公
- こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
明治時代の研究は近年著しく進展していますね。先月、国際日本文化研究センターで、国際研究集会「世界史のなかの明治/世界史にとっての明治」が開催され、伊藤博文の著書等で知られる瀧井一博氏が中心になり活発な集会だったようです。伊藤之雄氏なども講演されたようです。ちゃんとした学術的な検討がなされた歴史的な見解が広まってほしいものです。
いただいたコメント、反論はなく、同意見というべきです。知らなかったのは、三島通庸氏という方ですが、少し調べた限りですが、難しい山形や福島の県令を見事にこなした方のようですね。伊藤博文の配下であるとのことですが、いい仕事をしたようですね。伊藤は、韓国の統監となってからも、もっとも、韓国の立場を尊重した指導者であったにもかかわらず、理解されませんでした。韓国をあれほど大事に扱おうとした日本人はこれからも出ないでしょうね。
山県有朋は、最近読んだのですが、伊藤之雄氏の著作では、もう少し評価してあげたほうがいい点もあるようですが、伊藤のもつ国際性はなかったようですね。山県の問題は、西郷隆盛にシンパシーをもったところだと思われます。桂太郎もそうですが、私は軍人系は苦手ですね。
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