石巻から東京へ。

2016/10/23 - 2016/10/23

2016年10月、石巻から、まだ浜吉田～相馬間と小高～竜田間が不通だった常磐線を、代行バスも乗り継ぎながら東京へ向かったお話。

エリア 福島

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

　石巻の街で一夜を明かし、朝早くに街の南の小高い山に登ってみる。

　橋を架けたり堤防を築いたりの工事の真っ最中。

　山のてっぺんには神社の境内が。

　ここは３・１１のときに周辺住民が避難し、津波が街を襲う衝撃的な映像が撮影された場所ですね。
　海岸の方では土地の嵩上げが行われているようですが、山に近いところでは真新しい集合住宅が建っています。復興住宅とかいうもののようです。

日和山公園 公園・植物園

　浜側に降りてみる。大きな本堂を持つ寺に近づくと、墓石や仏像が大量に横積みにされていますよ。
　本堂も被害を受けた当時のままなのか、一階部分がシートで覆われたままになっています。復旧するにも金が掛かるだろうけど、こんな状況じゃ檀家からの寄付集めもままならないだろうからねぇ。

　旧北上川沿いの道に出ると、『津波到達高』の表示や、建屋が流されて基礎だけ残り放置されたままの土地が。

　宿で朝食を済ませ、駅に向かう。

　駐車場の敷地に設けられたプレハブな復興商店街。５年くらいじゃ生活が元通りになんてならないんだな。
　商業施設だったと思われる建物に入っている石巻市役所の壁面には、石ノ森なイラスト。

　石巻の駅にも津波が来た様で。

　石巻からは仙石東北ラインとやらを走る快速列車なハイブリッド気動車に乗車して旅を再開しますよ。


https://youtu.be/T2slK_yjaeg


　交流電化区間と直流電化区間に渡り線を新設して、そこに投入するのがハイブリッド気動車っていうのが凄いな。

石巻駅 駅

　さて、旅の次の目的地は東京。本当なら２４日の朝までに着いていれば良いんだけど、今回利用した切符は「鉄道の日」記念な『秋の乗り放題パス』（７７１０円で３日間有効）。ただ、有効期限が１０月２３日までなので、この日のうちに東京に着いていなければなりません。
　ここで、仙台～東京駅間を東北本線で普通列車を乗り継いでいくのは過去に何回も乗ったから、たまには違うルートを通ってみたいなぁ、なんて思ってみましたよ。
　そこで、市販の時刻表だけでは分からない運転時刻をネットで調べたりなんかして、いろいろと乗り継いでみることに。

（　´・ω・）b まず乗ってみたのはこの浜吉田行きの電車。


https://youtu.be/_lYHkaEpF-M

仙台駅 (JR) 駅

　終点浜吉田で下車。東日本大震災で線路が流されたりした常磐線は、徐々に復旧して仙台からはとりあえずここまで繋がってますよ。

　ホーム上の駅名標、不通区間側の隣接駅名がシールで隠されてるのが切ないねぇ。
　列車は駅舎側のホームで折り返し。線路を挟んだ向こう側のホームへの跨線橋は立入禁止にされてますよ。

　駅前を軽くぶらついてみたけど、なんてことの無い集落。長居してもしょうがないので、折り返しの列車に乗って浜吉田を脱出。


https://youtu.be/qoF0C7Obf7k

　亘理で列車を降りてみる。駅舎に隣接して天守閣みたいのが建ってるけど・・・もう有名かな。町の図書館や郷土資料館なんかが入ってる施設だって。

亘理駅 駅

　ここで降りたのは不通区間を走る代行バスに乗るため。代行バスにも各駅停車と快速がある様なので、各駅停車に乗ってみる。


????????????????-
ＪＲ東日本 仙台・水戸支社からのお知らせ
常磐線 相馬駅～浜吉田駅間の試運転を開始します

　東日本大震災により運転見合わせとなっていました常磐線相馬駅～浜吉田駅間については、２０１６年１２月１０日の運転再開に向けて復旧工事を進め、完成いたしました。それにより、１１月５日から１２月９日までの間、実際の車両による試運転を実施します。大変危険ですので線路内への立ち入りは、絶対行わないようお願いします。また、山下駅・坂元駅・新地駅・駒ヶ嶺駅の駅構内やホームにも、立ち入らないでください。
　試運転開始にあわせ、踏切も１１月５日から使用開始となりますので、踏切通行時は一旦停止による安全確認を厳守願います。
　また、線路上の高電圧線には２万ボルトの高圧電流が流れておりますので、絶対近づかないでください。
????????????????-


　お、もうすぐ運転再開しますか。このタイミングで代行バスに乗ることになったのはタイミングが良かったのか悪かったのか。鉄道が運転再開したら、この辺りでバスに乗ったり道路からの車窓を眺める事なんてまず無いだろうから、貴重な経験が出来てるんだろうな。
　なんてことを思いつつ、とりあえずバスでも前面展望を撮ってみる。


https://youtu.be/jBFgq8VI8ww

　しばらくして進行左側を見ると、だだっ広い田んぼの真ん中のようなところを貫く真新しい高架橋が見えてきましたよ。これが復旧する新しい線路なのかしら。

　某サイトの記事にあった地図を見ると、運転再開区間のほとんどが新しいルート。今の時代は基本的に踏切の新設が認められないから、田んぼの真ん中だろうと既に道路があるところに新しく線路を引こうとすると、高架なり跨線橋なり立体交差にしなきゃならないのよね。
（　´－д－） 金が掛かってしょうが無いベな。ずっと単線だけど、そもそも儲かってる路線なのかね。

　代行バスの終点相馬駅前で下車。

　相馬駅からはすぐに列車に乗り継ぎますよ。


https://youtu.be/a3_RaiAbyio

相馬駅 駅

　終点の小高では、３本線路があるうち中央のホームの無い待避線で折り返し。ホームが無くては仕方が無いので、駅舎側の線路上に仮設のホームを設置しているのね。

　一応駅前に出てみたけど、特に見るべき物は無く。長居しても仕方が無いので、折り返しの列車で小高を脱出。


https://youtu.be/lKNSRVGTvoI

小高駅 駅

　相馬まで戻ってみたけど、相馬で有名なものといえば・・・相馬野馬追？今は時期じゃないしなぁ。なんて思いながら、とりあえず相馬中村神社なんて所へ行ってみる。


????????????????-
保存修理工事中のため
本殿での参拝は出来ません
????????????????-

（　´－３－） むぅ。

相馬中村神社 寺・神社・教会

　頃合いをみて、相馬から列車に乗り原ノ町で下車。原ノ町の駅舎も工事中。

　原ノ町からはまた代行バスに乗りますよ。
　バスが発車すると、天井からディスプレイが現れて、地図と共に、『現地点における車内の空間線量率 ０．０５?Ｓｖ／ｈ』『原ノ町駅～竜田駅間をこのバスで１回移動したときの外部被曝線量の計算値 ０．０００２７ｍＳｖ』なんて（；´・д・）ドキッ！とするような普段の生活ではなかなか目にすることの無い表示が。

原ノ町駅 駅

　いつの間にか気を失っていて、気がつくとバスは唯一の途中停車駅な小高駅。

　小高駅を発車すると、「車はこの先国道６号線に入りまして、一部帰還困難区域を通りまして、竜田駅へと参りますが、バスの窓の開閉は厳禁とさせて頂いております。ご理解ご協力よろしくお願い致します」なんて、またしてもギョッとするようなアナウンス。


https://youtu.be/6JqxgvWXda8


　窓に吸盤くんを貼り付けて動画を撮ってみてたけど、右側で無くて左側に座ってた方が良かったかしら。
（*´－ω－） 動画ではいびきのような音が聞こえるかも知れないけど悪しからず。

小高駅 駅

　またいつの間にか気を失っていて、気がついたら終点の竜田駅。定刻より２０分も早く着きましたよ。バスはずっと国道６号を走ってたのかな。福島第一原発付近も迂回せずに。
（；´・д・） 結構な至近距離だろうに、放射線量は大丈夫なのかね。

　ちなみに、相馬～竜田駅間の代行バスは一日二往復。朝早くと夕暮れ時だけで、日中に走ってないというのがなんまら不便。
　駅舎の中と駅前には線量計が。なかなか素敵な数値を表示していますよ。これがもう一桁下がるまで、どれくらいの時間が掛かるのかしら。

竜田駅 駅

　竜田の駅は手前２本が下り主本線と上り主本線、奥の１本が上下副本線のようで、手前２本を塞いで仮設の連絡通路を設置して、奥の１本で折り返し運転。

　外はもういい加減に真っ暗。

　この後はいわきで乗り換え。

　もちろん乗るのは普通列車の方。

いわき駅 駅

　勝田からは、いい加減ロングシートに座ってるのに疲れてきて、進行方向に向かって座りたいと思い普通車にボックス席を見つけて座ってみたら、背もたれがあまりにも直角で吃驚。ロングシートより直角でないか？

　奮発してグリーン車の２階に座ったら、窓が曲面のせいか映り込みが酷くて外の景色が全然見られないもんだから、下の階に移ってみた。
　そうしたら、駅で停まる度に何とも落ち着かない感じに。下手に窓の外を見てるとあらぬ疑いをかけられしまいそうで。
（*´－д－） 近くを人が通り掛かると、どうしても目線がその人を見上げるように追ってしまうの。これは人間の本能なのかしら。

勝田駅 駅

　この晩、新橋に取っていた宿に着いたのは、もうそろそろ日付が変わろうかという時刻。

（　´－д－） いやぁ、疲れたぞなもし。

～　続く　～

新橋駅 (JR・地下鉄) 駅