2018/11/18 - 2018/11/18
7位(同エリア106件中)
かっちんさん
木曽川は急傾斜でしかも水量が豊富であり、水力発電所が明治44年以降、次々と建設されました。
この水力発電所と木曽川に架かる古い橋梁は、中央西線の車窓から眺めることができます。
土岐市(ときし)は岐阜県の東南部に位置し、美濃焼1300年の伝統が今でも受け継がれ、国内でも類を見ないほどの窯元が集まる地域です。
中山道の大井宿(恵那)と名古屋城下を結んだ脇街道に栄えた宿場町「下街道(したかいどう)高山宿」。この通りを歩くと往時の面影が偲ばれます。
土岐津町の穴弘法(あなこうぼう)は高山城址の東谷岩壁に掘られた数10個の穴に100体ほどの石仏が安置され、11月中旬頃には紅葉のライトアップが行われます。
土岐を代表する紅葉スポット「曽木公園」は、池の周りの真っ赤なカエデが鏡のような池に映る「逆さもみじ」が幻想的です。
土岐市駅のホームにある「キロポスト366」の標識。実際のキロ数より長い366の謎がようやく解けました。
今日は中央本線立川から各駅停車に乗り、塩尻から中央西線を木曽川沿いに下り、紅葉と木曽川に架かる橋の車窓を楽しみながら土岐市へ向かいます。
土岐市では紅葉スポットの穴弘法と曽木公園を訪れます。
曽木公園へは紅葉のライトアップ時に運行する市民バスを利用するのですが、極度の渋滞に巻き込まれ、帰りのバス時刻があてにできず何も見ずに引き返します。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・「木曽森林鉄道と鬼渕鉄橋」説明板
・日本森林学会「林業遺産」
・関西電力CSRレポート2011「東日本大震災を踏まえた関西電力の取組みについて」
・木曽地域文化遺産活性化協議会「寝覚めの床」
・市民タイムス「近代化遺産を歩く 96.諸原橋」
・日本建築学会計画系論文報告集「木曽川桃山水力発電所の建築について」小寺武久、1991年9月
・長野県酒類販売「西尾酒造」
・木曽路名水探検隊のブログ「二又橋~竹藪の中にひっそりたたずむ、知る人ぞ知る吊り橋~」
・目からウロコの地名由来「十二兼」
・信玄堂「中津川 栗きんとん」
・土岐市「沿革」、土岐市観光協会「とき*めき旅BOOK」
・美濃焼「美濃焼」「城山製陶所」、・土岐津陶磁器工業協同組合「ヤマミ平井製陶所」
・高山城高山宿史跡保存会「穴弘法」説明板
・まちかどの近代建築~東海の近代建築・近代土木遺産~「土岐市の橋」
・曽木公園もみじライトアップ実行委員会「曽木公園もみじライトアップ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
中央本線の車窓(長坂)
立川から中央本線の普通電車に乗ると、車窓から晩秋の紅葉が楽しめます。
甲府を過ぎて長坂付近にて、南アルプスの甲斐駒ヶ岳が現れます。 -
小海線と八ヶ岳(小淵沢)
小淵沢を過ぎると、高原列車の走る小海線としばらく並行し、八ヶ岳の眺望が続きます。 -
カラマツ林の紅葉(富士見)
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特急「スーパーあずさ」の追い越し(青柳)
青柳駅にて後続の特急を先に通します。
車両は2017年より投入された新型のE353系です。 -
中央西線に乗り換え(塩尻)
塩尻から中津川行の普通電車に乗り換えます。
ここからJR東海エリアに変わります。 -
木曽谷の紅葉(木曽平沢)
-
赤い屋根の建物(木曽福島)
かつて中山道福島宿のあったところです。 -
D51(木曽福島)
昭和17年に汽車会社で製造されたSLは、福井、糸魚川などの北陸本線で活躍しました。
最後は木曽福島機関区に所属し、昭和48年まで中央西線の旅客・貨物列車をけん引しました。 -
イチオシ
鬼渕鉄橋(上松駅手前)
手前にある鬼渕(おにぶち)鉄橋は大正3年に横川橋梁製作所の製造したトラス橋で、昭和50年まで木曽森林鉄道王滝線が走っていました。
大正時代から昭和40年代にかけて、木曽ヒノキをはじめとする木材搬出に用いられ、山村における生活の足としても運用された森林鉄道です。
昭和40年代半ば、かっちんが高校生の冬休みに、上松(あげまつ)からディーゼル機関車がけん引する運材列車に小さな客車がつながれ、そこに乗せてもらった記憶が今でも忘れられません。
大正時代になって、日本の鉄橋(トラス橋)は鋼材や製作が全て日本の技術で作ることができるようになり、現存する国産最古のトラス橋だといわれています。
2013年度林業遺産に木曽森林鉄道が認定され、鬼渕鉄橋はその認定対象のひとつです。 -
木曽森林鉄道の保存車両(上松駅前)
上松貯木場跡の上松電子工場に、かつてのディーゼル機関車、運材台車、客車が保存されています。
赤沢自然休養林では観光目的の赤沢森林鉄道を復活させ、短い区間ですが乗車することができます。 -
寝覚発電所(上松)
木曽川には関西電力の水力発電所が数多くあり、寝覚(ねざめ)発電所は昭和13年(1938)に運転を開始しています。
電源周波数は現在関西向けに60Hzで発電していますが、当初は50Hzも発電し東日本へ送電していた経緯があります。
2011年の東日本大震災の際には、電力の応援融通として50Hzで発電して東京電力に送ったことがあります。
50Hzと60Hzの両方が発電でき、各々の変圧器、送電線等の設備が残されている貴重な発電所です。 -
寝覚めの床(上松)
上松町周辺の花崗岩地帯を木曽川の流れが削り、姿を現したのが「寝覚めの床」です。
花崗岩特有の割れ方が、大きな箱を並べたような不思議な造形をもたらしています。 -
吊り橋「諸原橋」(倉本)
昭和31年(1956)に完成した、木曽川の諸原集落と立町集落を結ぶ吊り橋「諸原橋(もろばらばし)」です。
両岸にそびえる主塔が目立ちます。
「諸原橋」は木曽川本流に残る数少ない木の吊り橋の一つです。 -
イチオシ
美しい建物の「桃山発電所」(倉本)
大正12年(1923)に完成した桃山発電所。発電所の名は電源開発の中心人物「福沢桃介」からとられたものです。
壁面が教会堂風、上部が中世城郭風のデザインが、素晴らしい景観となっています。 -
清酒「木曽のかけはし」(須原)
ここは中山道須原宿のあったところで、江戸時代初め、庄屋・問屋・脇本陣を務めた傍ら、酒造業を営んだ木曽谷最古の造り酒屋「西尾酒造」の煙突が見えます。 -
中央アルプス(須原)
後ろを振り返ると視界が開け、中央アルプスの山々と木曽駒ケ岳が見えます。 -
レンガ造りの大桑発電所(大桑)
大桑駅を過ぎると、大正10年(1921)に運転を開始した大桑発電所が見えます。
レンガ造りの建物は経済産業省の近代化産業遺産(中部電源)に登録されています。 -
木曽ヒノキ(野尻)
野尻駅横にある木曽ヒノキの貯木場です。
かつて木曽森林鉄道野尻線がありました。 -
吊り橋「二又橋」(十二兼)
十二兼駅手前に吊り橋が見えます。
この橋は2代目で昭和34年(1959)の伊勢湾台風で破損したことによりに架け替えられたそうです。
細長い主塔には軽量化のためか、ひし形、三角形、四角形の穴が開いています。
「十二兼(じゅうにかね)」の名前は、木曽谷の峡谷にふさわしいもので、セ(狭)、ニ(土地)、カ(崖地)、ネ(尾根)が訛ったものを十二兼という好ましい表記にしたのです。
そしてここの住所は南木曽町読書(よみかき)。「読書」の由来は与川(よかわ)、三留野(みどの)、柿其(かきぞれ)の3村が合併してできました。 -
栗きんとん(中津川)
中津川駅に到着。乗り継ぎの電車まで時間があるので、駅前の「にぎわい特産館」へ。
中津川は栗きんとん発祥の地で、日本一の栗きんとんの街。
ここには15店舗の栗きんとんが期間限定で並びます。 -
イチオシ
ばら売りの栗きんとん(中津川)
どこのお店のものが美味しいのかわからず、残数が少ないものが良く売れていると勝手に判断。
信玄堂と新杵堂の栗きんとんを購入します。
栗きんとんは、新鮮な国産栗を生のまま一気に蒸し上げ、砂糖のみを加え、職人が茶巾絞りに仕上げています。
二つの栗きんとんの味は微妙に違い、どちらも美味しいです。 -
土岐市駅
中津川駅から名古屋行き電車に乗り、土岐市(ときし)駅に到着。
T社製の自動改札機です。 -
美濃焼のふるさと(土岐市駅前)
駅前にジャンボ水指が展示されています。渋い感じがいい。
美濃焼は、岐阜県美濃地方の東部、東濃地方の西端をしめる、多治見市・土岐市・瑞浪市で生産されるやきものの総称です。
この地域は、やきものの原料となる粘土や窯を焚く燃料が豊富で、美濃焼の起源は古墳時代にさかのぼります。 -
穴弘法もみじ(ポスター)
穴弘法(あなこうぼう)は、池に映る逆さもみじと石仏群があるので訪れます。 -
土岐市周辺の案内図
土岐市駅より土岐川を渡り、穴弘法まで1.8kmです。
山の上には高山城跡があります。
では、穴弘法へ歩いて向かいます。 -
美しい格子窓の民家(土岐市共栄会通り)
建物の右側に、奥に通じる大きな通り道があります。 -
自販機で飲める水道!(土岐市)
スポンサーが住宅設備関係だったので、何となく納得。 -
うろこ雲(土岐市)
秋を代表する雲が現れています。 -
土岐川
土岐川に架かる中央橋を渡ります。
小高い丘の上に高山城跡(左側)が見えます。 -
美濃焼のオブジェ(中央橋)
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下街道の案内板(土岐市)
下街道(したかいどう)は中山道の脇街道として使われ、善光寺と伊勢道に通じています。
穴弘法・高山城跡はここから1kmです。 -
城山製陶所(下街道)
板張りで、奥行の長い建物(工場)です。
マグカップ、湯呑などを製作しています。 -
街道沿いの民家(下街道)
外側に板塀を張り巡らせています。 -
穴弘法周辺の案内図
下街道から入ると、もみじの名所・石仏群のある穴弘法があり、遊歩道(山道)を登ると高山城跡があります。 -
もみじの名所(穴弘法)
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石仏(穴弘法)
岩肌に数十個の穴が掘られ、この中に100体ほどの石仏が安置されています。
岩肌に穴を掘り石仏を納める様式は鎌倉時代の「やぐら」に類似し、古くは高山城の武将の墳墓が存在したと推定されます。 -
岩肌に貝の化石(穴弘法)
大昔、海だったことがわかります。 -
鮮やかな紅葉(穴弘法)
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穴の中に仲良く(穴弘法)
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イチオシ
もみじと石仏の穴弘法
穴弘法は戦国時代にこの地で命を落とした人々の霊を弔うため元禄元年に開創された「慈光院梵燈寺」の跡です。
梵燈寺はその後廃寺となりましたが、明治時代に地元の人々の力で「古城山遍照閣」として再興され、弘法様の信仰を集め今日に至っています。 -
高山城跡
遊歩道を歩き、小高いところにある高山城跡に来ています。 -
土岐市の眺望(高山城跡から)
眼下に土岐川と土岐市の町並み、遠くに中央自動車道が見えます。 -
イチオシ
勇壮なもみじの紅葉(高山城跡)
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逆さもみじ(穴弘法)
もみじが水鏡の池に映っています。
穴弘法のもみじを満喫した後、土岐市駅へ戻ります。 -
お洒落な洋風建物(穴弘法の入口付近)
-
イチオシ
クローバー形の大もみじ(土岐津橋付近)
土岐川の河川敷に珍しい形の大もみじを発見。
もみじの間に針葉樹が飛び出ています。 -
祠(土岐津橋付近)
大もみじの下に小さな祠(ほこら)があります。 -
ヤマミ平井製陶所(土岐津橋付近)
フリーカップ、タンブラー、マグカップ、コーヒーカップ、灰皿などを製作しています。
屋号が「やまみ」ですね。 -
これは何だろう??(平井製陶所)
タンブラーみたいですが穴が狭い・・・ -
土岐川の夕日
-
美しい欄干の土岐津橋
昭和4年(1924)に完成した土岐津橋。
欄干の支柱がお洒落。 -
市民バス「曽木もみじ線」
曽木公園もみじライトアップ期間中に、土岐市駅前~曽木公園間に臨時バスが運行されます。
小さなバスにどうにか座れましたが、立ち客もおり満員です。
曽木公園は大小八つの池にライトアップされたもみじが水面に映り、幻想的な光景が見られるところです。 -
曽木公園のライトアップ
土岐市駅前から44分で到着予定でしたが、曽木公園の駐車場が狭いため大渋滞が発生。1時間も遅れ、さらに途中から歩いてどうにか到着。
2本しかない帰りのバスに乗りきれないことが予想され、曽木公園を外から眺めただけで乗ってきたバスで帰ります。
主催者の土岐市曽木支所には、来年徹底した渋滞解消の対策をしてもらいたいです。 -
カエルのオブジェ(曽木公園)
皮肉にも帰るバスをカエルがお見送り・・・ -
キロポスト366の謎(土岐市駅)
土岐市駅に戻ります。
ホームに、路線の起点からの距離を示すキロポスト(鉄道標識)が設置されています。
中央本線は東京駅から塩尻経由、名古屋までの路線。土岐市はその途中にあります。
キロポスト366は、起点の東京駅から土岐市駅までの距離が366kmという意味ですが、実際には353.7kmと短くなっています。
この差は旧塩尻駅(現塩尻駅より東京寄りにあった)と辰野回り(現在はみどり湖経由の短絡線)だった当時の距離がそのまま使われているのです。
今晩は豊田市駅前の東横インに泊まります。
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