2018/11/11 - 2018/11/11
24位(同エリア64件中)
とある和菓子好きさん
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滋賀県は紅葉の名所が結構あるのですが,どこもゆっくりと観ることができるので最高です!せっかく紅葉を観に行っても人の後頭部ばかり…。ということが少ないのでいいですよ!今回は近江八幡市の教林坊,長命寺と湖南市の湖南三山(善水寺・長寿寺・常楽寺)を観に行きました。あっ,なぜかエリア選択で湖南市がなかったので,すぐお隣の栗東市でエリア選択していますが,湖南三山は湖南市にあります。ご容赦ください。
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教林坊
以前も旅行記で書いたのですが,繖山観音正寺の別院だったところです。今は滋賀県でもかなり有名な紅葉の名所です。滋賀銀行のポスターになっていたので滋賀県内ではよく目にする風景のところです。紅葉のピークは後1~2週間というところでしたが,流石の雰囲気です。
この寺院は今の住職さんや地域の人々の手で整備されてきたようで,それ以前は荒れ寺の様相でした。GW中の土日祝と11月からのおよそ1か月間の限定公開ですが,この秋の公開のために多くの人が努力してくれているようです。常に観ることができるわけではありませんが,ここのために頑張っている人たちがいると思うと紅葉の美しさも一入です。 -
教林坊 書院
通称,掛け軸庭園と呼ばれています。書院の障子が掛け軸の幅ほど開いており,そこから庭園を眺めるとちょうど掛け軸の絵のようになります。この庭園は聖徳太子が説法をしたと伝わる巨石があります。紅葉のピーク時にいくと,この風情もさらにグレードアップでしょうね。 -
長命寺 参道入り口
長命寺は山の中腹にあります。麓からは808段の石段を登ります。車で離合困難な山道を上がると門のすぐ下あたりに駐車場があるのですが,山寺の雰囲気,登ったときの琵琶湖を見下ろす絶景を堪能するために石段を登るのがよいかと思います。808段とかなりの段数ですが,20~30分程度で登れます。ただし,段差が不規則かつ,かなり高いところもあるので,トレッキングシューズのような靴を履いていかれるのがよいと思います。 -
長命寺 伽藍
ここは境内の本堂,三重塔,護摩堂,鐘楼が重文です。また,内陣内の仏像のいくつかも重文に指定されています。ここは紅葉の時期なのもあるのですが,内陣の特別公開をしていたので訪れました。内陣には,今は廃絶してしまった長命寺の塔頭寺院等から運び出された仏像が所せましと並んでおり,なかなか興味深い空間でした。本尊は秘仏のため拝観はできませんが,35年に一度ほど御開帳があるそうです。 -
善水寺
湖南三山の一つです。湖南三山は有名な湖東三山にインスパイアされて命名されたようで平成17年頃からこの名で紅葉の時期にPRをしているそうです。 -
善水寺 本堂 国宝
本堂は鎌倉時代に建てられてもので国宝に指定されています。この本堂は内陣と外陣が明確に分けられた時期のものとして非常に貴重なものです。また,内陣と外陣の区別が出てきたために必然お堂が巨大になってきます。ですので,寺院建築では鎌倉時代以降は巨大なお堂や伽藍をもつ寺院が登場することになります。
加えて,善水寺では内陣や後陣を拝観することができ,そちらに数多くの重文指定のお仏像があります。四天王像や僧形文殊菩薩像などはなかなか見ごたえのある立派なもので,本堂の構造や外観とともにじっくり観ることができます。 -
長寿寺
湖南三山の一つ。善水寺からは車で10分ちょっとです。近くに常楽寺があり,それに対してこちらは「東寺」と通称されています。また,表紙写真はこちらの参道で,銀杏の落葉が黄色の絨毯みたいになっており見事です。ピーク時は楓の落葉で真っ赤な絨毯になるそうです。それも見てみたいものです。 -
長寿寺 本堂 国宝
こちらの本堂も国宝です。善水寺とは異なりこじんまりとしています。それは平安末期から鎌倉初期あたりの建築であるため,まだお堂の巨大化が始まっていないためです。しかしながら,平安時代の建築は国宝建築物の中でもかなり数が少ないために時期的に貴重です。加えて,こちらは2つのお堂を一つの屋根で連結するという「双堂」(ならびどう)と称される特徴的な建築技法であることも評価されるポイントになっています。 -
常楽寺 本堂 国宝
湖南三山の一つ。長寿寺からは1kmほどと近く,こちらは「西寺」の通称があります。普段は予約制ですが,紅葉の時期だけは予約なしで拝観できます。
こちらの本堂も善水寺同様巨大なものです。もしかしたら,善水寺よりも大きいかもしれません。また堂内にも二十八部衆像があり,こちらも重文指定を受けています。二十八部衆像は京都三十三間堂のものが有名です。なかなか目にすることができないものなので,本堂の威容とともにこちらもしっかりと観ておきたいです。一つ一つのお像も何だか愛らしい表情です。そして,慶派仏師に代表されるように仏像に人間のような動きの表現が見られます。 -
常楽寺 三重塔 国宝
こちらも本堂と合わせて国宝です。お堂と塔が2つとも国宝指定されているところはそう多くありません。三重塔ですが,約23mとなかなかの高さです。
さて,こちらのお寺に行かれるといやでも気づくのですが,カメラの三脚の禁止等を書いた注意書きや本堂内の監視カメラの多さ。これらに気を悪くする拝観者もおられるそうです。
しかしながら,今回実際に拝観した身としては,少し違う印象を受けました。こちらのお寺は住職が他の寺院と兼務しながら,基本的には一人で管理されています。予約制なのもそのためです。紅葉の時期だけでもこうやって予約なしで観られるのがありがたいです。また,この三重塔,実は裏手の斜面に回り込むことができ360度全方向から観ることができます。この斜面の通路の整備,木の伐採等も住職がされているそうです。本堂の二十八部衆像も実は盗難にあっており,いまだに2体見つかっていません。これは昭和期の無住職時代に盗まれたからです。
貴重な文化財を守り,それを公開していく。一人でこれらをこなしていくのはどれだけ難しいことでしょう。それをこうやって紅葉の時期だけでも何の気なしに観ることができる。ありがたいことだなと率直に思います。いつかその苦労が多くの人に理解されてもらえる日がくればなと思います。
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