
2017/11/22 - 2017/11/22
146位(同エリア3835件中)
とーりさん
職場から勤続のご褒美として3日の連続休暇とそれに2日の有給を絡めて9日のお休みをもらいました。例のごとく旅行の計画を練っていると、ふと、あと何カ国訪問すると「ヨーロッパ制覇」できるのだろうと思いました。ヨーロッパの区域をウラル山脈以西に首都のある国とし、日本国政府の承認国48カ国と捉えると、この段階での未訪問国家は全部で16カ国。結構散在しており、制覇するには計画的に訪問する必要がありそうです。ということで、今回は落穂拾いのごとく、取りこぼしていた小国家群のモナコ、サンマリノ(アンドラは入口のカタルーニャ州の独立問題が頂点を迎えていたため後日)と位置的に他の未訪問国とセットにしづらいアイルランドを訪れることにしました。また、前回訪問時はまだNGだったイタリアの美術館での写真撮影が解禁されたということで、その所属名画との再会も目的のひとつとしました。
実際訪れたニースやモナコは、リゾートらしい南仏の美しい海岸風景や豪華な施設に目を奪われ、駆け足訪問となったアイルランドでは、予想以上の素晴らしい街並みに滞在の短さを悔やみ、最古の共和国サンマリノでは独立国とは何かと思い、再会したルネサンス絵画の色褪せない美しさに改めてときめきを感じるなど、落穂拾いではなく、大きな収穫があった旅となりました。
日程は以下の通りです。
1日目(11/17)羽田発 ⇒ 北京 ⇒ ローマ ⇒ ニース
2日目(11/18)ニース市内観光 & モナコ市内観光 ⇒ パリ ⇒ ダブリン
3日目(11/19)ダブリン市内観光 ⇒ アムステルダム ⇒ ボローニャ
4日目(11/20)サンマリノ市内観光 ⇒ ミラノ
5日目(11/21)ミラノ市内観光 ⇒ フィレンツェ
6日目(11/22)フィレンツェ市内観光 ⇒ ローマ
7日目(11/23)ローマ市内観光
8日目(11/24)ローマ市内観光 ⇒ 北京
9日目(11/25)北京 ⇒ 羽田
今回は6日目④です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ヴァザーリの回廊の終点はこのピッティ宮です。とりあえずここには後で来るとして、小路を歩いてサンタマリアデルカルミネ教会に向かいます。
(ヴェッキオ橋14:19 ⇒14:33ブランカッチ礼拝堂) -
ピッティ宮から10分弱で到着しました。サンタマリアデルカルミネ教会です。
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正確にはこの中にあるブランカッチ礼拝堂を見に来ました。通常入館だと6ユーロです。
(ブランカッチ礼拝堂14:33~14:50) -
中庭と回廊、いい感じです。
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教会の一角にあるブランカッチ礼拝堂です。前回も来ましたが私にとってやはりここは訪れるべきところです。
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ブランカッチ礼拝堂は三方に宗教画が描かれており、その中にある一画面がこれ「貢の銭」、ルネサンスの始祖マザッチョの最高傑作と言える作品です。マザッチョは遠近法を初めて絵画に用いた画家のひとりとされており、まさにこの画がキリストの頭頂部を消失点とした遠近法で描かれた絵画史上革新的な作品です。後年、盛期ルネサンス三大巨匠と言われるダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロもここに通い、この画を研究したそうです。画自体の魅力もさることながら、三巨匠が見ていた同じ画を今、自分も見ていると思うと感慨深いものがあります。
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隣りに描いてあるのは「アダムとイブの楽園追放」です。こちらも有名な作品で、楽園を追われる二人が感情豊かに描かれています。
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礼拝堂内はたくさんの画で飾られていて、マザッチョはそのうち、貢の銭や楽園追放、施しをする聖ペテロなど数場面の画を描いています。
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教会内はガランとしていましたが、ここだけは人がたくさん訪れていました。
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短い時間でしたが、堪能し満足して礼拝堂を後にします。
(ブランカッチ礼拝堂14:50 ⇒ 14:58パラティーナ美術館) -
戻ってきました。ピッティ宮です。
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正門を潜り、パラティーナ美術館を目指します。
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中庭を挟んで奥にあるミュージアムショップでフィレンツェカードを提示し、券をもらいます。
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パラティーナ美術館は広大なピッティ宮の一部にすぎませんが、ここだけでも相当な広さです。
(パラティーナ美術館14:58~15:37) -
美術館に入っていきなりのお出迎えはリッピ「聖母子と聖母の物語」です。前回来たときは貸出中だとかで見ることができなかったので感激です。リッピ特有の涼し気な聖母の顔とやんちゃ感じのキリスト、背景ごちゃごちゃ感は否めませんが、トンドの傑作です。しかしパラティーナ美術館自体ラファエロの作品が中心なので、あまり見ている人はいませんでした。
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こちらはボッティチェリ「男性の肖像」です。正直今まで見てきたボッティチェリの作品とはちょっと異質な感じです。
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カラヴァッジョ「眠るクピド」です。革命児カラヴァッジョの代表作とまでは行きませんが、やはりこの明暗法の画風には衝撃を受けます。
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さあこの辺りからパラティーナ美術館の「ラファエロ美術館」たる本領発揮です。
まずは「身重の女の肖像」です。 -
そしてやはりこれ「小椅子の聖母」です。前回も書いた文を引用します。
聖母は柔らかな表情で庶民的な服を着ていながら、教皇に許された椅子に座っているというアンバランスさがあるそうです。
幼児イエスは丸々と太り、洗礼者ヨハネも含めトンド(円形画)ということもあり、寄り添うように描かれることにより、情愛の籠った作風に仕上がっていると思います。 -
そして「大公の聖母」背景は黒く塗りつぶされていますが、調査の結果以前は建物が描かれていたとのことです。
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そして「ヴェールの女」。ラファエロ特有の柔らかな表情に、気品漂う装身具を身に着け高貴なイメージを出しているようです。私の中では「小椅子の聖母」と共に最上位に位置する作品で、円熟味を増したラファエロ、ひいては盛期ルネサンスの画風はここに極まったと感じる作品のひとつです。これを見ると強行軍の疲れも吹き飛び、洗われるような気持ちになります。
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まだまだ続きます。こちらは「トンマーゾインギラーミの肖像」です。服や指先の写実性には目を瞠るものがあります。
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「アニョロドーニの肖像」です。次のマッダレーナストロッツィとは夫婦で、一対の肖像画だそうです。
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そして妻「マッダレーナストロッツィの肖像」です。背景の美しさは特筆ものです。
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ラファエロ以外にも傑作が目白押しです。こちらは幻の画家ジョルジョーネ「人間の三世代」です。孫を祖父と父が囲み、楽譜を見ています。
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こちらはラファエロの師とも言われるベルジーノ「Madonna detta DEL SACCO」(訳が良くわからないので原題を表記しました)です。
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ティッツァーノ「若者の肖像」です。青い眼が特徴でイギリス人であるとも言われているそうです。
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もうひとつティッツァーノ「マグダラのマリア」。ティッツァーノは同様の主題・画風で数枚描いていますが、一番感応的作品に仕上がっていると思います。
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見どころ多いパラティーナ美術館を出てピッティ宮を構成するもうひとつ、ボーボリ庭園に行こうとしたのですが、係員にもう閉館したと言われました。16:30まで開館と思っていましたがぬかりました、入館は1時間前の15:30までのようです。確認すると案内にも書いてありました。タッチの差とも言えませんが、残念です。
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それでもフィレンツェ観光を終えるにはまだ早いです。次はどこを目指しましょうか。
(パラティーナ美術館15:37 ⇒ 16:04サンタクローチェ教会) -
とりあえず対岸へ戻ることにします。
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再びヴァザーリの回廊に沿って歩きます。
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そしてヴェッキオ橋を渡ります。
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行きの行程をなぞるように戻り、再びウフィツィ美術館前です。混雑具合はどんなかな?と覗いてみましたがやはり空いていました。
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今度は一本上流部にあるグラツィエ橋からヴェッキオ橋を眺めます。
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ヴェッキオ橋はやはり他の橋とは違います。雰囲気が遠目にもわかります。
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暫し歩いてフィレンツェの見どころでは東の外れに位置するサンタクローチェ教会へやって来ました。ここもフィレンツェカード適用施設で、通常入館だと8ユーロとなります。
(サンタクローチェ教会16:04~16:17) -
初めて訪れましたが、中は広く豪華です。
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ここの目玉はこちら、ペルッツィ礼拝堂です。
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ペルッツィ礼拝堂に描かれていて見たかったのがこちら、ジョットとジョット派による「聖フランチェスコの死」です。ジョットはルネサンスの曙を告げる画家として有名で、先ほど見たウフィツィ美術館にある「マエスタ」の作者です。
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他にも色々見どころはありました。こちらは彫刻、ドナテッロ「受胎告知」です。
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こちらはなんとミケランジェロの墓です。なぜここにミケランジェロがとは思いますが、なかなか立派なお墓です。
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もうひとつ有名人のお墓があります。ガリレオの墓です。カトリック教会から有罪判決が受けたにも拘わらず、ここサンタクローチェ教会に祀られているのは許されたということでしょうか。
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壁画、記念碑、お墓など色々見応えがあったサンタクローチェ教会を出て、見どころ巡りはそろそろ締めの時間になって来ました。
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