2018/09/18 - 2018/09/18
23位(同エリア313件中)
かっちんさん
長野県辰野町から南の方角の箕輪(みのわ)町、南箕輪村、伊那市に至る天竜川西側に広がる河岸段丘の台地は、かつて水田には向かない扇状地でした。
大正11年(1922)から昭和3年(1928)にかけて、諏訪湖から天竜川に流れ出た水を岡谷市川岸地区から取水し、辰野町から伊那市に至る約26kmの「西天竜幹線水路」が整備されました。
この水路により人々の悲願であった開田が進められ穀倉地帯へと変貌をとげ、今では1,200haの水田が誕生しました。
当時の水田は水持ちが悪く、水争いがたびたび発生していました。
第三代西天竜耕地整理組合長の穂坂申彦氏は、田畑の面積に対して水を公平に供給する「円筒分水工(えんとうぶんすいこう)」を57基建設し、水争いを収めたのです。
現在、稼動している円筒分水工は35基、大小の分水を加えると実に83基に上り、円筒分水工群として日本最大規模です。
平成18年(2006)には土木学会の選奨土木遺産に認定されています。
今日は辰野町南部と箕輪町の水路(1.8km)に設置されている円筒分水工6基を見学します。
訪れた日は水路の流れが止まっており、これは水路の末端にある西天竜発電所(伊那市小沢)の改良工事による影響でした。
水がとうとうと流れる円筒分水工は見られませんでしたが、分水の仕組みがよくわかりました。
また、伊那地方は土蔵の多いところで、9月には彼岸花、黄金色の稲穂、白い花のそば畑など、秋の気配を堪能させてくれます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・南信発電管理事務所「西天竜発電所」
・土木学会「HANDS-043 西天竜幹線円筒分水工群」「西天竜幹線水路円筒分水工群の解説シート」
・建設マネジメント技術「西天竜幹線水路円筒分水工群」2010年10月号
・経済月報「経営者に聞く 明日への指針 国内一貫生産で端子台の日本一を目指す東洋技研」2017.3
・日本マンホールの蓋学会「辰野町のマンホール」
・林 安直氏の「信州の民家 土蔵と物置」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
中央本線日野春駅
朝早く自宅を出て、普通電車で松本行きに乗っています。
日野春では特急「スーパーあずさ」に追い越されます。 -
黄金色の田んぼと南アルプス(小淵沢付近の車窓)
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八ヶ岳(小淵沢付近の車窓)
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旧立場川橋梁(富士見付近の車窓)
中央本線で使われていた明治37年(1904)完成のボルチモアトラス橋です。 -
稲わら干し(すずらんの里付近の車窓)
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黄金色に染まる田んぼ(青柳付近の車窓)
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日本一の端子台(上諏訪駅)
上諏訪~下諏訪間は単線なので、上諏訪駅で反対列車と交換待ちします。
窓の外を見ると、上諏訪付近にある企業の広告看板。
何が日本一の端子台なのか調べてみました。
すると、バネを組み込んだネジアップ式端子台を開発して端子接続の作業性を向上させ、製造面では海外生産に移行せず内製化・自動化を徹底した結果、工業用端子台では国内トップクラスのメーカーとわかりました。 -
イチオシ
改札機に体が挟まり、身動きがとれない「万治の石仏さん」(下諏訪駅)
だいぶ前からあの場所にいます(笑) -
伊那の風景(羽場付近の車窓)
岡谷駅で飯田線に直通する豊橋行きに乗り換え、飯田線の伊那地区を走っています。
刈り取った稲はハサ掛けしています。 -
飯田線羽場(はば)駅で降ります
ここには内視鏡などを製造する長野オリンパスの工場があり、何人か一緒に降りました。 -
きっぷ集めに大忙し(羽場駅)
飯田線はほとんど無人駅なので、駅に到着すると車掌さんがホームに降り、きっぷ集めに駆けずり回ります。
飯田線はJR東海エリアです。 -
羽場駅舎
じっと見ていると、しっかりした鼻と大きな目のある顔に見えてきます。
ここは長野県上伊那郡辰野町伊那富です。
では、西天竜円筒分水工群まで1km程歩きます。 -
辰野のデザインマンホール
町の特別シンボル「ゲンジボタル」、町の花「福寿荘」、町の木「しだれ栗」がデザインされています。 -
庭の植木が綺麗な住宅地(伊那富)
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なまこ壁の土蔵(伊那富)
入口が2つある平入りの土蔵で、「寿」のめでたい文字が描かれています。 -
土蔵造りの長屋門(伊那富)
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蔵の窓には「波と兎」(長屋門)
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防火水槽のデザイン(伊那富)
慌ただしく消火活動しています。 -
イチイの実(伊那富)
秋ですね~。 -
真っ赤な彼岸花(伊那富)
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ここにも長屋門(伊那富)
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長屋門(伊那富)
住居として使っているのでしょうか。 -
そば畑(伊那富)
住宅地から農作地の風景に変わります。 -
土蔵(伊那富)
蔵ワッペン(蔵の壁飾り)は桔梗の家紋です。 -
そば畑とコスモス(伊那富)
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火の見櫓(伊那富)
長野県ではどの集落にもある火の見櫓。 -
刈り取った稲のハサ掛け(伊那富)
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なまこ壁の土蔵(伊那富)
蔵の窓には、火伏せの願いを込めた「水」の文字。 -
稲刈りの作業中(伊那富)
田んぼの奥に「西天竜幹線水路」の柵が見えました。 -
鮮やかな青いアサガオ(伊那富)
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ヒマワリ(伊那富)
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水路にある取水口「羽北1号甲」に到着
「西天竜幹線水路」の一番上流にある円筒分水用の取水口です。
岡谷市川岸地区から伊那富(羽場)までの水路は暗渠を通っていて、この場所から水路は地上に現れます。 -
舟形の円筒分水「羽北1号甲」
取水口より少し下がった斜面に1番目の円筒分水があります。
取水された水は地下を通り、奥に見える分水槽に噴き出し、底部が通じている手前の分水槽から二手に分配されます。 -
円筒分水「羽北1号甲」
分水槽周壁部に設けたスリットの数によって公平に分配されます。 -
まだら模様の美しい彼岸花(伊那富)
水路近くの民家に咲いています。 -
イチオシ
平入りの土蔵(伊那富)
入口には「水」と「寿」の文字が描かれています。 -
稲穂と彼岸花(伊那富)
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水位が低い水路(伊那富)
当日は水路の末端にある西天竜発電所が工事のため、水を止めていました。
本来の水位は黒くなっている位置だと思います。 -
水路を彩るアサガオ(伊那富)
水路の防護柵を使ってアサガオを咲かせています。 -
昭和初期に完成した水路(伊那富)
水路を下流に向かって歩いているのですが、「羽北号外」という小さな分水槽もあります。 -
次は「羽北1号乙」取水口
「羽北」は羽場地区の北を意味しています。 -
イチオシ
円形の円筒分水「羽北1号乙」
水路から取水した水は、逆サイフォン管により地下に導き、円筒分水槽の中央部に噴き出させ、周壁部の放射状に配置されたスリットより流し分水します。 -
イチオシ
流量を比例配分する円筒分水(羽北1号乙)
分配先の水田面積に応じて分水する量をスリットの数で決め、流量を比例配分します。
ここの円筒分水は3ヶ所のエリアに分配します。 -
りんご農園(伊那富)
果樹栽培も盛んなところです。 -
イチオシ
扇形の円筒分水「羽北2号」(3番目)
分配する流量により分水槽の形が変わります。 -
「沢3号」取水口
水路の低い位置に取水口があり、水量が減ったときにも対応しています。 -
円形の円筒分水「沢3号」(4番目)
「羽北1号乙」より小さめの分水槽です。 -
分水槽「羽北号外」
この水田に水路から取水した水を流しています。 -
台形の円筒分水「沢4号」(5番目)
ここは辰野町伊那富から箕輪町に入りました。 -
分水槽「沢号外」
-
箕輪町のデザインマンホール
箕輪町の「町の木:けやき」がデザインされています。 -
イチオシ
扇形の円筒分水「沢5号」(6番目)
この円筒分水は2ヶ所に分配しています。
円筒分水はすべて円形と思っていたのですが、分配先の数、必要な流量により様々な形と大きさがあることを知りました。
西天竜円筒分水工群は全部で35基あります。
まだ見ていないものが29基あるので、いずれ訪れたいと思います。
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