2018/08/18 - 2018/08/26
5位(同エリア87件中)
gyachung kangさん
- gyachung kangさんTOP
- 旅行記53冊
- クチコミ58件
- Q&A回答20件
- 70,776アクセス
- フォロワー51人
平成最後となった今年の夏休み。
夏の旅先選びはそれ自体で既に楽しいアクティビティ。浮かんでは消え、消えては浮かぶ旅先プラン、ああどうしよう⁉︎
いつもならそんな逡巡が一か月も続いたりするのだが。
今年は閃いたね。
私の中に夏休みの天使が舞い降りて旅先をお告げになった。
そうとしか思えない。
購入した航空券、行き先はジョージア。
旅の目的地はコーカサス山脈の懐にある超秘境の誉れ高い世界遺産登録のウシュグリ村である。
組んだ日程は7泊9日。
東京羽田から最速でウシュグリ村を目指す旅になった。
果たしてその結末はいかに。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
8月18日土曜日。
真夜中の0時1分羽田発カタール航空ドーハ行きQR813便に搭乗。
深夜になっても全く気温が下がる気配もない連日記録的猛暑の日本を脱出する。
座席はほぼ満席、いつものように窓側シートの確保に成功して幸先がイイ。
真夜中で普段なら皆さんお疲れモード全開の時間帯のはずなんだが機内には
『あ~これから夏休み、始まりなんだよね!』的な空気が隅々まで漂いまくってリラックス度は120パーセント。
自然と顔が緩んでしまう。
この瞬間、おわかりいただけますよね。 -
カタール時間で午前5時前、無事にドーハに到着。
ドーハハマド国際空港のシンボルであるこのどデカイくまさんとは3度目のご対面になる。なのに未だ名前を存じ上げていなかったなあ。いやあ申し訳ない。 -
乗り継ぎの手続きは実にスムース。
パスポートチェックではお馴染み『ジャパン、ベリーグッド』の一言でパス。導線で迷うことは無く楽々搭乗ゲートへ。
6時15分定刻ボーディングタイムに難なく滑り込み、ジョージアの玄関口トビリシへの搭乗となった。機材は世界のロングセラー伝統のA320である。 -
乗り継ぎ便も座席は窓側席。
ドーハからトビリシへのフライトルートはなかなか見応えがある景色が楽しめる。イラン西部にそびえる岩肌むき出しの峻険な山岳地帯や青々とした水をたたえた巨大な湖が現れたり。この湖はおそらくアルメニアのセヴァン湖か。
窓外の景色を楽しみ、そして乗り継ぎ3時間、ついにジョージアの首都トビリシへランディング! -
現地時間で11時20分、トビリシに降り立つ。空港の敷地内には退役機が並んでいる長閑な光景が展開していた。
到着フロアには結構な数の両替屋が居並び私は500ユーロ分をトビリシラリにチェンジ。これで備えは万端。
タクシーを捕まえ一気に市内北側にある長距離乗り合いバスターミナルへと向かった。 -
バスターミナルの名前はDidube
この地点からマルトルーシュカと呼ばれる乗り合いミニバスが国内のあちらこちらへ路線網を張り巡らせているらしい。
ミニバスは行き先毎に大体集合場所が決まっていて客待ち中の50台くらいのマルトルーシュカの中からタクシーのドライバーが私の行き先のバスを捜し出してくれた。
私の行き先はズグディディ。
ドライバーが指を指したバスは残り一席となり、今まさにズグディディに向けて出発となる寸前。息をつく間もないタイミングで私が飛び乗ったところでミニバスはエンジンをかけた。 -
トビリシからズグディディまでは車で5時間の道のり。夜までにズグディディにたどり着き明日の早朝にウシュグリ村への最前線の街メスティア行きのバスに乗る。これが私の立てた最速ウシュグリ村直行プランである。
5時間のバス旅は長い。ハイウェイに乗ったミニバスは14時半過ぎに途中休憩。ハイウェイ脇の小さなカフェで小休止となった。お茶を飲みながらカフェの外壁に描かれたジョージア男性のイラストを目にしてこの時点でジョージアに入国していることを実感。いやあ、それくらい慌ただしい今回のこの移動。 -
夕方6時過ぎ。
ミニバスは私の目的地ズグディディの街に着いた。
バスの降車場所にはマクドナルドがあるのみ。他に目立つものは何もない。
なんという街だ、ズグディディ。
若干、いや、かなり心細くなった私だが昨夜日本を発つ前に予約サイトで確保しておいた今夜のホテルだけが心の支え。スマホを頼りにホテルへと向かった。
幸運にも歩いて5分、ホテルを発見。レセプションのお姉さんの優しい対応にお礼の言葉のテンションが間違いなくいつもより上がっていた。 -
翌朝。
前夜チェックインの時にレセプションのお姉さんからメスティア行きのマルトルーシュカ情報を仕入れていた私は早朝5時起床。メスティア行きの第一便6時発に狙いを定めミニバス乗り場へと向かった。
まだ日の出前のバス乗り場。
バス乗り場はズグディディ鉄道駅の駅舎前にあった。この第一便を逃すと次は午後1時まで待つことになるらしい。ってことで絶対に逃せない第一便。 -
この時間、既に何台ものミニバスがスタンバイ。
この赤い車はどうなの? -
おお
メスティア行きのようである。
近くにいたドライバーを捕まえて間違いなくメスティア行きであることを確認。
運賃は 20ラリ。4時間の行程で日本円にして僅か1000円ちょっとくらいだ。
メスティアに向けてとっとと出発してもらいたい。ところがそうは簡単に行かないのがジョージアのマルトルーシュカ。 -
6時過ぎ、鉄道駅に電車が一本到着した。ここから降りてくる客を待ってミニバスを満員にして発車となるのがジョージア流。これって中国で言う「流水」式とおんなじである。
ドライバーが半分冗談半分本気で
『俺はアングリスキがダメなんでお前も3人集めてくれ』と私に協力を要請した笑笑
結局チェコからの4人組みと地元のおばちゃん1人をゲットして6時半にようやく出発。 -
ズグディディからメスティアまでの道のりは完全に山道だった。
これなら時間がかかるのもやむを得ない。
やがてこんな湖が見えてきたところで -
道沿いカフェでトイレ休憩。
これはこの後もずっとそうだったがジョージアのマルトルーシュカシステムは運行の際に無理はせず必ず2時間程走って休憩を入れていた。
乗客にとっても有難い。 -
休憩して再出発。
ズグディディから初めは民家が見えていた道のりもいつしか完全なる山道になり -
ガードレールが無い悪路をぶっ飛ばす。
ハンドルさばきを誤れば崖下一直線。
中国雲南省でシャングリラから徳欽へ向かったあの道の再現である。 -
目に入ってくる景色も様変わり。
コーカサス山脈の山並みがグングンと近づいてくる。 -
ぶっ飛ばした甲斐があり10時少し過ぎ、メスティアの街に無事到着。
ミニバスを下車しその足でツーリストインフォメーションに向かい情報を収集。
次に街のど真ん中で営業していたオープンカフェに飛び込んだ。
とにかく移動最優先でこの日は水分以外まだ何も口にしていない。 -
頼んだのはコレ
ジョージア名物のハチャプリである。
タップリチーズに目玉焼きのような卵が特徴。親しみやすい味で何かちょっと食べたい時にはピッタリ。これに似た料理は他のどの国でも見当たらない。 -
お腹を満たしたところでいよいよ最終アプローチ。今旅の大目標である秘境ウシュグリ村へ移動する。
マルトルーシュカ乗り場に行ってみるとそれらしき客待ちミニバスはなく代わりに貸し切りの白タク軍団が数台。
交渉してみるとウシュグリまでの道は酷い、タクシーのほうがいいぞとの言葉に説得力があり150ラリで手打ち。頑丈な4駆車でウシュグリへ向かった。
走り出して30分、ウシュバ山が見えてきた。ツインピークで存在感が抜群の山だ。 -
白タク軍団の言葉は本当だった。
舗装路は程なく途切れぬかるんだ悪路に突入。ガタガタの道だった。 -
道幅はさらに狭くなり対向車が来たらギリギリですれ違うそんな山道。
ウシュグリ村へは冬場は交通が途絶えると書いてあったが実際無理だろう。
おそらく馬でしか通れない。 -
修行僧が丸3日かけて歩くような山道を走ること2時間、目の前が少し開けて人がいる里の気配。
ポールを持ったトレッカーも現れた。
こ、こ、ここはひょっとして⁉︎ -
やったあー
写真で見た復讐の塔が出現!
ここは目的地ウシュグリ村である。
嬉しい。超嬉しい。嬉しすぎる。
土曜日の真夜中、東京羽田を立ち
日曜日の午後、コーカサス屈指の秘境の地に降り立つ。
プラン通りの最速のウシュグリ村。
これはもう究極に自画自賛していいだろう。ダメ? -
村への入り口は一本道の一ヶ所のみ。
橋があってその橋のたもとで車を降りた。
降りたその場所に控えめな振る舞いの少年が1人。私に今夜の宿を勧めて来た。
普段なら最初の客引きの誘いには乗らず様子を見回してからチョイスに入る私だが強引さのかけらもないこの少年の柔らかな物腰にためらいもなく乗っていた。
こっちだよ~と先を歩く少年に着いていくことに。 -
ここがウシュグリ少年の勧める宿らしい。
少年よ、君を信じていいのか? -
蹴飛ばすと一瞬でバラバラになりそうな木の柵を開けて入ると思い切り洗濯もの
-
洗濯物の向こうからメガネをかけた華奢な女性が現れた。
ウシュグリ少年の上を行く慎ましやかな姿勢で私に挨拶。
年齢は30代半ば、仲間由紀恵をジョージア人にしたような女性である。手を前に合わせ一泊20ラリ、食事提供は15ラリでやってます、いかがでしょう?とお誘い。
値段は格安、ウシュグリ村の民泊宿、それを切り盛りする由紀恵ママに直オファーを受けたらちょっと断われない。
いや、たぶん世界中のツーリストが断われない。
こうしてこの家にチェックイン決定。
パスポートを取り出して見せようとするとママは、あ、それには及びませんからと宿帳記入もなく手続きは終了。
え?PC? そんなもん影もカタチもありません、ええ。 -
この体なんで。
ウシュグリ村現役一戸建て民家。
ヒマラヤのバッティはゲストハウスとしての構造がちゃんとあった。
素敵過ぎるぞ。 -
私が案内された部屋。
ゲスト用に用意された部屋は3部屋あり最初は別のやや広めの部屋をチョイスした私。だが、その部屋の扉に外鍵の備えがなかった。
由紀恵ママに外鍵は?と尋ねると眉ひとつ動かさず「この村では何も盗まれないから大丈夫ですよ」と即答。
えええ、、と躊躇している私にそれならこちらをどうぞ、と勧めてくれた。
確かに外鍵はついていた。
テレビ、エアコン、内線、冷蔵庫はなく小さな木造りのベッド2台と椅子1脚。
泣ける。いろんな意味で。 -
身体を休める時間も惜しくなるほど異次元世界に来てしまった。
時刻は午後3時
日没まで時間はタップリある。
トレッキング用リュックをパッと担いでウシュグリ村探検に繰り出した。 -
ウシュグリのガイド板があった。
ごく最近設置したようだ。 -
村へ入村する入り口にある石橋。
この橋の左手側に送迎のための4駆車が数台並ぶ。従ってまとまった数の人間を見かけるスポットになるのだが、この場所以上に人がまとまって居る場所はこの後発見できなかった。堂々のウシュグリ村の銀座4丁目である。 -
石橋を横目に起伏のある田舎道を進んでいくとこんな景色が飛び込んでくる。
ガイドブックやネットで見たウシュグリの全体像がつかめてきた。 -
目の前に続いている道を前に進む。
家の数をカウントしたら正確にカウントできるんじゃないかと思えるくらいの民家地帯を抜けるとこんなパノラマが広がっていた。 -
水たまり
と呼ぶには豪快過ぎるがここを超えなければ先には進めない。 -
村の集落をほぼ抜けきると小高い丘陵地帯に。家畜の豚が放し飼い状態で草を食んでいる。東京の日常風景とはかけ離れた世界ですね。
-
丘のてっぺんから
この先に見えている道をまっすぐ進む方向に姿を現している山がシュハラ山。 -
人も車も頼りにするのはこの一本道のみのようだ。
-
ガレ場も出現
このあたりからは道もなだらかに続いて自然には人の手がついている形跡はほぼなし。人家は皆無、茶屋も一軒もなく、道標さえもない、そういう世界。 -
行く手のその先にはとんでもない景色が
広がっていた。
とんでもない景色の主役は正面にでんと座るシュハラ山。
5193メートル、
ジョージアの最高峰。
あの裏側はもうロシアである。
元気ですかあ?プーチン大統領! -
放牧されっ放しの牛も自由気ままに川の水を飲んでいる。それを監視する地元民が周りに誰もいないというのがこれまた凄い。
宿のママがこの村では何も盗まれたりしないのよ、と言った言葉も頷けるかもねえ。 -
豚、牛、今度は馬
-
いっさいの柵がない自然の野原に放たれている彼ら。この大自然の中だよ。
世界中の家畜が羨むだろうねえ。 -
2時間歩いてもシュハラ山の麓までまだこの先の道は続いているがこの先は明日のお楽しみ。今日はここまで。
宿のママにお願いをしておいた7時の夕食タイムに間に合うようにゆっくりと引き返すことに。 -
美し過ぎる景色を味わいながらウシュグリ集落の外れにあたる地点まで戻ってきた。
小高い丘の上にはマラリヤ教会、あ、いやラマリヤ教会が見えている。 -
ラマリヤ教会に寄ってみた。
建立は12世紀とのこと。
ちょうど1組みの観光客が見学中。何やら解説をしている修道士が1人。 -
釣鐘の向こうにはシュハラ山が見え隠れ。
この釣鐘スタイルも他の国ではあんまり見た記憶がない。 -
陽が傾きかけた頃、ウシュグリの集落に戻った。豚、牛、馬の次は羊。
彼らはいったい夜どこに戻るんだろう。
ほとんど人間並みの自由が与えられておりますな。恐るべき村、ウシュグリ村。 -
村最大の繁華街!である石橋の周りを一回りしてみる。この時間にメスティア方面から入村してくる車は既になくこの日のトレッキングを終えた観光客と村民が数名。
ウシュグリでは子どもも馬をごく当たり前に乗りこなしているようだ。 -
ウシュグリは標高2200メートル
かなりの高地にあるが日本の山のような鬱蒼とした森林帯が全くない。なので天然の地形がそのまま芝生に覆われたような風景が一面に広がることになり、眺望感が抜群。この地形がとにかく和ませてくれる。 -
このビューポイントが村全体を一番よく見渡せる場所かもしれない。
ホントにこれが全てです。
なんせ人口228人(byネット情報)ですから。 -
改めて今宵の私の宿。
復讐の塔と呼ばれる世界遺産登録の源泉にもなった塔のうち、真ん中の胴回りがひときわ太い塔のあの裏に由紀恵ママのお家がある。 -
宿に帰ると庭先では子どもたちがまだ遊んでいた。この日は日曜日。だからそもそも休みの日なのだが、そういえば学校がある気配さえなかった。なにしろスーパーはおろか雑貨屋でさえ見かけない。
-
部屋に戻りネパールヒマラヤのバッティ以来の共同シャワーでシャワーを浴びてスッキリしたらちょうど7時。
家の地下にあるこの部屋に私の夕食が用意されていた。 -
ウシュグリ村の晩ご飯である。
スープにパン、チーズにトマト、サワークリームで食べる茄子にメインディッシュはパプリカの挽肉詰め。 -
追加5ラリで頼んだウシュグリワイン。
ジョージアは世界のワインの発祥の地と言われている。特徴はこの琥珀色。
私の後から女性の宿泊客2組みがこの地下食堂に降りて来た。
家庭料理にアンバーワイン、素朴な味がこれまた泣ける。もちろん完食。とにかく泣ける村、それがウシュグリ。 -
地下食堂への上がり下がりにはこの階段を使う。階段の穴ぼこの向こうには私の部屋の豪華鍵付きルームの扉が見えている。
-
扉が開きっ放しの部屋を覗いてみた。
リビングのしつらえに奥にはベッドルーム。一家が使っている部屋なのかゲスト用のスイートルームなのかはよくわからない。 -
廊下の壁に描かれていた手描きのイラスト。男性の手にワイングラスが。
さすがジョージア。
明日の朝食時間を6時半でお願い、と伝えると冷静沈着な由紀恵ママは一瞬たじろいだように見えたが大丈夫やりますと約束してくれた。
音ひとつ無いウシュグリ村の夜はとっぷりと暮れていった。 -
ウシュグリの朝。
6時前に目覚めよく起きた私は音を立てないようにそっとシャワーを浴び着替えて地下食堂へ。約束通り朝食は用意されていた。ジョージアの郷土料理、トウモロコシを焼いたパン、チャディもある。ホテルの朝食とはひと味違うこの手づくり感が胃袋に沁みた。どの料理も日本人の口に合う。 -
早朝トレッキングに出発。
外は清々しい空気。そして当然のように誰もいない。
旧ソ連時代に生産されたような軍用トラックが今も現役のようだ。このへんはジョージアというよりグルジアと呼んだほうがピッタリ来る。 -
ここでミネラルウオーターを買う。
私がウシュグリの村で唯一軒だけ発見したショップがここ。但し品ぞろえは数種類のドリンクと煙草、そして焼き立てのパンだけである。 -
昨日シュハラ山を目指して歩いたウシュグリ村が誇るあのトレッキングルートに再び挑戦。まだ朝日が昇りきっていない中、牛を追い立てる地元民がいた。
-
ラマリヤ教会を通り過ぎて集落の端にある丘陵を越えると。
昇りきった朝日の逆光の中、シュハラ山が立ちはだかっていた。
この朝の景色! なんてえこった。 -
昨日も天気は素晴らしかった。
が、今朝は前日のさらに上を行く最高の天気。それに湿気がない爽やかなこの空気。
旅の下調べでウシュグリ村の評判をネット情報などで読み、かなり期待はしていた。
だが、現実は期待をはるかに越えていた。 -
こんなですよ。
雲ひとつ無い。
朝一番で抜け出した甲斐あって私の他には一人のトレッカーもいない。
私の夏休み史上に残るこの空間! -
綺麗ですねえ~
だが私は花の知識に疎い。
お赦しを。 -
綺麗ですねえ~
だが私はやっぱり花の知識に疎い。
お赦し願いたい。 -
この橋を渡って
-
ただひたすら前に前に歩く。
シュハラ山がどんどん大きく見えて来た。 -
昨日折り返したポイントを通り過ぎて後ろを振り返ると。
いつの間にやらこの犬が私の後からついて来た。豚も牛も馬もそうだがこの犬も全く人間を警戒しない。全部が自然の中で共生している感満点。 -
道の行く先にこの大岩が現れて
-
な、なあんと
この地点で屋外茶屋があった。
脇には営業要員のためとおぼしきテント小屋があったが、誰もいる気配がない。
営業していればこのシュハラ山トレッキングルートで間違いなく唯一の補給ポイントだろうね。 -
道は左斜面に向かって急激に上がる坂道となり登りきると斜面中腹に走る平坦道に。
-
まるで山の斜面から突き出た岬のような高台に行き当たった。
下にはシュハラ山の前衛峰の左右から湧き出る2本の川がここで合流している。 -
5000メートル峰の足元から流れ出す川の源流。
こういう場所に立つのは人生初体験。
過去にはない。 -
シュハラ山をズーム
-
そして氷河の先端がハッキリ見えた。
-
ここから先、明確な道は消えていた。
この高台を降りて川の流れに沿って歩けば相当タフだがあの氷河の先端まで行けるかもしれない。
私のスタミナはまだ充分残っていた。が、この後の旅の予定を考えると今夜のうちにズグディディの街まで戻らねば。
最後の一切れを残して去る。
旅にはそういこともあるのさ。(by私)
以前テレビ番組でありましたよね、
ジカンニカギリガアリマス、ってやつ。 -
後ろ髪を引かれつつターンバック。
後を追っかけてくるトレッカーはこの時点でもいなかった。 -
景色の見事さに途中脚を止めて何度も振り返ってしまう。
世界遺産アッパースワネティの宝石ウシュグリ村のシュハラ山グレッシャートレッキングルート。
星マークをつけるとしたら星6つ。
いや7つあげていい。 -
シビレます。
振り返りはこの時点で既に20回か笑 -
また犬がやって来たところで私に続くこの日2番手の5人ほどのグループトレッカーと初めてすれ違う。やはり圧倒的に欧州勢が多そうである。アジア系ではトルコのアンカラ駐在の中国人夫婦に出会ったが日本人に出会うことは結局なかった。
-
おっと
乗馬姿のソロトレッカーに遭遇。
お供の犬を従えて馬に乗って川を渡る。
メチャメチャ楽しそうやん。
私もやってみたかったなあ。 -
シュハラ山が遠景になり村の集落が近づいてきた。
-
村の方角から色違いの牛が3頭、等間隔に離れてご出勤してきた。
なんだか吹き出してしまうぞ。
ウシュグリ村、インドより牛口密度が高いんじゃないの?あまりにたくさんの牛とすれ違って、しまいには人と牛の区別がつかなくなってしまったじゃないか。 -
村の集落とトレッキングルートを繋ぐ橋の下で氷河から流れ出した川は深い急流となっていた。お手本のようなグレッシャーミルク。上流には人家がないから排水なんぞは一切混ざってない水だ。この水を飲む牛、馬、犬は幸せである。
-
湧き水の上に寝そべって涼をとっている犬もいた。もはや人と犬の区別も怪しくなっていた。
-
村に戻ってきた。往復15キロくらいあったかもしれない。
-
この石積みの小屋が素晴らしい。
普通はブロック状の石を積み上げるところなのにスレートを平積みにしている。
独特だよね。 -
ここにも小さな教会があった。
-
もう私の宿まであと少し。
道沿いの民家の庭先で遊んでいた女の子がいた。
私が何気なくカメラを向けると
このポーズ -
ジョージアの女性は美人が多いと聞いてはいたが。
ちょっと恥ずかしそうな笑顔が天使過ぎるこの女の子。
帰りにこの道を通ってよかったですよ。
この子がミス・ウシュグリ、
あ、いや、ミス・ジョージアに決定です! -
時刻は1時。
シュハラ山に別れを告げる。 -
復讐の塔。
ずいぶん物騒な響きのある名前で冬場は陸の孤島になるらしいウシュグリ村。
レストランもスーパーマーケットもないところだが、ここに来れてよかった。
この評判を聞きつけて間違いなく観光客は増加の一途をたどると思う。
でも、変わらないであって欲しい。
切に切にお願いします。 -
宿に戻るといつもの子どもたちが今日も元気に遊んでいた。そうか、夏休みだよね、きっと。
支払いは朝済ませている。荷物をまとめてチェックアウト。鍵を返そうと由紀恵ママを呼んだがママはいなかった。私は鍵を女の子に手渡すと大丈夫です、という表情でニッコリ笑って受けとった。
これからメスティアに行く車を探して夜までにズグディディの街まで一気にコーカサスの山を下りる。
ジョージア、アッパースワネティの秘境ウシュグリ村に心から感謝している。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (10)
-
- miesanさん 2019/08/12 12:15:45
- ウシュグリの早朝トレッキングの写真すばらしいですね
- gyachung kangさんのウシュグリトレッキングの写真、見惚れました。8月末にメスティア、ウシュグリに旅行の計画をたてています。メスティアに2泊連泊かウシュグリに1泊、メスティアに1泊が迷っています。ウシュグリ日帰りでも4時間くらいは過ごす時間がありますが、やはり風景の素晴らしさは早朝からのトレッキングならではでしょうか。もしアドバイスいただけたらありがたいです。
- gyachung kangさん からの返信 2019/08/12 20:02:24
- Re: ウシュグリの早朝トレッキングの写真すばらしいですね
- miesan様
コメントありがとうございます。
ウシュグリを日帰りするか一泊するかですが、自分の経験から日帰りは随分スケジュールが窮屈かと思います。メスティアを早朝に発てば最大6時間くらい滞在できるとは思いますが、トレッキングルートは村を出るまで1時間近くかかりますし写真を撮ったり景色を味わいながら歩く
ことが楽しいのでちょっと惜しい。
天気も早朝が最高で昼間になると大概雲がかかると推測します。よって
一泊が推奨。私はメスティアには宿泊していないのでメスティア評はできませんが、実はメスティア周辺はいろんなトレッキングルートがあって欧州系のトレッカーはかなり居ました。数日間滞在している人が結構いるようです。楽しい旅になることを祈念します。
- miesanさん からの返信 2019/08/13 01:04:53
- Re: ウシュグリの早朝トレッキングの写真すばらしいですね
- gyachung kangさん、早速ありがとうございます。トレッキングルートまで1時間かかること、貴重な情報、ありがたいです。ありがとうございます。13時くらいにトレッキングルートからお戻りになったようですが、帰りのマトルーシュカは14時くらいに乗車ですか? 予約しておく必要はありますか?
- gyachung kangさん からの返信 2019/08/13 21:21:31
- Re: ウシュグリの早朝トレッキングの写真すばらしいですね
- miesan様
そうですね、2時前に乗車していますね。この時間だとマルシュや白タクが橋の袂に客待ちしてるので予約していなくても大丈夫だと思います。私はマルシュ相乗りでメスティアまで40ラリ、1800円位でした。3時を過ぎると車がなくなる危険性もありますね。ここは要注意で。
- miesanさん からの返信 2019/08/14 10:12:23
- Re: ウシュグリの早朝トレッキングの写真すばらしいですね
- ありがとうございます。ウシュグリに宿泊して早朝トレッキングをすることにしました。ありがとうございました。
- gyachung kangさん からの返信 2019/08/15 20:27:28
- Re: ウシュグリの早朝トレッキングの写真すばらしいですね
- miesan様
天候を味方にして楽しい旅になることをお祈りします。
-
- うさぎ姫さん 2018/10/29 21:12:16
- 栃ノ心 の ふるさと
- 今年の夏、ウクライナと、もう1か国、どこにしようか?
そうだ !!! ジョージアだ!
ホテルまで予約したけど、事情が変わり、
急遽、イスラエルに変更しました。
なので、ジョージアに、未練たっぷり(笑)
近い将来 行く! その際は、色々 相談しちゃうかもしれません。
- gyachung kangさん からの返信 2018/10/29 22:33:54
- Re: 栃ノ心 の ふるさと
- うさぎ姫さま
こんばんは
コメントありがとうございました。
ウクライナもいいですね。
私、サンクトペテルブルクとモスクワが好きなので玉ねぎ教会には反応してしまいます。ウクライナ正教はロシア正教とはまた微妙に違うでしょうね。
ジョージア、自信を持ってオススメできます。ご検討に値するかと。人、自然、食べ物、3拍子揃ってますので。
-
- mayたんさん 2018/09/22 17:08:04
- 素晴らしい景色
- ご無沙汰しています。
すんばらしい景色ですね!
何にもないこと。今の時代には貴重な体験。
由紀恵ママの朝食、とっても食べてみたい!
ハードな道程ですが、それだけに価値もありますね。
泣けてくるって、なんかわかるかも。
私も泣けてくる景色や人に会いたくなってきた。
May
- gyachung kangさん からの返信 2018/09/22 21:20:45
- Re: 素晴らしい景色
- mayたんさん
お元気ですか?
今年の夏はキツかった。無事乗り切られたでしょうか?
日程が限られていたんでアッパースワネティ地方まで行くか迷っていましたが、迷ったときは行くってことで大大大正解でした。
ママの宿で食べた料理よりも美味しいものはいくらでもありますよ、日本でもね。
でもね、味だけじゃないんですよね。それが何か説明はできないんだけど。
自然は偉大ですね。素晴らしい自然には逆らえない。私は自然に従います!
これからはいい季節。また旅行記で会いましょう。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
gyachung kangさんの関連旅行記
その他の観光地(ジョージア (グルジア)) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
その他の観光地(ジョージア (グルジア)) の人気ホテル
ジョージア (グルジア)で使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
ジョージア (グルジア)最安
1,406円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
10
97