2018/08/30 - 2018/08/30
1551位(同エリア4590件中)
ころたさん
東京都美術館で開催中の藤田嗣治展を見に上野へ。
今年はフジタ没後50周年と言うことで、東京と京都で回顧展が開かれるそうだ。東京では7/31から10/8まで。レオナール・フジタはエコール・ドゥ・パリの画家たちの中でも私の大好きな画家だった。史上最大級と主催者がぶち上げた大回顧展、じっくりと見て行こう。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
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プチ旅の始まりは当然、上野駅。公園口からは残り少ない夏休みを楽しむ人達が流れ出す。
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上野公園に入って右手が国立西洋美術館。コルビュジェの建物ばかり有名になってしまった感があるが、いつもは質の高い常設作品をゆったりと鑑賞できる。大好きな美術館の一つ。
今はミケランジェロ展だね。 -
何年か前に都美術館でマウリッツハウス展が開催されていた時、「真珠の耳飾りの少女」を1時間も待ったあげく人並に押されて通り過ぎた。ところが同時に西洋美術館で開催されていたベルリン国立美術館展の方はガラスキで、「真珠の首飾りの少女」とじっくりとお話しすることができた。
国立西洋美術館 美術館・博物館
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西洋美術館はいつもほとんど広告を出さない。同じフェルメールの「聖プラクセディス 」を初めて所蔵した時も、ひっそりと展示し始めたものだから誰も気づかない。知る人ぞ知る状態だったので、これまたじっくりと聖女とお話しすることができた。
ただ「聖プラクセディス 」はフェルメール(に帰属)なんて言う微妙なキャプチャが付いていて、要はフェルメール作品であるという確証がなされていないそうだ。俺は本物だと思ったけどね。 -
まあ俺の審美眼なんて屁みたいなもので、同じベルリン国立美術館展で俺が最も惹かれたのが「黄金の兜の男」というレンブラントの作品だった。年老いた騎士の鋭い眼光に射抜かれて、その場に30分も立ちすくんでいたが(それだけ空いていた)、この作者は「レンブラント派」だと。どうやら弟子たちがレンブラントの指導の下に描いたらしい。
http://www.gallery-aoki.com/kabuto.html
いいんだよ、別に画家に惹かれたんじゃない。絵に惹かれたんだから。 -
な~んて昔を思っている内に上野動物園に到着。パンダのシャンシャン目当てに殺到するであろう人の行列のために、物凄い長さの列待機場所がパイロンで示されてあった。けど今はガラガラ。11時だったんで、もう入場したのかな?
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東京都美術館に到着。
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窓からフジタの乳白色のレディが微笑む。
東京都美術館 美術館・博物館
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毎度お馴染みのオブジェを過ぎて、地下に降りる。このエントランスはあまり好きじゃないんだ。何とも重みがない。
東京都美術館 美術館・博物館
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ほらね。
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でも都美術館は好きだよ。内装がシックだし、何より照明が素晴らしい。後で触れるけどフジタの作品のような光が重要なファクターになる作品には、都美術館は最高。フェルメールも似合っていた。激混みだったけど。
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壁際の無料ロッカーにカバンを押し込んで、いざ入場。
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入口でパンフと作品リストを入手して入場した。空いているとは言えないが、さほどではない。今回の作品数は126。俺のペースだと3時間だな。これくらいなら人に押し流される心配もないし。
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例によって撮影禁止の日本の事情により、パンフと作品リストが主役の鑑賞記となる((´;ω;`)ウゥゥ)
回顧展なので当然、基本的に年代を追って展示されている。フジタ 24歳の時の自画像から、1968年に82歳でなくなる直前の作品まで、126点の作品はフジタ波乱の人生を写し取るような変遷を見せる。 -
まず興味を惹かれたのはパリに移った若いフジタの成長の記録。1910年代、エコール・ドゥ・パリのただ中に飛び込んだフジタの当惑、驚愕、感動が作品に如実に表れている。
これはピカソ?ブラック?かと思えばセザンヌやピサロを彷彿とさせる風景画があったり。
http://foujita2018.jp/highlight.html -
「二人の少女」も親友だったというモディリアーニの影響が色濃いが、背景などのスタイルはもうレオナール・フジタだ。
このパンフの「エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像」は1922年の作品だが、ようやく自分が確立してきた感じ。ちょっとクリムトの匂いもするが。。
作品上部の黒いタイル状の部分は銀箔貼り。銀はすぐに黒く腐食するが、アメリカの資産家に依頼されて収めた時の銀色の背景を見てみたかった。 -
おもしろかったのはこの頃までフジタのサインが変遷を重ねる。下には必ず「Foujita」(Fujitaではない)とフランス語で書かれているが、その上に漢字のサインが書き添えていて、「藤田嗣治」「嗣治」「藤田」とバラバラなのだ。
最終的には「嗣治」に落ち着くが、いろんな迷いがあったんだな。 -
フジタと言えば丸眼鏡におかっぱ頭、ちょび髭というスタイルで有名だが、これも百鬼蠢くパリの画壇で少しでも目立とう、己のスタイルを持とうと言う意思の表れだろう。
水玉オバサンもそうだろうって? いやぁ一緒にしてほしくないなぁ。フジタは日本人として Only One だと思うよ。 -
展示室を進み、いよいよ「乳白色の裸婦」の待つ部屋へ。
1920年代に描かれ、パリの美術界にまさに旋風を起こしたフジタの真骨頂!
すばらしいです。 -
冒頭の「横たわる裸婦」でもうグロッキーです。
なんたる輝き、柔らかさ、表情。光り輝く白い肌。フランス人が魅入られるのも当然か。しかし俺が最も惹かれたのは裸婦自体でも背景のジュイ布でもなく、裸婦の横たわったシーツの輝き。
フジタの裸婦像は近くで見てはいけない。最低でも2m離れ、少しずつ横にずれて視線を変えて見てほしい。どこかで白いシーツが輝きだす。光が躍り出す。これは恐らく都美術館の柔らかい照明が効いているのだと思う。 -
美術館に来てよく思うのが、絵よりも脇のキャプチャを読むのに一生懸命で、肝心の絵はスルーしちゃうオジサンオバサンが多い事。何しに美術館まで来たんだろうと思っちゃう。俺、ほとんどキャプチャを見ないので。。。
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「タピスリーの裸婦」もすばらしい。「五人の裸婦」ももちろんいい。「友情」も持って帰りたい。
この部屋だけで1時間は居たと思う。1920年代のフジタは本当に好きだ。 -
そして1930年代、フジタは突然変貌する。パリを出てラテンアメリカへ長い旅を始めたと同時に、それまでのスタイルを捨てフォーブとも見えるような激烈な色使いの絵を描き始める。
そして「目」が輝きだす。1920年代の裸婦の目には力がない。柔らかさを出そうとして意識的にそうしたんだろう。それがラテンの血に触れて目力を得る。好き嫌いで言えばフジタとしてはあまり好きではないが、以後の戦争画や戦後の作品に繋がっていく。 -
さあ戦争画だ。第1次大戦をパリで経験し、第2次大戦時は日本に戻ったフジタは国の命により戦争画、それも国威発揚のための絵を描き始める。これが戦後のフジタの冷遇を招くのだが、戦争中の最大の作品が「アッツ島玉砕」。
2.5×2mの大作は国の指令による作品ではなかったと言う。そりゃそうだ。これで国威発揚になる訳がない。並んだ「サイパン島同胞臣節を全うす」と同じく戦争の悲惨さに圧倒される。凄い絵だ。凄いが悲惨すぎて一般に受け入れられないのかな。ピカソの「ゲルニカ」、ゴヤの「巨人」にも匹敵すると思っている。
そしてそこで気が付いたのがフジタのサイン。「Fujita」となっていた。パリで活躍した「Foujita」ではない。彼にとって戦争画は別人が描いた絵なのだろう。 -
戦後、石持て追われるごとくに日本からアメリカに移ったフジタ。フランスに帰りたかった(まさに帰る、だな)フジタだが、なかなか入国許可が下りなかったらしい。意外だ。その時に描かれたのがポスターになっている「Cafe」。ニューヨークでパリを想いながら描いた作品だ。
そしてフランスに帰国、カトリックに入信し「レオナール。フジタ」の名を受ける。以降は完全に宗教画家に変身する。
それらの作品は、、、言うまい。時代に翻弄された日本出身のフランス画家が最後に選んだ道だ。もう人のためや金のために描くのではない。自分のため神のために描いたのだから。 -
「私は世界に日本人として生きたいと願う。」
パンフの表紙のフジタの言葉は、第2次大戦前のパリでの言葉だと言う。しかし戦争とその後の苦難を経てフランス国籍を選んだフジタは、その時どう思っていたのか。 -
図録は2400円。買おうかな、とも思ったのだが、エコール・ドゥ・パリの時代の絵だけでいいかなと思い、買わずに帰った。
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「館内の最後の方に写真を撮れる場所があります。」
お~最近は国立新美術館のミュシャ展( https://4travel.jp/travelogue/11240803 )といい、少しずつ観客サービスに力を入れているんだなと思い、わくわくしながら行ってみると、、、
おいおい、これかよ。観光地のハメ込み写真パネルじゃないんだから。まったく! -
場外に出てみると、時間は3時半。あれま、4時間以上もいたのね。入場料1600円の元は取れたかな。
東京都美術館ミュージアムショップ お土産屋・直売所・特産品
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上野動物園まで戻ってくると、さすがに入場待ちの人はいなかった。でもでも、パンダ待ちは50分! 春に和歌山アドベンチャーワールドで見てきて良かったぁ。あっちもまた子パンダが生まれたらしいよ。
東京都恩賜上野動物園 動物園・水族館
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後は上野公園をぶ~らぶらお散歩。そうだ、西郷さんに会いに行こう。
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西郷さんの目の前にあるレストラン、Le quattro stagioni 。こんなこじゃれたイタリアンだったっけ?昔からこの場所にレストランはあったんだけど。。。
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そしてお馴染、西郷さん。今やNHKで大盛り上がり。俺、あのドラマを見たことないんで、つい最近「せごどん」って読むことを知った。
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威風堂々です。連れの犬は秋田犬と思われていますが、薩摩犬だそうです。
上野恩賜公園 公園・植物園
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ほら、今も写真スポット。
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その下には改装なった「UENO3153」。分かりますよね、「サイゴーサン」です。
昔は映画館や大衆レストラン(今や死語)が入っていて、1階にはお土産屋さんが並んでいたなぁ。「3153」はこじゃれたレストラン街です。UENO3153 グルメ・レストラン
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最後は睡蓮でも見て帰ろうかな、と池之端方向に向かった。ここにも昔は映画館が並んでいたよね。上野に映画館は絶滅したのかな。
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と、そこへカートに乗った外人部隊が通過。総勢7台が本郷方向へ。こんなのもレンタルしているのね。
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おっ、まだあったよオークラ映画専門館。昔はお世話になりました。絶滅危惧種のピンク映画、層々たる監督が巣立っていった事はご存知ですよね。若山孝二、高橋伴明、滝田洋二郎etc.。裸さえ出てくればあとは自由に撮れるピンクは若手監督の虎の穴だった。(なんで俺、こんなに力入れてるんだ?)
今日は「熟女の誘惑 入れ食いの宿」「美脚教師 開いて悶絶」絶賛上映中です。相変わらず題名は七五調なのね。 -
不忍池がプチ旅のゴール!
蓮の花はもうオネムで閉じているけど、朝早く来れば見ごろだよ。不忍池 自然・景勝地
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