
2018/06/14 - 2018/06/15
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スエーデン人の心の故郷と呼ばれるダーラナ地方を訪問し、ストックホルムに戻る途中にウプサラの町で一泊しました。ウプサラはストックホルムの北約70kmにある大学の町で、ウプサラ大学は北欧最古の大学です。大聖堂もある美しい町です。またウプサラ郊外にガムラ・ウプサラ(古ウプサラ)と称される遺跡もあります。ここは11世紀ごろまでにスエーデンのキリスト教化が完了し、ガムラ・ウプサラにキリスト教の教会が建てられ、現在のウプサラやストックホルムの発展へと繋がることになった場所です。この他、ウプサラ郊外ではルーン文字遺跡が幾つか発見されています。この独特の文字は、ゲルマン人がゲルマン諸語の表記に用いた古い文字体系で成立時期は不明ですが、スカンジナビアでは2‐3世紀から中世まで用いられたことが分かっています。
ウプサラは日本では、古都の奈良や京都に相当するように思います。スエーデン歴史遺跡の見学を目的に、美しい大学の町ウプサラと周辺を訪ねてみました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 スイスインターナショナルエアラインズ ANA スカンジナビア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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6月14日
ダーラナ地方の見学を終え、ウプサラの町に到着しました。宿泊ホテル, Radisson Blu Hotel Uppsala,は大きなホテルで駅前大通りにありました。地下駐車場に車を停めて、ホテルにチェックインしました。夕方の6時過ぎです。 -
Standard Twin Roomでしたが、広めの部屋をアサインしてくれました。
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部屋の窓下に、ウプサラ駅が見えました。夕方の7時過ぎですが、スエーデンの6月は日が長いので明るく、仕事帰りの人々が駅を行きかっていました。
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ホテル1階にあるレストランで夕食です。家内はムール貝とポテトを注文しました。
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私はラムステーキです。柔らかくて美味しいステーキでした。明日はウプサラ市内と郊外をドライブ見学する予定です。美味しい夕食に満足感を感じながら、一休みです。
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翌朝のホテルビュッフェ朝食は、結構込み合っていました。このホテルはウプサラ駅前で交通の便の良い場所にあるため、多くの宿泊客がいました。我々はレンタカーでしたので、何も駅前である必要はありませんでした。駅から離れた、混んでいないホテルの方が妥当だったかも知れません。
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ウプサラでは最初に大聖堂(Uppsala Cathedral)を見学しました。
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ウプサラ大聖堂はスカンディナヴィア諸国で最大級の教会建築。高さ118.7メートル、幅118.7メートルもあるスケールの大きな教会です。高さは北欧で最大だそうです。聳え立つ二つの尖塔が印象的です。
大聖堂(ウプサラ) 寺院・教会
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大聖堂内部は荘厳で、装飾も手が込んでいます。この大聖堂で、中世から18世紀までスエーデンの君主の戴冠式が行われています。国を代表する大聖堂です。
大聖堂(ウプサラ) 寺院・教会
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大聖堂内部にあるチャペルの装飾彫刻も、レベルの高い芸術品です。
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祭壇の彫像、その下の絵画も素晴らしいものです。流石、スエーデンを代表していた大聖堂です。
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聖書の物語を表したレリーフ彫像で、まさに芸術品です。
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聖人達の絵も、多分、大聖堂の建設当時のものと思われます。
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16世紀のスエーデン王、グスタフ・ヴァーサ王のお墓です。
大聖堂(ウプサラ) 寺院・教会
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石棺下方に、スエーデン王室の紋章が彫りこまれています。
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大聖堂内で、ウプサラ大学の学生達が講義を受けていました。歴史、あるいは宗教の勉強の一環と思われます。現物を見ながらの講義は、充実感があることでしょう。
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ステンドグラスの文様は派手ではありませんが、色と図形のバランスが素敵だと思います。
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ウプサラ城(Uppsala slott)の広場です。城は丘の上にありました。広場に中世の砲が並んでいました。
ウプサラ城 城・宮殿
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ウプサラ城は16世紀にグスタフ・ヴァーサ王によって建設されています。以降、何度か再建、改装が繰り返されて今日に至っています。現在、城はウプサラ知事の住居、そしてウプサラ美術館 、 平和博物館 、ヴァッサボルゲンの3つの美術館として使われています。
ウプサラ城 城・宮殿
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城の一角に奇妙なオブジェのようなものがありました。グニラベル(Gunilla bell)で、ウプサラのシンボルの一つになっているそうです。1588年に建造された鐘で、時を告げる時計の役割を果たしてきています。頂上に旗が立っているのは、このベルがスエーデンにとって重要な歴史的な鐘であることの証かも知れません。
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ウプサラ城の近くにウプサラ大学本部があります。この大学は1477年に創設された北欧で最古の大学です。本部の建物も重厚感があります。
ウプサラ大学 建造物
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大学本部の正面です。中に入ってみました。
ウプサラ大学 建造物
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入り口を入ると、床に大学名が書かれた重厚なカーペットが敷かれていました。カーペットを踏んで、前に進みます。
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内部は、大聖堂と同様、荘厳な造りです。
ウプサラ大学 建造物
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講義室やホールの案内標識が出ていますので、大学であることが分かります。
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セミナー室入り口両脇に、ローマ遺跡にあるような彫像が立っていました。中世の格式ある大学は、こんな感じだったのでしょうか。
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本部1階入り口脇に、ショールームがありましたので入ってみました。ノーベル賞を創めたアルフレッド・ノーベルの説明パネルがありました。ウプサラ大学が誇りとする人物です。
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隣に小学生の夏休み宿題のような展示がありました。植物学者リンネが花の構造をスケッチしたものです。リンネはウプサラで植物学研究を行った著名人です。
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大聖堂の向かい側にグスタビアヌム博物館(Museum Gustavianum)があり、多くの人が出入りしていました。この建物は1622~1625年に建てられ、1778~1887年の間にウプサラ大学の本館として使われました。1997年以来、ウプサラ大学の博物館として一般公開されています。
建物中央部の出っ張り部分には、有名な円形講義室があります。グスタヴィアヌム(歴史博物館) 博物館・美術館・ギャラリー
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入場料を払って博物館に入ってみました。エジプトなど海外から持ってきた遺物や科学技術の発達の過程で使われた物品などが、展示されています。この部屋の展示は、望遠鏡です。ウプサラ大学で開発されたもののようです。
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こちらの展示は顕微鏡です。初期の光学顕微鏡ですが、今日使われているものと形は殆ど同じです。
グスタヴィアヌム(歴史博物館) 博物館・美術館・ギャラリー
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植物学者リンネの「植物学」の初版本で、1716年の発行日が書かれています。大変貴重な書物です。
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これが建物中央部にある円形の講義室です。解剖学などの講義が行われています。中央にあるのが実験および講義テーブルで、ここで解剖などが行われるのを学生たちが上方から見下ろすようになっています。階段席の傾きは急で、どの席からも講義テーブルがしっかり見学できるように工夫されています。大学などの階段教室の始まりの場所と考えられます。
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円形講義室の天井では、採光で工夫がされていました。照明設備が発達していなかった中世時代、太陽光の集光が重要だったのですが、この円形階段講義室では光が下方の実験テーブルまでしっかり届くようになっていました。
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建物の屋根裏部分にスエーデンの歴史展示がありました。ヴァイキング時代の発掘遺物などが展示されています。
グスタヴィアヌム(歴史博物館) 博物館・美術館・ギャラリー
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ヴァイキングのお墓から発掘された刀剣と鉄製ヘルメットです。鉄製で錆びてはいますが、形がしっかり残っています。
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スエーデン語に加えて英語説明もありますので、展示内容を理解することができます。ヴァイキング時代のお墓についての説明です。
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紀元1世紀から1200年頃までのスエーデンで発掘された遺物の説明をしたパネルです。パネルに掲載されている写真と同じような現物遺物も展示されていますので、このパネルは説得性があるように感じました。
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ウプサラには植物学の創始者でもあるリンネが住んだ家と植物園がありました。リンネの住んだ家は博物館(Linnémuseet)になっており、その隣がリンネ植物園です。ここはリンネ植物園への入り口です。
リンネ博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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リンネ植物園です。リンネが収集した植物が育てられています。
リンネ博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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リンネが愛した植物で、赤い花が咲いていました。
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これもリンネが愛した植物です。
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アザミのようですが、微妙に違う感じです。
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野草の花のようですが、他ではあまり見たことがありません。
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どこでもありそうな花ですが、これもリンネが収集した独特の花のようです。
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色とりどりの花が咲いていました。
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植物園の隣にあるリンネ博物館です。建物の前の銅像はリンネです。
リンネ博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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リンネが暮らした当時の状況がそのまま展示されていました。立派な暖炉、家具、調度品、多くの部屋があり、リッチな家です。リンネはウプサラ大学薬学部の部長職にあって、大学公邸であったこの家に住み、同時に大学の植物園の管理責任者を務めたとのことです。
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当時のウプサラ大学の様子も説明されています。リンネと家族は1743-1778年の期間、この家で生活しています。
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リンネ植物園の前の通り沿いにはレストランやカフェが沢山ありました。とても良い感じの通りです。
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通りの隣をフィリス川が流れ、川沿いは散歩道になっています。
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川沿いにウップランド博物館(Upplandsmuseet)がありました。白い建物です。この博物館には、ウプサラ市と郡の文化および考古学の歴史に関する展示がなされています。市の歴史、ウプサラ大聖堂、ウプサラ大学の学生生活などの様子を学ぶことができる博物館です。
ウプランド ミュージアム 博物館・美術館・ギャラリー
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ウプサラの町の中心から北に6-7kmの所に「古いウプサラ, Gamla Uppsala」と呼ばれる地区があります。現在のウプサラが発達する前に栄えていた場所で、初期の遺跡があります。3世紀から4世紀にかけて、宗教、経済、政治などの中心地であった場所です。
ガムラウプサラ(Gamla Uppsala)に到着しました。案内パネルの前方に古い教会がありました。ガムラ ウプサラ博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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旧ウプサラ教会で、1076年に建設されたものです。中世初期の古い教会形式が現在まで保存されています。
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教会の内部ですが、他の教会とあまり大きな違いは感じません。
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祭壇にあったキリスト像と聖人たちの像です。時代を感じさせる古い彫像です。
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教会の周りには沢山のお墓がありました。相当古いものもありますが、大部分は新しい感じでした。
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考古遺跡が発掘されたガムラ・ウプサラの丘陵地帯(Old Uppsala archaeological area)です。先史時代から中世にかけての遺物などが沢山埋もれているそうです。
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丘陵の周囲は柵で囲まれ、柵に沿って散歩道が整備されていました。スエーデンの古い都市で、日本の奈良飛鳥遺跡に相当するように思います。
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ウプサラ南部のシグテューナ(Sigtuna)にも先史時代の遺跡やルーン文字碑がありますので、行ってみました。ウプサラから263号線を30kmほど進んだ場所で、湖の畔です。これは聖マリア教会(St. Mary's Church)で、1200年代の建造です。ロマネスクとゴシック様式の折衷の建造物です。
聖マリア教会 寺院・教会
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教会内部です。先に訪れた旧ウプサラ教会の内部より、モダンな感じです。
聖マリア教会 寺院・教会
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祭壇のキリスト像と聖人たちの像です。教会内部の彫像や飾りは、中世時代の古いものと20世紀初めに修復・設置された新しいものが混在しています。新旧の混在は、あちこちの教会でもありました。
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聖オルロフ教会の廃墟(St. Olof Church ruins)が近くにありました。12世紀初めに建てられた教会の遺跡ですが、最近の調査によればこの遺跡教会は石造りの古い教会の上に建設されていることが分かっています。この古い教会はスエーデンで最も古い石造教会であると見做されています。この地区で、スエーデンのキリスト教が発展していったことが伺われます。
聖オロフ教会の廃墟 寺院・教会
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100mほど離れた場所の木立の中に別の教会遺跡がありました。聖ラーシュ教会遺跡(St Lars Church ruin)です。12世紀に建造されましたが、教会統合などでそのまま放置され、建物の一部が残ったようです。
聖ラーシュ教会の廃墟 寺院・教会
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遺跡の説明がスエーデン語と英語でなされていました。独特の文字、ルーン文字の判読内容などが紹介されています。
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独特のルーン文字は、ゲルマン人がゲルマン諸語の表記に用いた古い文字体系で成立時期は不明ですが、スカンジナビアでは2‐3世紀から中世まで用いられたことが分かっています。ウプサラ近郊で、ルーン文字が書かれた石碑が沢山発見されています。
石に書かれたルーン文字ですが、見やすくするために彫りこまれた文字部分が赤く着色されています。着色は最近なされたものです。この碑では十字架のようで、文字のようには見えません。ルーン文字の石碑 モニュメント・記念碑
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別のルーン文字石碑です。こちらも文字というより、文様のように見えます。
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ルーン文字に関する説明です。
石碑はヴァイキング時代の主要道路脇にあり、書かれた文字から人の名前(トラ、ロディ―)、そして「長命が運命づけられたーー」の記述がある、ことが説明されています。 -
シグトゥーナ (Sigtuna)にはスエーデンで一番小さい町役場(Town Hall)があります。これが町の中心部にあった町役場の建物です。 1744年建設され町役場として使われてきましたが、 1948年12 月以降は博物館と社会センターになっています。やくば前広場周辺にはレストラン、カフェもあるので、程々の人が集まっていました。
市庁舎 (シグトゥーナ) 建造物
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町役場入り口です。有名な場所で、訪問者も多いように思いました。
市庁舎 (シグトゥーナ) 建造物
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今夜宿泊するホテル(Scandic Ariadne)はストックホルムの外れ、長距離フェリーが出入りする港の畔です。車での移動ですので、道路が込み合っていないストックホルム北側のこの場所を選びました。大きな総合ビルの一角にホテルがありました。ホテルロビーは上階にあり、エレベータで移動してチェックインしました。ここがホテルロビーです。
スカンディック アリアドネ ホテル
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旧市街ではありませんので、ホテルの部屋も広めです。
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部屋からはフェリー港が見え、大型フェリーが出向していきました。このホテルはフェリー利用者が専ら利用するようで、団体さんが多い印象です。
スカンディック アリアドネ ホテル
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港を眺められるホテルレストランで夕食を取りました。まずはスエーデンビールで乾杯です。天候にも恵まれ、ウプサラとその郊外を訪問し、スエーデンの古い遺跡や大聖堂、北欧最古の大学、リンネ植物園などを見学しました。1日だけの観光で随分多くの観光スポットを訪問することができました。北欧の古い文字であるルーン文字に関する知識も得ることができました。充実した1日にビールで乾杯です。
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スエーデンさんのサーモンをメーンディッシュにしました。分量は少な目ですが、美味しいサーモンでした。スエーデンでのメーンディッシュ分量は、日本のレストランと同様に少な目の印象です。スエーデン人であまりデブッチョに出会わないのは、こちらの人は大食いをしないことと関係しているのかも知れません。
明日、ストックホルムを少しだけ見学して夕方の航空便で帰国する予定です。
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