2018/06/16 - 2018/06/18
51位(同エリア69件中)
地酒大好きさん
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ほぼ毎年、この時期にキャンプを楽しむことにしている、高山市の山中(さんちゅう)で御嶽山の中腹にある「くるみ島キャンプ場」に今年も行ってきました。
標高は1850m~1900mの高所ですから、野鳥たちの繁殖時期は平地よりも遅く、今頃がさえずりのピークです。また、亜高山の植物の花も多く、訪れるのにはちょうどよい時期です。
キャンプ場までは車で乗り付けることができます。
今回はどんな出会いがありますか。楽しみです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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毎年、鳥たちのさえずりが多く、春の花が咲くこの時期にキャンプに訪れています。
名古屋方面からは国道41号線を高山市に向かってひたすら走ります。この国道は飛騨川に沿って続いていますが、飛騨川の岸にはちょうどイワツツジが満開です。このように岩の上に咲くツツジです。
この写真は途中の道の駅から撮ったものですが、道の駅に立ち寄る客でイワツツジに関心を持って観察する人は皆無でした。 -
道の駅は岐阜県七宗町にありますが、そこの通路の上にこのようにツバメの巣があり、5羽のヒナが親からもらうエサを待っていました。親が近づくと背伸びをして自分だけがエサをもらおうと必死でした。かわいいものです。
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蒸し暑い中、途中の下呂市で買い物をして、飛騨小坂から濁河温泉方面の看板に導かれて県道(山道)に入ります。
山道に入るとすぐ「ヒーツーキー」の甲高い声が聞こえます。エゾムシクイの声です。
この山道はパノラマラインと呼ばれていて、このような御嶽山を見ながら走ります。天気はよく、御嶽山はくっきりと見えました。 -
途中の下呂の町で買い物をするときはあんなに蒸し暑かったのですが、高度を上げるごとに気温は下がり爽やかになってきます。
キャンプ場に近づくにつれて道路は新しく立派になっており、過去の記憶だけで走ると道に迷いそうになります。こんな国立公園内の原生林を大規模に伐採して造る理由は少なそうです。でも地元の建設会社に常に仕事を与えておかなければ、万が一のときに工事をしてくれる会社がなくなってしまうから・・・と勘繰ります。
とうとうキャンプ場に着きました。入口にある案内看板です。快適なコテージが入口近くにでき、奥の方にはテントがたくさん張れる場所があります。避難小屋と書いてある建物が、昔は「森林学校」と書いてあって、団体の宿泊小屋でした。
管理人の中島さん夫妻がニコニコと迎えてくれました。16年前から二代目の管理人として働いています。わたしはその前の管理人時代から通っています。今年で27年目です。 -
これが森林学校と呼ばれていた建物です。今は避難小屋となっており、物置になっています。貸し出し用のバーベキューセット、テーブル、椅子などが保管されています。
建物の右端が、昔の管理人室で、四畳半の和室になっています。わたしはこの部屋を借りて毎年宿泊しています。昔はテントを持参したものですが、準備と片付けがめんどうなので、最近はテントも処分してしまいました。 -
これが水場で調理をしたり洗い物をしたりします。でも出てくる水は氷のような冷たさで、触りたくありません。
わたしの他の宿泊者は、テント泊の京都からの男性(フィアットで来ていました)と、後から自転車で到着した同じくテント泊の可児市からの大学生です。 -
水場の右にあるのがバイオトイレです。
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キャンプ場内を歩き回って、鳥や花を観察します。
鳥は、エゾムシクイ、ルリビタキ、メボソムシクイ、コルリ、コマドリ、ヒガラ、ミソサザイなどがうるさいくらいさえずっています。肝心なジュウイチなどのトケン類の声は聞こえません。ジュウイチはこのキャンプ場のシンボルのような鳥で、いつも声が聞けました。今回は聞けるでしょうか。
この写真はマイヅルソウの花です。葉の形がツルの羽が開いたように見えるために付いた名前です。
(他の人のブログには、よくマイズルソウと書いてありますが間違いです) -
これはゴゼンタチバナの花です。漢字では御前橘で、御前とは白山の最高峰のことです。この花もたくさんあります。
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ベニバナイチヤクソウです。白い花のイチヤクソウは下界にもありますが、ベニバナイチヤクソウは亜高山の花です。漢字では紅花一薬草ですから、薬として利用されたのでしょうね。この花もたくさん見られます。
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ウドも場内にたくさんありました。もう育ち過ぎで、硬くて食べられないと思います。
タラノメもたくさんありました。 -
地味な花ですが、ズダヤクシュ(喘息薬種)です。長野県の方言で喘息のことをズダと言うことから名付けられた薬草です。
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珍しいキスミレの仲間のキバナノコマノツメです。スミレの仲間なのに、スミレという字が入っていません。
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ゴゼンタチバナやベニバナイチヤクソウは同じような環境に咲きますので、このように混群になっているところが多いです。
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ハリブキもたくさんあります。
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ハリブキの花です。
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ハリブキの名のごとく、針で覆われています。
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午後4時になると冷えてきて、お互いが「寒いですね」と」声を交わすようになります。途中で買ってきた弁当を食べてすぐ寝袋に入りました。ビールなどは冷たくて飲む気にはなりません。水場の水も冷たすぎて触りたくありません。夜が更けるにつれて気温がどんどん下がり、熟睡できません。結局夜明けとともに起き上がり、探鳥です。フィアットの男性の姿が見当たりません。大学生に聞くと、寒くて寝られず夜中に引き上げたそうです。多くの鳥たちのコーラスの中にウソやホシガラスの声が聞こえました。
これは夜明けのキャンプ場から見た御嶽山です。今日も晴天です。 -
積雪が多いので、まだ新緑が始まったばかりです。これは場内のダケカンバの新緑です。
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キャンプ場内にある展望台に上がりました。すでに他で泊まったという神戸市からの夫婦?が大きなレンズを担いで上がってきていました。
あいにく周囲の樹木(ほとんどがコメツガかダケカンバ)が伸びてきて視界がよくありません。御嶽山は目の前です。カッコウやルリビタキ、エゾムシクイ、ヒガラなどがさえずっていますが、姿をはっきりと見たのはルリビタキとヒガラだけでした。夫婦?の話では、今朝の最低気温は2度だったそうで、道理で寒かったはずです。
カッコウの声を今回初めて聞きました。よくとおる声でいいですね。
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展望台からの御嶽山です。噴火前には稜線を歩く登山者が多く見られましたが、今は双眼鏡で探しても見られません。
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今日は時間がたっぷりあるので、近くにある胡桃大滝(くるみおおたき)に行くことにします。20数年前に一人で行って、今回は3回目です。管理人の中島さんに聞いても、最近は行っていないので様子が分からないとのことでした。新しい道路ができて、大滝に行く林道の入口が分からなく、迷いながらもゲートに着きました。途中、乗鞍岳がきれいに見えました。
これは乗鞍岳です。 -
これがゲートです。以前は「胡桃大滝」という看板がありましたが、今はそれらしき表示は見られません。
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ゲートから入ってだれもいない荒れた林道を進みます。クマが怖いので鈴をジャンジャン鳴らしながら。人の気配はまったくありません。
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林道沿いにはこのようなゴゼンタチバナの大群落が延々と続きます。
マイヅルソウの大群落もありました。 -
ベニバナイチヤクソウの花もところどころに群生していました。
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一株だけあったランの仲間、ノビネチドリです。盗掘にあって最近は数を減らしています。
このころ、大きな声で「ジューイチ、ジューイチ」の声が聞こえて、思わず飛び上がるほど興奮しました。やっとジュウイチに会えたからです。
また、林道ではヤマドリのオスに出会いました。カメラを構えているうちに逃げられてしまいました。下界にもいるヤマドリが、こんな高所にいるとは思ってもみませんでした。 -
この辺りは原生林で、林床は苔むしています。
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手積みの石垣がありました。わたしは興味があります。セメントも接着剤も使わず、長年崩れないという昔の職人のものです。
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こんな看板がありました。1977年製で、多分このころに林道が造成されたのかも知れません。
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案内板もないので不安になる道を30分ぐらい進むと、やっと古い案内板がありました。最近は観光客を入れたくないようです。
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大滝へは林道から分かれて右の小道に入ります。
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胡桃島大滝の由来を書いた看板です。
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さて、ここからいよいよ小道に入ります。
クマよけ鈴をいっそう激しく鳴らします。 -
途中、崩壊した道には、このような鉄製の道が設けられていました。
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鉄製の道は滑らず安全です。このまま滝まで順調に行けそうです。
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滝に近づくころ、右の崖が崩壊して小道をふさいでいます。左に見える小道はその先は崖で通れません。
仕方なく右の崩壊地の上を乗り越えます。足元が不安定な岩が多く、滑ったり転倒したりすると左の切り立った崖から谷底に真っ逆さまに落ちます。 -
やっと乗り越えて、反対側から振り返った崩落地です。
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危険な場所を過ぎると、前方に滝が見えました。その手前に展望台が設けられていました。
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やっとたどり着いた胡桃大滝です。昔は滝の下まで行けたのですが、今は通行止めになっていて近づけません。
オオルリやミソサザイが大声で鳴いていました。 -
滝の展望台のすぐぞばの山の斜面に咲くカラマツソウの仲間です。絶滅危惧種のようです。
人知れずひっそりと咲いていました。 -
無事にキャンプ場にもどり、近くの濁河温泉の露天風呂に入りに行きました。
これが脱衣場にあった成分表です。 -
これもその一部です。
露天風呂に入ると数名の客が広い露天風呂に入っていました。エゾムシクイがすぐ近くでずっとさえずっていて贅沢なバックグラウンドミュージックです。でも風が冷たく、冬の露天風呂のようです。
(残念ながら温泉の写真はありません)
出た後、隣の大型旅館のイワツバメの巣を見に行くと、従業員の話では、建物が汚れるので巣は落としたとのことでした。気の毒な話です。ここのイワツバメの巣は昔から有名でした。 -
その夜も寒くて熟睡はできませんでした。宿泊したのはわたし一人だけでした。
夜中にジュウイチの大声が屋根の上すれすれに聞こえました。こんな夜中に迷惑ですが、内心は大喜びで聞いていました。
さて、最後の日の朝はこの写真のように曇っていて、今にも雨になりそうです。降り出す前に帰ることにしました。
管理人の中島さん夫妻はまだ出勤してきていません。ここから車で1時間ほどかけて細い山道を通っているそうです。
中島さんが経営にかかわっている、道の駅「ひだ朝日村」に寄って買い物をするつもりで出発しました。
道の駅に着いたのですが、早すぎてまだ開店していません。車の中で待っていると、グラッと地震がきました。大阪北部大地震です。
開店後、買い物をして、家路を急ぎます。 -
途中、高山市久々野町を通りかかると、古い酒屋があり、店頭に「地酒 週休二日酔」の手書きポスターが貼ってありました。それに惹かれて店内に入るとおばさんがさかんに勧めてきます。この店オリジナルの究極の地酒とのことで、アルコール度20という強い酒です。他にもいろいろな地酒が並んでいましたが、どれも街のスーパーでも買えるものばかりで、結局この酒を買いました。旅の楽しみは地酒を買うことです。
ということで、今回も楽しいキャンプで満足しました。また来年行きます。
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