2018/06/02 - 2018/06/02
9位(同エリア284件中)
かっちんさん
秋田県湯沢市の院内(いんない)銀山は1606年に発見され、佐竹藩直営の銀山として経営されました。
当時の銀山は人口15,000人あまりを数え、城下町久保田(今の秋田市)をしのぐほどの活況を呈したと伝えられています。
その後、明治維新をへて新政府直轄の経営となり、近代化を推し進めていきます。
しかし、銀価の崩落や鉱脈の掘り尽くしなどで次第に衰退し、昭和29年(1954)に完全閉山しました。
院内にはもう一つ、大谷石、仙台石と並ぶ院内石が採石できました。
院内石は石垣、石段、石蔵、石壁、石畳などの建築材として最適で、明治時代中期から昭和の中頃が最盛期でした。
銀山、院内石はともに火山の噴火との関りが強く、マグマの噴出により大地が陥没した院内カルデラにより鉱石や岩石が出来上がっていきます。
今日はJR東日本の「駅からハイキング(駅ハイ)」に参加し、雄勝観光ガイドの方の説明を聞きながら、院内の昔の面影を見学します。
なお旅行記は下記資料を参考にしました。
湯沢市「院内銀山」、NPOおがち ふるさと学校「院内石物語」
山形県近代化産業遺産「新庄駅機関庫」、読売新聞2018年3月17日「とうほくジオ紀行」
駅からハイキング行程、院内地域づくり協議会「ジオの里 院内歴史散策マップ」
森と町と人の金山ミュージアム「街並み景観ゾーン」
きになるうさみみ「ハルジオンとヒメジオンの違いと簡単な見分け方!」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
美しい「吾妻小富士」(福島)
東京駅から東北・山形新幹線に乗り、車窓から景色を楽しみながら、新庄へ向かいます。
福島駅を過ぎ山形新幹線に入ると、吾妻小富士が近づいてきます。 -
飯豊連峰(赤湯)
水を張った田んぼの先には飯豊連峰。 -
朝日連峰(赤湯)
飯豊連峰の隣には朝日連峰。 -
山形鉄道「フラワー長井線」(赤湯)
山形鉄道の鉄道むすめ「鮎貝りんご」が描かれているディーゼルカーが赤湯駅に停車しています。
鉄道むすめが抱いているのは宮内駅のうさぎ駅長。
「鮎貝りんご」の由来は「鮎貝駅(あゆかいえき)」と「梨郷駅(りんごうえき)」からです。 -
ブドウ畑(赤湯)
赤湯を過ぎると山の斜面にワイン醸造用のブドウを栽培しているビニールハウスが見えます。 -
なだらかな形の「月山」(山形)
山形駅付近です。 -
田植えの終わった里山(村山)
-
新庄駅に到着
在来線(福島~新庄)と山形新幹線が並んでいます。 -
ホームの案内(新庄)
前後左右にある複雑なホーム。 -
奥羽本線と陸羽西線(新庄)
これから左側の電車(奥羽本線)に乗り、院内へ向かいます。 -
奥羽本線の路線図
院内は新庄と横手・大曲の中間にあります。
左右のレール間隔(軌間)は、山形新幹線(在来線を含む)が標準軌(1,435mm)、奥羽本線(新庄~大曲・青森)が狭軌(1,067mm)なので、新庄で電車が相互に乗り入れできず必ず乗り換えます。 -
旧国鉄新庄駅機関庫(新庄)
明治36年(1903)に竣工した機関庫で、開業当初の国鉄の機関庫の姿を留める貴重な建物です。
建物の主要部であるバットレスは、オランダ積みの赤レンガで壁面が構成され、建物前後の延長部分は木製です。
新庄駅奥羽本線ホームから眺めることができます。 -
赤レンガの壁面(機関庫)
電車が発車すると、機関庫の横を通ります。 -
鳥海山(真室川)
真室川あたりで鳥海山が見えてきます。
この先、及位(のぞき)駅(山形県)と院内駅(秋田県)の間には難所の雄勝峠(おがちとうげ)があり、トンネルで抜けます。 -
院内に到着
東京駅を6:12に出発し、院内駅に11:04に到着しました。
駅からハイキングは駅前に12:30集合なので、十分間に合います。
院内は秋田県です。 -
院内駅と院内銀山異人館
院内駅の正面に出ます。
院内駅舎は当時の院内銀山にあった異人館を模したもので、駅の機能の他、院内銀山の資料館になっています。 -
久米食堂
駅の近くにある食堂で昼食にします。
昭和2年(1927)創業の老舗で、現在4代目のご夫婦で切り盛りしています。
曽祖父が採石場の労働者を相手にひともうけしようと、隣の横手市から出てきて店を始めました。 -
昭和二年創業メニュー
創業当時の味を受け継ぐ「中華そば」と、中国・大連出身の奥様が故郷の味から作り出した焼き餃子が人気です。 -
イチオシ
名物の餃子
味噌ラーメンと餃子のセットメニュー(980円)です。
細麺にコクのある味噌味スープのラーメン。
餃子は見ての通り特大サイズ。豚ひき肉とキャベツ、タマネギなど野菜中心のアンで作った餃子は、口の中でジューシーな美味しさが伝わってきます。 -
「駅からハイキング」の受付
電車型の箱に会員カードを差し込むと受付ができます。
箱の中のスマホアプリがカード情報を読み取るので、屋外でも使える優れものです。
今回のコースは定員20名。事前申し込みが必要ですが、参加費は無料。 -
院内周辺の観光マップ
駅から出発し、旧羽州街道を通り、⑦院内番所跡 明治天皇ご休憩所 ⑤コロリ地蔵 ④愛宕神社 ⑥石切場 ②旧院内町役場石蔵 ③旧院内高等尋常小学校などをまわります。
歩行距離は、約4.5km、3時間ほど。
JR職員と雄勝地区観光ガイドの方が案内してくれます。 -
院内のローカル線
秋田駅からの電車が到着します。
この電車に乗っている参加者と合流し、駅ハイがスタートします。 -
院内石造りの蔵
駅前通りを進むと、院内石で造られた蔵があります。
凝灰岩の院内石は、耐火、耐水、耐圧に優れ、米蔵、酒蔵、倉庫等に利用されました。 -
イチオシ
亀の甲羅??
これは「カラミ」と呼ばれ、鉱石から金属を取り出した残りかすを固めたものです。
民家の玄関に飾られています。 -
イザベラ・バードの歩いた院内町
英国出身で「日本奥地紀行」を出筆したイザベラは、明治11年7月18日に金山を出発し湯沢へ行く途中、難所の雄勝峠と土砂降りの雨で時間がかかり、院内の阿部旅館に宿泊しました。
当日、湯沢では大火があり宿泊予定の旅館が焼けたので、不幸中の幸いだったかも知れません。 -
ころび坂
駅前からこれから行く院内関所跡までは緩やかな坂道になっています。
明治14年に明治天皇が東北巡幸の際、随行した高官の大隈重信がこの坂道で人力車から落ちてしまい、行列が大混乱したエピソードがあります。
人力車に乗る人も引く人も慣れていなかったためです。 -
院内関所跡
秋田藩の街道政策として、移出禁止と通行人の監視をしました。
院内銀山にも通じる藩領の重要な出入り口は、キリシタンの潜入や鉱夫・犯罪人の逃亡を防ぎ、浪人者を取り締まる役割がありました。 -
雪国の民家
最上地方の金山町にある金山住宅に似ています。
正面の巨大な妻壁に表れた化粧小屋梁とその下に並ぶお繰り戸が美しい家屋にしています。
金山住宅に興味のある方はこの旅行記もご覧ください、
『最上金山町の素晴らしい街並みと雛めぐり(山形)』
https://4travel.jp/travelogue/11134126 -
黄色い「キレンゲツツジ」
-
明治天皇御休み処の石碑
院内銀山に向かう巡幸の行列は、この場所でいったん休憩しました。 -
里山の風景(御休み処)
このあたりは外輪山に囲まれたカルデラ地形です。 -
院内銀山への道(御休み処)
ここまでは比較的広い道だったので明治天皇は馬車に乗ってきましたが、これ以降は道が狭くなるので4人で担ぐ駕籠に乗り換えられました。
院内銀山は写真右側に見える小さな白い建物のあたりから山に入ります。 -
イチオシ
緑に映える「ハルジオン」(道端)
花がピンクっぽく、糸のような細い特徴があります。 -
イチオシ
トトロが住んでそうな森
森の中に窪田神社があります。
歩いているときは初夏の暑さだったのですが、森の中では日陰の涼しさを感じます。 -
窪田神社
お稲荷様を祀っています。
ガイドさんの説明では「堂内に箱があって、その中に狐様のミイラが・・・」
参加者はみんな青ざめて聞いていたのですが、こっそり堂内を覗いた人がいて「箱がありませ~ん」
一斉に笑いの渦に変わりました・・・ -
イチオシ
石切り場(窪田神社から)
院内石採石場跡の素晴らしい景色が眺められます。
院内石はカルデラのくぼ地に火山灰が堆積し、長い年月をかけて出来た岩石です。 -
雪国の家
雪下ろしのため、2階の屋根に上る梯子がかけられています。 -
ころリ地蔵
ころリさんと呼ばれて親しまれているこの地蔵尊は、安楽信仰から来ているものです。
この地蔵尊は邪気払いの塩掛地蔵としても知られ、ここでお祈りするとコロッといけると言われています。
白い地蔵は院内石(凝灰岩)、薄茶色の地蔵は関口石(砂岩)で造られた石像です。
関口石は湯沢市関口で採石されています。 -
関口石の石像
塩をかけて参拝するので風化が進み、ラミナ(細かい層理)と呼ばれる縞模様が見えます。 -
愛宕神社
江戸時代、秋田藩十二社に数えられ、羽州街道を通る藩主や藩士が必ず立ち寄った由緒ある神社です。
神社の入口から本殿までの石畳は院内石が使われています。 -
庚申塔
「申庚塔」の文字に、おやっと思いませんか?
石工が彫り間違えたものです。 -
畔道を歩く駅ハイ参加者
-
満開のニセアカシア
-
最初に切通しへ
-
切通し
切り出した院内石を運ぶための切通し(通路)です。
入口より中は落石があるかも知れないので通行できません。 -
石切り場
この場所は明治から戦後間もない頃まで院内石の採石場として使われていました。
採石は露天掘りで、高いところから切り出し、徐々に下がっていきます。
タガネやゲンノウなどによる手掘りでした。 -
綺麗な切り出し模様(石切り場)
採石は幅約95cm、奥行き約70cmの長方形に溝を切り、厚さ35cmに矢(クサビ)の穴を15cm間隔に開けます。
ゲンノウで鉄製クサビを打ち込み、石材を切り出したのです。 -
院内カルデラ(石切り場から)
800万年前~600万年前におこった3回の火山活動により出来たカルデラ(陥没構造)です。
盆地状のカルデラのまわりに外輪山が見えます。 -
院内カルデラ(石切り場から)
院内石は崖の部分だけでなく、平地の下にもあります。 -
イチオシ
旧院内町役場倉庫
駅の近くに戻って来ました。
明治時代に院内石で造られた耐火に強い建物です。 -
旧院内尋常高等小学校
明治39年に再建され、昭和54年まで使われていました。
ロマネスク様式の二階建て造りの擬洋風建築。
秋田杉をふんだんに使用しています。 -
校庭の石垣(小学校)
二段構造で、上が院内石、下がカラミです。 -
SLの動輪(校庭)
-
メタセコイヤの巨木
-
新庄行き電車
駅ハイの見学を無事終え、院内15:39発に乗ります。 -
何しに来たのか~(新庄)
新庄駅に新庄まつりの山車(やたい)が展示されています。
睨まれたので早々に引き上げます。 -
山形牛すきやき弁当(車内)
新庄駅のもがみ物産館で購入した駅弁を夕食にします。
牛肉は柔らかく、すき焼きの味付けが美味です。
山形新幹線を福島まで乗り、そこから今晩の宿 宇都宮までは在来線を利用します。
明日は日光へ行く予定です。
院内は銀山の町だけかと思っていましたが、院内石で栄えたことを知り、勉強になりました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
PR
0
57