2018/05/14 - 2018/05/15
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鯨の味噌汁さん
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5月13日、月曜、霧雨。
予報によると、今日は午後から晴れて暑くなるそうな。
でもって本日は
「バス→バス→バス→列車→タクシー」
とゆう、「バカではないか、気は確かか」的な乗り継ぎを敢行し、ドウロ川上流のピニョン郊外にあるワイナリー「カーサ・シメーラ」に泊まる予定だ。
もちろんポルト市内にもワイナリーはあるのだが、せっかくここまで来たんだ、山肌を覆う一面のブドウ畑をこの目で見たい。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- タクシー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
途中、アマランテ、とゆう小さな町で、2時間の乗り換え待ち。
バスターミナルの隅に荷物を置かせてもらい、歩いて旧市街へ向かう。
10分ほど歩くと、川にかかった小さな橋に突き当たる。
なかなか風情があってヨイ。
橋を渡るとサン・ゴンサーロ教会で、この町の守護聖人が祀られている。 -
このかた、どうゆう経緯かはわからんが「良縁の聖人」であるらしく、未婚の女性がお参りに来るとゆう。
日本でゆうところの「縁結びの神」。
でもって年に一度のお祭りの日には、陳古の形に焼き上げたお菓子が売られる。
もいちど書く。
陳古の形に焼き上げたお菓子。 -
いいのか。
それでいいのかアマランテ市民。
何も疑問は感じないのか。
旧市街をぶらぶら歩いてると、ウインドーで配偶者がその陳古のお菓子を発見してしまう。(非売品)
彼女はおおいに喜び、歓喜の舞い踊りをし、目を潤ませ、ワシに命ずる。
「そこに立って。いっしょに写りなさい」
ハイハイと率直に従う鯨の味噌汁(汚物系58歳ハゲ)。
それにしても、なんかこう、ビミョーにリアルなんすけど。
これ、どこからかぶりつけばいいのでしょうか。ご指導ください。(退場) -
さらにバスと列車を乗り継ぎ、午後5時44分、最後の駅・ピニョンに到着。ここからはタクシーを使う。
駅舎にはブドウ収穫のアズレージョが施されていた。
アズレージョって、コバルトの青一色が基本なのだが、ここのは一部がカラーになっており、みるからに鮮やかだ。 -
タクシーはドウロ川の橋を渡り、対岸の坂道をぐいぐい上がって、山の中に入っていく。
すると、あたりは一面の葡萄畑になった。
畑の中にぽつりぽつりと集落が現れる。ときどきワイナリーの看板が出ている。
15分ばかり曲がりくねった道を走ると、タクシーは山頂に近いムラに入った。やがて、運転手のおじさんが振り返ってゆう。
「ついたよ」
そこは、葡萄畑の中に浮かぶ天空の島のようなところだった。 -
宿の女将さんが出迎えてくれる。
まだ20代に見える若い方だ。
ウエルカムドリンクが供される。
赤のポートワインだった。
飲んでみるとめちゃめちゃ甘い。
どうもポートワインってそうゆうものらしい。 -
村には商店もなくて、小さな教会があるだけだ。
どの家も花がいっぱいに飾られ、白い壁が夕日を浴びている。村外れまで歩くと、ブドウ畑が山のかなたまでずっと続いている。
はるかな眼下に、ドウロ川が夕陽をキラキラ反射しながら流れていた。
「おれ、こゆとこにきたかったんだ」
彼女にゆうと、今度は何も言わずに写真を撮ってくれた。 -
夕食は宿の大テーブルで、一ダースばかりの宿泊客が揃っていただく。
最初に生ハム、それからビーフシチューの大皿がドンと置かれる。食べごたえ満点だ。でもって赤のハウスワイン。
おおお、おいちい。
客の出自はフランス・ドイツ・ベルギー・カナダのケベック、それに日本。
食卓はフランス語が共通語だった。
英語でもわけわからんのに、フランス語がわかるわけない。
ふたりともアウエーのど真ん中に放り込まれ、流れるようなフランス語会話の中、意味不明の笑いを浮かべてメシを食う。 -
さすがに憐れを誘ったか、隣に座ったフランス人のおじさんが英語で話しかけてくる。
「サンキューは日本語でなんてゆうんだ」
「ありがと、です」
「アリガト」
深く頷き、ヨチヨチの解説をこころみる。
「アリガトはオールマイティなのだ。貴君が日本を旅するとき、オンリーワンワード、アリガトだけでOKであろう」
「おお、アリガト」
「うむ。メシ食ってアリガト、クソしてアリガト、買い物してアリガト、ホテルでもアリガトなのだ」
するとすると。
ワシとおじさんが拙い英語で話しているのを聞いて、なぜだか、全員が英語にシフトした。
ヨーロッパのインテリってどうもそれがフツーらしい。ええい、恐ろしいやつらめ。 -
だがしかし、英語なら、カタコトでなんとかなる気がする。
いや、ホントはなんともならんのだが。
肉料理がうまい、ワインもうまい。
ビーフシチュー、ものすごい量だけど、根性で胃袋に詰め込む。ワインもガンガンいっちゃう。 -
すると、なんだか気が大きくなる。
飲み会はノリだ。(飲み会じゃないぞ)
とゆうわけで、テキトー英語が炸裂。
「日本人は6年英語を勉強するが、誰も喋れない!」
「ワシなんて米資本の会社に4年いたけどこの程度だ!!」
配偶者はもはや他人のフリをしている。
ううう裏切り者め、旅の恥はかき捨て、とゆうではないか。 -
「本社から幹部連中が来た時、英語でプレゼンしたんだ。そしたら、コイツは何語を喋ってんだ、ドイツ語だろうってゆわれたー」
すると、ドッと笑い声が起きる。
おおおーー、ちゃんとウケてる。ざまーみろだ。
調子に乗って騒いでたら、宿の若主人が後ろで、英語で何かいった。
「いえーすいえーす」
テキトーに頷いたら、フランス人が感心したように、
「オマエ、よく食うなー」
「?」
「お代わり頼んだだろー」
どどどど、どっひぇーーーーーーーーーー
と仰け反る間もあればこそ。
ビーフシチューが小山のように盛られた皿が、ドスンと目の前に置かれ、そのまま失神しかける鯨である。 -
5月14日、火曜。
午前5時半、目が覚める。
彼女はベッドですうすう寝ている。
ここ、どこだっけ。
ああ、ポルトガルだ。ブドウ畑のムラに泊まっているんだ。 -
起き出して、窓の外を眺める。
遠く、朝焼けにドウロ川が光っていた。
ずいぶんと遠いところまで来たんだな、と思う。
幸せな気分になり、またベッドに戻る。 -
宿は若夫婦、それに身内らしい3人のおばさんで切りまわしている。
家の周りは花でいっぱいだ。 -
宿にはネコが二匹住み着いていた。
でもって、朝からゆうゆうと寝ているのだった。
一晩でここを去る旅人には想像でない「猫生」が、キミたちにはあるんだろうなぁ。 -
タクシーを呼んでもらっている間に、このワイナリーで造っているワインを見せてもらった。
ワシら以外のお客さんは全員クルマであるから、みなさま、ここぞとばかりにケース買いしている。
ポートワインの赤白、あっさりした白ワイン(ビーニョ・ベルデ、とゆうらしい)、濃厚な赤、なんでも選び放題だ。 -
だが、われわれは違う。小さめのカバンだけで旅をしている。
で、あれこれワインを選んだら、半ダースになってしまった。
もはや身軽どころではない。箱に詰めてもらい、えいやっと肩に担いで、帰りのタクシーに積み込む。重いぞー。 -
配偶者があきれてゆう。
「1本か2本でいいでしょ」
うむむ、確かに。ポルトガルでは海外宅配もない。
でも、今回はここを目的にやってきたのだ。
だから思い出と一緒にワインを持って帰りたい。
味なんてわからなくたっていいんだ。もともとシロートだし。 -
とはいえこの先、ずっと肩に担いで回るわけにいかん。「ボッカ」でも「クーリー」でもないんだしね。
万やむを得ず、ふもとの町でキャリーバッグを探すことにする。
駅前に雑貨店を見つけ、中に入ってみる。
すると店の一隅に安物のキャリーバッグがちゃんと置いてあった。
レジに持っていき、店のお姉さんに「プチプチを指で潰す」ジェスチャーをし、
「ワインを運びたい。あい・わんと・プチプチ」
するとお姉さんは、こくんと頷いて奥に行き、ちゃんとプチプチを持ってきてくれた。
おお、ちゃんと通じた、ワシって天才か、それともポルトガルでもプチプチはプチプチなのか。(⇒謎)
プチプチは包装で使った余りらしく、バラバラのハギレだったが、ワイン梱包には十分なので、あるだけ全部もらった。
これは重宝し、行く先々でワインを買っては入れ、買っては入れしていたら、結局10本になってしまった。業者かよ。
で、成田の税関で500円払いました。(安いのね。知らんかった)
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