2018/05/03 - 2018/05/04
261位(同エリア9830件中)
タルボさん
20年以上前からの念願がかなって、ロンドンからヴェネチアまで、ベニス・シンプロン・オリエント急行に乗車しました。
とてもきれいに整備された客車に乗務員のサービス、料理どれをとっても最高レベルの舞台装置(テーマの空間)であり、夢の28時間時間を過ごしました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- タクシー
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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旅の始まりはここロンドン・ヴィクトリア駅です。私たち夫婦は2日前にロンドン入りして、この駅に隣接しておりコンコースからロビーへも直接アクセスできる、グロブナーホテルに宿泊しました。
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ここがヴィクトリア駅のコンコースからグロブナーホテルへ通じる入り口です。オリエント急行利用にはベストなホテルです。ロンドン名物の雨に濡れずに駅に出られます。
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コンコースの奥のほうに、オリエント急行が発着する2番線があります。その脇の建物に発車時刻10:45の2時間前からレセプションが開設されます。BELMOND BRITISH PULLMANの表記があります。
BELMONDOは運営会社で、BRITISHI PULLMANは、ここロンドンからフォークストンまで乗車する客車の名前です。この客車はゲスト用には食堂車のみ(確か5両)連結されていて、ブランチを楽しみます。その先のドーバー海峡をどのように渡るかはお楽しみに。ここでチェックインを済ませます。
荷物は事前に、1.終点のベネチアまで預ける大きな荷物、2.大陸側の寝台車の客室に届けるボストンバッグ程度、3.貴重品などの入った手回り品に分けておくよう事前にチケットに指示があります。ここで、1と2を預けます。
出発までの時間はこの建物内にソファー状の席がありますが、席数が少ない(25席ほど)ので、乗客全員(おおよそ60名程度)はとても座れず、我々は駅ビルなどを観光しながら出発を待ちました。コーヒーのサービスがあります。 -
ついに、待ちに待った、発車30分前に、客車の色に合わせて塗装された機関車に引かれてブリティッシュ・プルマンが入線してきました。
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プルマンは、1車両ごとに名称が付けられていて、私たちはZENAという客車としては1番先頭になる車両を指定されたので、これに乗ります。
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車外も車内もピカピカに磨きあげられています。我々のシートはこちらです。すでにテーブルセッティングが済んでおり、旅への期待が膨らみます。
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定刻の10:45に発車しました。すぐにベリーニがサービスされます。このベリーニ、目の前で、ピーチネクターのピッチャーとシャンパーニュのボトルを左右の手で持って、同時にグラスに注ぐという高度な技で供されます。しかも揺れている車内なので凄い技です。
写真はフルーツカクテルです。料理は水準以上でした。お腹もいっぱいになりました。 -
イギリスの田園風景の中を走り続け、ブランチのコースが終わってコーヒーを飲み終え、ほどよい時間で、ロンドンから約2時間でフォークストンに到着です。プルマンとはここでお別れです。
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駅に降りるとすぐにコーチ(大型バス)に乗り換えます。全部で4台用意されており、指定の号車に乗車します。
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コーチの内部はこんなふうに、向かい合わせの席、後方にラウンジタイプの席とドリンクサービス用のカウンターとシンク、それに階下にトイレも備わっています。
実は、このコーチに乗車したまま列車に乗り込んでユーロトンネル経由でフランスのカレーに渡ります。
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わかりますか?コーチの車内から貨物列車に乗り込む瞬間です。外側の枠は貨物のコンテナ状の鉄道車両です。両サイドの隙間は30~40cm程度しかありません。
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コーチ(大型バス)は列車内を数十メートル自走して停車します。我々は降りられませんが、乗用車のお客さんは車から降りることもできます。トイレも列車にあり、客席もあるようです。バスと壁の間を人が行き来する場面です。
この列車フェリーの乗車時間は50分程度です。ほとんど窓のない車両で外は見えないですし、もとより大半がトンネル内です。走っている感覚がないのに、時折グラグラ揺れるので地震のようでとても不思議で貴重な経験をしました。
車内ではスパークリングワインとおつまみのポテトチップが出ました。 -
フランスに渡って、コーチは30分ほど走って、カレーの駅へ。ここで憧れの青色のワゴン・リの車両が準備を整えて我々を待っていました。
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乗車前、乗客は興奮状態で写真を撮りまくる姿が繰り広げられます。でも一番、撮影していたのは私たちでした。ちなみに日本人は我々夫婦1組でした。
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客室は思っていたより広いです。これは昼間の状態です。夜は背もたれが跳ね上がり上段ベッドになります。
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こちら座席の反対側の壁です。奥の曲線部分の扉を開くと洗面所があります。隣の客室との間には鍵付きドアがあり、2部屋をひと続きでスイートとして予約・購入も可能です。その場合、片方の部屋は常に2段ベッドがセッティングされます。
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洗面台を開いたところです。十分すぎる大きさです。飲めませんがお湯も出ます。
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客室上部には十分な荷だながあります。小さな扇風機もあります。2017年からエアコン(冷房)も設置されました。
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興奮のうちに列車は定刻に発車、ヴェネチアを目指します。まずは、スチュワードが届けてくれた、ウエルカムシャンパーニュで乾杯です。
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ディナーは2回制です。早い回の18時を選択しました。食堂車は3両あります。デイナーは青色基調のこちらの車両でした。
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ワインは、テタンジェのコント・ド・シャンパーニュのロゼを大奮発しました!列車のロゴ入りクのラシックなグラスも素敵です。これ、車内のブティック(売店)でお記念として買いましたよ。
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コースの一品で、オマールエビです。料理はちょっと味を心配していましたが、コースのどのお皿もまったく問題なくとてもおいしかったです。コースにはチーズのワゴンサービスも含まれています。
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牛フィレ肉のポワレ、これも美味しいお肉でした。付け合わせの野菜もおいしい。
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食事のあと、すぐにバーに行きたかったのですが、すでに満席だったので、あとで伺うことにして客室に戻るとベッドがセットされていました。ベッド幅は80cm以上あり十分です。ちゃんとターンダウンサービスのチョコレートもサービスされていました。
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妻はベッドにつくなり、すっかり寝込んでしまったので、22時過ぎ、ひとりでバーへ向かいました。寝台車の狭い通路と途中3両の食堂車を通りぬけるので他のゲストやスタッフとのすれ違いが大変です。お互い酔っていますし。
バーに着くと、ほぼ満席で、大変盛り上がっています。空席があり、すぐに席に着けました。ここはお決まりのアガサ・クリスティ作「オリエント急行殺人事件」ゆかりのギルティー12という名のカクテルを注文。生のピアノ演奏では、日本人の僕が来たことで、「故郷」や「上を向いて歩こう」を演奏してくれました。また、名探偵ポアロのテーマも聞けて大満足でした。このバーはお客さんがいなくなるまで営業するそうです。
客室に戻ると鍵が開かない!複雑な構造で取扱いも難しいので、やり方がまずいのかと試行していると客室乗務員が来てくれ、ナイフなども差し込んでもダメでマスターキーで開けてもらえましたが、どうやら故障してしまったようです。バーに出かける前に、誰かが部屋を間違えて、ガチャガチャ開けようとしていたのが原因のようです。ちょっとオリエント急行殺人事件がよぎりました(笑)。翌朝には技術者が乗りこんできて、運行中に修理を完了したのには関心しました。 -
翌朝は朝食前、わずか5分でベッドから座席へ変身します。必見。
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朝食は客室でコンチネンタルスタイルです。フルーツが美味しい。
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このころ車窓はスイス、アルプスの山々などよい景色が続きます。
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ランチは昨夜とは異なる食堂車でいただきました。ワインはフランチャコルタのハーフボトルを選択。そうすでにイタリアモードです。
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刻々とベネチアが近づく中で、ブティックで記念品(ロゴ入りシャンパーニュグラス)を買い、客室に戻ります。ティータイムには客室で紅茶・コーヒーを飲めます。もう終点まで1時間です。
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楽しいひと時も終焉。とうとうベネチア(サンタルチア駅)に到着してしまいました。
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お世話になった客車、客室に別れを告げます。
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スタッフの皆さま(ここに写っているのは各セクションの責任者)の笑顔に送られ駅を後にしました。約60名のゲストに対して、大陸側のワゴン・リの接客・調理スタッフだけでも少なくとも総勢30名近くはいたでしょう。年代物の当時の本モノの車両を毎シーズン補修・保守して完璧に保ち、運行には多くのプロフェッショナルなスタッフが大勢かかわる。そういう意味でもとても贅沢な究極の非日常のひと時を過ごしたと感じます。絶対に旅行代金以上の価値があると思います。おすすめです。
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この旅行記へのコメント (1)
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- kiyaさん 2020/05/28 08:02:26
- オリエント急行
- 良い旅をされましたね。
私もかなり前に、夫婦でオリエント急行VSOEに乗った事があります。
コースも同じ、ロンドン~ベニスでした。
まだ、旅行会社で扱っておらず、VSOE東京事務所まで、行って予約しました。
写真を拝見しましたが、オリエント急行の外も中も、その頃と同じ見たいです。
一つだけ違うのは、まだユーロトンネルが無かったので、フェリー(シーキャット)でドーバー海峡を渡りました。
ホテルも、ロンドンとベニスだけは高級ホテルにしました。(笑)
ロンドンはメリディアンロイヤルピカデリー、ベニスはダニエリでした。
機会が有ったら、オリエント急行の旅行の話をしたい気分です。
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