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ロシアのバレエ学校 バレエ劇場への案内<番外編>(2)

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2001/07/01 - 2001/07/01

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JIC旅行センター

JIC旅行センターさん

■バレエ学校の現在

 クラッシックバレエの本場、ロシアには日本から大勢のバレエ留学生、研修生、プロのダンサーがいる。

 ロシア人に限らず、バレエを志すものなら誰でも一度は歴史あるボリショイ劇場、マリインスキー劇場で踊ってみたいと思うものだ。91年以降ロシアでは大学のロシア語コースをはじめとして、長期・短期にかかわらず、日本から留学する人が大幅に増えている。芸術関係の留学生も同様にますます増えていく一方だ。しかし、ソ連崩壊後の教師や優れた踊り手の海外流出などのせいで、全体的に学校自体の質は低下してきている。以前はロシア人にせよ、外国人にせよ、厳しい入学試験をパスしないと入れない狭き門だった名誉ある学校も、ボリショイバレエ学校に限っていえば、今ではずいぶんその形態が変わってきている。

学校公演などのプログラムを見ると、どこかで見たような苗字が並んでいる。もちろん有名なバレエダンサーや教師の二世、または政府要人の子供たちが優遇されることは以前からあったけれど、最近ではお金持ちの両親が寄付金を納めれば(どの程度の額かは不明だが)、才能がなくても優秀な成績で卒業できるようになっている。それどころか、卒業公演ではボリショイ劇場のステージで堂々とソロを踊って卒業に花を添えることもできるのだ。

それに、どんなに未熟な踊りを披露しても、スポンサーからわれんばかりの大喝采をもらえるのだから、踊った本人が勘違いしても仕方がない。まあ、そのような生徒はもちろん一部ではあるのだが、学校公演になるとそういう生徒ばかりが活躍し、才能があっても一般の生徒は出演の機会がほとんどないというのが現状だ。ワガノワバレエ学校・ペルミバレエ学校など他都市の学校は把握していないが、程度の差はあれ、このようなことがまったくないとは言い切れないだろう。

 しかし、才能ある子も育っているのは事実で、大きな国際コンクールでは上位入賞者に必ずロシア系の名前が含まれている。そして出演者のプロフィールを見ると、日本人や他の外国人でもロシアでのバレエ学校、もしくはワガノワ・メソッドで教育を受けた人の多さに驚かされる。

 6月に行われたモスクワ国際バレエコンクールでは、もちろんロシア滞在経験者が審査上有利なのはもちろんだが、それにしても準決勝と決勝進出者は日本人・韓国人をはじめとして、ほとんどがロシアのバレエ学校出身者であったことには驚かされた。


■ロシアの留学事情

 現在学校が抱えている、留学生の受け入れにかなり寛容になったという問題は、言い換えれば外国人だらけということ。もちろん留学生側にしてみれば、ロシアの伝統ある教授法に基づいた授業を受ける機会が広がり、また留学生の納める授業料は学校にとっても経営上よいことのように思われる。

しかし、卒業時の定員が1クラス男女合わせて18名づつの2クラス、計36名しかいない英才教育なのに、学校全体で日本人留学生は30人以上、1クラスに3,4人日本人が混ざっていることもある。普通クラスだけではまかないきれないので、日本人だけのクラスもあるという。それに加えて、韓国人も同じくらいの数がいることを思えば、事の重大さはわかってもらえるだろうか。

 自分と同い年のスタイルの良いロシアの優秀な生徒は、大いに刺激になるし、憧れの舞台は観ているだけで勉強になる。まさにバレエ漬けの日々。しかし、せっかくバレエを学ぶすばらしい環境にあるのに、これだけ日本人がいると新鮮さが薄れてしまうのか、友達との誘惑に負けてしまうのか、貪欲に学んで成功する人がそう多くないのも事実だ。ロシアの食事が口に合わないのか、合いすぎるのか太ってしまう子も多い。

まあ、語学にせよ何にせよ、留学と言うのはその人の持つ意思の強さですべてが決まってしまう。ただ、バレエ留学する人は早い子で14,5歳の時に親元を離れ、一人知らない土地にやってくる。寮でも2人1部屋の共同生活だからある程度は仕方がない面もあるのだが。


■モスクワで働く日本人ダンサー

 留学を終え、バレエ学校を卒業しても研修、またはプロとしてロシアに残る日本人も少なくない。

 現在モスクワに拠点を置く主なバレエ団は国立で大体6つ、私立で7つくらいあるが、私立のほうは、海外公演のために一時的に立ち上げるところもあるのでその正確な数は把握できない。数あるバレエ団のなかで日本人が在籍していないバレエ団はあまりない。少し紹介しておくと、現在ボリショイ劇場にはすでに主役などを踊っているソリストの岩田守弘さんがいるほか、研修生が2人いる。モスクワ音楽劇場には2人がプロのダンサーとして踊っている。

この他にもロシアバレエ団、モスクワ・クラッシックバレエ団にも多くの研修生やダンサーがいる。しかし、ロシアの国立バレエ団で外国人が大きな役をもらうのは難しいし、給料はほかの職業とそう変わらず、毎日体を酷使する職業とは思えないほど安い。

 それゆえ、ロシアで働く日本人は、どうしても経済的援助が必要になる。しかし、彼らはお金儲けのためではなく、純粋にロシアバレエが好きでロシアの舞台で踊りたい、学びたいという人ばかりだ。実際、研修生やコール・ド・バレエの一員といっても日本や他の国で踊れば、ソリストとして活躍できるような人は大勢いる。それでもみんなロシア、なのだ。

 それほどまでにロシアバレエは観る人、そして踊り手自身をも惹きつける。次回はモスクワを中心に働くバレエダンサーを中心に紹介したいと思う。


■ひとくちメモ ワガノワ・メソッド

 19世紀後半に、ロシアは一躍バレエの先進国となり、振り付けの巨匠M・プティパを中心に、バレエ王国が築き上げられた。この間につぎつぎと考案、改良された技術の蓄積

――教師から生徒へ「口承」のようにして受け継がれてきたそれらの技術の一つ一つを、正確に最も的確な方法で習得する事を、ワガノワは理論的に研究したのだった。そしてさらに、バレエの古い伝統を持つイタリアとフランスのスタイルを分析し、優れた部分だけを取り入れて変形させ、ロシア派独自のフォームも新たに作り上げた。

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