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3月15日、快晴。気温24度。日本の初夏の陽気。むしろ暑い。<br /><br />ゆっくり起き、午前10時にホテルを出て、朝食を兼ねて町をぶらつき、昆明駅へと向かう。<br />前日に切符は手に入れたけど、何しろここは中国だ、なにがあるかわからん。<br /><br />念のため2時間前に到着。空港じゃあるまいし…とも思ったが、これが正解だった。<br /><br />(1)駅舎入場で身体検査、荷物検査(空港と同じX線を通す)<br />(2)待合室入場で切符とパスポートチェック(中国人は身分証明書)<br />(3)改札で切符に鋏を入れ<br />(4)さらには乗車時に切符の確認<br /><br />…まさかまさかの四重チェックだった。ホントにヒコーキなみだ。<br />しかもその全部が行列付きであるから、たかが中距離列車に乗るのにたっぷり1時間かかってしまう。<br /><br />「なんじゃこりゃーーーー」(松田優作)<br /><br />ちなみに、駅前広場は「公安」と大書きされた監視塔に、自動小銃に引き金を当てた兵が、「なんかあればすぐに撃つかんなコラ」てな感じでガン睨みしてるし。<br />つまりは現在進行形の鎮圧の現場なんだろうなぁ。報道されてないだけ。<br /><br />火種は、お隣のチベット自治区、それから新疆ウィグル自治区。<br />Googleニュースで「ウィグル族 弾圧」「チベット族 弾圧」検索すると、ギョッとするニュースが読める。(⇒ニューズウィーク日本版が詳しく書いてた)<br />

昆明発ハノイ行き(2)前後左右タテヨコナナメ、全部棚田

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2018/03/15 - 2018/03/16

11位(同エリア53件中)

旅行記グループ 昆明発ハノイ行き

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鯨の味噌汁

鯨の味噌汁さん

3月15日、快晴。気温24度。日本の初夏の陽気。むしろ暑い。

ゆっくり起き、午前10時にホテルを出て、朝食を兼ねて町をぶらつき、昆明駅へと向かう。
前日に切符は手に入れたけど、何しろここは中国だ、なにがあるかわからん。

念のため2時間前に到着。空港じゃあるまいし…とも思ったが、これが正解だった。

(1)駅舎入場で身体検査、荷物検査(空港と同じX線を通す)
(2)待合室入場で切符とパスポートチェック(中国人は身分証明書)
(3)改札で切符に鋏を入れ
(4)さらには乗車時に切符の確認

…まさかまさかの四重チェックだった。ホントにヒコーキなみだ。
しかもその全部が行列付きであるから、たかが中距離列車に乗るのにたっぷり1時間かかってしまう。

「なんじゃこりゃーーーー」(松田優作)

ちなみに、駅前広場は「公安」と大書きされた監視塔に、自動小銃に引き金を当てた兵が、「なんかあればすぐに撃つかんなコラ」てな感じでガン睨みしてるし。
つまりは現在進行形の鎮圧の現場なんだろうなぁ。報道されてないだけ。

火種は、お隣のチベット自治区、それから新疆ウィグル自治区。
Googleニュースで「ウィグル族 弾圧」「チベット族 弾圧」検索すると、ギョッとするニュースが読める。(⇒ニューズウィーク日本版が詳しく書いてた)

旅行の満足度
4.5
同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス
旅行の手配内容
個別手配
  • 列車は定刻通りに昆明駅を出発。車内は満席だけど、どうやら全席指定らしく混雑はない。皆さまひたすらスマホを見ていて、本なぞ読んでるのはハゲの日本人くらいだ。<br /><br />だんだんと山が深くなっていくが、秘境感はない。山を越えた盆地にはそれなりの規模の町があり、駅がある。<br />土の色は見事に真っ赤だ。よって家の壁も赤煉瓦が使われる。日本で言えば中国地方の山の中の風景に似ている。つまりは古代の鉄の産地なのだろう。<br />ここら辺はメコン川の源流の一つだ。あのオシルコ色の流れには、この赤土も混じっているんだろうな、なんてことをぼんやりと考える。<br /><br />いくつかの長いトンネルを抜け、午後3時半、建水駅に到着。<br />快晴、でもって暑い。シャツ一枚になり、バスで市内を目指す。<br />

    列車は定刻通りに昆明駅を出発。車内は満席だけど、どうやら全席指定らしく混雑はない。皆さまひたすらスマホを見ていて、本なぞ読んでるのはハゲの日本人くらいだ。

    だんだんと山が深くなっていくが、秘境感はない。山を越えた盆地にはそれなりの規模の町があり、駅がある。
    土の色は見事に真っ赤だ。よって家の壁も赤煉瓦が使われる。日本で言えば中国地方の山の中の風景に似ている。つまりは古代の鉄の産地なのだろう。
    ここら辺はメコン川の源流の一つだ。あのオシルコ色の流れには、この赤土も混じっているんだろうな、なんてことをぼんやりと考える。

    いくつかの長いトンネルを抜け、午後3時半、建水駅に到着。
    快晴、でもって暑い。シャツ一枚になり、バスで市内を目指す。

  • 建水では一泊の予定で、バス通りに近い路地に、安宿を予約していた。一泊1200円。<br />地図と町並み、それにgoogle mapを睨みながら<br /><br />「ここだーーーーー」<br /><br />と、確信をもってバスを降りる。<br /><br />だがしかし。google map で場所を特定しているのに、それらしい建物が見当たらない。周辺は路地が入り組み、裏通りにみっちりと家が詰まっている。<br /><br />「ここら辺のはずなんだけどなー。今夜のお宿はどこかいなー」<br /><br />などと呟きつつ、荷物を抱えて歩き回ることたっぷり1時間。<br />ごく普通の民家の玄関がツタで覆われていて、よもやと思ってよく見ると「××旅舎」の看板が隠れていた。<br /><br />ふふふふふ、ふざけるな、こんなの見つかるわけないじゃないか!<br /><br />激怒しつつ中に入ると、誰もおらん。<br />中は真っ暗で、なんだかヒト以外の何者かが住み着いてるいやーな気配が漂っている。<br />ニーハオー、と呼んでも暗闇からは何の反応もない。<br /><br />ひさびさにワシの危機管理アラームがピコピコ作動する。<br /><br />…ここに泊まったら、あすの朝にはワシ、マンジュウの具になってるのではないか。<br /><br />よって、とっととスマホを取り出し、その場でキャンセル。ピューと路地を脱出した。<br />失敗だと思ったら、その宿は捨てた方がいい。安全には替えられん。<br /><br />かーちゃんに生きて帰ると約束したし。

    建水では一泊の予定で、バス通りに近い路地に、安宿を予約していた。一泊1200円。
    地図と町並み、それにgoogle mapを睨みながら

    「ここだーーーーー」

    と、確信をもってバスを降りる。

    だがしかし。google map で場所を特定しているのに、それらしい建物が見当たらない。周辺は路地が入り組み、裏通りにみっちりと家が詰まっている。

    「ここら辺のはずなんだけどなー。今夜のお宿はどこかいなー」

    などと呟きつつ、荷物を抱えて歩き回ることたっぷり1時間。
    ごく普通の民家の玄関がツタで覆われていて、よもやと思ってよく見ると「××旅舎」の看板が隠れていた。

    ふふふふふ、ふざけるな、こんなの見つかるわけないじゃないか!

    激怒しつつ中に入ると、誰もおらん。
    中は真っ暗で、なんだかヒト以外の何者かが住み着いてるいやーな気配が漂っている。
    ニーハオー、と呼んでも暗闇からは何の反応もない。

    ひさびさにワシの危機管理アラームがピコピコ作動する。

    …ここに泊まったら、あすの朝にはワシ、マンジュウの具になってるのではないか。

    よって、とっととスマホを取り出し、その場でキャンセル。ピューと路地を脱出した。
    失敗だと思ったら、その宿は捨てた方がいい。安全には替えられん。

    かーちゃんに生きて帰ると約束したし。

  • そろそろ夕刻。旧市街に向かって30分ほど歩く。「酒家」の看板を頼りに、表通りのホテルに飛び込んでみた。<br />すると、フロントを守っていたのは、なんとなんと、かわいらしい10代の娘さん2人組だった。<br />しかもあでやかな民族衣装。<br /><br />ここでワシのヒットポイントが一気に回復。<br />うんうん、ここでいいぞ。ここに決めたもんね。<br /><br />が、お嬢さんたち、突然現れた日本人のハゲに明らかにおびえているのであった。<br /><br />怖がらなくていいよー、見た目はアレだけど、ホントはキリンさんみたいに安全なのよワシ。<br /><br />言葉は全く通じない。それでもスマホを使ってなんとか一室を確保。<br />一泊2800円。案内されると、新しくはないが綺麗に片付けられた部屋だった。<br /><br />着替えて夕刻の旧市街をゆっくりと歩き、屋台でビールを飲んでホテルに戻った。<br />どうなることかと思ったけど、しっとりとした街並みを歩けたからよしとする。<br /><br />清潔なベッドで眠れることに感謝しなくてはいけない。

    そろそろ夕刻。旧市街に向かって30分ほど歩く。「酒家」の看板を頼りに、表通りのホテルに飛び込んでみた。
    すると、フロントを守っていたのは、なんとなんと、かわいらしい10代の娘さん2人組だった。
    しかもあでやかな民族衣装。

    ここでワシのヒットポイントが一気に回復。
    うんうん、ここでいいぞ。ここに決めたもんね。

    が、お嬢さんたち、突然現れた日本人のハゲに明らかにおびえているのであった。

    怖がらなくていいよー、見た目はアレだけど、ホントはキリンさんみたいに安全なのよワシ。

    言葉は全く通じない。それでもスマホを使ってなんとか一室を確保。
    一泊2800円。案内されると、新しくはないが綺麗に片付けられた部屋だった。

    着替えて夕刻の旧市街をゆっくりと歩き、屋台でビールを飲んでホテルに戻った。
    どうなることかと思ったけど、しっとりとした街並みを歩けたからよしとする。

    清潔なベッドで眠れることに感謝しなくてはいけない。

  • 明けて3月16日。<br />きょうは、元陽の棚田を見に行く。この旅の最大の目的地だ。<br /><br />建水の上空には薄いモヤがかかっていた。誰かが雲南を「雲烟の地」と書いていたが、まさにそんなお天気。<br /><br />建水郊外のバスターミナルで元陽・南沙鎮までの切符を買い、オンボロバスに収まる。<br /><br />すると「町に買い物に来た」てな感じのおばちゃん、おねーちゃんたちが、馬鹿でかい荷物と一緒にドカドカ乗り込んで来た。<br />小さなバスの通路はたちまち荷物で埋まる。<br /><br />でもって、皆さま赤・青・黄色、信号機みたいな衣装をまとっている。おおおー、これがウワサに聞く少数民族の方々ですね。<br />被り物や服のデザイン、色で何族か見分けられるらしい。ワシにはチンプンカンプンだけどね。<br /><br />小さな赤ちゃんを背負った若い母親が、通路を挟んだ隣に座った。鮮やかなオレンジ色の模様入りセーター、スカーフもオレンジ。<br />何しろ子育て中でオッパイがセーターからはみ出しそうなので、ハミ族に違いない。(うそ。ハミ族は紺色の衣装)<br /><br />が、横顔を見てギョっとする。<br />38年前、出会った頃の配偶者の顔と同じだった。<br />どんぐりまなこの二重。濃くて太い眉。厚めの唇。浅黒く健康そうに光る肌。丸い顔の輪郭まで、そのままじゃないか。<br /><br />『こんなところで再会できるなんて…オレ、なんとか生きてきたよ、元気でやってるよ。ユメなら醒めないでくれ』<br /><br />…などと、脳内で勝手に物語が進行しかける。<br /><br />いやいや、かーちゃん生きてるし。元気だし。

    明けて3月16日。
    きょうは、元陽の棚田を見に行く。この旅の最大の目的地だ。

    建水の上空には薄いモヤがかかっていた。誰かが雲南を「雲烟の地」と書いていたが、まさにそんなお天気。

    建水郊外のバスターミナルで元陽・南沙鎮までの切符を買い、オンボロバスに収まる。

    すると「町に買い物に来た」てな感じのおばちゃん、おねーちゃんたちが、馬鹿でかい荷物と一緒にドカドカ乗り込んで来た。
    小さなバスの通路はたちまち荷物で埋まる。

    でもって、皆さま赤・青・黄色、信号機みたいな衣装をまとっている。おおおー、これがウワサに聞く少数民族の方々ですね。
    被り物や服のデザイン、色で何族か見分けられるらしい。ワシにはチンプンカンプンだけどね。

    小さな赤ちゃんを背負った若い母親が、通路を挟んだ隣に座った。鮮やかなオレンジ色の模様入りセーター、スカーフもオレンジ。
    何しろ子育て中でオッパイがセーターからはみ出しそうなので、ハミ族に違いない。(うそ。ハミ族は紺色の衣装)

    が、横顔を見てギョっとする。
    38年前、出会った頃の配偶者の顔と同じだった。
    どんぐりまなこの二重。濃くて太い眉。厚めの唇。浅黒く健康そうに光る肌。丸い顔の輪郭まで、そのままじゃないか。

    『こんなところで再会できるなんて…オレ、なんとか生きてきたよ、元気でやってるよ。ユメなら醒めないでくれ』

    …などと、脳内で勝手に物語が進行しかける。

    いやいや、かーちゃん生きてるし。元気だし。

  • 赤ちゃんは見事な刺繍の産着。女の子だ。おばちゃんたちがバスの中で交互にあやす。<br />ワシも触りたいなぁ。ダメだったら母親の方でガマンするから。<br /><br />バスはデコボコ道を峠越えにかかる。山が深い。よく揺れるバスの中で、若いお母さんは赤ちゃんをあやしていた。<br /><br />それにしてもヒドイ道だ。カーブもきつい。車窓からの景色は素晴らしい。これぞ雲南、といった柄の大きな山並みが続く。<br />でもって、山の彼方の空遠く、はるかな場所にぽつぽつと村がある。畑もある。<br /><br />景色に見とれていると、真横で気配。お母さんがオレンジの民族衣装をたくし上げ、オッパイをあげていた。<br /><br />ここここここ、これはーーーー。(喜)<br /><br />ココロでガッツポーズをしつつも視線をそらす鯨の味噌汁である。<br />神さまありがとう、ホントにありがとう。(知らんだろうけど)

    赤ちゃんは見事な刺繍の産着。女の子だ。おばちゃんたちがバスの中で交互にあやす。
    ワシも触りたいなぁ。ダメだったら母親の方でガマンするから。

    バスはデコボコ道を峠越えにかかる。山が深い。よく揺れるバスの中で、若いお母さんは赤ちゃんをあやしていた。

    それにしてもヒドイ道だ。カーブもきつい。車窓からの景色は素晴らしい。これぞ雲南、といった柄の大きな山並みが続く。
    でもって、山の彼方の空遠く、はるかな場所にぽつぽつと村がある。畑もある。

    景色に見とれていると、真横で気配。お母さんがオレンジの民族衣装をたくし上げ、オッパイをあげていた。

    ここここここ、これはーーーー。(喜)

    ココロでガッツポーズをしつつも視線をそらす鯨の味噌汁である。
    神さまありがとう、ホントにありがとう。(知らんだろうけど)

  • つづら折りの山道をバスはごんごん登って行く。<br />真下には千尋の谷、向かいはアジアの深南部の山並みがどこまでも続く。<br /><br />いく山川、こえさりゆけば、さみしさの果てなん国ぞ、今日も旅ゆく。<br /><br />牧水が若いころに作った歌を思い出す。すげーなぁ。<br /><br />いちおうガードレールはあるけど、対向車線に大型トラックやらダンプやらがバシバシ現れるので、あまり心臓によろしくない。<br /><br />ちょっと間違えたら転落だわい、などと心からビビっていると、山側にトラックが脱輪していた。崖側じゃなくてヨカッタね。

    つづら折りの山道をバスはごんごん登って行く。
    真下には千尋の谷、向かいはアジアの深南部の山並みがどこまでも続く。

    いく山川、こえさりゆけば、さみしさの果てなん国ぞ、今日も旅ゆく。

    牧水が若いころに作った歌を思い出す。すげーなぁ。

    いちおうガードレールはあるけど、対向車線に大型トラックやらダンプやらがバシバシ現れるので、あまり心臓によろしくない。

    ちょっと間違えたら転落だわい、などと心からビビっていると、山側にトラックが脱輪していた。崖側じゃなくてヨカッタね。

  • 峠を幾つか越え、バスは山を巻きながらゆっくりと高度を下げていく。<br />大きなダムを湖を過ぎると、山あいに突然、巨大な町並みが現れる。元陽の盆地側の町・南沙鎮だ。ここまで3時間半、ケツが痛い。<br /><br />終点のバスターミナルで乗り換え。<br />探し当てたバスに乗り、ドライバーさんに地図を示し、「多依樹」とゆう棚田のポイントで下ろしてくれ、と頼む。<br /><br />さらに走ること1時間、バスはようやくにして棚田地帯に差し掛かる。<br />窓の外にだだだだだっと、見渡す限り、見えるとこ全部、余すことなく棚田、なんて景色が広がる。<br /><br />すげーなオイ。前後左右タテヨコナナメ、全部棚田ではないか。

    峠を幾つか越え、バスは山を巻きながらゆっくりと高度を下げていく。
    大きなダムを湖を過ぎると、山あいに突然、巨大な町並みが現れる。元陽の盆地側の町・南沙鎮だ。ここまで3時間半、ケツが痛い。

    終点のバスターミナルで乗り換え。
    探し当てたバスに乗り、ドライバーさんに地図を示し、「多依樹」とゆう棚田のポイントで下ろしてくれ、と頼む。

    さらに走ること1時間、バスはようやくにして棚田地帯に差し掛かる。
    窓の外にだだだだだっと、見渡す限り、見えるとこ全部、余すことなく棚田、なんて景色が広がる。

    すげーなオイ。前後左右タテヨコナナメ、全部棚田ではないか。

  • 教えてもらったバス停で降り、100元払って展望台に上ってみる。<br />田植え前で水が張られ、午後の日に光って綺麗だ。観光客はぱらぱら。海外からのバックパッカーも見かけた。<br /><br />ガイドブックによると、とりあえず棚田をウオーキングしなさい、とある。<br />地元の村人も親切です、とある。ハミ族の古い村もあるし、民泊だってOKとある。<br />なるほど、展望台の下へは階段が続いている。<br /><br />だがしかし。<br />下っていくとゆうことは、また登る、とゆうことではないか。下の方なんて霞んで見えないぞ。<br />この旅では、階段は1センチたりとも上がらない、と決心したワシではなかったか。<br /><br />バスの車窓からも見たし、すでにして目的は達したのではないか。<br /><br />・・・そうだそうだそうに決まった。<br /><br />はいお疲れー。<br /><br />とゆうわけで、やってきたバスに飛び乗って、天下の絶景と10分でサヨナラする鯨であった。<br />エスカレーターができたら、また来ても良い。<br /><br />バスはとっとこ走り、夕方前に元陽の山側の町・新街鎮にたどりついた。<br /><br />きょうはここで宿を探そう。<br /><br /><br />

    教えてもらったバス停で降り、100元払って展望台に上ってみる。
    田植え前で水が張られ、午後の日に光って綺麗だ。観光客はぱらぱら。海外からのバックパッカーも見かけた。

    ガイドブックによると、とりあえず棚田をウオーキングしなさい、とある。
    地元の村人も親切です、とある。ハミ族の古い村もあるし、民泊だってOKとある。
    なるほど、展望台の下へは階段が続いている。

    だがしかし。
    下っていくとゆうことは、また登る、とゆうことではないか。下の方なんて霞んで見えないぞ。
    この旅では、階段は1センチたりとも上がらない、と決心したワシではなかったか。

    バスの車窓からも見たし、すでにして目的は達したのではないか。

    ・・・そうだそうだそうに決まった。

    はいお疲れー。

    とゆうわけで、やってきたバスに飛び乗って、天下の絶景と10分でサヨナラする鯨であった。
    エスカレーターができたら、また来ても良い。

    バスはとっとこ走り、夕方前に元陽の山側の町・新街鎮にたどりついた。

    きょうはここで宿を探そう。


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この旅行記へのコメント (4)

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  • ほいみさん 2018/03/28 09:17:51
    中国は棚田も桁違い
    クジラ節、毎回冴えてますね~!

    元陽、行ってみたいところの一つですが、どうも中国は苦手意識があります。
    >何しろここは中国だ、なにがあるかわからん
    なんですよね~。

    一昨年、ビザ無し滞在2週間の最終日に帰国便に乗り遅れる(中国の事情で)というのをやってしまい、5年分の冷や汗をかいてしまいました…実際にはそこら中走り回ったので、普通の汗も大量にかいたけど。

    中国は近いので、老後のために残してあったのだけど、このまま国内温泉旅行に突入か。クジラさんの日記を読むと、行ってみたいなぁ。しかもスマホだけという旅のスタイルが羨ましいです。写真が好きだと荷物が増えちゃうんですよね。

    鯨の味噌汁

    鯨の味噌汁さん からの返信 2018/03/28 21:18:33
    でもクセになりそうな中国辺境…
    ほいみさま、

    いつもお手紙ありがとうございます。

    >写真が好きだと荷物が増えちゃうんですよね。

    はい。
    板違いになりますが…ここ1週間くらい、ほいみさまのタッシリナジェールの踏破録を読みふけっておりました。
    すごい写真のカタマリに気圧されるとゆうか、写真でゴーインにそこに連れてかれて、なおかつ横っ面ひっぱたかれるとゆうか。うまく言えませんが、夜中にひとりでコーフンしてました。
    実際にカメラを持っての旅って、気合がなくちゃいけませんよね。
    一人一人、旅のスタイルは違って当然ですが、すごいな。と率直に思います。

    中国はたしかに近いですが、はじっこまで行こうとすると、それなりに時間かかりますよね。今回の元陽は、初めての個人でもなんとかたどり着けたので、辺境入門編、みたいなとこなんだろうなと。少しづつ、浸潤して行こうかなーと。
  • ももであさん 2018/03/27 00:18:12
    すごすぎる!!
    鯨さんが麗江や香格里拉をあきらめたように、ボクは元陽も
    考えたのですが、GWにはすでに田んぼの水が抜かれてると
    あって、あきらめました、

    元陽といえば、世界最大の棚田
    元陽へ行った誰もが広い棚田のあちこちをタクシーで移動し
    写真を撮りまくっているのに、100元払って10分でサヨナラ
    それって、すごすぎまする。

    元陽の素晴らしさについて、4traで見た人も1センチくらい
    しか分からないことでしょう。

    でもでもその感覚、何だかとても共感できます。
    さんざんある、そこまでの過程にこそ旅の醍醐味って
    あるもんですよね。だから棚田は美しい。ハイおしまい。

    鯨の味噌汁

    鯨の味噌汁さん からの返信 2018/03/27 05:59:55
    カメラ持ってくと脳ミソが怠けるの
    ももであさん、

    100元は…実は展望台に登らなくても棚田の絶景、見えるんです。
    でもねー、棚田の周囲は道も綺麗でトイレも整備されてんですよ。

    そこにたどり着くまでの建水ー元陽の、頭蓋骨がズレるような凸凹道や、悶絶ニーハオトイレとは大違いなんです。

    それはつまり100元がその原資になってるわけで、こら払わなあかんなと。

    >さんざんある、そこまでの過程にこそ旅の醍醐味って
    >あるもんですよね

    ですよね。移動も観光~。(→居直り)

    旅のスタイルは人それぞれですもんね。
    恥ずかしながらワシの場合、カメラ持ってくと、脳ミソが怠けて記憶しないとゆう欠陥があり、カメラは基本スマホだけにしてます。
    その景色を脳ミソに焼き付けて帰れれば上々と思います。



鯨の味噌汁さんのトラベラーページ

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