前回(2007年)の中国天津市での駐在終了から早や１１年、再び天津に赴任となりました。世界遺産や民族の宝庫である中国に一人で住んでいると、また旅の虫が騒ぎ出します。激混み覚悟で春節の連休中どこに行こうか思案の末、2月1日から7日の予定で雲南省へ出かけることにしました。<br />目的は①日中でも氷点下の天津を脱出する、②中国に56も存在すると言われる少数民族の生活を垣間見る、③世界自然遺産に登録されている元陽の棚田を見る、ことです。40Ｌのバックパックを背負い、57歳のオヤジがバックパッカー気取りで雲南省を旅して来ました。その内容は一生忘れられない、思い出深い出会いと感動の旅となりました。

天津駐在オヤジの雲南省ひとり旅(その1:建水編)

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2019/02/01 - 2019/02/07

22位(同エリア51件中)

エリア

元陽(中国)

旅行の満足度: 5.0

観光: 5.0

ホテル: 3.0

グルメ: 5.0

ショッピング: 1.5

交通: 1.5

同行者: 一人旅

一人あたり費用: 5万円 - 10万円

交通手段: 鉄道高速・路線バスタクシー飛行機

旅行の手配内容: 個別手配

2月1日、旅の初日。今日から会社は休みです。
中国東方航空に乗り天津空港を飛び立ち約3時間半、雲南省の昆明空港に到着。
その足で空港から昆明火車駅までタクシー移動(70元くらい)。昆明火車駅から高鉄列車C8306に乗り、建水までやってきました。最終目的地は棚田で有名な元陽ですが、1日で行くのは時間的にきつかったので、まずは建水の観光含めここで2泊の予定です。
今回エア、列車、宿の全てをスマホアプリのC tripで手配しました。支払いはWeChat peyです。鉄道チケットが駅でのみ、それもその駅発でしか買えなかった2007年当時とは比べもにならないくらい便利になりました。
緑色の新幹線・・・・ちょっと微妙なカラーセンスですね。
13：16に昆明を出発。定刻通り15:35に建水到着です。昆明からここまで2時間19分。新幹線車両の高鉄ですが、山あいを走るためか最高速度は120キロくらいでした。
建水駅は郊外にあるので、市街地に向かうのはバスかタクシーです。駅前でウロウロしていると、タクシーのおばちゃんに『どこ行くの？一人10元！乗って乗って！』どこ行くの？と聞いた割にはその答えも聞かず、強引に見ず知らずの中国人のお客さん3人と一緒にカローラのタクシーに詰め込まれます。私は助手席に座りましたが、後ろのお客さんはすし詰め状態で、文句を言っていました。
道中、運転手さんに宿の住所をスマホ画面で伝えますが、運転手さんが話す中国語は雲南訛りが強く、殆ど聞き取れません。聞き取れたのは『不去（行かない)』だけ。『え、行かないの？じゃあどうすればいい？』拙い中国語会話力で話しますが、なかなか言っている事が理解出来ません。後席の中国人のお客さんに、普通語で通訳してもらいながら何とかコミュニケーションを取ります。どうも『道が狭いからそこまで入れないよ。』と言っているようです。スマホの地図アプリ(百度地図)で確認したところ、とりあえず市街地には向かっているようなのでまあ大丈夫かな。
『ここから歩いて。』と市街地の中心で降ろされました。
地図アプリで確認すると、宿はすぐ近く。やれやれ一安心。
写真は建水市街地中心にある朝陽楼です。1389年に作られた城門です。
1000年以上の歴史を持つ古い町です。周囲に古い建物がたくさん残っています。
今日と明日の宿は建水金静园客棧。中国式民宿です。
宿の場所は細くて入り組んだ路地にあるらしく、なかなか見つかりません。散歩していたおじさんに尋ね、それらしき宿を見つけました。
中に入り宿主らしきお父さんに名前を告げます。ところがPCを確認しながら
お父さん『予約？ないなあ。』
自分『え、c tripで確かに予約したんだけど。』
お父さん、再びPCで確認『やっぱりないなあ。』
自分『そんなバカな。』焦りながらスマホで予約票を見せると、
お父さん『あ、それ隣だよ。』
案内してもらった宿は、中国伝統の四合院を改装した小綺麗な宿でした。
再びやれやれ。
チェックインし部屋で少しくつろいだ後、周囲を散策します。
夕方になり、夕飯を食べることに。色々な店があり迷いましたが、入りやすそうなこの店に決定。
ボールに盛られた20種以上のオカズから、店主のお勧めをいくつか選びました。ご飯とお粥のスープが付いて18元。
うちの会社の社員食堂でも同じなのですが、なぜスープがお粥？それもかなり薄くて味付もなし。中国の食事は大好きで、大概のものは美味しくいただきますが、これだけは未だスープとして認められません。が、美味しかったので、残さず頂きました。
お腹も満たされたので、周囲を散策。7時半を過ぎて日も落ち、街はライトアップされます。
夜もふけてきたので、宿に戻ります。
部屋は新しくて清潔です。バスタブはありませんでしたが、アメニティも揃っていて快適でした。一泊 279元。
ただ泊まった部屋の隣が集会場になっていて、宿主を含む近所のおじさん、おばさん達の大きなお喋りの声が、薄い木の壁を通して聞こえてきます。流石にうるさかったので、宿主に『あまり遅くまでお喋りしないでね。』とやんわり苦情を言ったところ、間も無く静かになりました。
翌日の2月2日。
朝食は近くの店で雲南名物の米線。
8元で味、ボリュームとも満足。漬物も食べ放題でした。
丼に盛った冷たい麺をドンッと渡されます。ん？と一瞬迷いましたが、すぐわかりました。隣にあるお湯とザルで自分で温めるんだ。
市内の移動は主にシェア自転車。30分で1元。
大変便利ですが石畳の継ぎ目にタイヤを取られ、何度か転びそうになりました。車、三輪車、バイクが行き交うこの市街地で転んだら、かなりの確率で轢かれそうです。気をつけなければ。
今日のメインは、建水古城小火車に乗り古い町並みが残る団山村を訪れること。この建水古城小火車は、かつて建水で産出されたスズを運ぶため1938年に開通したそうです。今は観光列車として営業し、団山村まで一日2往復しています(休日は3往復)。朝9時発の列車に乗りたかったので、7時過ぎに駅に着きましたが駅舎は開いていません。周囲を散歩しているお爺さんに聞いたところ『8時からだよ。』。簡単に聞き出している様に書いていますが、とにかく訛りが強くこれだけ聞き出すのにかなり時間を要しました。
おじさん『どこから来たの？』
私、『(巻き舌で)リーベン(日本)です。』
おじさん、『ズーペン(日本)か。』
自分まで発音悪くなってくる・・・
周囲を散策して、8時10分前に再び駅舎に行くと既に開いており、観光客の姿も結構見えます。早めにきて正解でした。一等の軟座を買います。120元。2等の硬座は100元です。
平日は9:00発、14：30発の二本。休日は8:00発、12：00発、16：00発の三本。
水のペットボトルと、お菓子をもらって乗車。指定席に座ります
軟座の座席は応接セットの木の椅子。床に置いただけで、固定もされていません。速度がゆっくりなので、問題は無さそうですが。
朝方低かった気温も徐々に上がり、定刻に走り出すと風が涼しく快適です。
9時20分ごろ、250程年前に架けられた双竜橋で一旦停車。列車から降りる時、ガイドさんがしつこく発車時刻を繰り返します。遅れる人が多いんでしょうね。
停車時間は30分で、ガイドさんの説明を聞きながら周囲を歩き橋を渡ります。。
水面に映る橋が綺麗でした。スマホのシャッター押すのを頼まれた、一人旅らしきおじさん(こちらもおじさんですが)としばし会話。成都から来ているそうです。一緒に写真撮ればよかったな。
10時に次の停車場所の旧駅舎に到着。1983年の開業当時からそのまま残っている駅舎です。ここでも30分の停車。写真を撮ったり皆物売りの果物を買ったりして過ごします。天気は快晴で長袖では汗ばむくらい。氷点下の天津とはえらい違いです。
30分経過後の発車時間になり、ここでいかにも中国という驚きの光景が。発車時間になってもグズグズ買い物をし、列車に乗ろうとしない乗客が。乗車するまで待つかと思いきや、運転手は警笛を鳴らして構わず発車。慌てた乗客は、買いかけた果物を放り出し、走って飛び乗っていました。さすが中国。
10時50分に、団山村に到着です。
600年前にスズで財を成した豪商によって開かれた集落で、当時の建築物がそのまま残されています。
民家の門です。
中国伝統建築の四号院です。今にも崩れそうな家屋ですが、ちゃんと人が住んでいます。子供を叱るお母さんの声が、周囲にこだましていました。
窓一枚一枚がアートです。
生活感満載です。
古いなー。ちゃんと人が住んでます。
台所。お肉を干してます。
団山村での自由時間は2時間。集落全体をくまなく巡ると、丁度いい時間。
帰りは何処にも停まらず、直行で13時40分ごろに建水市街地に戻ってきます。
建水古城小火車、楽しかった。おススメです。
市街地の中心に戻り、遅い昼ごはん。
串屋さんがあったので、覗いてみると・・
トカゲの開き
イモムシ、何やら甲虫色々
ゾウムシ？
『好吃啊（美味しいよ)』と、店のおばさんがしきりに勧めます。
いやー、ムリムリ。
中国人観光客も珍しそうに写真を撮っています。やっぱりみんな珍しいんだ。
基本的に何でも食べますが、流石に虫は遠慮し名物の烤豆腐（豆腐焼き)と、蟹の串焼きにしました。
豆腐は10個で５元。20個食べました。
足りないので、大きめの四角い豆腐も食べましたが、こちらはかなり固め。小さい方が美味しかったです。相席の中国人観光客に、『大きいの味どう？』と聞かれたので、『ちょっと硬いよ。』と返答。普通語ならこの程度の会話はできるんだけどな。
食事終え、主だったスポットへ。
豪商の民居、朱家花園です。２万平米と広大な敷地面積です。
同じく朱家花園。
孔子を祀った文廟。1285年に建立され、中国第二の規模を誇ります。春節の演奏会をやっていました。
皆さん、信心深いです。
入り口に立つ孔子の像。
繁華街をぶらぶら。
焼き物が特産品の様です。茶碗を購入。
しばし散策し、御飯時に何となく急に食べたくなったマックセットを購入。9時ごろ宿に戻り、部屋で食べました。
明日はいよいよ棚田のある元陽に向かいます。

天津駐在オヤジの雲南省ひとり旅(その2:元陽編)に続く。