藤枝・岡部・焼津の旅(二日目・完)~岡部宿は、東海道53次の21番目の宿場。一番の見どころ、大旅籠柏屋歴史資料館ではびっくりの等身大ひな人形を拝見して、花沢の里、玉露の里へも足を延ばします~
2018/03/18 - 2018/03/18
9位(同エリア146件中)
たびたびさん
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岡部宿は、東海道53次の21番目の宿場。藤枝宿のアクセスもイマイチでしたが、調べるとこちらはもっと劣悪。今回はレンタカーを借りているので、それならこの機会に訪ねるのはちょうどいいでしょう。一部、松並木が残っているところも雰囲気がありますが、観光の中心はなんといっても大旅籠柏屋。建物も保存状態がかなりいいし、当時の様子を人形で再現したり、とっても分かりやすい。
そして、等身大のひな人形が今回の目玉。ただ、確かにインパクトは強烈なんですが、それが楽しいかとなると正直それは微妙。逆に、小さなサイズであることがちゃんと意味があったというのに気が付かされたというのも実は意外な収穫だったのかもしれません。
ほか、せっかくのレンタカーの旅なので、花沢の里、宇津ノ谷峠、玉露の里も訪ねます。いずれもなかなか渋い観光地で、ここまで来るとけっこうディープ。つまり、歴史がなくはないけど、ズバリ言えばやっぱり捨てられたようなところがある。たぶん、これが静岡でいうところの一般的な田舎なのではないかと思います。
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今日は一日レンタカーの旅。焼津のホテルを早朝に出発して、まずは、焼津の近場からスタートです。
大覺寺全珠院は、焼津市街の北側。住宅地を抜けた平地に、広い敷地と赤い本堂がすぐに見えてきました。 -
高さ4.2mの千手大観音が見どころで、その大きさは日本一。
ただ、拝見するとこの千手観音は十一面観音でもあるので、正確には千手十一面観音ですね。そう言った方がインパクトはあるようにも思いますが、どうしてそう言わないのかはちょっと不思議です。 -
ところで、焼津では井伊直孝はけっこう地元のヒーローとされていて、井伊直孝産湯の井戸も駐車場付の小さな公園として整備されていました。
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井戸は大きいし、説明板もカラーで立派です。
ちなみに、直孝の父は、井伊直政。岡部宿へ泊まった際に直政の世話をした娘が産んだ子供が井伊直孝。後に彦根藩の二代藩主になるのですが、焼津の血が入ったことで誇る気持ちになるのでしょう。 -
続いては大崩海岸へ。ホテルアンビア松風閣の駐車場から眺めると全景がよく見えるという情報があって、そちらに向かいます。
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イチオシ
そして、なるほど。海に崖が迫る地形の迫力もいいですが、朝日の差す海岸の背景にはうっすらと富士山が浮かび上がって見えていて。さすが静岡の景勝地という眺めです。
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浜当目海水浴場は、ごちゃごちゃした海辺の市街地の細い道を抜けた先。海に出てみるとそこは意外に広々。
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この海水浴場も細かな砂浜の穏やかな海水浴場で、少し沖合いに波けしブロックがあるし、これなら小さい子供でも安全ですね。
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ただ、シーズンのことを考えると、駐車場は少し狭いかもしれません。
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そこから、今度は花沢の里へ。事前の情報でも、ここは焼津の観光地としてはけっこうメジャーな観光地のようでしたからね。
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駐車場から、なんかさみしい峠を登っていきます。本当にこれであっているんでしょうか。心配になりますね。
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イチオシ
民家が見えてきて、これですか。
この里は奈良期の東海道といわれる「やきつべの小径」沿い。 -
谷沿いの山道に続く小さな村を散策するのですが、正直、なかなかに渋いですよ~
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単なる田舎の風景としてしまうには確かに風情がありすぎるのですが、
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ちゃんと分かっていかないとがっかりする人もいるような。
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ちょっとした山歩きをする気持ちで訪ねてもいいのかなという感じです。
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集落を過ぎて、ここから山道に入る。もう少し行ってみますか。
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登り坂が始まります。
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今日はいい天気。こぶしの花も満開ですね。
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イチオシ
集落が下の方に見えてきましたが、まあ、これで良しとしましょうか。これ以上は、きりがないようです。
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集落に帰って、お寺の方へ。
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山門から、
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本堂を確認してみましたが、まあ普通かな。
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帰り道で。。
カントリーオーブンは、花沢の里の中ほど。 -
人家の軒先でやっている無人の販売所。みかんなんかと同じスタイルですね。
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私はシフォンケーキをいただきましたが、これは素人の作ったものではないような。ふわふわ感が半端なくて、名店のシフォンケーキといった風格。花沢の里では外せない。侮れないお店です。
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花沢の里から、今度は宇津ノ谷峠へ。まずは、道の駅に立ち寄りました。ただ、交通量が多い道だし、小さな道の駅なので、ちょっと分かりにくいかもしれません。産直の販売所の人が観光案内もやっていて、つたの細道公園とか行き方を教えてくれましたが、ここで聞かなければたぶん分からなかったと思います。
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東海道の宇津ノ谷峠は、中世から交通の要衝として和歌にも詠われた場所。国道1号のトンネルがあって、道の駅宇津ノ谷峠からすぐ。道の駅宇津ノ谷峠には付近の地図がありますが、ここが宇津ノ谷峠といったピンポイントではないような。つたの細道公園やその手前で枝分かれする旧東海道とか。全体の雰囲気で宇津ノ谷峠を感じるのかなと思います。
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つたの細道公園は、広い駐車場から歩いて。公園に向かう道自体がうつたの細道という名所。山の中をそれらしく続く道です。
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公園は芝生のエリアとかありますが、やはりその道に付属したものなので広さなどは限界がある。
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やはり、山深い中で、つたの細道に思いを馳せるというところがポイントでしょう。
うーん、ちょっと渋い感覚のスポットが続きました。静岡の周辺の興津や由比も十分渋いんですが、それをかなり上回る渋さ。一般的な観光地とはかなり趣が違います。 -
ここから旧岡部宿へ。
大旅籠柏屋歴史資料館は、岡部宿の観光ではメインとなるスポット。 -
岡部宿には2軒の本陣と27の旅籠があったそうですが、現存する建物はここだけ。
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玄関では、旅人を迎える旅籠の様子が人形で再現されていたり、楽しく見せる工夫が感じられます。
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現在の建物は、江戸時代後期、1836年に完成した三代目の建物で、入口から奥、二階の方まで、
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旅籠として利用されていた当時の雰囲気をそのまま残しています。
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係の人が毎日行っていたという雨戸の閉め方を実演風に説明してくれたり、
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建物の機能が活きていて、まだ現役みたいに使えることにも驚きました。
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二階に上がると、そこは宿泊エリア。
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こちらも当時の様子をリアルに再現していて、
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なるほどねという感じ。限られた場所でお互いに譲り合いながらも、それぞれにそれぞれがプライベートを楽しむ。そんなほどよい距離感があったこともうかがわれます。
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ほか、旅に携行したコンパクトな道具類や宿帳などもこまごまと展示してあったり。
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こんなもの本当に持ち歩きしていたのかなあと思うようなものも。
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例えば、これは枕なんですが、ちょっと現実的ではないような気もします。
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東海道の浮世絵。これも珍しいものではありませんが、ないとさみしいものでしょう。
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宿場のにぎわいを再現したジオラマ。
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なにげに想像の世界が広がります。
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そして、今回特に楽しみにしていたのは、岡部宿大旅籠柏屋ひなまつり。等身大のひな人形です。
こちらですね。
まずは、仕丁(してい)3人。宮中の雑用係です。 -
イチオシ
作業を終えて、少し崩れた姿。酒も入って、酩酊気味です。
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ただ、本来はおめでたい感じが漂うところなんですが、
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リアルさが前面に出ているので、見ているこちらはゆったりした気持ちにはなれないかも。
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この人形は、元々、地元の好光という人形店の人形師が京都で活き人形を見て、自分も技術向上のためにと作り始めたのだそう。
多くは残っていないのですが、ここには一揃い15体が全部残っていて、この時期に公開をしています。 -
手前から、右大臣に左大臣。
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五人囃子へと続きます。
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これだけ大きいと、一つの段飾りに収めるのは不可能。
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三段の飾りがせいぜいですね。
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五人囃子は子供のイメージがありますが、
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こちらはもう若者。かわいらしさというよりも、りりしさの方が勝っています。
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三人官女は20代とか30代とか年齢によって顔の造りが違っているとかの説明もありまして、
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イチオシ
家族をモデルにしてリアルさを出したのだそうです。
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ただ、まあ、そんなことよりもこの大きさには度肝を抜かれる。ひな人形の枠をはるかに超えています。
一方で、ひな人形のかわいらしさは飛んでしまっていて。。これを見て泣く子もいますというのは分からないではないと思いました。
これをどう消化したらいいのか。さすがに混乱気味ですが、京都に負けまいとした強い思い?例えば、明治期に作られた石灯籠は巨大なものが多いのですが、それは西洋文化に負けまいとした気持ちの表れ。「静岡だって、京都に負けるはずはない」という、そのプライドが生まれる当時の気風を考えてみる必要があるのかもしれません。 -
こちらは、御殿雛。
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これもそれなりにリアルさを追求したもの。
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ただ、小さい分、
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かわいらしさや
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夢が広がるような。
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これで少し現実の世界に戻れたような気がします。
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さて、敷地内には
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中庭の周囲にいろんな建物があって、
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そちらの展示も拝見します。
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階段に飾った段飾りに
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これは藤枝にもあった天神さん。
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御殿雛に
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男の子が祝うためのものでしたよね。
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紙で作った飾り物も
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やっぱり気持ちがこもっています。
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竹から生まれたかぐや姫をイメージした創作雛も。
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自由な発想が悪くないでしょう。
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かしばやは、
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大旅籠柏屋資料館の敷地内にあるお休み処。
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ちょっと休憩でところてんをいただきました。
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まあ、それはそれでよかったのですが、この辺りはタケノコが名物。タケノコの炊き込みご飯もパックで売っていて、それを買っておけばと後で悔みました。近くのどこかの食堂で食べればいいと思っていたのに、その後探しても結局そうした食堂はない。けっこう貴重な施設です。
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まだ、意外に時間が残っているので、どうしようか迷っていた露玉の里にも足を延ばしてみることにします。
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ふるさと世界の昆虫館は、露玉の里の敷地の一番奥。
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ここですね。
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カブトムシやクワガタの標本の他に、
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イチオシ
実際に飼育されているカブトムシもいて、これはなかなか手のかかる施設でしょう。
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蝶の標本もとても美しくて、
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こうした施設の標本の質としては群を抜いているような気がします。一見の価値ありの施設です。
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ところで、静岡県がお茶どころであることは当然ですが、
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特にこの岡部町朝比奈地区は、京都の宇治、福岡の八女と並び玉露の三大産地ということなんだそうです。
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ここで。お昼は、茶の華亭。道の駅、玉露の里のレストランです。
畳の部屋にあがって、ちょっとゆっくり。いただいたのは、おかべ汁。 -
トン汁にとろろを入れながら食べるんですが、これが想像以上になかなかうまい。みその加減とかがおいしく食べるミソなんだそうです。
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ここで、朝比奈城のハイキングコースというのがあることを聞き、さっそく行ってみることに。
萬年寺の奥の -
冠木門が入口です。
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茶畑の間を
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どんどん進んでいく。
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これなら安心。危なくないですね。
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イチオシ
周辺の山間にはあちこちに茶畑があって、
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なるほど。玉露の里。
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ところで、静岡はミカンとお茶。
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どちらも山間で作られるんですが、その条件の違いは土。水はけがいい場所がミカンで、そうじゃなくてもいけるのがお茶とかだったかな。
外見は同じようでも、それぞれちゃんとふさわしい条件があるんですよね。 -
ここからは森の中ですか。
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だんだんと城跡らしくなってきましたね。
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しかし、道はちゃんと整備されていて、これなら大丈夫です。
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ここが城跡。
朝比奈城を築いた朝比奈氏は今川家の重臣。ちなみに、朝比奈氏が朝比奈城。ライバルで同じ今川家の重臣、岡部氏が朝日山城という関係。
両氏とも、今川家の衰退とともに、今度は武田氏に帰属。武田氏が滅亡すると徳川家に臣従するという流れ。激しい攻防の中を生き延びることになっていて、このあたりは意外に生半可な地域でもないようです。 -
さて、ハイキングコースはここからが下り。善能寺の方に向かって下りていきます。
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こちらの方も茶畑。
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ずいぶんと山の方まで開発が進んでいます。
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善能寺に到着。
結局、1時間はかからなかったように思います。 -
道の駅に帰る途中。はるみの方を一袋いただいて。これはすっきりした甘さがおいしいミカンですね。ちょっとファンになりました。
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この朝比奈川は、岡部宿の辺りを流れる川ですが、見映えがするのは、玉露の里の辺り。川の両側には桜並木が続いていて、遊歩道も整備されている。のどかな山里に美しい桜並木が映えていて、一幅の絵のような光景です。川の水も透き通っていて、何気に癒されます。
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瓢月亭は、道の駅玉露の里の川を挟んだ向かい側。少し回り道をする橋を渡って訪ねました。
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お茶席もあるようですが、
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それを利用しなくても美しい日本庭園の散策は自由にできます。
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池の鯉に餌をやっている人もいたりして、
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道の駅の方とはまた違う楽しみのある施設です。
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岡部宿の方から、再び昨日の藤枝の市街へ。
昨日寄れなかったこの田中城は、天文6年(1537年)、駿河今川氏によって築かれた城。本丸を中心に、直径約600mの同心円状に3重に堀を巡らすという珍しい構造が最大の特徴です。本丸跡は西益津小学校で、周囲の通りの走り方や堀であった川と合わせて城の縄張りを想像することになります。 -
そして、田中城跡としては唯一それらしい保存がされている場所がこの下屋敷。
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日本庭園と
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イチオシ
ここのシンボルというべき櫓も建っています。
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二階の展示室には、田中城が武田信玄から、信長、秀吉、家康も泊まった城と紹介されていて、
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家康が駿府城で鯛のてんぷらを食べた夜、この城に泊まっていたところで例の腹痛を起こしたといったことも紹介されていました。
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そして、もう一つ。どうしても行きたかったのがこのななや。
ななやは静岡市内にもあるんですが、やっぱり本店ですよね。 -
看板商品の抹茶アイスが大人気。
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イチオシ
抹茶の濃さによって何種類もあるんですが、私は7番まである中から2番と5番を組み合わせ。
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必ずしも抹茶が濃いのがおいしいということはないと思いますが、
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5番でもけっこうガツンとくる味わい。やっぱり、あるようでないインパクトです。
このお店も、抹茶の藤枝の名前を高めているでしょう。(岡部町は藤枝市と合併していて、藤枝市岡部町です) -
焼津に帰ってきて。
うみえ~る焼津は、焼津市街から海側に出たところ。アクアス焼津や親水公園ふぃしゅーなもある広大なエリアの一角です。 -
水産業の街、焼津の海産物製品の大型の販売ショップですが、今では焼津さかなセンターの方が圧倒的に人気があるので、こちらは閑散としていて寂しいです。
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親水公園 ふぃしゅーなは、焼津の市街からそのまま海に出たところ。しかし、この一角は広大なエリアなので、歩いて行くとちょっとしんどいかも。
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イチオシ
親水公園はその広いエリアの突端。ちょっとした展望所のある丘からは、堤防で魚釣りをしている人たちも一望です。
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焼津では仕事帰りに海釣りしている人もちらほらという話も聞いたことがありましたが、まさにそういう場所になっていると思います。
これで、レンタカーはおしまい。無事に予定通り返却です。 -
最後、静岡市内に帰ってきて。晩飯は、さわやかへ。
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静岡県民の定番ソウルフード、げんこつハンバーグをいただいてみました。ただ、順番待ちがすごくて、結局、2時間近くかかりまして、すごい人気です。
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さて、ハンバーグの方ですが、このレア感はステーキと同じ。それに、ミンチをこんな生肉っぽい形で料理するとは驚き。真似しようと思っても、食中毒のリスクとか、レストランではおいそれとはできないように思います。
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この旅行記へのコメント (3)
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- mom Kさん 2019/02/26 21:27:22
- 表紙のお雛様はどちらのでしょうか
- 松山旅を見てくださってありがとうございます。お雛様の登場しているたびたびさまの日記を探して拝見。同じお雛様がなくて他の土地なのかしらと思っています。「やきつべのこみち」は私が歩きたい道です。静岡県は歩く視野に入っていなかったので、今後の課題。「はるか」がありましたか。「せとか」は、姿が似ていますが、それより少し糖度が高いと思います。どこかで出会われたら、ぜひお試しください。
- たびたびさん からの返信 2019/02/27 09:30:51
- RE: 表紙のお雛様はどちらのでしょうか
- 表紙って、トラベラーページのことでしょうか。
これは滋賀県の五箇荘の「商家に伝わるひな人形めぐり」。東之湖氏制作の創作雛です。
たびたび
- mom Kさん からの返信 2019/02/27 11:12:22
- そうです
- > 表紙って、トラベラーページのことでしょうか。
> これは滋賀県の五箇荘の「商家に伝わるひな人形めぐり」。東之湖氏制作の創作雛です。
>
> たびたび
お返事ありがとうございます。うっとりするお顔でお召し物の色合いもまたいいなあと思いましたので。そうですか。五個荘ですか。近江は、秋に歩きますので、出会っていなかったのです。
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