2017/05/20 - 2017/05/20
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bunbunさん
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田中本家博物館を見学してきました。田中本家は、初代新八氏が享保18年(1733年)に商人として独立し、現在まで続いています。江戸時代は、米、菜種油、煙草、綿、酒等を商い、須坂藩*)の御用達商人を務めるとともに、名字帯刀を許される大地主へと成長しました。3代と5代は幕末には士分として藩の財政に関わる重責も果たし、その財力は須坂藩をも上回る北信濃屈指の豪商となりました。近年土蔵の調査をしたところ、江戸時代からの生活に使用された衣裳、漆器、陶磁器、玩具、文書等の品々が素晴らしい保存状態で見つかりました。当時の生活を知る上で大変貴重との専門家の勧めもあり、100 m 四方を20の土蔵が囲む屋敷を開放し、平成5年(1993年)4月に豪商の館・田中本家博物館として開館しました。
博物館の展示館には上記品々が展示されておりますが、撮影禁止でしたので残念ながらこれらの写真はありません。
先日産経新聞が取り上げていたので、このタイミングで投稿することにしました。
*) 投稿時「須坂版」と記載しておりましたが、ねんきん老人さんより「須坂藩」の誤変換ではないかとのご指摘を受けました。ご指摘通りですので、皆様には深くお詫びして訂正いたします。また、ねんきん老人さんにはご指摘に対し、深く感謝申し上げます。
2021年11月14日
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最初に博物館周辺図*)を示します。左が北です。
今回見学したのは博物館である左下のお屋敷部分です。
*) この図と下の図の著作権は田中本家博物館にあります。本旅行記の著者は2017年5月22日、豪商の館・田中本家博物館より、これら図の使用許可を得ております。 -
博物館の図
図のオレンジ色の順路に沿って見学しました。 -
車で国道406号線を通り、博物館正面入口にやって来ました。
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博物館に入る前に、南に移動して外観写真をもう一枚。
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門をくぐって中に入りました。
春の庭(表庭)です。左側の赤いサツキの前には、初代新八翁の碑があります。 -
展示館での見学を終えて南東(上から3番目の写真の右上)側の庭に出ました。
盆栽がありますねえ。 -
めずらしい。イワヒバの盆栽だ。
イワヒバはシダ植物の一種です。
盆栽にご興味がある方は、https://4travel.jp/travelogue/11246438 に推定樹齢300年以上の蝦夷松を含め、様々な樹齢、樹種、樹形の盆栽46点を示しましたのでご覧ください。 -
松の木の下にはシャガが満開です。
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こちらではゼンテイカ(俗称ニッコウキスゲ)が満開だ。
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接写しておこう。
ゼンテイカ。ススキノキ科、キスゲ亜科、ワスレナグサ族に分類されています。 -
中央の樹は大王松(ダイオウマツ、ダイオウショウ、英名:longleaf pine)です。米国南東部に分布する松で、一目して、また英名からも分かるように葉が長いことが特徴です。また通常の松が2本一組の葉を有するのに対し、この松は3本一組の葉を有します。
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1つ上の写真の大王松の後ろの建物。
歴史的価値があるようですねえ。 -
1つ上の写真の建物内部
「湯殿(明治時代)
この湯殿は、明治時代に造られた湯殿です。
田中家の迎賓館(客殿)に泊まられたお客様専用の湯殿で、河合玉堂、寺崎廣業、木村武山、尾崎行雄、福島将軍など、多くの方が入られました。
着替えの間(次の写真)は、床の間と飾り障子窓が付いた、お洒落な作りとなっています。
着替えの間と湯殿の電灯には、美しい手作りの傘が付いていて、明治37年頃につけられました。
湯殿は檜造りとなっています。風呂は沸かすのではなく、炭火で湯を冷めないようにした造りのお風呂となっています。中央にある木の枠に清水が入り、湯加減調節に使用していました。
珍しい模様のついた窓ガラスは、造り方分からず、今では作れないガラスです。
廊下の屋根の木組みは、お茶席の様なお洒落な造りとなっています。」
―説明板より― -
着替えの間
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順路に戻って、来た方向(南)を振り返る。
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北東の庭に出ました。
アヤメ -
フジ
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北側の通路
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敷地の北側にある池泉廻遊式庭園:秋の庭(大庭)に出ました。
池側の風景 -
横長で、池側の風景。
この後この池の西側を南(写真右)に進みます。 -
池の中の島
かっこいい松だねえ。 -
池と、池に飛び出した飛び石。
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少し池から離れて、池泉廻遊式庭園
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庭園の南側
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庭園の北側
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また池に近づいて、滝だ。
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南に移動して、滝。
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カメラを右に振ると、さっきも見えてた幹が白っぽい木だ。
あれはモミジだね。秋は紅葉で綺麗だろうな。 -
さらに南に移動して、夏の庭(中庭)です。
右の太い木はナツツバキ(沙羅)で、6月中旬~7月上旬に白い花をつけます。 -
ご参考までに、田中本家博物館理事、田中宏和氏から頂いた、ナツツバキが咲いているときの写真を示します。
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この写真も田中宏和氏から頂いたもので、ナツツバキの花です。
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見学を終わり、春の庭(表庭)を出ます。
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出口脇に咲いていたシャクヤク
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出口脇の句碑
「春雨や
田中栄える
種おろし
この句は須坂藩六代藩主堀直寛公の直筆を当家の初代が賜ったものです。
初代田中新八の生誕三百年を記念し、先祖への感謝の気持ちをこめてこの句碑を建立いたしました。
平成11年5月26日
11代当主 田中太郎」
―説明板より―
豪商の館・田中本家博物館は歴史に興味がない方でも、春の桜や秋の紅葉等、いろいろと楽しむことができます。詳細は公式HP
http://www.tanakahonke.org/
をご覧ください。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ねんきん老人さん 2021/11/04 11:44:12
- 知るは楽しみなり
- bunbunさん、いつも小生の独りよがりな駄文にお付き合いくださり、ありがとうございます。
bunbunさんの旅行記「長野 豪商の館 田中本家博物館」を拝読し、豪商というものの姿を垣間見た思いです。
財を成す、という言葉がありますが、商売というのは当てれば大変な財を手に入れられるのですね。 江戸時代に武士よりも羽振りが良かったという話も頷けますし、明治以降に「財閥」という言葉が生まれたのも納得がいきます。
それとは別に、bunbunさんは植物に詳しいのですね。 私はいつも旅先で見かけた花などの名前が分からず残念に思っているのですが、bunbunさんのようにそれぞれの植物の名前や特徴を知っていたら、同じものを見てもより深い印象を持たれることと、羨ましい限りです。
大王松は子供のころ近くにありましたし、今も町内の仲間の庭にありますが、葉が3本になっているということは、今回bunbunさんの解説を拝読して初めて知りました。早速今日の散歩のときに見てみようと思います。
ニッコウキスゲは正式にはゼンテイカというのですか? 初めて聞いたので調べてみました。「禅庭花」と書くのですね。 ニッコウキスゲというとなんとなく高原に咲いている花というイメージを持っていましたが、禅庭花というくらいですから、お寺の庭などによくある花なのでしょうね。 まったく、無知というものは世界が狭いものだと忸怩たる思いです。 もう先の短い身ですが、諦めずにもう少し勉強しなければと思いました。
刺激をいただきました。ありがとうございました。
※ 余計なお世話ですが、文中に「須坂版」とあるのは「須坂藩」の誤変換ではないでしょうか? 誤変換は私にとって日常のことですので、自分のことを棚にあげてみっともない話ですが、ちょっと気になりましたので・・・。
ねんきん老人
- bunbunさん からの返信 2021/11/06 11:52:48
- RE: 知るは楽しみなり
- ねんきん老人さん、こんにちは。
私の拙い旅行記を丁寧に読んでくださり、感謝申し上げます。
「知るは楽しみなり」全くその通りと思います。
アメリカのボストン美術館に私が敬愛するゴーギャンの絵「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」があります。このタイトルは非常に深い意味をもっていて、「我々」を「宇宙」、「地球」、「生命」、「日本人」、「社会」等に置き換えることによって、これらの進化の過程にかんする実に様々な問いが誕生します。
私はこれらの問いに対する解を見つけることをライフワークにしておりまして、いつもこれらの問題と格闘しておりますが、旅行は「百聞は一見に如かず」で非常にいい教材であり、風景や人々の暮らし、美術館や博物館等の背後にいつもこの解を探しています。
江戸時代の武士をも凌ぐ商人の台頭は社会形態の進化の過程と見ております。
植物の多様性は時代と共に変化する地球環境への適応や動物等とも絡み合った進化の結果です。植物の形態を知ることは、進化の過程を知る上で随分参考になります。
私はいずれ勉強の結果を体系的に纏めてどこかで公表しようともくろんでおりますが、そのためにも動植物の名前は基本普遍性のある種名を用いております。
今回「野生の自由と、野生の飢えと 《 宮崎県・都井岬ほか 》」を拝読させていただきましたが、これも実に深遠なテーマですね。そもそも馬に感情があるのか?人間の感情とは何か?人間の思考とはなにか?人間の持つ価値観とは何か?人間に自由意志はあるのか?等々といった問題はこの宇宙の全てを支配する物理法則で、かみ砕いて言えば進化論で科学的に答えられるものと思っております。
誤変換のご指摘ありがとうございました。こういったご指摘は非常に助かります。早速謝辞と共に改定しようと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
bunbun
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