江戸下町風情が残る谷中と千駄木の森鴎外記念館

2018/02/10 - 2018/02/10

目当ては千駄木の森鴎外記念館でしたが，日暮里駅から谷中銀座を通って行くことにしました．谷中銀座は江戸下町の風情を感じる通りで，人出多数でした．なお，「谷根千」とは谷中・根津・千駄木のことだったのですね．今回は谷根千巡りとなりました．

森鴎外記念館は，2016にベルリンの記念館に行ったのですが，東京・千駄木の記念館にも行き違いを確認したかった次第．千駄木の森鴎外記念館は，2012(平24)に開館の新しいモダンな建物で驚きました．展示物は，ベルリンのはドイツ時代4年間の遺品が中心ですが，こちらの展示は生涯に亘る多くの遺品や関係資料が良く整理されて充実していました．但し，ベルリンの記念館は内部撮影可でしたが，こちらは不可でした．

鴎外には三男，二女がいましたが，次のようなドイツ流の名前が付けられています： 長男：於菟（おと，オット），長女：茉莉（マリ），次女：杏奴（アンヌ），次男：不律（ふりつ，フリッツ）― 夭折した，三男：類（ルイ）．ドイツ時代の想いが強かったことが分かります．

森鴎外は30歳から死の60歳までここに住みました（途中に小倉勤務期間あり）．森鴎外邸の2階からは海が見えて観潮楼と呼ばれ，多くの文人，歌人の社交場になってました．1937(昭12)に母屋が焼失し，1945(昭20)には戦災で全部が焼失ましたが，多くの遺品が残っているのは長男の於菟が台北帝国大学・医学部教授として，遺品を台北に持って行っており，焼失を免れたからだとのことです．

森鴎外記念館の後に夏目漱石旧居跡に立ち寄り，根津神社の裏から中を通って帰りました．

エリア 谷根千(東京)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 5.0

日暮里駅を出たところにあった谷中，千駄木のマップ．

日暮里駅西側（右側）の緑は有名人の墓も多い谷中霊園．
谷中は寺が多数．

後で行く森鴎外記念館，根津神社も下の方にあり．

日暮里駅舎のトンガリ帽子屋根．

日暮里駅 駅

日暮里駅近くの本行寺．

本行寺 寺・神社・教会

ここは荒川区で，本行寺の由緒が書いてある．月見寺とも呼ばれている．

小林一茶がよく訪れていたとのこと．

経王寺．　後で知ったが，彰義隊がここに立てこもり，新政府軍との間で戦闘があった（上野戦争）．説明文があったかもしれないが見なかったので，その際の弾痕が門に残っているとのことだが，見なかった．

経王寺 (西日暮里) 寺・神社・教会

どら焼きなどの和菓子屋さん．

谷中銀座と七面坂への分岐点．

七面坂って何かあるのかと思って少し下ってみたが，何もないようなので引き返した．

谷中銀座への道は，露店も出ていて人出が多かった．

”夕やけだんだん”の階段坂．

夕やけだんだん 名所・史跡

”夕やけだんだん”の階段坂．　この下あたりから谷中銀座の商店街．

"夕やけだんだん"の坂下から．

谷中の地ビール店．

イラン・トルコ・ウズベキスタン料理と土産物店．　賑わっていた．

レストラン ザクロ グルメ・レストラン

看板にランチは1000円とあるので覗いてみたら，ジュータンの床に座る形式だった．

8pmからベリーダンスショウもあるよう．

イラン・トルコ・ウズベキスタン料理店の内部．　
天井にアラブのランプ．　ラクダもいる．

トルコ料理は世界三大料理の一つで定評あるが，イラン，ウズベキスタン料理は分からず．＝＞トルコ料理が主でした．

トルコの雑貨と，黒い像はイラン・ペルセポリス遺跡の像．

トルコ産織物．

谷中銀座の人出は多い．東京近郊だろうが，遠方からの人も多いようだ（観光客?）．

この日は土曜だったが，いつもこのようなのだろうか．==>週末はいつも賑わっているとのことです．

谷中銀座商店街 市場・商店街

「ひみつ堂」といって，かき氷の店．有名店のようで，このように行列だった．

ひみつ堂 グルメ・レストラン

谷中銀座から横道に入ったところの長明寺．

長明寺 寺・神社・教会

長明寺の本堂は新しかった．

岡倉天心宅跡の標識．

それと共に，洋画の手法を取り入れて日本画の刷新を図る，日本美術院もここにあった．

岡倉天心記念公園の六角堂．

岡倉天心記念公園 公園・植物園

六角堂の中には金色の岡倉天心坐像．（右の家屋はガラスに映りこんでしまったもの．）

この猫舌レストランで遅いランチ．

シチメンザカ ネコジタヤ グルメ・レストラン

ラタトゥーユというソーセージと野菜の煮込みをいただきました．

谷中銀座のいか焼き屋．

江戸の飴屋．

イラスト付き判子屋さん．

落語小物と和小物屋．

江戸下町の風情あります．

いろいろなジャガイモ・メニューあり．

名物ちょんまげいも，あんみつ，おしるこも．

揚げ物屋ですが，谷中メンチは東京うまいもの大賞の５位受賞

焼きかりんとう店．

元気メンチカツ店．

堀北真希，小泉孝太郎の名前あり．

和栗屋で，和風モンブランが名物．

ランチ後すぐでなかったら，食してみたかった．

和栗や 谷中店 グルメ・レストラン

福にゃん焼き，たこ焼き．

まねき猫．

甘酒などお酒屋さん．

谷中銀座のレトロなお店．

谷中銀座通りから突き当たりを左折して，よみせ通りを千駄木駅方向へ．

よみせ通り商栄会 市場・商店街

不忍通りに出てみると，見かけた人の顔がある思ったら，毛家麺店だった．大分若い時代．

団子坂下交差点から団子坂の緩い上り道を進む．

目当ての森鴎外記念館はこんなモダンな建物だった．

文京区立森鴎外記念館 美術館・博物館

森鴎外記念館の案内板と掲示板．

森鴎外邸の説明板．

鴎外は30歳(1892(明25))から死の60歳(2022(大11))までここを住まいとした（途中に小倉勤務期間あり）．2階は海が見える観潮楼で，文人，歌人の社交場になっていた．

元の森鴎外邸・観潮楼の見取り図．　大邸宅だった．

展示室内は撮影禁止なので，なかなか見つけにくかったのだが，Webから森鴎外邸・観潮楼の模型写真を借用．

森鴎外記念館の無機質な入口部分．

入口部分の森鴎外レリーフ像．

ここは写真可だったが，展示室は写真禁止なので写真はなし．

鴎外は優秀であり11歳で飛び級で（東大）医学校に入学した（普通は13歳で入学）．19歳で卒業したのだが，成績は28人中8番だった．4番までは国費留学生になるところ，これに漏れて陸軍に入った．陸軍からの派遣で22－26歳の4年間ドイツに留学．この家に住んだのは30歳から．

地下の展示室へのコンクリート打ちっぱなしの建物空間．

2階の鴎外関連図書を集めた図書館の入口．内部は写真不可だった．

建物の外壁はタイル模様になっていた．

建築家は陶器二三雄で，2012に完成．2014にBSC賞の建築賞を受けている．

永井荷風書による「沙羅の木」の詩標．

鴎外の時代から庭にあった銀杏の木．

今は裏口になる観潮楼址の門標．

当時はこちら表口だった．

夏目漱石旧居跡490mとあるので，これに従って行きました．

ところが途中に夏目漱石旧居を示す案内標識がなく分からずで，大分行き過ぎて戻って，どうにか辿り着くことが出来ました．

このあたり一帯は日本医科大学の建物多数あり．

夏目漱石旧居跡の銘板．

漱石は1903(明36)から3年10ヵ月ここに住んだ．漱石の住む13年前には森鴎外が1年余り住んでいた．

漱石はここで「吾輩は猫である」を執筆．それでここは「猫の家」とも呼ばれる．「倫敦塔」，「坊ちゃん」，「草枕」もここで執筆．

夏目漱石旧居跡の石碑．

今はここには銘板と石碑があるだけです．
旧居は愛知県犬山市の明治村に移築されている．

明治村に移築された千駄木の夏目漱石旧居のWeb：
　http://www.meijimura.com/enjoy/sight/building/1-9.html

夏目漱石旧居跡 (猫の家) 名所・史跡

今はこの建物になっている．

根津神社を通ることにします．　これは裏側の鳥居．

裏側からの境内の道．　左側は根津神社透塀．

駒込稲荷神社．

駒込稲荷神社 寺・神社・教会

赤鳥居の列．

乙女稲荷神社の鳥居．

赤鳥居列の途中にある舞台かと思ったら，これが乙女稲荷神社だった．

根津神社本殿境内へ横から入る西門．

根津神社の本殿と思ったら拝殿だった．　本殿はこの奥．

根津神社 寺・神社・教会

拝殿アップ．

神楽殿．

楼門．

左はつつじ苑．　根津神社のつつじは有名．つつじの季節は4-5月．

根津神社の正面入口の鳥居と石柱（標柱）．

ここを出て根津駅に行き帰りました．

お付き合いいただき有難うございました．

この旅行記へのコメント （2）

• salsaladyさん 2018/02/18 10:52:20

  谷中銀座は“夕焼けだんだん”で人気が？

  ☆昨年でしたか日暮里～千駄木を歩いてみたら、GWと言うこともあって凄い人混み～
  
  ☆日本人は『あそこが良い』と口コミがあるとすぐ反応する癖があるのね｡(自分も？）
  
  ☆かつて、貧困の小説家達が過ごした地域だって言われたらどうなんだろう？

  empenguinさん からの返信 2018/02/21 20:50:36

  Re: 谷中銀座は“夕焼けだんだん”で人気が？

  salsaladyさん：
  こちらにもコメントを頂きありがとうございます．
  谷根千（谷中，根津，千駄木）の人気が出てきたのは最近なのですかね．行った日は土曜だったので，かなりの人出でした．外人さん向けのガイド書にも昔の日本情緒が味わえるとか紹介されるので，かなり来ています．
  東京はまだまだ他にも行くとことがあるようです．
  森鴎外の邸宅（観潮楼）は広く立派な邸宅で，軍医が本職でしたので，お金はあったようです．
  --Empenguin