2017/11/06 - 2017/11/06
6位(同エリア145件中)
かっちんさん
三江線(さんこうせん)は、中国山地南麓の三次(みよし)と日本海側の江津(ごうつ)を結ぶ108.1kmのローカル線です。
昭和5~12年に「三江北線(江津~浜原)」が開業し、昭和30年代に「三江南線(三次~口羽)」が開業。
北線・南線を結ぶ浜原~口羽間が昭和50年に完成し、全線が「三江線」の名称になりました。
「江の川(ごうのかわ)」は三次から中国山地を横断し日本海に注ぐ「中国太郎」の別名を持つ中国地方最大の河川で、過去に度々豪雨災害をもたらしてきました。
三江線は「江の川」沿いを走るため橋梁とトンネルが多く、昭和47年7月豪雨災害により明塚~浜原間が2年間不通、その後も昭和58年、平成18年、平成25年に豪雨災害に見舞われました。
この旅行記は、三江線を三次から石見川本まで乗り、前面窓から眺める「江の川沿いを走る三江線の景色」を紹介します。
なお、旅行記は三次市教育要覧、三次市粟屋町づくり協議会、三江沿線の橋梁・トンネル・踏切データベース、秘境駅ランキング2017年度版、安芸高田市教育委員会「空爆被災の地」、作木村誌、三次市観光公式サイト、三江線活性化協議会、鉄道総合技術研究所の「ロングレール」、国道交通省の「陸閘門開閉操作訓練について」、美郷町観光協会などのHP・資料を参考にしています。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
三次駅跨線橋の案内板
広島県三次(みよし)市は、3つの川(江の川、西城川、馬洗川)が合流し、鵜飼が有名で、霧の都と言われています。 -
出発を待つ三江線列車(三次駅)
10:02発の石見川本行きは朝から2本目の三江線列車。
2両連結のキハ120形です。
2018年4月1日に廃止になるため、最後のお別れに来る乗客で混みあっています。
かっちん夫婦は座らず(正確には座れず)、前面窓に立ちます。 -
尾関山駅(おぜきやまえき)
三次駅を出発し、最初の駅が尾関山。
船のような形をしたホームには、リュックを背負った観光客が待っています。
尾関山周辺は三次の古い町並みが残っています。 -
第1可愛川橋梁
尾関山をトンネルで抜けると、「江の川」を渡ります。
「江の川」は、上流部の広島県内で「可愛川(えのかわ)」と呼ばれています。 -
粟屋駅(あわやえき)
三次市粟屋町の中央には高谷山を中心に、大半が急峻な山塊で谷あいや山麓周辺に集落が点在しています。
弥生中期から鉄の生産が行われ、中世になると砂鉄の生産が盛んとなったところです。
秋から春にかけて川霧が発生し、その雲海は有名で「霧の海」が見える高谷山の山頂に展望台があります。 -
馬行谷川に架かる道路の石橋
左側の山間部に馬行谷(うまいけだに)集落があり、右側に「江の川」が見えます。 -
イチオシ
峡谷に佇む長谷駅(ながたにえき)を通過
長谷駅は停車する列車が少なく、牛山氏の「秘境駅ランキング2017年度版」では38位。
駅の生い立ちを調べてみると
・昭和44年(1969)粟屋小学校北分校が廃校となり、児童が三次小学校に通学するため長谷仮乗降場を設置
・昭和62年(1987)国鉄分割民営化と同時に長谷駅に格上げ
上り下り各々5本のうち停車する列車は、朝方に三次方面が2本、14時以降に口羽方面が3本と、まさに通学用ダイヤです。
しかし、現在は利用する児童がいなくなりました。
秘境駅の長谷駅には明朝、停車する列車で訪れる予定です。 -
江の川沿いを走る三江線(長谷)
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船佐駅(ふなさえき)
安芸高田市高宮町に入ります。
終戦の年、昭和20年(1945)5月5日の早朝、米軍機「B29」1機が飛来し、江の川両岸に投下した爆弾3発のひとつが船佐駅ホーム真向いの民家の前庭(線路の左側)に落ち、家族7人が犠牲となった歴史があります。
この先にあった発電所に関連する爆撃と思われます。 -
石垣の棚田(船佐)
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江の川発電所跡(唐香)
次の「所木駅」手前、江の川対岸に見えます。
これは広島呉電力会社(現中国電力株式会社)が、江の川の豊かな水量と多くの瀬(落差)に注目して、大正9年から営業を始めた「江の川発電所」跡です。 -
赤い吊橋(所木駅手前)
江の川に架かる「唐香橋(からこうはし)」です。 -
所木駅(ところぎえき)
所木駅の住所は安芸高田市高宮町船木上所木。
江の川に市の境界線があり、唐香橋を渡ると三次市作木町香淀です。 -
信木駅(のぶきえき)
鉄道マニアがいます。 -
やや広い水田(式敷駅手前)
列車はずっと川べりを走ってきたのですが、突然川との間に水田が現れます。 -
イチオシ
山の中のローカル線風景
ホーム両側の線路、木造の上屋など、風情のある式敷駅(しきじきえき)です。 -
第2可愛川(えのかわ)橋梁
江の川はこれから山のまわりを時計方向に大きく迂回します。
江の川を渡った三江線も同じように迂回します。 -
向きを変えた三江線(香淀駅手前)
三次駅から西に向かっていた列車は迂回し、今は東に向かっています。
三江線と並行していた国道375号線は、式敷駅手前で迂回区間をトンネルでショートカットしています。 -
近くに大イチョウのある香淀駅(こうよどえき)
ここは三次市作木町門田(さくぎちょう もんで)。
香淀駅から徒歩20分の迦具神社境内に推定樹齢600年の「大イチョウ」があります。
通常の扇状の形とラッパ状の葉をつけることが特徴で、県の天然記念物に指定されています。 -
第3可愛川橋梁
三江線は橋を渡ると左岸に移り、北上します。 -
三江線の紅葉
紅葉は目立たないですが、所々に見られます。
香淀駅~作木口駅間の左岸は、途中で広島県から島根県に入ります。 -
川幅が広くなる「江の川」
左岸は島根県、右岸は広島県。 -
作木口駅(さくぎぐちえき)
ここは島根県邑知郡邑南町(おおちぐん おおなんちょう)。
駅前の三国橋を渡った対岸は広島県三次市作木町。だから駅名が「作木口」なんです。 -
イチオシ
江の川に架かる美しい橋(江平駅手前)
ワーレントラス橋の「丹渡橋(たんどばし)」です。 -
江平駅(ごうびらえき)
ここも邑南町の駅。 -
30km速度制限
三江線はカーブや崖に沿って走るところがいくつもあり、その都度徐行運転します。 -
口羽駅(くちばえき)
かつて三江南線の終点だった駅です。
ここは島根県邑南町。 -
第4江川橋梁
口羽駅から浜原駅までは昭和50年に完成した延伸区間なので高速運転が可能です。
島根県に入っているので、「第〇可愛川橋梁」から「第〇江川橋梁」に名前が変わります。 -
伊賀和志駅(いかわしえき)
先ほどの第4江川橋梁を渡ると、三江線は「江の川」右岸に入り、再び広島県三次市作木町になります。
次の宇津井駅は島根県邑南町。
広島県内にある伊賀和志駅は、隣の駅がいずれも島根県なんです。 -
第3江川橋梁
この橋を渡ると島根県邑南町に戻ります。
列車が上を走り、人が下を歩いた珍しい橋です。(この橋を横から見た~い!)
橋の中央部に、ロングレール端部でレールの伸び縮みを逃がす「伸縮継目」が見えますね。 -
美しいトラス橋(第3江川橋梁)
実は平成30年(2018)1月8日、宇津井駅で降りてその橋を見に行ってきました。
かつて江の川を渡る橋がこの近くに無かったので、昭和50年(1975)三江線延伸時に鉄道橋と人道橋を2段形式で造ったのです。
その後、平成3年(1991)に道路橋「宇津井大橋」が架けられたのを機に、第3江川橋梁の歩道が通行禁止になりました。 -
「天空の駅」と呼ばれる宇津井駅(うづいえき)
宇津井駅は高架橋に停車場を作った極めて珍しい駅で、ホームや待合室は地上から約20mの高さにあり、116段の階段を上がらなくてはなりません。
駅の高さとして日本一と言われ、「天空の駅」と呼ばれています。
ここから江津まで島根県です。 -
第2江川橋梁
ワーレントラス橋です。 -
橋から眺める江の川(第2江川橋梁)
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トンネルを抜けると川幅が広くなります
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石見都賀駅(いわみつがえき)
ここは島根県邑智郡美郷町(みさとちょう)。 -
中国山地を流れる江の川(美郷町)
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石見松原駅(いわみまつばらえき)
三江線延伸区間は高速運転できるようにカーブを極力少なくしたのでトンネルが続きます。 -
スズメバチの巣
トンネル入口天井に大きなスズメバチの巣を発見!
列車があまり通らないので、居心地がいいのでしょう。
スズメバチの巣は他のトンネルの入口天井でも見かけました。 -
潮駅(うしおえき)
線路沿いに桜並木が続き、春に訪れたかったところです。
近くに潮温泉(うしおおんせん)の旅館「大和荘(だいわそう)」があります。
江の川はこの先を左に曲がり「浜原ダム湖」となります。
三江線は江の川と分かれて山の中に入って行きます。 -
沢谷集落のお祭り
私たちの列車が通ると、祭を中断してこちらに手を振ってくれています。 -
山深い沢谷駅(さわだにえき)
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浜原駅(はまはらえき)
三次方面のホームに団体と表示された神楽ラッピング車両「三江線神楽号」が停車しています。
時刻表にはない臨時列車です。
浜原駅で三江線延伸区間が終わり、ここからは三江北線だった路線です。
江の川が再び接近し、三江線は「江の川」沿いを進みます。 -
線路上にある門扉
浜原~粕淵間の線路上にある浜原陸閘門(はまはら りくこうもん)は、「江の川」の増水時に三江線の線路を門扉で封鎖し、大水が住宅地側へ進入するのを防ぐ施設です。昭和54年(1979)から使い始めました。
「江の川」が氾濫した過去の教訓から集落を守る高い堤防が造られ、鉄道が堤防を横切る開口部を陸閘門で封鎖できるようにしたのです。
この陸閘門は三江線内に8ヶ所あります。 -
イチオシ
美しいトラス鉄橋
粕淵駅の先にある「第1江川橋梁」です。
昭和47年7月豪雨により橋が流され、新しくワーレントラス橋が架けられました。 -
粕淵駅(かすぶちえき)
粕淵は美郷町の中心エリアです。
かつて宿場町「小原宿」として発展した場所です。
歴史ある建物が並ぶ寺小路や、幕末の本陣を務めた亀有亭など、一度訪れたい町です。 -
第1江川橋梁
線路の右側に歩行者用の通路がある珍しい橋梁です。 -
明塚駅(あかつかえき)
明塚駅の先に昭和28年(1951)に完成した中国電力の明塚発電所があります。
浜原ダムから取水しています。 -
石見簗瀬駅(いわみやなぜえき)
ホーム両側にあった線路は左側が撤去されたので、列車交換の役割を終えています。
右側の高い堤防が目立ちます。 -
イチオシ
日を浴び輝く樹木
石見簗瀬~乙原間の火打谷川橋梁です。 -
乙原駅(おんばらえき)
崖の中腹にあるホームは右側の階段を地上から上がり、ホームの小さな待合室で列車を待つことができます。 -
竹駅(たけえき)
明治24年頃、南側の山間部に大規模な「銅ヶ丸鉱山」があり、鉱山関係者の家が建ち並び「銅ヶ丸千軒」といわれるほど賑わいました。 -
木路原駅(きろはらえき)
駅から徒歩3分の木路原天満宮に、高さ約30m、幹まわり約8.3mの巨大ムクノキがあります。 -
イチオシ
樹木が赤く染まる「秋の三江線」(木路原駅)
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まもなく石見川本
高い堤防の内側を走ります。 -
石見川本駅(いわみかわもとえき)
石見川本駅には浜原~江津間で唯一列車の交換設備があります。
列車は石見川本駅に12:18に到着。
この先に交換設備がないため、江津から来る列車を1時間27分待ち、13:45発の江津行きになります。
あまりにも待ち時間が長いので、時刻表では石見川本止まり、石見川本発と記載されています。
列車から降りた乗客はちょうど昼なので、川本町にある数軒の食堂に行ったようです。
かっちん夫婦も昼食をとり、午後は奇岩怪石の断魚渓を訪れます。
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