2017/11/11 - 2017/11/16
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彷徨人MUさん
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1).旅の始めに
蘇州駅で下車し、旧城壁前に広がる南口広場に出てくると、真っ先に目に入るのは、中央に置かれた、聊かデフォルメされた大きな銅像である。これは、蘇州知事でもあった「範仲淹」(989年~1052年)の立像である。中国北宋時代の政治家で、字は希文で、諡は、文正公である。辺境を守って西夏の侵入を防ぎ、その功により参知政事(副宰相)にまでなった人である。
山の端を 背に負う像に 秋の空
この像は、今では、蘇州駅のシンボルの様であるが、実は、彼と蘇州郊外の「天平山」とは、何やら縁がある、と聞いていた。
2).蘇州の「天平山」へ
次の日、蘇州の中心から地下鉄1号線で、終点の「木涜」(mudu)駅まで行き、そこからバスに乗り換え、紅葉祭りの「天平山」に向かった。バスで20分程で、「天平山」入り口に到着した。「天平山」という名前は、白楽天の「白雲泉」という詩の中から、名付けられたそうだ。天平山景区の入口から中に入り、しばらく、緩やかな上り坂を登って行った。道は、カーブし、登り切った右手に、堤で仕切られた、二つの池が並んでいた。手前の池は、「玩花池」で、通称「飲馬池」と呼ばれて、嘗ては、この池で、馬に水を飲ませていたのだろう。大きい池は、「荷花池」と呼ばれ、広さ約3,300㎡程の池であるが、中央に、色は剥げているが、嘗ては鮮やかな朱色に塗られた、鉤形の橋が架かっている。
山の裾野に、木々に覆われた平坦な地域が広がり、そこには、「接駕亭」、「高義園石坊」(乾隆帝題額)等が建っている。その先に、黒瓦を載せた黄色の壁で囲まれた、「白雲寺」の境内があり、土塀に門があった。門の上には「登天平路」と書かれた扁額が、架かっており、「天平山」への登山口であった。
3).「範仲淹」像
池の方へ戻りながら、紅葉した木々の間を歩いていたら、「範仲淹」像の前に出た。「範仲淹」の像が、此処に置かれているのは、「天平山」が、「範仲淹」の「先祖帰葬の地」であると、説明されていた。「範仲淹」の著作「岳陽楼記」の中に、「先天下之憂而憂後天下之楽而楽(天下の憂に先んじて憂い、天下の楽に後れて楽しむ)」とあるが、これは、彼が考える、為政者である者に求められる、心構えなのであろう。
「範仲淹」像の背後の木々の間から、「天平山」の山の背が、くっきりと見えていた。再び、池の岸辺に戻り、大きい方の「荷花池」に架けられた、鉤形の橋を渡り、池のほぼ中央で、周りを見渡すと、池を埋め尽くす敗荷(われはちす)の、気ままに寄り添う姿が一面に広がり、一つ一つの敗荷の格好の面白さを、時に写真に撮りながら、橋を渡り終えた。今度は、橋を戻りながら、再び、目の前に広がる、自然の面白さとの出会いに、僕は、とても満足していた。
欲しいまま 気儘競り合う 敗荷(ワレハチス)
4). 旅の終わりに
バスで、「木涜」駅に行き、そこで地下鉄に乗り換え、夕暮れに染まる蘇州の街へ戻ってきた。(完)
◆ 表紙 「写真」 『範仲淹』の像
989年~1052年、中国北宋時代の政治家、蘇州人、字は希文。諡は、文正公。辺境を守り西夏の侵入を防ぐ。参知政事(副宰相)となる。
* Coordinator: H. Gu
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蘇州市の「天平山風景区」
高さ、海抜201mの「天平山」(旧「白雲山」) -
蘇州市天平山 「高義園」石坊
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蘇州市天平山 「高義園」石坊
石坊の奥に、蓮池が見えてきた。 -
蘇州市天平山の紅葉
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蘇州市天平山の紅葉
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蘇州市天平山の紅葉
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蘇州市天平山
「範仲淹」の「先憂后憂坊」(先祖帰葬の地) -
蘇州市天平山
北宋時代の名臣で、蘇州知事を経験した「範仲淹」の「先祖帰葬の地」に立つ「範仲淹」の像、
989年~1052年、中国北宋時代の政治家、字は希文。諡は、文正公。辺境を守って西夏の侵入を防ぎ、その功により参知政事(副宰相)となった。「岳陽楼記」の中の「先憂後楽」の話は有名。文集「範文正公集」 -
蘇州市天平山
「桃花谷」 -
蘇州市天平山景区内
「荷花池」を望む
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蘇州市天平山景区内
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蘇州市天平山景区内
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蘇州市天平山景区内
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蘇州市天平山
「 天平山登山口」 -
蘇州市天平山
催し物が行なわれている野外劇場,背後の山の背は、天平山。 -
蘇州市天平山の紅葉
「蓮池」 -
蘇州市天平山
「蓮池」
池には、L字を繋げたような橋が架かっている -
蘇州市天平山、
「蓮池」
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蘇州市天平山
「蓮池」
池には、L字を繋げた形で橋が架かっており、その欄干は、嘗てはベンガラ色に塗られていたが、すでに褪せていた。
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蘇州市天平山
「荷花池」
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蘇州市天平山
「荷花池」
欲しいまま 気儘競り合う 破れ蓮 -
蘇州市天平山の紅葉
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蘇州市天平山
壁を這う蔓性の植物 -
蘇州 松鶴楼
「清溜河蝦仁」 -
蘇州 松鶴楼
「 緑叶桜桃肉」
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蘇州 松鶴楼
「天下第一菜」 -
蘇州 松鶴楼
「白什拌」 -
蘇州 松鶴楼
「松鼠桂魚」 -
蘇州 松鶴楼
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蘇州 松鶴楼
「蘇式鶏湯碗」 -
蘇州駅南口広場
「北古城河」を挟み、蘇州城内の「平門」を見る
「平門」の手前に、小さく見える「范仲淹の立像」 -
蘇州駅南口広場に置かれた「范仲淹の立像」
989年~1052年、中国北宋時代の政治家、本籍は蘇州、字は希文。諡は、文正公。辺境を守って西夏の侵入を防ぎ、その功により参知政事(副宰相)となった。「岳陽楼記」の中の「先憂後楽」の話は有名。文集「範文正公集」 -
蘇州駅南口広場に置かれた「范仲淹像」
989年~1052年、中国北宋時代の政治家、本籍は蘇州、字は希文。諡は、文正公。辺境を守って西夏の侵入を防ぎ、その功により参知政事(副宰相)となった。「岳陽楼記」の中の「先憂後楽」の話は有名。文集「範文正公集」
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