2017/07/19 - 2017/07/24
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JIC旅行センターさん
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7月19日(水)から7月24日(月)まで、MAKS(モスクワ航空宇宙サロン)観覧ツアーの添乗に行ってきました。2009年より開始したこのツアーも今回で5回目となります。
MAKSは1993年から隔年で実施されており、今年が13回目に当たります。今回から会場が開始以来ずっと行われてきたジューコフスキー(ラメンスコエ)飛行場から別の場所に変更になるとの噂があり、どのような運営になるかとやきもきしていたのですが、結局従来通りの開催となりました。
モスクワの南東部に位置するジューコフスキー飛行場までは、市内中心部からバスで1時間半程度。当日は一般観覧者だけでなく国内外の要人も会場に向かうため、市内からの道路には全面的な交通規制が敷かれます。往路・復路ともに一方通行規制や、指定された駐車場所(事前購入した特別駐車券に記載)によって通行可能な経路が決められ、辻々に立つ警官が交通整理に当たっています。特別駐車券のない多くの参加者は、近隣のヴィコヴォ空港の近くに設けられた一般用駐車場か、近郊電車のジューコフスキー駅からシャトルバスに乗り換えることになります。
■ゲートの周りにはもうロシア機がズラリ
途中何度か渋滞につかまりつつ、会場のジューコフスキー飛行場に到着しました。入場口は一般入場者用の第1ゲート、VIP専用の第2ゲート、団体バス・シャトルバス用の第3ゲートと、3か所に分かれています。私たちは第3ゲート近くの第4駐車場にバスを停めました。この第3ゲートは通常「イリューシン・ゲート」と呼ばれています。ゲートの周りの敷地にロシア製旅客機イリューシン96や輸送機イリューシン76などのテスト機が並んでいて、会場敷地内に入る前から、窓越しにシャッターを切る音があちこちから聞こえてきます。
バスを降りてゲートに入ると、まずセキュリティチェックがあり、金属探知機とエックス線検査を受けます。ガラス瓶と魔法瓶は持ち込みできません。次に入場券を提示します。入場券に印刷されたバーコードをスキャンしてから半券が切られます。すぐそばに当日券販売のキオスクが2箇所ありますが、来場者が並んでいる様子はありません。当日券は割高なので大半の来場者は前売券を買ってきているようです。
次はIDカードの発行ポイントです。MAKSは、平日は航空業界関係者を中心とした「トレードデー」(業界向け公開日)と、週末の「パブリックデー」(一般公開日)に分けて開催されています。このポイントはトレードデーだけのものですが、氏名、国籍、メールアドレス、所属、役職、業種、来場目的、どのようにMAKSを知ったか、などをアンケート用紙に英語かロシア語で記入すると、その場でストラップ付のIDカードが発行されます。前回まではプラスチックのカードで、よい記念品になりましたが、今回は台紙に氏名と所属がプリントされたシールを貼るだけの簡素なものに変わっていました。これで入場手続きは完了です。今回のツアーで私たちは計3回(「とことんMAKS」オプショナル参加の方は4回)入場しましたが、いつもほとんど待つことなくスムーズにゲートを通過できました。毎回、開場時間前には会場に到着していたこともありますが、以前は入場に1時間以上待たされることが何度もあったので、運営側も経験を積んでいろいろ工夫しているようです。
■まずはデモフライトの予定を確認
会場中央に位置するマネージメントオフィスで当日のデモフライト・プログラムが発表されるので、入場後まずはそこを目指して500メートルほど歩きます。途中の誘導路上にはたくさんの地上展示機が並んでいます。懐かしいツポレフ154型旅客機やロシア自慢のリージョナル機・スホーイ・スーパージェット100、大きなレーダードームを背負ったイリューシンA-50早期警戒機、攻撃ヘリコプター・ミル28やカモフ52、最新鋭戦闘機・ミグ35とスホーイ30、そしてちょっと懐かしい戦闘機ミグ23やスホーイ15、爆撃機ツポレフ22M、ツポレフ95、ツポレフ160等々。早速、みんな足止めされてしまいます。
また、その一角には、日本のトーヨータイヤとドイツのアウディが出展したサーキットコースが設けられており、トヨタスーブラと日産シルビアが爆音をとどろかせながら派手なドリフト走行を披露していて、多くの観客を集めていました。誘導路を15分ほど歩いて会場中央のマネージメントオフィスに到着。ここで当日確定したデモフライト・プログラムが配布されます。MAKSのウェブサイトにも情報は載っているのですが、変更が多いので、一番確実な情報を得るにはこのプログラムの入手が必須です。デモフライトの開始時間は、トレードデーは午後2時頃から、パブリックデーは午前11時頃からです。
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■特別観覧席「メディアプラットフォーム」
このマネージメントオフィスは、特別観覧席「メディアプラットフォーム」の手続きと、シャトルバスの出発場所でもあります。MAKSの一般観覧場所は滑走路の北側に位置するので、太陽の方向にデモフライトを見ることになり写真を撮るのには不向きです。そこで滑走路を挟んだ反対側にこの特別観覧席が設けられているのですが、入場券は非常に高価です。
ツアーでは、希望者のために事前手配したのですが、今回は当日券も販売していました。特別観覧席の定員は100名ほどで、軽食や飲み物なども出ます。しかし、やはり写真を撮るための最前列は早い者勝ちになるようです。入場券を購入していても、改めてこのマネージメントオフィスで登録手続きを行う必要があります。
■ロシア航空機産業の見本市でもある航空ショー
会場内にはいたるところにお土産や飲食の屋台が出店しています。ただし、飲食の値段は結構高く、フランクフルト200ルーブル(約400円)、コーヒー180ルーブル(約360円)といった値段でした。会場内で椅子のあるスペースは、プレスセンター隣の格納庫を利用したカフェテリア方式のパブリックレストランだけです。やはり値段は高めですが、日差しが強いせいもあり、デモフライトがない昼時などはかなり混んでいました。
レストランの背後には、F-○○の番号が付けられた各航空機会社や部品メーカーのパビリオンが並んでいます。MAKSは単なる航空ショーというよりは、ロシアの航空機産業全体の見本市としての性格が強いということが、このパビリオンを巡るとよくわかります。
私たち一般の航空ファンにとって特に注目なのはF1、ロシアの航空機メーカーが集められたパビリオンです。ミグ、スホーイ、ツポレフ、イリューシン、ヤコブレフといった各設計局がブースを出していて、きれいなパンフレットや戦闘機のプロマイドなどを、美人コンパニオンが無料配布してくれています。他にもミサイルやレーダー、宇宙服のメーカーなどの展示があります。海外のメーカーでは欧州、アメリカからの出展もありましたが、とりわけ中国のメーカーが目立っていました。野外スペースには、S-400防空ミサイルシステムなどの展示もあります。
■圧巻のデモフライト
会場内には、かなり立派な常設トイレがあり、こまめに清掃しています。また仮設トイレもいたるところにあり、困ることはありません。パブリックデーになると、パビリオン群の斜め左手に屋台村がオープンし、お土産の他にシャシリク(串焼きバーベキュー)やプロフ(中央アジア風ピラフ)なども楽しむことができます。やはり値段は高く、豚のシャシリクをひと串(400グラムくらい)頼んだら900ルーブルも取られてしまいました。
パビリオン奥にはVIP用観覧席の建物があり、建物の先には芝生が広がっており、その向こうは滑走路です。芝生にはたくさんの家族連れがレジャーシートの上で寝そべっていて、売り子たちからビールを買ったりしながら、デモフライトの開始を待ちわびています。デモフライトが始まりました。ビートの効いた音楽とDJのアナウンスに乗って、次々と戦闘機やヘリコプター、そしてスホーイ・スーパジェット100といった大型機が、爆音をとどろかせて滑走路を飛び立ち、軽快なデモフライトを披露します。ロシアのステルス戦闘機・PAK-FAT-50も今回は2機が同時に飛び、ひときわ大きな歓声が上がっていました。
アクロバットチームの「ロシアンナイツ」は今回から戦闘機スホーイ30に機材を更新してフライトを披露しました。高空に一気に駆け上がってから木の葉のようにひらひらと舞い落ち、再び姿勢を直したかと思うと一気に飛び去るといった、およそ飛行機とは思えないような機動を見せてくれました。他にもミグ29戦闘機で編成された「ストリージィ」や、最新鋭のスホーイ35S戦闘機の「ソーコル・ロッシー」のふたつのアクロバットチームが青空を彩りました。
■次回MAKSは「パトリオットパーク」で会いましょう
報道によると、ここジューコフスキー飛行場でのMAKSの開催は今回が最後となり、次回2019年からは現在整備中のモスクワ南西部・クビンカ市にある「パトリオットパーク」で開催されるようになると言われています。新たなMAKSがどのような形で開催されるのか、少し不安もありますが、航空機大国ロシアの地位が不動である限りMAKSはこれからも見応え十分のイベントとして実施されていくものと期待しています。もちろんJICは次回2019年MAKS観覧ツアーも実施する予定です。是非2年後を楽しみにしてください。
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