2017/08/10 - 2017/08/13
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JIC旅行センターさん
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ロシア国防省の主催で2013年から毎年行われている「戦車バイアスロン」。ロシアをはじめカザフスタン、ベラルーシ、アルメニア、中国など十数カ国の軍団が射撃や障害物、走行技術、速さなどを競います。
2017年は7月29日から8月12日までモスクワ郊外のアラビノ射撃場で予選・本戦が行われました。
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■8月10日戦車バイアスロン プレ・ファイナル
50トン近い巨大な戦車が、実戦さながらに全力で疾走し、発砲する。これが戦車バイアスロンの魅力である。富士実弾射撃演習や陸上自衛隊観閲式で、日本でも射撃や戦車走行の様子は見ることができる。しかしモスクワ戦車バイアスロンはアクセル全開でアラビノ射撃場を爆走する実戦モードである。実戦さながらに手荒く扱われるロシア戦車の射撃走行は富士山麓では決して見られない。
競技の周回路間近に大屋根のある快適な観覧席が用意してある。座席の周りには大型三脚やカメラバックを置く余裕もあって落ち着いて撮影できる。 -
目の前を50トン近い現用のT72戦車やT90戦車が轟音とともに爆走する。戦車が通り過ぎた後には猛烈な砂塵が巻き上がる。人もカメラバックも砂まみれである。散水車が頻繁に水をまくが、強烈な砂埃には何か対策を考えた方が良いかもしれない。ただ観客席と走行路の間には直径1m近いコンクリート管が植えてあっていかな戦車としても観客席に飛び込んでくる心配はなさそうだ。けれども砂塵は防げない。少なくともしっかりカバーの閉まるカメラバックは必需品だ。
戦闘用車両だから当然と言えば当然だがこんなに手荒に扱って大丈夫かとこちらが心配になるほど全速力で路面を走る。油断していれば砲弾が飛んでくるのだから当たり前だが、多少の障害物には遠慮無く突っ込んで乗り越える。キャタピラへの負担は大変なものだろう。 -
砲塔上を飛行するドローンを見つけられるだろうか?戦車バイアスロンの参加戦車の直上にはドローンが張り付いて競技の様子を実況中継している。40~50キロくらいは出ていそうだ。一体何キロで走行しているだろう。戦車は思ったより速い。観客席から遠いところで発砲しているのは音と閃光で分かる。しかしさすがに遠い。戦車砲の発砲に限って言えば富士の方が撮影しやすい。
■8月11日クビンカ戦車博物館
クビンカ戦車博物館は、第二次世界大戦期のドイツ製タイガー戦車を所蔵することで日本でも知られている。しかしこの博物館には、旧ソ連製戦車はもちろん西側の米軍からイギリス軍、旧日本軍など多種多様な旧型、現用の戦車や装甲車両が展示されている。私がクビンカに到着したとき、丁度イスラエルのマガフ戦車がエンジンを始動し、トラクター代わりに西ドイツ製マルダー歩兵戦闘車の入れ替え作業を行っていた。おかげでコンチネンタル製ディーゼルエンジンの音を堪能することができた。 -
もちろんクビンカにはソ連製T34型戦車の各型とともに、評判通り旧ドイツ製の4号戦車や5号戦車、200トン近い巨大なマウス戦車やカール自走臼砲などが展示され、ドイツ戦車の存在感を示している。クビンカのバックヤードには工場と言って良いほどの本格的な作業場が併設されて、戦車や装甲車両のレストアを行っている。所蔵車両は頻繁に入れ替えられているようで、今回はタイガー戦車が見られなかったのが残念だ。
写真はイスラエルのマガフ戦車。取って付けたような爆発反応装甲の装備状態がよく分かる。米国製M60戦車をディーゼル・エンジンに換装し、105mm戦車砲に換装するなどイスラエル独自の改造を加えたもの。どうしてロシアが持っている?車両の保存状態は非常に良く、クビンカではトラクター代わりに他の展示車両を移動させるために使っていた。 -
旧ドイツ、超重量級マウス戦車。重すぎてクビンカから移動できないそうだ。後ろに見えるのはカール自走臼砲。
クビンカにはスウェーデンのS戦車など西側の現代装甲車両も展示してあり多彩な所蔵車両に驚く。無砲塔の車体に着き出した戦車砲、何度見ても不思議な戦車である。 -
■パトリオット・パーク
充実著しいパトリオット・パークは、これからのロシア兵器輸出のためのショールーム的役割を担うようだ。残念ながら併設の売店はまだ開いていなかったが、軍服からマグカップまで多彩な商品を扱っているようだ。本格的な展示館で、屋外に常設される航空機やミサイル、装甲車両などの展示も充実している。これらを見て歩くだけでも一日かかりそうだ。
戦車バイアスロン会場のアラビノ射撃場や、クビンカ戦車博物館も近く、兵器輸出の商談にも便利そうだ。この日は翌日から開催される兵器見本市の準備中で、新型歩兵戦闘車やアルマータなど主力戦車がトレーラーで運び込まれている最中で、正直なところ日程を延長して展示会にも参加したいところだった。 -
まだ整備が終わっていない不整地だらけのパトリオット・パークで行われているのが、ナポレオン時代の騎馬模擬戦と装甲列車への航空機による対地攻撃、友軍機による迎撃ショーである。戦車などの運び込みのためだろう、何とアラビノには機関車が走行できる本格的な鉄路がひかれているのである。ドイツ地上攻撃機っぽい単発機をシュトルモビクが蹴散らしたあとに主役の登場である。
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100機を越えるロシア空軍機フライパスによる航空パレードが始まった。航空パレードについては、ツアー出発前には情報がまるで無かったので驚かされたが、戦略爆撃機Tu95ベア、Tu22バックファイア、Tu160バックファイアや、巨大なレドームを装備したA50メインテイ早期警戒管制機といった大型機が編隊を組んでアラビノ上空を飛行する。Su35の編隊やエンテ翼付きの新型スホーイに乗り換えたロシアン・ナイツの曲技飛行とともに、大型戦略爆撃機の編隊飛行が続く。これだけの規模の飛行展示は実に珍しく、ソ連時代の革命記念日の赤の広場上空のパレードに迫る規模だと思われる。
(つづく)
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この旅行記へのコメント (2)
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- うにゃこふさん 2018/02/13 17:34:37
- こんにちは
- 射撃場からパトリオットパークまではどうやって移動しましたか?
- JIC旅行センターさん からの返信 2018/04/24 12:10:53
- 【JIC】RE: こんにちは
- > 射撃場からパトリオットパークまではどうやって移動しましたか?
お返事大変遅れました。
この旅行記での移動はツアーの旅程に含まれていましたので、専用の車で移動致しました。
コメントありがとうございます。
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