平和公園～原爆の子の像が見つめる景色に咲く花～

2017/07/27 - 2017/07/27

「原爆を許すまじ」
ふるさとの街やかれ
身よりの骨埋めし焼土に
今は、白い花咲く
あぁ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を、われらの街に

この歌を知っておられるでしょうか？
最近は、あまり広島でも歌われなくなった「原爆を許すまじ」です。

私は、この歌を小学校平和学習で習いました。～歌詞を思い浮かべると辛くなります～
これは、広島平和記念式典の会場「平和公園」の一斉清掃に参加したー
その日の記録です。

エリア 広島市(広島)

• 旅行の満足度: 5.0

広島に暮らす者にとって意識の高い日、８月６日。
毎年７月に入ると、平和式典への準備がすすめられます。
今年も、数日前から式典用の日除けのテント張り作業が始まっています。

２０１７年、今年で４５回目となる「平和公園の清掃活動」に参加しました。

「７月２７日　一斉清掃の日」国際会議場の建物に大きく掲げてありました。
集合場所は原爆資料館前、７時前に到着した時には、既にたくさん集まっていました。

参加受付けで、こちらを用意してくださいました
～紙製の燃えるもの用ごみ袋・軍手・タオルの三点セット～

午前７時過ぎに、黙とう・・・「広島市長のあいさつ」の開会式がありました。
この日、原爆資料館前に集まった人、２８００人です。

開会式の後、原爆資料館東館の横を通って、平和公園内へと歩いて移動。

大型のテント設営の作業も進んでいます。
清掃活動には、企業で、地域でと、様々な形で参加されます。

各々の場所で、それぞれの作業が始まりました。

まず、公園内を一周して「原爆供養塔」の前を通りました。

「原爆供養塔には、身元がわからないままのものや引き取り手がないご遺骨が収められています」ーここの周りはいつもとてもきれいに掃除されていますー
ここでいつも手を合わせます。

掃除は原爆ドームを眺める対岸の草抜き。

ゴシッゴシッ・ザッザッ・ゴシゴシゴシッ…と一斉に聞こえきました。すぐ下の川岸に目をやると、それは、消防団員の方を中心に元安川に降りる階段がきれいに磨かれている音でした。
～ここでは、８月６日夜、灯篭流しが行われます～

慰霊碑を囲む「平和の池」も７月２２日に清掃がありました。
水あかやコケの付いた池の底は、市民ボランティアの手で丁寧にブラシ掃除され、水面には、テントや慰霊碑の後姿が写っていました。

『水をください…』そう言って亡くなられた人たちのためにできた「平和の池」は８月６日の前と年末の年二回、清掃活動が行われています

式典の日、参列者を強い日差しから守るために大型テントが用意されます。

公園内にはザワザワザワザワザワザワ・ザワザワザワザワ・・・
蝉のすごい音が響いています。～この音も一瞬でかき消されてしまったのですね～

掃除が終わると、それぞれ解散に。
「９０才になるんよ」と、お話しされるおばあさんと抜いた草を集めて作業を終えました。
実は、祖母の妹が原爆で亡くなっています。祖母は年の離れた妹を探して、原爆投下後の広島の街を歩いたそうです。

掃除が終わった後の公園のベンチで、汗が引くまでひと休み
グググーッ　水筒の麦茶を一気に飲み干しました。
遠くの慰霊碑を眺めて、緑がうつくしく感じました。

原爆の子の像
～折り鶴を頭上高く掲げる像は、佐々木貞子さんがモデルになっています～
像の周りを取り囲むように、たくさんの色とりどりの千羽鶴が全国から、また海外からも届けらています。
わたしは、像の前にかわいいバラ園を見つけました。
～原爆の子の像がいつも見つめている景色のバラだと思うと、愛おしくなります～

「アオギリのうた」～被爆アオギリを広島の少女が歌詞にしました～
電車にゆられ　平和公園
やっと会えたね　アオギリさん・・・
遠いむかしのきずあとを　なおしてくれるアオギリの風
遠いあの日の　悲しいできごと・・・
広島のねがいはただひとつ　世界中のみんなのあかるい笑顔　

火傷を負って水を求め川に入り、そこで息絶えてしまった人たち。そんな惨い姿が折り重なっていた川は、今はこんなに穏やかです。
でも、川底には産業奨励館（現在の原爆ドーム）から吹き飛んだとされる瓦の破片や石材が、今もたくさん沈んでいるのです。
その石材を川から引き上げる作業を、広島大学の会のメンバーが行っています。

～アオギリのうた「広島のねがいはただひとつ　世界中のみんなの明るい笑顔」を後につないでいかなくちゃいけない～

まっ白な百日紅が公園に咲いています
「原爆を許すまじ」歌詞「今は白い花咲く」の花はなにを指していたんだろう？

紅い百日紅もみつけました。

きれいに咲いていました。～白いキョウチクトウ～

被爆の町にいち早く咲いて、傷ついた市民に勇気と希望を与えてくれたはなです。

被爆アオギリと「はだしのゲン」

原爆資料館東館地下１階　特別展示室、「新着資料展」入り口のパネルに目が止まりました・・・
どんなに熱かったろう。どんなに痛かったろう。どんなに苦しかったろう。
お父さんと帰ろう。家に帰ろう。日本語と英語で表記してありました。

広島平和記念資料館 美術館・博物館

帰り道、平和公園からまっすぐやって来ました。

ひろしま美術館で開催がはじまった「絵本のひきだし　林明子原画展」

ひろしま美術館 美術館・博物館

～こんなにいっぱいの明るい色で、優しい心と豊かな表情を描けるのって素晴らしい～ 平和ってすごいなぁ～。

～美術館黒ねこからのメッセージ～
真っ黒い世界になった「hiroshima」の街に、今は、「白い花」だけじゃなく、紅い花も、黄色の花も、春には川沿いの桜並木のピンクも、色とりどりに咲いています。
木々の緑もそれは美しいのです。
～だから訴え続けます、「三度（みたび）許すまじ原爆を　われらの街に」～

後日…ＡＵＧ．６．２０１７
HIROSHIMA　PEACE　MEMORIAL　CEREMONY

この旅行記へのコメント （6）

• salsaladyさん 2017/08/03 10:18:32

  もうすぐ原爆投下記念日！？裸足のゲンを翻訳した事が。。。

  ☆日本にとって最悪で有り、復興のキッカケともなる日〜だから忘れてはいけない！
  
  30代のある日、新聞でICUの学生が主体となって「裸足のゲン」を英訳しよう！との呼びかけがあり、3歳の長男を連れて埼玉県三郷市から延々一時間半掛けて、立川へ通った記憶が蘇りました。
  
  ☆遠くても､何か世間の出来事に参加したい想いが､現役学生に混じり漫画を翻訳する喜び？に結びついた訳〜
  
  今ほどアニメや漫画が世界に知られてなかった頃で､cartoon bookなるものに興味を持ったのは初めて〜映画では恐ろしすぎる現場も､漫画タッチなら世界中の子供が読んでくれる！と意気込み､最終的に英語ばかりか10数カ国語に発展したはず〜
  
  ☆自分もわずかながら､YMCA仲間に売り込んだり､外資系に勤めたた時代の友に売りつけたり？ささやかなお手伝いが出来た〜と言うか､若者が集まると『独身貴族』ならぬ「独身貧乏」達のユニークな会話がとても楽しかった事を思い出します。
  
  ☆当時からICU学生は国籍や男女の関係無く大きな屋敷を借り切ってシェアハウス生活をしてたり？(問題が起きなかったのかな）カレーを作ろう！と言いつつ日本的カレーを知らない女子がスパイスだけで激辛カレーを作って皆を汗まみれにしたり。。若いって良いね！
  

  momoneneさん からの返信 2017/08/03 12:16:21

  RE: もうすぐ原爆投下記念日！？裸足のゲンを翻訳した事が。。。

  salsaladyさん、こんにちは。
  
  暑い日が続いていますね。お久しぶりです。salsaladyさんはお元気ですか？
  
  > ☆日本にとって最悪で有り、復興のキッカケともなる日〜だから忘れてはいけない！
  
  書き込みの最初に、この言葉をいただいて広島に居る者としてお礼を申しあげます。
  salsaladyさん、はだしのゲンも翻訳されて、海外に発信されたんですね。
  
  〜はだしのゲンの描写も中沢啓治さん（原作者は被爆されています、2012年12月に亡くなられました）によって、リアルな表現がされています。〜
  この「ゲン」の本を学校図書館でどのように扱うか？といった問題が数年前にありました。平和学習は、小学生に現実をどこまで伝えるか？・・・というのが今の、教育現場の課題のようです。
  その一方で、新しい継承の動きも出てきているんです。〜被爆者の体験を受け継いでいく世代が育っています〜
  それは体験者の話を替わりに語り継ぐことであったり、10代の若者が体験者さんから話しを聞いて、それを「原爆の絵」として残していこうという動きだったり様々です。
  
  こうして、意識の中に忘れずにあるということが、ひろしまの素晴らしいところです。
  私は故郷の広島を10年以上離れていたことがあって、距離を置いて「ひろしま」を思っていた時期がありました。
  ようやく参加できた平和公園のお掃除で、「ひろしま」のあの日を近くで想像しました。〜小4で経験した怖ろしい記録映画の映像と「原爆を許すまじ」も、これをきっかけにようやく自分のものとして学習できそうです。〜
  ありがとうごさいました。salsaladyさんの若い時代のご活躍にも、改めて感謝いたします。
  
  追伸：昨日8月2日は「マツダスタジアム」でヒロシマピースナイターが行われました。選手・監督・それから審判員の方々もお揃いのワッペンを付けて試合に臨みました・・・が、負けました。広島って、人がいいんです♪
  広島弁はsalsaladyさんには馴染めないかもしれませんが、広島に足を運んでみてください。
  
  　momonene
  

• タロちゃんさん 2017/08/02 21:41:02

  こんばんは(^^)

  momoneneさん、こんばんは。
  
  8月6日は原爆の日。
  子供の頃からその日は平和を願う日。
  必ず登校日だったし、学校で式典もありました。
  模造紙で大きな折り鶴を折ったり、自分達で原爆に関するお話の中から紙芝居を作ったり、映画を見たり。
  もちろん歌も歌いました。
  色々思い出があります。
  最近はテレビで黙祷位しかできませんが、やはり大事な日ですね。
  
  暑い中、清掃活動お疲れ様でした。
  とてもすばらしいことをされたと思いますよ。
  私も見習わなきゃです。
  
  タロちゃん
  
  
  

  momoneneさん からの返信 2017/08/02 23:12:24

  RE: こんばんは(^^)

  タロちゃんさん、こんばんは。
  
  書き込みどうもありがとうございます。
  
  ８月６日・登校日の思い出を共有できてうれしいです。
  タロちゃんさんが、大きな折り鶴をつくったり、紙芝居を作ったりされた平和学習は、きっと、私の時代より後なのかな？
  私の頃は、学習がすごくダイレクトなもので、原爆投下後に撮影された記録映画を暗幕の中で観たりしました。小学生にとっては、後あとまでずーっと引きずる結構なトラウマ？？？です。
  あの歌も、本当はずっと頭の中には浮かんでも、怖くて口ずさむなんてできなかったんです。旅行記のおかげで、こうして文字にできました。
  
  公園のお掃除も、もっと早くから参加をすればよかったのに行動に移せずにいたんですから、タロちゃんさんのお言葉が恥ずかしいです。
  私も、８月６日はテレビの式典中継を観ながら黙とうします。
  
  「ひろしま美術館」のクチコミの「いいね」もありがとうございました。
  
  　momonene
  
  
  

• ちゃみおさん 2017/08/02 09:23:11

  暑い中、お疲れ様でした。

  momoneneさん、おはようございます。
  
  今日も暑いですね(ToT)
  この暑さ、いつまで続くのやら・・・。
  我が家は例の騒音も加わって、余計に辛い毎日です。
  早く涼しくなって欲しいですね〜。
  
  さて、暑い中、清掃活動のボランティア、お疲れ様でした。
  大勢の方が参加されているんですね。
  原爆で亡くなられた方々も、きれいになって喜んでいらっしゃることでしょう。
  お祖母様の妹さんも、きっと・・・。
  今も分からないままなんて、悲しいですね。
  お祖母様も妹さんを見つけられないままだったのは、さぞ心残りだった事でしょう。
  
  清掃活動が終わった時、自分達が掃除をして綺麗になったのを見ると、とっても気持ちいいですよね。
  私が時々参加している土師ダムのボランティア活動でも、それが快感になっています（笑）
  
  「原爆を許すまじ」を何年生の時に習ったか、記憶は定かではありませんが、私も小学生の時に歌ってました。
  子供心に、なんて悲しいメロディーなんだろうと思っていましたよ。
  momoneneさんは４年生で習ったと、はっきり覚えていらっしゃる記憶力がスゴイ！
  
  林明子さんの優しい色合いの絵は、平和だからこそ描ける絵なのでしょうね。
  
  本当にお疲れ様でした。
  
  　　　ちゃみお

  momoneneさん からの返信 2017/08/02 23:02:09

  RE: 暑い中、お疲れ様でした。

  ちゃみおさん、こんばんは。
  
  書き込みどうもありがとうございます。
  
  当日は朝早く平和公園までの道のり１時間を車で向かいました。
  
  式典当日のお手伝いをしたいなぁ、と思っていた年月は長く、
  広島を離れての１０年以上の転勤生活で悶々としているうちに、当日お手伝いできる参加年齢の制限を超えてまいました。
  そんな思いがずっとあったので、
  お掃除はボランティアとかの意識は全くなく「参加できてよかった」が正直な感想です。
  
  小4で習った「原爆を許すまじ」は、私にとってそれはそれは怖ろしい歌だったので、歌詞を覚えていても一度も歌えませんでした。〜超・超・怖がりなmomoneneです〜
  今回、平和公園や美術館で偶然出会った人との会話や、それぞれの場面で気持ちが和らいでいったので、歌詞を文字にすることができたし、この旅行記が出来上がりました。
  
  私の感想文に、ちゃみおさんの思いも重ねてもらってありがとうございました。
  
  　momonene