南イタリア個人旅行◇3～4日目　アグリジェント編

2017/07/08 - 2017/07/15

シチリア2箇所目は、古代ギリシアの詩人ピンダロスが
「人の造りし最も美しき都市」と謳ったアグリジェント。
丘に神殿遺跡がそこここに残る世界遺産群を廻ります……

が、さすがすぐそこの海を超えればアフリカな土地、めっちゃ暑い！！
粉末状のアクエリアスを持っていって正解でした。
熱中症対策は万全に！

エリア アグリジェント(イタリア)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

パレルモから列車でアグリジェントを目指します。
車窓からはこんな海も見えましたがそれは最初だけ。

9割がた、置いてかれたら死にそうな何もない山々の景色……
それでも割と途中駅あるんですよね。

さて車掌さんが切符確認に来まして、
私のアグリジェント中央駅行のチケットを見て言うことにゃ、
「この列車はアグリジェント・チェントラーレ（中央）駅まで行かないよ」

……えっ！？　私の英語聞き取り能力不足による聞き間違いじゃないよね？
そう、どうもこの列車は目的の駅であるアグリジェント中央駅のひとつ手前、
アグリジェント・バッサ駅止まりらしいのです。
そういえば、パレルモで乗ったときに見た行先案内には確かに
「Agrigento Bassa」とあった……
しかし窓口で「アグリジェント・チェントラーレ！」と告げてチケットを買い、
その窓口で「次は何時何分発よ」と言われて乗り込んだ列車、
まさか中央駅には行かないなんて予想だにせず、
「Bassa」だろうが何だろうが気にしていなかった……

車掌さんと近くに座っていた若い女性に
「バッサ駅に着いたら中央駅までバスに乗れ」と代わる代わる説明され……

約2時間後、17：40にアグリジェント・バッサ駅に到着。
さっきの車掌さんが向こうを指さして「あっち、あのバスだよ！」
「おー、グラッツェ」と返しつつバスへ向かい、念のため運転手に
「アグリジェント・チェントラーレ？」と聞くと頷くので乗車。
これは無料のシャトルバスのようですね。

というわけでこちらがアグリジェント中央駅です。
なぜあの列車がこちらまで来なかったのか？
事前情報でも列車はアグリジェント・バッサ駅までしか行かないので
中央駅へはバスで、というものは聞いたことがなかったので戸惑いました。
もしかして現在、パレルモ中央駅⇔アグリジェント中央駅間は運行してない？
アグリジェント中央駅を覗いてみましたが構造上、ホームは見えず
周りに誰も利用客がいない……（売店は開いてました）

トレニタリア アグリジェント中央駅 駅

トレニタニアのサイトでパレルモ中央駅からアグリジェント中央駅へ行く
ルートを検索すると、アグリジェント・バッサ駅で降りてそこからバス、
というルートしか出ないので、やはり列車ではパレルモから
アグリジェント中央駅に直に行くことはできなさそうですね。

ともかく、中央駅の売店でバスのチケットを買い（往復2.4ユーロ）、
神殿の谷方面へ行くバスを待ちます。しばらく待ちましたね。

ホテルは神殿の谷へも徒歩圏内のコッレヴェルデ・パーク・ホテル。
事前にGoogle Mapでホテルの目の前にバス停があるのは確認してたので
運転手に「コッレヴェルデ・パーク・ホテルに着いたら教えて」と依頼
（イタリア語の指さし会話帳を利用してます）。
なんかそのバス停を若干行き過ぎたけど、無事ホテルに到着。

コッレヴェルデ パーク ホテル ホテル

今回の旅で一番いいホテルでしたね。まあ単価もその分高いけど。

本当はアグリジェントに着いたら市街地を見て回るつもりだったんだけど、
アグリジェント中央駅に到着しなかったのと、バス待ちが長くて
ホテルに着くまでに予想外に時間がかかったので、市街地に再度出る気にならず
夕食時までホテルでぼーっとしてました。

夕食はホテルのレストランでいただくことにします。
レストランの目の前にテラスがあり、神殿の谷を眺めることができるんです。
といっても結構遠目だけど。

本日の魚のグリル、12ユーロ。日本人的には頭の位置が逆だ。
素材の味を生かした味付けね。

日没後、ライトアップされた遺跡をホテルテラスから眺めます。
これこれ～、コレが見たいがためにアグリジェントに一泊したと言っても過言ではない。
夏期、神殿の谷は夜間営業しておりライトアップされた遺跡を
観光することができるんだけど、2017年はその夜間営業が7月15日～だそうで、
私の旅行期間は1週間早かった……
せめてホテルからでもライトアップされた姿を拝みたかったんですよ！

おはようございます、翌4日目の朝。ホテルをチェックアウトして
荷物を預かってもらい、いよいよ神殿の谷へ向かいます。
ホテルのフロントによると徒歩15分くらいでヘラ神殿の入り口に行けるそう。
朝早く涼しいうちに遺跡を回ろうと思ってますが、もう既に涼しくはありません……

遠くに見えるヘラ神殿を目指して歩くこと……計ってないけど確かに15～20分くらい？
オープン直後の8：30、荷物チェック受けて
考古学博物館と共通のチケット買って観光スタート！

神殿の谷で最も東の丘に位置するヘラ神殿。
もともとは極彩色で彩られていたという。

ジュノーネ ラチニア(ヘラ)神殿 史跡・遺跡

ヘラ神殿から見渡す景色。
あの海の向こうはアフリカ！　思えば遠くへ来たもんだ。

次にコンコルディア神殿を目指します。

はい、これぞザ・アグリジェント、コンコルディア神殿！
ほぼ完全な姿を留めており、さすがの美しさ。

手前にあるブロンズのイカロス像は2011年制作、古代と現代のコラボってとこですね。

コンコルディア神殿 史跡・遺跡

この付近で女神コンコルディアに関する石碑が発見されたから
コンコルディア神殿と呼ばれてはいるけど、
この神殿自体はコンコルディアとは特に関係ないらしい……

神殿の谷ではアグリジェント固有種の山羊が放牧されています。

続いて、8本の柱が残るエルコレ神殿。

しかし暑い。日傘を差してるけど暑い。
ひとつ遺跡に着くたびに、まずは日焼け止め塗りなおして
水分補給をしないことには進めない。

エルコレ(ヘラクレス)神殿 史跡・遺跡

太古の轍の跡も残ってます。

エルコレ神殿からカルタゴ軍と戦ったローマ兵の記念碑・
テローネの墓が見えるらしいけど、発見できなかった……

ところで私はヘラ神殿から見学をスタートしてますが、
このルートだと坂を下っていく形で遺跡巡りができます。

続いてはジョーヴェ・オリンピコ神殿。
カルタゴに攻められたときに破壊され、今は瓦礫の山としか見えないが……

ジョーヴェ オリンピコ(ジュピター)神殿 史跡・遺跡

ギリシャ時代最大の神殿だったジョーヴェ・オリンピコ神殿。
その神殿で柱像だったテラモンのレプリカが置かれています。
本物はこれから見に行きますんで。

次、4本の柱が立つカストール・ポルックス神殿と
その前に広がるデメテルとコレの聖域。

カストール・ポルックス神殿も瓦礫と山と化していたのを
4本だけ復元したんだそう。

ディオスクロイ(カストール ポルックス)神殿 史跡・遺跡

地層がすごいな、と近寄っていったここはコリンベトラの庭園。
古代の庭園を再現したところらしい。
私は上から眺めただけですが、入場するには別途料金が必要。

さて一旦エルコレ神殿脇の出口から出て、考古学博物館を目指します。
せっかく遺跡群は下り坂で廻ってたけど、こっちは登り坂。

考古学博物館、門から博物館までの入り口が長い！
「Museo→」の表示に従って進む途中にはサン・ニコラ教会、

サン ニコラ教会 寺院・教会

そして古代の集会所跡を眺めながら進み、

ようやく着いたー。入り口には猫の親子が。

あー、室内は涼しいなー。涼みに来てるのか見学に来てるのか……
広大な展示物、とりあえず興味の惹かれるものを見て行こう。

これは……赤絵式、だよね？

州立考古学博物館 (アグリジェント) 博物館・美術館・ギャラリー

光っちゃって見えづらいけど、この皿、
トリナクリア（シチリア島のシンボルである3本足）じゃない？
トリナクリアはメッシーナ、マルサーラ、パキーノの三つの岬を表しているそう。
よく見るのは真ん中にメデューサの顔があるけど、これはないね。

考古学博物館の目玉、テラモンの本物！
でけえ！！

これが建物のほんの一部に過ぎないというんだから、推して知るべし。

ま、お隣に模型があるんで推さなくても知れるんですけど。
あの巨大な柱像が、建物の中ではこんなもんですよ。
完成形が現代に残っていたら凄かっただろうな～
（大きすぎて建設に時間がかかって結局未完成のままカルタゴに壊されたんだけどね）

テラモンの頭部。それぞれ、アジア・ヨーロッパ・アフリカを表してるらしい。

テラモン以外で有名なのは、このアグリジェントの青年像かな。
意外と小さかった。

水浴するヴィーナスはもっと小さかった。

アキレウスとアマゾネスの戦いを描いたクラテル（ワインと水を混ぜる壺）。

ところで、食器類が展示されているケースに交じって
頭蓋骨が展示してあるんだけど、あれば何なんだ……

見学を終え、また徒歩でホテルに戻ります。なかなか着かなくて焦った。
しかしアグリジェントの道路、交通量はまあまああるけど
あまり歩いている人は見かけません。

ホテルで荷物を受け取り、バスでアクリジェント中央駅へ。
駅から神殿の谷へ向かう方のバス停はホテル目の前だけど、
逆方向へ行くバス停は駅方面へちょっと行ったとこ。

中央駅に着いてバスを降りた途端、レストランの客引きがさっと寄ってきて
メニュー片手にセールストーク。
まあ、どっちみち駅前でお昼食べようと思ってたし、ここでいいや。

Pititto Ristorante イタリアン

オーダーは魚介のクスクス、18ユーロ。
クスクスは北アフリカやシチリア発祥というし、ここは食べとかにゃー。
魚介たっぷりで豪華なランチ！　なかなかおいしかった。

アグリジェントに別れを告げてパレルモへ戻ります。復路はバスを選択
（なんせアグリジェント中央駅とパレルモが直通してなさそうなので）。
バス乗り場はホテルのフロントに聞いて確認してたのでばっちり。
列車と同じく9ユーロ、運転手に払って14：30発車。

さて、往路は列車・復路はバスを使ったパレルモ・アグリジェントの移動ですが
どっちがいいとは判断しかねます。
列車は既述の通り中央駅には止まらないし、バスはこの時期運悪く
道路がしょっちゅう工事中で片側通行になるもんだから時間がかかり、
バスは通常2時間程度という話でしたが、パレルモ着は16：50くらいに。

でもイタリアで列車もバスも大幅に遅れなかっただけでも感謝しなきゃ、ですかね。