2015/06/11 - 2015/06/11
2位(同エリア5件中)
クッキーさん
ヒンデローペンは、オランダ北部のアイセル湖に面する小さな港町です。
17、18世紀にかけて、オランダにとって重要な海洋貿易の拠点でしたが、現在はとても静かで、優美なヨットが港を埋め尽くしています。
木の橋が架かる運河に沿って立ち並ぶオレンジ色の家並み、石畳の小路も迷路のようで、ゆっくりと歩いて回れる とても可愛らしい街でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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6時過ぎにホテルを出ました。
夏とはいえ さすがにまだ薄暗いアムステルダム駅。
通勤する人のための長ーいトラム。 -
前日に買っておいた ヒンデローペンまでのチケットは25.7ユーロ。やはり手数料は1ユーロかかります。
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ホームの端に停まっていた列車は 定刻の6:37に発車。
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車窓から 風力発電の塔が並んでいるのが見えます。
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広い牧草地に放牧されている牛たち。
山並みは全く見えません。 -
以前、ベネチアを訪れた時に、オランダからの旅行者のご夫婦に出会ったことを思い出しました。
山がなく、運河に囲まれているという点では ほぼ同じですよね。 -
レーワルデンを経由してヒンデローペンに9:47に到着です。3時間強の移動。
ヒンデローペンの駅は無人駅。しかも周辺には全く何もないのです。
帰りのチケットを確保しておかなくてはいけないのですが、自販機のようなもの(黄色い機械)が見えるだけです。
事前に調べていたものの その自販機を目の前にしても全く勝手がわかりません。
泣き出しそうな気持で、一緒に駅で降りたご夫婦に声をかけたところ チケットを買っていただくことができました。 -
おまけに 自転車で回っていたご夫婦は 乗って行かないかとまで言ってくれたのです。
丁重にお断りしましたが、旅先での親切は 身に沁みます。
軽くなった心で歩くポプラの並木道。
右側に傾いているのは 海側から吹く風のせいでしょうかしら。 -
護岸工事のされていない運河に沿って。
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牛さん達にご挨拶しながら 駅から20分弱歩いた頃、
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その先に見えてきたヒンデローペンの街。
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前を走る自転車のカップルに追い越されました。
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運河に架けられた木製の橋は このお家専用?
紺色の手すりに 白い枠が映えています。 -
この運河に沿って 街の中へ入っていきます。
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壁は紺色とレンガ色が主流ですが 屋根の色はほぼオレンジに統一されているみたい。
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運河に沿った石畳の小路を振り返って。
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家のすぐ裏手が運河に面しているんですね。
ベンチに座ったお母さんが 水辺で戯れる子供たちを見守っている・・なんていう光景が想像できそうです。 -
石畳の小路の両側に並ぶ建物もいいですが、
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やはり この運河沿いの家々の佇まいにしびれます。
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家の前に係留されている自家用ボートが まるでおもちゃのように可愛らしい。
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アーチ状の木の橋。
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橋の向こうにも石畳の小路が続いています。
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橋の上から。
17世紀に建てられた石造りの建物が今もそのまま残っているそうです。
まるで童話の国のように可愛らしい 小さな街です。 -
橋の袂のお宅の立派な庭。
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バラのアーチ。
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港の方向。
どのお宅の庭も本当に手入れが行き届いています。 -
地図もいらないほどに小さな街。
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夫が一緒なら きっとこう言います、「何があるの?」
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ヒンデローペン・マルクトとあります。
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美しさを競い合っているように 手入れが行き届いたお庭。
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別の木の橋から。
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もう 感嘆の溜息だけ。
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どのお宅の 表にも裏口にも 生活感を漂わせるものは何もありません。
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運河の向こうに 先程渡ってきた木の橋が見えています。
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我が家の裏口周りを考えると 反省しきりです。
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オレンジ色の家並み。
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石畳の小路の向こうには木の橋。
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どこをどう歩いているのやら・・・
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こんな裏路地でさえも 手入れが行き届いています。
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運河に架かる橋から。
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歩いてきた小路を振り返って。
左は教会の塔のようです。 -
橋の上から。
運河に浮かんでいるかのような家並みは まるで小人の世界のジオラマ風。
運河に面したお庭の手入れも万全。 -
3時間もかけて訪れた甲斐がありました。
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運河沿いのレストラン。
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11時前ですから、レストランはまだ準備中でしょうか。
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日当たりのよい裏庭の設え。
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運河脇のこちらは 珍しく大きなお宅。
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先程も通った レストランが並ぶ通りです。
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ショップが並ぶ通り。
帰国後にわかったのですが、こちらはスケート博物館と併設されている「ヒンデローペン塗り」のお店だそうです。
ヒンデローペンは 手描きの手作り家具で有名な町。
「ヒンデローペン塗り」といわれるものは、木製の家具や小物に色鮮やかな絵柄を施したもので、北欧諸国との木材取引で潤ったヒンデローペンで独自に発達しました。
インドや中国から持ち帰った民芸品や芸術品からも大きな影響を受け、独特のデザインや色彩が生まれたそうです。 -
トールペインティングに関心がある訳ではないので、せっかくのショップ巡りもしないままで終わりました。
それよりも 全てのお宅を 全部切り撮りたい。 -
どこもかしこも心惹かれる風景です。
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公道なのか私道なのかもわかりませんから、お邪魔させて頂いているという気持ちでの街歩き。
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たぶん先程も歩いた通りです。
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童話の世界ではない証拠に、運河沿いのお庭を手入れする方の姿を見かけました。
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教会の周辺はお墓になっています。
戦死した若い兵士のお墓が並んでおり、カナダからの兵士や誰か身元が分からない兵士のお墓もあるそうです。 -
少し離れた所に見える家並みの向こうも、
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こちらの家々の先も、アイセル湖。
この家の前に置かれたゴミ箱が、ヒンデローペンで初めて見かけた生活の匂い。 -
教会の前にある この建物はヒンデローペン博物館だそうです。
18、19世紀の家具や生活用品、衣装、陶磁器などが展示され、当時のヒンデローペンの人たちの日常の生活が良くわかる展示がなされているそうです。 お店や郵便局、ホテル、レストラン、のテーブルからドアー、壁やカウンターにヒンデローペンが描かれ、もちろんお土産やにはヒンデローペンが所狭しと並べられているのだとか。
せっかくここまで来たのだから、訪れたらよかった。 -
運河に架かる橋の上は 自転車置き場。
13世紀にハンザ同盟都市として栄えたヒンデローペンの村は、17~18世紀には貿易で財を成して最盛期を迎え、その頃から、ヒンデローペン塗りという家具に草花の絵付けをする伝統工芸が生まれました。
18世紀から19世紀の初めに フランスに占領されたオランダは大変貧しくなり、その衰退の波はヒンデローペンの村にも及んだのです。
1800年の終わりごろ、ルーワーデン市の近くで、ペイントファニチャー展が開かれたことが、ヒンデローペン塗りの再発見とそれに続く復活のきっかけとなったのだとか。 -
すぐ左はアイセル湖のようです。
大き目の橋の向こうはレストランかな。 -
橋を渡って石畳の小路を。
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至る所に木の橋が架かっています。
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家並みを切り撮る時には、「あれが置いてなければいいのになあ」なんて 観光客目線での無理な注文を 胸の内でつぶやくことも多いのですが、ここでは そんなことは全くないのです。
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公道に面した表側も、
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奥に向かう路地道も、柵で囲われた中庭も 生活臭のかけらもありません。
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石畳の路地を歩く地元の方の 立ち姿が素敵。
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失礼かとは思いながらも、中庭にもカメラを向けさせていただきます。
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通りの端は ヒンデローペンのハーバーです。
とはいっても、街のどこからでも ヨットの帆柱が見えている位の小さな街ですから。 -
ハーバー沿いの道路に面したレストランで寛ぐ人達。
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ハーバーから。
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大きな運河に架かる橋の向こうに 先程から歩いていた街並みが見えています。
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跳ね橋の左が街の方向で、右がハーバーです。
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ハーバー。
ヒンデローペンのヒンデは「鹿」、ローペンは「走る」と言う語源のように、昔のヒンデローペンは北海の細い部分をせき止めて出来た町で、孤立した位置に在るために、人々は独特な文化と言葉を作り上げてきたのだそうです。 -
ヨットの帆柱が並ぶ姿は壮観。
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こんな船も。
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跳ね橋。
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堤防沿いが街の端。
この先はもう牧草地になっています。 -
街へ引き返す途中の庭には 色とりどりの花が咲き乱れています。
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堤防にかけられた階段の右にある青い家は・・・
大堤防ができて、アイセル湖は大きな湖となってしまいましたが、昔は海の一部で、ヒンデローペン村の多くの人々は漁業を営んでいました。
冬季を中心に気候の厳しい北海に面した小さな村での漁業、船が転覆した、海難事故にあった・・などなど 救助に出かけなければならず、当時の水門管理人の待機場所であった所だそうです。 -
その右側は ヨットが並ぶハーバー。
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目の前に広がるのは 海のようなアイセル湖。
その先に大堤防が見えるかと期待していたのですが 無理でした。
すごい距離なんですね。この後 その大堤防の上を通る予定です。 -
アイセル湖畔。
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街を振り返ると、教会の塔もこの位の高さにしか見えません。
アイセル湖畔で一休みして 昨日のサンドウィッチの残りがランチになりました。 -
堤防の上から見える街。
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まさに海抜0メートルの風景です。
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堤防の上から。
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堤防の上でも、
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岸辺でも、
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のんびりと寛ぐ羊たち。
座る場所をしっかり点検しないと ひどい目に遭いそうです。
堤防のすぐ下にも小さな運河が通っているのは 何か不思議な光景に思えます。 -
レジャーボートみたいですね。
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予定を1時間早めて 駅に戻ることにしました。
途中に見えたバスは この辺りの町を結ぶ路線バスでしょうか。 -
長い時間をかけてたどり着いたところは 本当に小さな街でしたが、来てよかった・・
ももんがあまんさんに感謝です。 -
別れを告げた街へ向かう人々。
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ヒンデローペンへの標識が見えました。
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この辺りのハイキングマップのようです。
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アウトドア派のお助けマン。
ハイキングではなく、サイクリングコースのようですね。 -
牧草地を流れる運河。
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堤防の先がヒンデローペン。
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やはりサイクリングの人たちが多いようです。
左手にポプラ並木が見えてきました。 -
草をはむ羊たちに別れを告げ、
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駅へ戻ります。
ちょうど停まっていた列車は、 -
さらに先のスタフォーレンへと向かいます。
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なーんにもない駅で、一人寂しく列車を待ちます。チケットも買っているし、時刻もわかっているからいいのですが・・・
こんな情景は イギリスでも見たなあ、とデジャブ感。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- るなさん 2017/02/19 20:10:57
- メルヘン〜♪
- クッキーさん、こんばんは☆
いつもありがとうございます!!
Hindelopen、私も狙っているところです(笑)
最近の旅前の情報収集にはかかせないPinterest。かつてオランダへ行った時には、まだこのサイトの存在を知らず、王道な観光都市しか行きませんでした。
今なら絶対訪れていたと思います。いつかオランダへは出直さないとな♪
いやぁ〜ホントに可愛らしい街ですね。
街と言うか村?
片道3時間かけての日帰りは決して近いとは言えないけど、海外ならではの時間の使い方ですね。日本でなんて考えられなぁい(苦笑)
それにしても無人駅にもほどがありますね(;'∀')まぁこんなものかしら?
お手伝いして下さったご夫妻、神様に見えたでしょう?こういう触れ合いが心に残りますよね。
ダーリンが一緒だったらこういうだろうお言葉「何があるの?」
これってきっと私の旅スタイルにも言われそうな感じです(笑)
いつも何でもない家並み・路地を彷徨っている私。著名な観光モニュメントとかなくて、何しに行くの?的に思われるんだろうな〜
この地のお宅もみんな素晴らしく手が行き届いていますね。昨年夏に訪れたスウェーデンでもそれを思いきり感じました。
住人さんみんなの意識があってこその美観ですよね。
太陽に照らされたメルヘンタウン、私も楽しく街歩きさせてもらいました♪
るな
- クッキーさん からの返信 2017/02/19 23:54:40
- RE: メルヘン〜♪
- るなさん、こんばんは
初オランダ周遊にもかかわらず マイナーなヒンデローペンを選んだのは ももんがあまんさんの一押しがあったからなんですよ。
拙い写真やコメントでは ヒンデローペンの魅力は伝えきれませんが るなさんであれば きっと違った切りとり方をされるのだろうと思います。
大きさからすると 村 というほうが適切なんでしょうが、あの可愛さを知ると やはり「街歩き」と云いたくなります。
「何があるの?」とは、飛騨高山を歩いていた時に発せられた言葉なんですよ。
今後あるだろう二人旅を考えると、悩ましさで一杯です。
るなさんの街歩きの旅スタイルは大好きです。
片道3時間かけての日帰りは おそらく日本でならばしないでしょうね。
云われて初めて 3時間ってそういう時間だったんだ、と思いましたが、ヒンデローペンに行くには、ちゃんと路線があって 行けるんだ、と安心したような記憶があります。
思い込んだら猪突猛進っていうプロフィール通りでしょう?
今までにも辺鄙な駅での乗り降りは けっこうしてきましたが、無人駅の最上位なのは確かです。
「お手伝いして下さったご夫妻、神様に見えたでしょう?こういう触れ合いが心に残りますよね」本当にその通りです。こういったふれあいを求めて旅しているのかもしれません。
アクティブなるなさんのこと、次回にオランダを訪れたら ヒンデローペンだけでなく 是非ヒートホールンも訪れて下さい。
どうしても行きたかったのだけど、行けなかった心残りの場所なんです。
クッキー
-
- ももんがあまんさん 2017/02/18 18:09:00
- 片道三時間・・・
- 今晩は、クッキーさん。
ワタクシの大好きな「ヒンデローベン」・・・旅行記を一つ増やしていただいて、有難うございます・・・嬉しいです。
特別、派手な町でもないし、観光客向けの飾り付けなんかが有るわけでもないけど、静かな、水辺のほとりの、清潔で可愛らしい街ですよね・・・私見ですけど、オランダで、一番可愛いかも・・?
それにしても、片道三時間は、やっぱり、大変ですよね・・・アイセル湖の西側は、比較的、簡単に回れるのですけれど・・・東側は、やっぱり、一日仕事ですよね。
ご苦労様でした〜・・・次の旅行記も、お待ちしてます。
by ももんがあまん
- クッキーさん からの返信 2017/02/19 23:31:46
- RE: 片道三時間・・・
- ももんがあまん、こんばんは
ヒンデローペンを訪れてみて、ももんがあまんさんが一押しする理由がよく分かりました。
本当に「静かな、水辺のほとりの、清潔で可愛らしい街」でした。
片道三時間を、日本での感覚で考えると長い時間ですが、田園風景がずっと続き 時折小さな街や教会の塔が垣間見えるという ヨーロッパでの車窓風景は大好きなんです。
マーストリヒトも素敵でしたし、この後に訪れるライデンも最高でした。
ももんがあまんさんの追っかけのような周遊旅行になりましたよ。
クッキー
-
- merumoさん 2017/02/18 12:28:34
- 行こうと思ったんですが・・・
- クッキーさん
こんにちは。いつも楽しく拝見してます。
私もオランダに行ったときにヒンデローペンに行こうかと思っていたんです。
駅から離れているし、日程の関係とかあって行かなかったんですが。
クッキーさんの旅行記を見て行った気分になります!
オランダはかわいい町が多くていいですよね。
また機会があれば行きたいなと思っていますが・・・
merumo
- クッキーさん からの返信 2017/02/19 23:21:25
- RE: 行こうと思ったんですが・・・
- merumoさん こんばんは
いつも旅行記を見ていただき 本当に励みになります。
実は ももんがあまんさんの旅行記を拝見して、絶対行こうと決めたものの、アムスから離れているし、駅から20分と知って 最後まで悩んでいました。
当日は天気に恵まれたこともあって 心配は杞憂に終わり、20分の道のりも楽しく歩けましたし、ヒンデローペンは 本当に行ってよかったと思える所でした。
私も ヒートホールンに行けなかったのが心残りになっています。
小さい国とは云え、行きたいところを全て網羅するなんてできませんね。
クッキー
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