2016/08/25 - 2016/08/25
2位(同エリア535件中)
noelさん
ノイシュバンシュタイン城からローテンブルクに向かう途中に訪れました。
このヴィース巡礼教会は、ロマンティック街道から少し入った所にあります。
「ヴィース」とは「牧草地」という意味です。
外観はこのように簡素ですが、中に入ると吃驚します。
まずはこのヴィース巡礼教会の起源を辿ってみましょう。
このヴィースの村の近くにシュタインガーデンがあります。
1730年このシュタインガーデンの2人の修道士が、「鞭打たれるキリスト」の木彫像を作りました。
これは聖金曜日の行列のためでした。
ただ、その聖金曜日が過ぎると、この像は修道院脇の食堂の主人の物置にしまいこまれました。
この訳は、キリスト像の生々しい傷口を見た人々が哀れに思いショックを受けたためでした。
↓
それから8年の歳月が経ちました。
その間物置に放っておかれていたのでしょう。
↓
1738年、このシュタインガーデンの近郊の村ヴィースに住んでいたマリア・ローリがこの像を見つけました。そして農場の自分の寝室に運び込んだそうです。
そして同年の6月14日のこと、キリスト像の頬を涙が流れ落ちているという奇蹟が起こりました。
【ヴィースの奇蹟】です。
マリアは信心深い人だったので、数日後シュタインガーデンの修道院に、この事を報告に出掛けました。
ただ修道院側はマリアに、この話は内密にしておくようにと申し渡したそうです。
(秘密って言われるといいたくなりますよね? 情報の発信元はわかりませんが、このように人の口に戸は立てられません。)
つまりこの奇蹟の噂はたちまち広がりました。
そしてマリア・ローリの家は「ヴィースの我が主」の家となって巡礼者が訪れるようになりました。
これを耳にしたアウクスブルクの司教は、人々が勝手に巡礼を始めたことに苛立ちを隠せませんでした。そして事の真相を確認するために調査団を送りました。
ただし調査団はこの奇蹟を認めることができなかったようです。
・・・が、ちょっと考えたのでしょう。
人々の信仰を強めるための恩寵の現れだとして、本質的には巡礼を促進すべきであるとの見解を示しました。
この目論見は功を奏して、やがてヨーロッパ各地から巡礼者が押し寄せるようになったのです。
そのような訳でシュタインガーデンのプレモントレ会のヒャツイント・ガスナー修道院長は既成事実として、この圧力の前に屈せざるを得ませんでした。
このようにして1740年シュタインガーデンの南東5kmにあるヴィース村の丘の上に小さな礼拝堂とキリスト像のための木造の建物が作られました。
- 旅行の満足度
- 4.0
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案内板があります。
ロマンティック街道からちょっとそれた場所にあります。 -
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手前にある小さな可愛い建物が礼拝堂です。
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イチオシ
レヒ川とアマー川、そしてアルプス山脈に囲まれたこの一帯は「司祭の住む一角」と呼ばれて、比較的狭い地域にドイツの他のどこの地域よりも教会や修道院が集まっています。
さてシュタインガーデンの修道院もヴィース村のキリストの彫像が人々の関心を集めたことで、経済的には潤いました。
当時、修道院が巡礼を受け入れて大きな収入を得ることはよく見られることでした。
ヴィースは今でも巡礼が村の収入源になっているそうです。
ただ信徒が次から次に押し寄せてきて、プレモント会では多くの人を収容できるような聖堂を新たに建設することにしました。
そこで1746年7月10日礎石が置かれました。
そして「鞭打たれるキリストの巡礼聖堂」と名付けられました。
一般的には「ヴィース」「ヴィース教会」と呼ばれることになりました。 -
教会の内陣
外見の質素さに比較して吃驚しました。
美しいロココ様式です。
(ヴィース教会は一般的にはロココ式と言われていますが、建築史家の中には後期バロック式、あるいはドイツ・ロココ式として位置付ける人も多いです。)
さてこの教会を設計建築したのは、ツィンマーマンです。
プレモントレ会はランズベルクに住んでいたドミニクス・ツィンマーマン(1685-1766年)に新しい聖堂の建設を依頼しました。
このツィンマーマンはドイツ南部では、多くの修道院を手掛けていて、とても著名な建築家でした。(他にも装飾細工師、大理石職人でもありました。)
この教会はその中でも最高傑作と言われています。
そしてドミニクスの兄であるヨハン・バプティスト・ツィンマーマン(1680-1758年)もフレスコ画家として建設に加わりました。
この教会ではスタッコ装飾(化粧しっくい)を受け持ち、またフレスコの天井画を描いています。 -
イチオシ
ツィンマーマン兄弟の他にも、以下の人々が建設に加わっていました。
バルタザー・アウグスト・アルブレヒト(1687-1765年)
祭壇画
アントン・シュトゥルム(1690-1757年)
複合円柱に立てられた西洋の四大教父と脇祭壇の彫像
エギディウス・フェァヘルスト(1696-1749年)
中央祭壇の四福音書記者と二人の預言者
ヨハン・ゲオルク・ベルクミュラー(1688-1762年)
北面脇祭壇の祭壇画
ヨセフ・マーゲス(1728-1769年)
南面脇祭壇の祭壇画
動画をご覧ください。
↓
https://www.youtube.com/edit?o=U&video_id=fJT3t0uWl6s&feature=vm -
聖ヒエロニムス(420年没)
禁欲主義のヒエロニムスは髑髏を持っています。
ヘブライ語の旧約聖書をラテン語に訳しました。
彼の翻訳は権威があります。 -
聖アウグスティヌス(430年没)
北アフリカ、ヒッポの司教。
彼は聖アンブロシウスの説教によってキリスト教に目覚めました。
燃える心臓が聖アウグスティヌスの目印です。
「神よ、我らの魂はあなたの 中に憩うまで、安らぐことがありません。」
と有名な言葉を残し、具象化しています。 -
聖グレゴリウス(604年没)
(教皇グレゴリウス一世)
彼の目印は肩の上の鳩です。
神の霊に満たされた彼の説教と著作を象徴しています。 -
聖アンブロシウス(397年没)
ミラノの司教でした。
かご型のミツバチの巣箱(能弁の印)が彼の弁舌の才を彼の脇で証明しています。 -
北側の左の脇祭壇
祭壇画はヨハン・ゲオルク・ベルクミュラーの作です。
罪の女がファリサイ人シモンの家での食事の席でイエスの足に香油を塗る場面を
描いています。 -
右側の脇祭壇
祭壇画はペトロがイエスを否認する場面を示しています。 -
イチオシ
* 教会の建築は物理的に完成しただけでは、ただの建物でしかありません。
献堂式が行われて初めて「神の家」となります。
これは仏教でも同様です。
開眼供養を行うまでは、その像も単に木、石、金属・・・でしかありません。
献堂式では、教会は聖母マリアやそのほかの特定の聖人に献げられます。
教会の名称はその際に決まります。 -
中央の祭壇画のこの絵だけが、ヴィースに起源しない作品です。
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ヴィースの鞭打たれる救い主
この像がヴィース教会の中心でそして巡礼の起源になりました。
本当に痛々しいです。 -
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あら・・・・こんなところに羊が!
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この高挙された小羊ですが、ヨハネの黙示録によりますと、小羊はイエス・キリストご自身です。
小羊のようにキリストは、「世界の罪を取り除く神の小羊」となったのです。
死の中で主は、死と悪に打ち勝ち、私たちに永遠の命への門を開かれました。 -
ちょっとわかりにくのですが、中央祭壇の下にペリカンがあります。
ちょうど鞭打たれるキリストの像の上に、その彫像があります。
伝説ではペリカンの母は雛たちに何も餌を見つけられないという最大の死の危機に
さらされると、胸を裂いて自分の心臓の血を雛たちに与えて養うと言われているそうです。凄いです!
そのような理由からペリカンがキリストを象徴しているのだそうです。
まさに槍で刺されました・・・・。 -
パイプオルガン
オルガン前面と2階席の格子と胸壁のハーモニー。
中央にはマリアヌス2世マイヤー修道院長のモノグラムが・・・。 -
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大天井画(ロココ様式のフレスコ画)
天国(永遠)の門です。
まだ開かれていません。
"empus non eritamplius"
「もはや時がない・・・・。」
時間の象徴像クロノスは崩れるように倒れています。
この向かい側(フレスコ画全体の中央付近)には、復活をしたキリストが虹の上の玉座について描かれています。
下には大天使ミカエルも描かれています。
全体の写真も撮りましたが、残念ながらかなりぼけていました。
すみません。 -
完成された教会堂内陣への恵みの像の搬入
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ドミニクス・ツィンマーマンの奉納画です。
1757年に教会堂の完成への感謝の印に、自身によって描かれました。 -
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旧礼拝堂内部
こじんまりとしています。
やはりここでは、巡礼者が入り切らないでしょう。
でも、ここがヴィースの起源です。 -
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のんびりとした牧歌的な光景です。
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羊です。
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にわとりが放し飼い・・・・・。
実は鳥が苦手な(怖い)私は、走って逃げました。 -
放牧しています。
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サイクリングしている人たちです。
この心地よい景色を眺めながらのサイクリングは快適でしょう。
こんなのんびりした牧歌的な風景と教会内部にはギャップがあって、この意外さがなんとも絶妙でした。
そして、次はロマンティック街道に戻り、ローテンブルクへ向かいます。
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