小浜は若狭湾から獲れる豊富な魚介類を鯖街道にて都に送り、京都からは最新の文化が伝わり若狭小浜に繁栄をもたらしました。<br />江戸期になると武家と町人が混在していた町を町人地として整備されることになり、東・中・西の３組に分けられました。<br /><br />小浜西組地区には、町家、離れ(付属屋)、土蔵、寺社建築物、西洋建築等、様々な建物があり、明治21年（1888）大火以降の建物が主体となっています。2008年には文化庁の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。<br />保存地区を縦断する丹後街道が東に折れ曲がる辺りを境に東が商家町、西が茶屋町となり、後瀬山麓（のちせさんろく）及び西端部に寺町が形成されています。<br />町家は切妻造平入、桟瓦葺ですが、商家町と茶屋町とでは多少異なり、茶屋町では２階前面を縁や出窓とする茶屋の様式をもつ建物が多くを占めます。<br /><br />今日の午後は、小浜の鯖ずし・和菓子の食べ歩きと、小浜西組地区の町並みを散策します。<br />町家では玄関上部にある珍しい井戸マークを発見します。<br /><br />なお、説明は小浜市・小浜観光協会資料、文化庁HP、三丁町の料亭「播磨」HP等を、参考にしました。<br />

若狭小浜の食べ歩きと町家の町並み散策（福井）

71いいね！

2016/10/17 - 2016/10/17

27位(同エリア395件中)

#街歩き

エリア

小浜・若狭(福井)

旅行の満足度: 5.0

観光: 5.0

グルメ: 5.0

同行者: カップル・夫婦（シニア）

交通手段: JRローカル徒歩

旅行の手配内容: 個別手配

給水塔が残されている小浜駅

鯖街道の熊川宿を後にし、小浜にやって来ました。
小浜グルメの食べ比べ

駅前の小浜観光案内所にて、「鯖・小鯛ずし＆和菓子　食べ比べクーポン」を買い求めます。

1,000円クーポン券で、2店舗のすし店、1店舗の和菓子店が利用できます。
食べ比べ参加ＭＡＰ

すし店が7ヶ所、和菓子店が4ヶ所あるのですが、休みの店を考慮し駅前から訪ねていきます。
すし政

駅前の「東寿し」が休みだったので、「すし政」に入ります。
鯖・小鯛ずし（すし政）

クーポン券は1店舗にすし2貫だけですが、丁寧な接客応対に感謝します。

次は和菓子の「伊勢屋」
イチオシ

丁稚ようかん（伊勢屋）

ここでは、甘さが控えめな「でっちようかん」をいただきます。
小浜では冬の風物詩になっているようかんです。

名前の由来はいろいろな説があり、そのひとつはふるさとの若狭を離れて丁稚奉公する子供に若狭の土産として持たせたようかんであることからついた話です。
青空に映える緑色の越屋根

大手橋の近くにある「小浜聖ルカ教会」です。
小浜聖ルカ教会

明治30年に建設された煉瓦造の教会堂を昭和6年に改造し、煉瓦造の1階部に木造の礼拝堂が2階にのる形とした建物です。

改造時の設計はバーガミニー、施工は大木吉太郎で、聖公会の教会を多く手掛けています。

国の登録有形文化財に指定されています。
板張りの蔵

浜の近くにあります。

船溜まり
イチオシ

船溜まりに停泊する漁船
雲城水（うんじょうすい）

船溜まり横の雲城公園に自噴井戸があり、地下30mの砂礫層から湧き出る地下水は1年を通じて13℃です。

雲浜（うんぴん）の城下にちなんで「雲城水」と呼ばれてきました。
久須夜ヶ岳（くすやがだけ）

船溜まりの向こうに、久須夜ヶ岳が見えます。

この山の北側は断崖の名所「蘇洞門」です。
津島名水

「雲城水」から150m北西にあり、漁港に面した海岸近くで湧き出している水です。

飲んでみると塩味ではなく真水です。

近くの人が名水を汲みに来ています。

「焼き鯖すし」の工場直売所

空弁でおなじみになった「焼き鯖すし」の「若廣」です。
焼き鯖すしの製造工程（若廣）

ジェットオーブンによる鯖の焼成、ガス炊きのご飯、焼き鯖の選別･･･などと続きます。
ガラス越しに見える製造風景（若廣）
イチオシ

すし三昧（若廣）

クーポン券以外に、焼き鯖すしも追加しました。

香ばしい黄金色の焼き鯖は脂がのり最高の味です。
浜の町並み

出格子に袖壁のある木造住宅です。

一階は住居、二階は蔵のような建物
イチオシ

風情のある路地
和菓子の「木屋傳（きやでん）」

クーポン券で「酒まんじゅう」をいただきました。

朝早くから酒種と小麦粉をあわせ仕込む作業が始まり、発酵したら包餡しホイロでねかせ、蒸し上げる、大変手間のかかる酒まんじゅうです。
ぼくまんぼうです

若狭湾沿岸で獲れた可愛らしい姿の「まんぼう」です。

「小浜市まちの駅」で見かけました。
旧小浜旭座

福井県内唯一の明治期の芝居小屋で、まちの駅に移築復原されました。

シンボルである屋根の懸魚（げぎょ）には朝日があしらってあります。
芝居小屋内部（旭座）

近代の民衆文化を知る遺産で、2016年5月にオープンしました。

桟敷席から舞台に続く花道が設けられています。
舞台天井の「竹組み」（旭座）

竹組みを復原してあり、ここから桜吹雪を落とします。
町家ギャラリー「栖水館（せいすいかん）」

旭座の向かいにあります。

築150年の商家を改築し、小浜の風物を描いた水彩画や古美術を展示しています。

ここのご主人は東京で会社勤めを終え、故郷に戻って来られた方です。
坪庭（栖水館）

座敷に明かりを採り入れるための坪庭が、建物の内側にあります。
段々と低くなる屋根

栖水館前を通る幅広い「濱参道」の町並みです。

右側の2軒は、二階の低い「厨子（つし）二階」を持つ古い町家形式です。

町家地域の地図

濱参道の先には重要伝統的建造物群保存地区の「小浜西組」があります。
イチオシ

若狭塗箸の山田箸店

出格子に袖壁のある町家です。
玄関上に井戸のマーク

「井」の漢字の中に「ニ」と書かれた表示は、井戸が二ヶ所あることを示しています。
防火用水槽

水槽の上に、若狭塗箸製造工程と商品が展示されています。
高鳥歯科医院

「小浜西組」地域に入っています。

大正14年の西洋風建物で、国の登録有形文化財です。

屋根は小屋根を戴くマンサード風とし、外部はモルタル洗い出しで石目地を切って洋風に仕上げ、窓下等に煉瓦タイルを貼ってアクセントをつけています。
丹後道の石標

敦賀から小浜を経由し、舞鶴、宮津に至る旧丹後街道です。
紙製品の商店「吹安（すいやす）」

街道沿いに「がったり」が折りたたまれています。

「がったり」は夕涼みや休憩に使う縁台のことです。
町並み保存資料館

大正期の建物です。

街道に面した軒下に、美しい犬矢来（いぬやらい）があります。
奥行きのある町家造（町並み保存資料館）
台所の竈（町並み保存資料館）

都菓子舗

昭和元年の西洋風建物です。
白鳥会館（しらとりかいかん）

明治21年大火後の翌年に土蔵造で建築されたもので、元薬品製造販売に使われた店蔵です。

正面の開口部廻りや腰壁等壁面の一部等に煉瓦を用いています。

国の登録有形文化財です。
八幡神社

旧市街の氏神を祀る神社で、現在の建物は鎌倉時代初めに建てられたものです。

毎月9月に若狭最大の秋祭り「放生（ほうぜ）祭」が1200年以上続いています。
スマートな狛犬（八幡神社）
八百比丘尼入定洞（はっぴゃくびくににゅうじゅうどう）

人魚の肉を食べ、美しい姿のままで八百歳まで生きたという八百比丘尼伝説。
全国を行脚し、貧しい人を助け、椿の種をまき花を咲かせた後、若狭に戻り自らこの洞窟に入り亡くなったといわれています。

空印寺（くういんじ）の境内にあります。
猫がのんびり歩く町並み

三丁町（さんちょうまち）と呼ばれる、かつての茶屋町に来ました。

三丁町の名前は、昔柳町・猟師町・寺町の三つの町があったこと、町の長さが三丁（約330m）あったこと等が由来とされています。
イチオシ

三丁町の町並み

狭い路地、ベンガラ格子や出格子の家が軒を連ね、落ち着いた雰囲気の中にも当時の面影を残しています。
厄除けの「身代わり猿」（三丁町）

三丁町の裏にある庚申堂が2012年に再建40周年を迎え、その記念に庚申堂世話人会のみなさんで作られた厄除けの「身代わり猿」です。

各家の軒下につるされ、町並みの風情に新しい息吹を吹き込んでいます。
千本格子と二階出窓が美しい町並み（三丁町）

三丁町にある明治期に建てられた料亭「蓬嶋楼」の見学は土日祝日限定です。

今日は残念ながら月曜日なので見られません。
若廣の建物（三丁町）

焼き鯖すしの若廣です。

「ちりとてちん」のロケ地

ドラマのヒロインが小学生の頃、小浜第二小学校への通学路に三丁町が登場します。
ちりとてちんの面影が･･･

では、駅に戻ります。
駅近くの骨董品屋

流線型の電車、どこの鉄道なのか気になります。

これで10月の北陸・若狭4日間の旅を終わります。

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#街歩き

この旅行記へのコメント（3）

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うふふ♪♪さん 2016/12/19 13:20:04

かっちんさん、お久しぶりです♪

かっちんさんへ♪

こんにちは♪
うふふ♪♪です♪

随分、随分、ご無沙汰しちゃいました💦💦
ごめんなさい💦💦

実は１０月半ばから１１月いっぱいまで、
体調を崩して寝たきりだったのです・・・
家から１歩も出れず・・　　ストレスの溜まる日々・・・
微熱が続くのと軽いめまいがあったので、
目を使うとくらくらして、ずうっとパソコンを見ることが出来ませんでした。
１２月１日に１ヶ月半ぶりに外に出たときの新鮮さは忘れません！！

そんな訳で、今頃で恐縮なのですが、
（寝付いている間に投票して下さった方々に順に御礼をしているため。
　ますます遅れてごめんなさい・・）
うふふ♪♪の花火大会旅行記に投票下さってありがとうございます！

投票ってホント勇気付けられます♪♪
嬉しかったです☆　　ホントありがとうございます♪

かっちんさんの福井・山形の旅行記、とても素敵でした！！

私の大好きな旧い街並みがいっぱい！　情緒たっぷりです♪♪

全部の感想を書くと長くなるので・・

＜若狭小浜の食べ歩きと町屋の町並み散策＞

レンガ造りの給水塔のある小浜駅。レンガ造りに感動です☆

鯖・小鯛すし、おいしそうです〜♪♪
クーポンは有り難いですネ！

丁稚ようかん！
学生の頃に、「丁稚」と言うあだ名の先輩がいました。由来を尋ねると「丁稚ようかんやから」という意味不明の回答が。（真実は未だ闇の中です・笑。）
先輩は彦根の方だったので、ずっと彦根の名産かと思っていました。　でも若狭の名物なんですネ☆
ようかん、最近嵌ってます〜☆☆　　
先輩のあだ名だったので、丁稚ようかん親近感があり、こうして見ると嬉しくなります♪♪
伊勢屋さん、立派ですね。　こうしたお店でいただく和菓子はひときわおいしいことでしょう♪♪

板張りの蔵がいい感じ☆

港も雰囲気があって、いいですね〜☆☆

焼き鯖寿司、見るからにおいしそうです〜☆☆　鯖の焼け具合がお見事！

町並みや路地がすごく素敵です♪　旧き良き日本でしょうか。　情緒を感じます〜♪♪

まんぼうって食べられるんですか？？・・・

旧小浜旭座、素敵ですね〜。竹組みの天井もいい感じ☆

とにかくとにかく旧い街並みが素敵で素敵で素晴らしいです♪♪
１つ１つの感想を書くと果てしなくなりそうなので（笑）・・・

他の旅行記も海からの景色や同じく情緒ある旧い建物、広大な田んぼに癒されました♪

素敵な旅行をなさったんですネ♪

とっても楽しませていただきました！
ありがとうございます♪

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うふふ♪♪

かっちんさんからの返信 2016/12/19 15:31:31

RE: かっちんさん、お久しぶりです♪

うふふ♪♪さん

こんにちは

大変な思いをなさっていたのですね。
まだしばらくは無理をされず、パソコンもほどほどに。
でもそんなことをしたら、またストレスが溜まってしまいますね（笑）

旧い街並みは私も大好きで、旅のテーマのひとつにしています。

うふふ♪♪さんの旅行記を楽しみにしています。

　かっちん

うふふ♪♪さんからの返信 2016/12/19 15:38:02

かっちんさん、投票ありがとうございます！

かっちんさんへ♪

あたたかいメールをありがとうございます♪

読んで、なんだか涙腺がうるうるしてしまいました💦

そうですね、
４Travelも結構忙しいですものネ（笑）。
ムリしないように努めます☆

京都食い意地紀行・その２への投票ありがとうございます♪

旧い街並みは、ホントいいですよね〜♪♪

うふふ♪♪はUp.が遅いですが、
気長にどうぞお待ちくださいませ♪

もうすぐクリスマス！！
２０１６年も終わろうとしていますネ！
どうぞ良い年末年始をお迎え下さいませ♪♪

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うふふ♪♪

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