下野・古河・下館の遺跡とお祭りハシゴ旅(二日目・完)~小栗判官まつりはイケメン俳優と鎧兜に身を固めた地元民総出の祭り。毒殺された小栗判官が蘇る数奇な物語は、今でも我々に勇気を与えてくれるように思います~
2016/12/04 - 2016/12/04
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小栗判官まつりは、今年で27回目。俳優の金子昇を主役の小栗判官役にしての武者行列。照手姫に十勇士、近くの三つの小学校から子供たちも参加して、総勢200名あまり。会場は、新治小学校で出陣式を行った後、新治駅前のメインストリートに繰り出しました。
ちなみに、小栗判官の物語は毒殺された死者が蘇るという数奇な物語なんですが、モデルの小栗助重は実在した人物。父の失った旧領を結城合戦の武功により回復した実話が物語のベースと言われていて、とても勇気を与えてくれる話なんですね。ただ、実話の方は、再度、領地を失って、絵師になるという変わり種。新境地を開いたことに蘇りの匂いがしなくもないんですが、いずれにしても、そのへこたれない生き方が郷土の誇りとなっているのだと思います。
ところで、小栗判官の物語はあちこちで伝承されています。以前、湯の峰のつぼ湯にも入ったことがあって、それも参考になればと思います。
http://4travel.jp/travelogue/11110808
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小山駅から下館駅に到着。小栗判官祭りは新治駅からなんですが、その前に下館の街の散策をします。下館ってどんな街なんでしょうか。名前だけは聞いたことがありましたが、あんまりこれといったイメージはないですね。
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最初に向かったのは、加波山事件志士の墓。妙西寺内というか飛び地境内で、山門を出た向かい側にありました。
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加波山事件というのは後には自由民権のさきがけとされたようですが、加波山に決起した4人の有志は罪人として処せられてしまう。墓は一段高い場所にあって、四人の石塔婆が建っていました。今の感覚でいうと本当に死罪にあたるようなことだったのか。あまり納得感のない事件です。ただ、明治の新政府はこの辺りは徳川幕府方の残党が未だに暗躍する地域と決めつけていたのかも。戊辰戦争の記憶も生々しかったでしょうし、処置が過度になったのはそういう時代性もあるかもしれません。
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そこから、今度は下館羽黒神社。
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この神社は、室町時代の後期、下館城城主、水谷勝氏が出羽三山から羽黒権現を勧請したことが始まり。入口に見上げるような銀杏の大木があって見事です。
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ちなみに、水谷勝氏は結城合戦では結城方の武将として戦いますが、最後は結城氏とともに討死しています。ただ、この結城合戦はむしろ、結城合戦の善戦で結城氏の名前は高まり、後には徳川家康の次男秀康を養子に迎えるほどの名家となる。水谷勝氏の死は無駄にはなっていないと思います。
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手前の高台に公園のようなスペースがあって、そこには青木繁の石碑もあります。下館は青木繁が暮らしていた街でもある。ちょっと見る価値はあると思います。
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街の所々には青木繁の陶板モニュメントもあって、下館の青木繁は地元では知られる存在です。
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下館羽黒神社の裏手を進んで、これは一木歯科医院。細い通りの突き当りに登録有形文化財という建物がいきなり建っています。外観を見るだけですが、これがそうかというくらい。
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しかし、そこから脇の玄関の方に回るとおしゃれなエントランスに石造りの蔵。ここのご主人はなにやら建築関係全般に広く造詣が深い方のように拝見しました。
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今度の荒川家住宅は、板谷波山記念館の並びの大通り沿い。交通量が多い道路なのでちょっと危ないですが、車に気を付けながら全景写真を撮りました。日本建築とコンクリート造りの洋館を組み合わせたところが面白い。規模は全然違いますが、明治時代だと旧岩崎家とかの豪邸もそんなこと。折衷方式は日本のお家芸かもしれません。
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続いての中村美術サロンは、自宅を開放して、有為の工芸家や画家の作品を展示している施設。
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板谷波山の影響があってのものだと思いますが、
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ご主人が美術サークルのような会について説明してくれました。
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また、下館の歴史についても尋ねると、平将門を討つためにやってきた藤原秀郷がここに陣を張ったから始まって、結城氏の重臣、水谷氏の伊佐城、下館城、その後の石川氏など詳しい説明もいただきました。なるほど、地元の篤志家はすごいです。
藤原秀郷の陣は上館、中館、下館の三つの陣。ここは丘の地形となっていて、下館が構えられたんだそうです。藤原秀郷は将門を討つことで名をあげるのですが、将門はつまらない戦いの際に流れ矢にあたって亡くなっただけ。藤原秀郷の力が優れていたというイメージはないのですが、さっきの結城氏や変わったところだと奥州藤原氏の祖、藤原経清も末裔の一人。系譜は案外日本の歴史のいろんなところに出てくるように思います。 -
イチオシ
たちかわは、板谷波山記念館の向かいにある大きな構えのお菓子屋さん。
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店内にはたくさんの種類のお菓子が並んで、お菓子のデパートみたいです。
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いただいたのはチーズ大福。冷凍になっていて、少し時間をおいてから食べました。お餅の柔らかさは弾力もあっていい感じ。しかし、一番はチーズのおいしさ。程よい酸味と濃厚さが絶妙です。
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はす向かいの乙女家です。
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看板商品は、壷最中。
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イチオシ
何がつぼなのかなあと思ったら、板谷波山→壷→壷最中なんだそう。
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膨らんだ壷の中にはたっぷりの餡子。
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ちょっとねっちょり系の水分の多い餡子は、重量感のある甘さ。これがとってもいけてます。
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で、下館といえば板谷波山。
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この記念館は下館に来る観光客なら必ず訪れるといってもいい施設でしょう。
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まずは、小さな展示室。
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板谷波山の作品は透明感のある釉薬が特徴。上品な色合いとい言えばそうなんですが、その分、焼き物としての力強さに欠けるような気持ちもして、実は私はあんまり好きではないんですよね。
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だた、小さな作品でも割と存在感があるものもあったりして、
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これならまあまあかなというものもなくはないような。
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イチオシ
どっちにしても、作品は少ないですが、
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陶片などの風合いとかを鑑賞するだけでも楽しいと思います。
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移築された田端の自宅に焼き物を焼いていた窯なども。ろくろは専用の職人がいて、波山はこの職人に指示をしていて。
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絵付けとか最後のデザインといった大事な仕上げだけを自らが行うというのは柿右衛門なんかと同じですね。
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今度はアルテリオ下館へ。
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二階に地域交流センターがあって、公民館のように地元の方がここに集まる集会所のような役割の施設。
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ここでは、一階の神輿の展示とかの方が見どころでしょう。
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イチオシ
でも、やっぱりここではしもだて美術館がメインです。
ところで、茨城県で文化勲章を受けているのは、横山大観、板谷波山、森田茂の三人。そのうち、板谷波山と森田茂はまさにここ下館の出身だそうで、しもだて美術館の自慢のコレクションはその二人が中心です。ですから、板谷波山は板谷波山記念館はありますが、作品としてはこちらの方がずっと見応えあり。森田茂の作品は、なんといっても黒川能。この分厚い絵の具の迫力は本物を見ないと分かりません。黒川能は、庄内地方。現地で森田茂の作品に触れて強く印象に残っていましたが、久しぶりの再会。広い展示室でゆっくりと鑑賞できました。 -
これで、後はもう少しお菓子屋さんを回りましょうか。歴史がある街には名店ありですからね。
菓心ひろせは、芋羊羹の幟がたっていたので、それをいただきます。 -
羊羹と言うよりは、なんかほとんど焼き芋みたいな感じ。
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たぶん、サツマイモが大量に入っているんでしょうね。羊羹ではなくそんなお菓子と考えれば、十分いけてるお菓子でしょう。
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大通りから少し入った場所にあるので気が付きにくいかもしれませんが、お店は十一屋煎餅と大書した看板とか、とってもレトロなインパクト。
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煎餅なのにちょっと値段が高いかなと思って買って帰りましたが、この手焼き煎餅は、このテの煎餅としては間違いなく最高ランク。お米に中までよく火が通りましたといった香ばしさに、程よく崩れる固さ加減。素晴らしい芸術作品のような煎餅です。こうやって歩き回った甲斐があったというものです。
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昼飯は、筑波軒で、下館ラーメン。
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イチオシ
大将がワンタンの方がうまいよということでそっちにしたんですが、ラーメンにワンタンが入っているタイプなので、ラーメンはラーメン。醤油味の、何でもない味のようだったんですが、食べ進めるうちに味わいが深くなっていくような感じ。麺も細いけど妙な弾力があるし、積み重ねた技を感じる逸品です。これも、なかなかすごいお店ですよ~
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和菓子処杉山は、下館駅の反対側。シャッターが半分閉まっていて、やっているのかなあと思ったらやっていました。ちょっと紛らわしいです。
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いただいたのは、看板商品の「四方館(しもだて)」。
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関西である六方焼きですね。餡子の周りを小麦の生地で焼き固めたもの。餡子の素直な甘さが印象的です。地元の名前を冠するお菓子として、悪くはないでしょう。
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さて、下館駅から新治駅に到着。
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駅前すぐの通りから、もう交通規制が始まっています。祭りはこの先ですか。
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通りに入ってすぐの鳥肉の店 フジタです。肉屋さんですが、主力はから揚げなど。
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店の奥では大量のから揚げを作っている真っ最中。その香りがちょっと強烈で、店の周辺でもかなり漂っています。これだけ活気があるということは、地元でも相当な人気なんでしょう。
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竜田揚げを少しいただきましたが、家庭的な薄味。気取らない味わいです。
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こんなところに岡埜栄泉と思ったのですが、暖簾分けしたルーツは上野の岡埜栄泉だそう。
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最近、これは違うお菓子屋さんでのようですが、修業していた息子さんが帰ってきて、ご主人と一緒に仕事を始めたんだとか。豆大福もそれで作り始めたんだそうです。お餅のふっくら感に腕が伸び盛りのような勢いを感じました。
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イチオシ
さて、小栗判官祭りは時代行列なんですが、新治小学校からのスタート。正門前には、始まりを待つ時代行列の人たちがもう集まっていました。
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あれあれ。
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小学生もこんなに大勢が衣装を着てるじゃないですか。もしかして、全員参加のお祭りですか?
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大人たちも、
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続々とやってくる。
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小さな街なのに、
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これは本当に
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地域ぐるみといった感じですね。
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いでたちは武士というか、思い思いの格好なので、
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野武士の集団といった感じもなくはない。それがまたいい味を出しています。
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これは照手姫ですね。物語では、小栗判官の婚約者。あの世から追い返された小栗判官を、小栗判官とは知らないままですが、運命の糸に導かれて湯の峰に送り届け、小栗判官を蘇生させるという大きな役割を果たします。
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さて、小学校の校庭に
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イチオシ
全員が入場し終わると
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こんな感じで勢揃い。
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そこに、金子昇扮する主役の小栗判官が馬に乗って登場。
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イチオシ
軽く場内を一周して
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いやー、こんなにイケメンだとめちゃ盛り上がりますね。
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改めて、小栗判官がひな壇に着席すると、来賓の挨拶が続く。
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小栗判官はわが街の誇り。みなさん、それを力説されておりますよ~
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出陣式の最後は、
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小栗判官が刀で青竹をバッサリ。見事に一刀両断して、
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エイエイオー。エイエイオー。出陣の雄叫びです。
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小栗判官は、また馬に乗って、武士たちがそれに続く。出発です。
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通りを行く小栗判官の行列。
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ぞろぞろと通りを進みます。
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さっきの会場では、人垣ができていて、見るのに苦労したんですが、
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こっちはそんなことはない。余裕で、間近から拝見ですよ~
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ぞろぞろ、
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ぞろぞろ。
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そこに小栗判官が来ると
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場は急に華やぐ。
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イケメンって、重要ですね。
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イチオシ
毎年、人を変えて頼んでいるようですが、これを楽しみにしている人もきっと少なくないでしょう。
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今度は、
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照手姫ですね。
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イチオシ
これは地元の素人さん。さっきも見ましたけど、若さがあって、初々しい。いい感じです。
なるほど。よくわかりましたので、祭りはおしまいにしましょう。 -
新治廃寺跡は、新治市街から2キロ以上。けっこう遠いです。国道沿いに石碑が建っていて、その先の畑の真ん中。
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大木が目印の廃寺跡がありました。
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説明板があって、日本武尊の歌にある新治国。新治郡の寺院跡。この辺りは常陸国新治郡の中心だったということですが、平安時代の初頭、817年には焼け落ちて歴史を終えたとのこと。
下館の藤原秀郷よりもう少し古い時代。それからでも遺跡として今に伝わっていること。小栗判官だけじゃなくて、新治の名前が歴史的なものであることもよくわかりました。
これで、新治を終えて、もう東京に帰ります。 -
しかし、せっかくなので、小山市の間々田駅で途中下車。
小山市立博物館は、間々田駅から歩いて10分ちょっとです。 -
展示は、昨日回った摩利支天塚古墳や琵琶塚古墳など小山市内の古墳の出土品が多数。
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一方で、小山氏が活躍した祇園城や鷲城などの説明のほかは、
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間々田宿や乙女河岸の関連で散発的なもの。
小山評定で知られる小山ですが、実は江戸時代は古河藩の所領。残念ながら小山としての新たな歴史を積み上げることができなかったのかもしれません。 -
乙女不動原瓦窯跡は、小山市立博物館の隣り。
近くの下野国分寺や薬師寺の瓦を焼いていた窯跡です。 -
斜面にいくつもの登り窯跡があったようで、一部が再現されていましたが、かなり大規模なもの。当時であれば、これは一大産業のようなものであったのかもしれません。
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間々田はかつての宿場町だったわけですから、お菓子もチェックしてみましょう。
朝日屋本店は、市街からは離れた国道沿い。 -
看板商品のきんとんまんじゅうをいただきました。インゲン豆の餡子の饅頭。ただ、それって特別なものじゃなくて、単に白餡のことだと思うんですが。。と思いながらいただくと、確かにインゲン豆の豆の香りはかなりの程度。それがきんとんと結びつくかは別として、なるほど、ちょっと特徴のある饅頭です。
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もうひとつのドラヤキワダヤは、間々田駅入り口の交差点角にある老舗和菓子の和田屋さんの息子さんが始めたお店。
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ドラヤキの専門店というのは思い切ったものですが、店内に入るとお菓子屋さんとは程遠いジャズ喫茶みたいな雰囲気。
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外観も面白いなと思ったのですが、店内はまたそれをさらに上回っていますよ。間々田宿の伝統をセンス良く引き継いだようにも感じるお店です。
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で、いただいたドラヤキの方はもんぶらんどら。栗の歯ごたえがしっかりして、メリハリのある味わいでした。
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さて、すっかり日も暮れて。晩飯は小川屋です。大きな構えのおそば屋さんですね。
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天せいろが980円とかなり高いコスパーフォーマンスなんですが、それだけではない。老舗風の広い店内に、
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なんといってもそばのシャキシャキ感がいいですね。北海道のそばと常陸そばをブレンドしているということでしたが、これがキレキレ。天ぷらの野菜も味わい深いです。実直そうなご主人でした。ごちそうさまでした。
さて、以上で二日間の旅は終了。お疲れ様でした。
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