ソウル　ジャンキースポット　巡り②　大林商街とその周辺 （電気街含む）

2016/10/29 - 2016/10/31

ディープでマニアックな場所をこよなく愛す　じょん・とらべる太。
戦後の闇市から発展した商店街や飲み屋街、路地等をブラブラ街歩きするのが
趣味である。
その中でも、電気屋街、電脳街などは特に好物とする。

壊れた品、ジャンク品や製品を構成する部品類がぶちまけられている
エリア・スポット：　ジャンキースポットを歩きまわる。

　今回は、3回目のソウルで、前回、前々回もこの周辺をぶらついていたが
時間が無くしっかりと見きれなかった。それが原因で残糞感を抱き続けていた。
スッキリしたいと思い再訪する。
　
ソウル中心部にある 【古き良き電気・電子街】大林商街とその周辺。
ディープ且つメジャーすぎない場所を攻め、堪能してきた記録を残す。

この鉛色の空が好き

場所は、乙支路３，４街の真ん中辺り　地図でみても分かる大きさです。

エリア ソウル(韓国)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 徒歩

大林商街　ここは凄すぎる。。
写真では全体像を収めきれず、雑多な看板郡と複雑な構造だった事から
3DCADで可能な限りシンプルに書いてみた。。（結構　疲れた）
（スケール等は、イマイチで　感覚的なもの）

図は、北東側から見た感じです。

一番下の黄色ぽいエリアで1F,2Fを表現している。
・道に面した１Fエリアには
　一般向け電気製品売場で、LED照明を扱う店が多くある。
　両脇は道路となっており、雨が降っていてもぬれずにすむ。
・2Fには、ゲーム機の中古ショップやジャンク品が所狭しと放置プレー

紫芋色っぽいエリアとオレンジエリアで、3F,4Fを表現
・3Fには、電気・電子系ショップと食堂などもある。問屋的な店が多い。
・4Fには、事務所っぽいテナントが入っている。珈琲ショップもあったりする。

緑っぽいエリアの5階以降は、居住エリアの様子。

北側エリアには、一部　地下エリアもあることが今回、判明した。

また　この胡散臭い建物を中心に、両脇にはおびただしい数の個人商店が
犇き合っており、人、1人通ることしか出来ない路地が張り巡らされ
戦後の闇市的要素が満点である。

昔、栄華を誇り今没落している点、現状スラム街のようになっている点
電気・電子街・アーケードゲーム機を扱うテナント郡がある点

これらは、じょんとらべる太的には、失神するくらい望ましいエリアだ。

南東からのビュー

紫芋色の東ウィング（勝手に命名）側は、ボロボロで工事中
夜間に補修工事が行われていて立入り禁止エリアとなっていた。

入口には、平日警備員風のおっさんが配備されていて
各フロアに、監視室のようなコーナーがあり、施設管理もしている様子

南北に長く、高さも南エリアで10階くらいまである感じ。

ショップリスト　ものすごい数のテナント！
これだけのキャパが　大林商街ビルヂングにあるのだが
実際に活きている％はどれくらいなのか？

今回は、大林商街のすぐ脇にあるゲストハウスH2Oに陣取る。
バックパッカー経験やドヤ街で宿泊した事が無い人にとっては
レベルの高い宿だ。　その窓から撮影してみた。

南西側から撮影　大林商街南西角
建物のボロさが垣間見れる。

先ほどの写真に写っていた階段を登った先の風景
ジャンキーショップ郡が軒を連ねる。
早朝だっため　実際、営業しているのかは、よくわからない。
ここは、ストリートビューでは映らないところ

西ウィングの下　１F道路際の店
やはり、素人ウケするようにサンプル展示する店が多くある。

昭和中期の家電が珍しく、ステータスシンボルであった時代
の電気屋（個人商店）を彷彿とさせる。

このような店は、もう日本で活きた形で生存している所は極めて少ない。
とても　非日常感が得られてよろしい。

南東　屋根下エリア　１F　ショップ郡

商品よりも、エアコン室外機が気になってしゃーない。
1968年の建物なのでセントラル空調なんて無かっただろう。
エアコンを個人で設置する時代を想定して建築されていない。

だから、みな思い思いに後付けで取り付ける。
このバラバラ感と無秩序感が、イイ味をかもし出す。　

1階内部へ突っ込む

内部の通路には、俺、こんなにモノもってるんだぜ！

と見せびらかすかのように物品がぶちまけられている。。

工場に勤める人なら知っていると思うが
5S（整理、整頓、清掃、清潔、躾）がなっていない。
荷物のじかおきＮＧ、棚の天板には荷物を載せない。

おもろい萬屋、かんばんプレートからミネラルウォーター、お菓子などなど
この立地ならではの売れ筋なのだろうか？　非常におもろい。
（販売データを見てみたいものだ）

看板がハングル文字ってだけで、一気に怪しさが増すのって凄い。
（私だけの感覚？）

素人向けが多いので、もっと半製品やパーツを好む　
じょん・とらべる太は上層階内部へ向かう。。　
（ドルアーガの塔：主人公ギルのように）

2階　ここが大林商街のジャンキースポット本丸だと思います。
アーケードゲーム機や両替機の墓場、病院、ホスピスのようなところ。。

現代韓国では、ネットゲーム依存症の子が多く発生しており
大きな社会問題になっているらしい。　
ＰＣバンと呼ばれる、オンラインネットゲームをするだけのスペース
（日本のネカフェ？）があちこちにあり、ゲームセンターは、あまり
見当たらない。　

ここに置かれた前時代のスタンドアロ～ンゲーム機の行く末が心配だ。。

ゴルゴ１３や三木ーまうす？　自販機も沢山転がっている。。
7年ほど前に来たときも　型は違ったが同じような風景であった。

こんな通路が50ｍ以上の長さで2ラインあるのがすごい！

秋葉原にもアーケード基板ショップがあったが、このような筐体を
ぶちまけているようなスペースは無く（地価が高いからしゃーないね）
ソウルがうらやましい。

幼児・子供向けの遊具機は、まだ　いけそうな気がするが
なんとか　生き残ってほしいものだ。

オーディオ系もところ狭しと積み上がっている。。

地震や火災が発生したら　エライ事になるに違いない。

電気製品以外にも、石やセメント袋などが通路にあふれている。

この混沌さを、写真で示すのは、本当に難しい。
モノが近すぎて、全体的な雰囲気を映し出せず　
離れることができたとすると、１つ１つのジャンキーパーツのディテールが
ボケてしまい　悩ましい。

大衆感溢れる食堂がジャンク品街から突如現れる。
混沌としていてすばらしい。

オープンな感じと幾分昭和っぽい感じもする。
きっと、ここから出前で各テナント店主へエネルギーが補給されたりするのだろう。
大林商街の共同食堂のような存在ではないかと推測される。

比較的、ちゃんとした製品を売っている店もあるが、やはり内部は
専門的なものが多くある。　１Ｆの大衆向け店舗とは違う感じ。

ＣＣＴＶ（監視カメラ）中国製が出回るようになって
ものすごく安くなって大量に溢れている。

ここにも、あそこにもあって　監視社会が形成される。

だから店の外に放置プレーでも大丈夫なのか？？

3階エリアは、地味な業者間取引、問屋的商売がメインのような店、テナント
が多くなってくる。

一般客がエレベーター無しで3階、4階へは行かないのだろう。

大林商街管理株式会社：
各フロアに警備員風のおっさんが居たが、その巣窟のようだ。

このフロアは、事務所的なテナントが入っている様子。

4,5階くらいからは、居住者向けの施設が多くなって落ち着いてくる。
前回来た時に、
時代遅れ感が否めないコーヒーショップがあったが健在のようだ。　
写真にあるのと、もう1つ茶色ベースの渋いコーヒーショップもある。

右下写真は、居住エリアの吹き抜け部　採光目的のシャレ乙な造り。

左上：非難口　左下：消火設備　の写真
1～4階までの怪しいテナントから火が出たら
上層階の居住者は逃げられるのだろうか？？

居住エリアにも興味があったが　時間も無いので降りる。

階段の途中のおどり場には　このような案内図が掲げられている。
4階フロア　テナント１つ辺りの面積が広い感じになっている。

こちらは、特別な広告代を支払って掲示している様子で
案内板というよりは、看板といった感じ。

2階フロア　テナント入れ替わったりしたら　この図を管理するの大変そう
1軒あたりのスペース小さく、字もチッコイ

北側にのみ地下ダンジョンがありRPGのようで楽しい。非日常体験だ

左上：ダンジョン入口（地下へ）
右上：活きている地下ショップ
右下：死んでる地下ショップ
左下：地下ジャンク広場

頭の中で、ドラクエ2のダンジョンBGMがリフレイン♪
https://www.youtube.com/watch?v=QxpwhT_WRso

大林商街を次回特集する世運商街から撮影したところ
このレトロ感、雑多感、カオス感　すばらしい。。
まるで、1世紀くらい前の戦艦が幽霊船となって陸地に突っ込み
デッキより上が地上に乗り上げたような様相。。

5階より上の旅客キャビン、車が通れる車両甲板。。
あっ　4本の柱に支えられたフロアは、操縦室、ブリッジにも見える。

いっとこ。

ブリッジっぽいところは　事務所で入れず
　
1階下の　カフェで休憩。

なんか、あまり　お口に合わない珈琲を久々に流し込んだ。

とりあえず、ブラックポーションのおかげで　何かが　みなぎった。。

ブリッジの下からの眺め。。　きちゃなくて　世運商街が幻影化している。

ここから　大林商街の周辺を冒険する。　
ジャンキー度は非常に高い。

西は、下町・戦後の機械加工屋街、
一国一城の主が１つないしは２つの工作機械を抱えて商売している。

東は、電気屋街、裏には、特に強電と分類できるお店があるのが特徴。
電子パーツ屋は世界に良くあるが、高電圧を扱う小商いの店が
これだけ集まるところは、珍しい。

※　西と東　思いっきり逆になってしまいました。。

怪しい路地が本能をくすぐって、じょん・とらべる太を誘ってくる。。

そして　野良のネコ科小動物のように、とぼとぼ　と吸い込まれる。

この路地郡は、無秩序に張り巡らされ、奥行きの深さもスゴイ
それだけの個人商店が犇き合い、幾度となく押し寄せる不況
の波をなんとか防いできたのだろう。。

こうゆう場所を求めていた。。　ここまで来てよかった　ほんとに。。

大モノは、やっぱ外でないとね。。

路上に、部品ぶちまけて金属加工なんて当たり前ですから。。

高速切断機やサンダー（ディスクグラインダー）
の火の粉　飛ばし放題。。

切粉だって、きっと土に返るさぁ（返らん、返らん。。）

いくら、匠でも　この極少工場は、どうにもならんやろな。

旋盤、ボール盤があれば　食っていける。

サーボ機構を有したCNC（Computer Numeric Control)
旋盤なんて無くても、ネジの締まり具合で
数百～十ミクロンオーダーの仕事を仕上げたりしているのだろうか。。

奥の深い技能の世界と奥行きの深い町工場エリアがここにある。

ここに来たら　なんでも　こさえてくれそうだ。。
　　　　　　　　　　　　（こしらえて）

1960年～70年代の全盛期　ここへ来れば、核兵器も作れると噂
されるほどのエリアだったそうです。

夜の大林商街　店が閉まり多少は片付けられ　

意外とスッキリした姿が見れたりする部分もある。

しかし　補修工事やジャンクパーツの放置プレイによる

混沌さが　現代文明の代表でもあるLEDライトにより浮き彫りにされる。

ひときわ　古い建物とその周辺を撮影した。

現代韓国とは思えない風景が、ここに生きている。。

映し出された時代とは、異なる時代のLED照明が
痛々しいギラつく光を容赦なく浴びせかける。

まったく　ソウル中心部とは思えない。。

そして　朝は必ずやってくる。

静寂と朝日が心を穏やかにしてくる。

こんな世界でも。

毎回　凹むのが　この混沌ワールドを上手く表現できない事。。

今回は、ジャンク画像を切り張りしてみましたが

この街の懐の深さを表現できない。

撮った写真をどのように構成したら伝わるのだろう。
このジャンキーエリアの深さ、密度、大きさ、混沌さ
を前にして途方にくれる　じょん・とらべる太。。

そんな　じょん　を　あざ笑うかのように横たわる
大林商街ビルヂング。。
（横からみると古代遺跡スフィンクスのようにも見えてくる）　

レベルを上げて　また　きっと来る。。

へしゃげた前時代の街灯、コンクリートが剥がれたレンガ塀、
荷車、木製ケーブルリール、蜘蛛の巣のような電線　美しすぎる風景。。

その時まで生存していることを祈るしかない。


次回予告　ソウル・ジャンキースポット巡り③　世運商街とその周辺（仮）　
乞うご期待　!!　（←理解できる少数派に向けて）
★　https://4travel.jp/travelogue/11257716


ソウル　ジャンキースポット　巡り①　九龍駅近　バラック郡
http://4travel.jp/travelogue/11192905
ソウル　ジャンキースポット　巡り②　大林商街とその周辺 （電気街含む）
https://4travel.jp/travelogue/11193147
ソウル　ジャンキースポット　巡り③　世運商街とその周辺 （電気街含む）
https://4travel.jp/travelogue/11257716

マニラ　ジャンキースポット　巡り①　キアポら辺
http://4travel.jp/travelogue/10964219
マニラ　ジャンキースポット　巡り②　レクト駅方面(電気街含）
http://4travel.jp/travelogue/10965304
マニラ　ジャンキースポット　巡り③　ナボタスの墓地
http://4travel.jp/travelogue/10965753

上海　ジャンキースポット　巡り①　宝山路ら辺　（電気街基本編）
http://4travel.jp/travelogue/11057653
上海　ジャンキースポット　巡り②　宝山路のフリマ　＆　裏路地ショップ
http://4travel.jp/travelogue/11058139

★高雄★　電脳街＆電子パーツ屋街　巡り
http://4travel.jptravelogue/11035650
★バンコク★　いにしえの秋葉原を求め　Ｔｒｉｐ＆ＴｉｍｅＳｒｉｐ
http://4travel.jp/travelogue/11114155/