2016/10/27 - 2016/10/29
12位(同エリア195件中)
ひらしまさん
かつては世界史に名高い大帝国ペルシャ。ペルセポリスなどの遺跡が残り、ペルシャ絨毯も有名。
けれど、イスラム革命以降は米国に憎まれ、「悪の枢軸」とまで呼ばれるキャラの立つ存在。そして、外国人旅行者であっても女性はヘジャブ着用を義務づけられるほど、イスラム色濃厚な社会らしい。
その一方で、ちゃんと選挙で政権交代があり、中東地域にしては市民的自由もありそうな感じ。
いろんなイメージが混在するイラン。実際どんなトコなんだろう。
幸い核開発をあきらめたらしく米国などとの関係が緩み始めた今、観光客が大挙押し寄せる前に行きたい。「危なくないの?」と不安がる妻を「今のヨーロッパよりずっと安全だよ」と説得してイラン行き決定!
さて、前回の旅行で体調を崩したこともあり頭がボケてきたこともあり、たまには添乗員さんに連れていってもらうお気楽ツアーもいいなと、6社ほど調べてみたのだけれど今ひとつこれというのがない。
それに、安いところでも三十数万はする。自力で行けばその半額くらいでできそうなのにもったいなく思えてきて、結局また自力2人旅となってしまった(費用は9日間で1人総額16万円台)。
出発の朝、羽田に向かう途中の山手線でのこと。急減速する電車につかまるものを求めて妻が手を伸ばすと、スーツ姿の女性がさっとその腕をつかんで支えてくれた。感激。いい旅になりそうな予感がする。
行きの飛行機は香港とドーハで乗り継ぎ、イラン南部のシーラーズに着く。
〈旅行時のレート 1万リアル≒29円〉
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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香港での乗り継ぎ時間は5時間もあるので同伴者有料のラウンジを使うつもりだったが、無料でくつろげるスペース発見。
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滑走路を見ながら横になれる椅子は、ラウンジよりもよさそう。
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目の前に旅客機が着いた。
搭乗橋が接続されて乗客が出て行き、入れ替わりに清掃スタッフが乗り込み、さらに物資が次々と積み込まれていく。 -
機内食ってこんなふうに搬入されるんだ。初めて見る旅客機の発着作業は、社会科見学気分で飽きない。
最後は、小さな自動車が巨大な旅客機の前輪を押して滑走路まで運んでいく光景になぜか感動した香港乗り継ぎだった。
現地1日目。早朝4時に無事シーラーズに着いた。
最初のミッションはビザ獲得だ。
まずビザ窓口で申請用紙を求めると、パスポートを提出させられ、数分後に申請用紙と120ユーロと書かれた2人分の払込用紙を渡される。
一番奥にある払込窓口でビザ代金を払って領収書をもらい、記入した申請書とともにビザ窓口に提出。
数分後に係員が出てきて、一緒に隣の保険の小部屋に入り2人分28ユーロを払って(私たちの場合は30米ドルで払った)、保険証書らしきものを受け取る。
またビザ窓口付近で待つこと数分、係員が出てきてビザの貼られたパスポートを返されて完了。所要45分。
必要なものはパスポート、筆記具、ビザ代と保険料の計74ユーロ/人。支払いは米ドルでも可。
保険は英文の加入証明書でOKだったという話を読んだのが出発直前で、証明書発行が間に合わなかったのが残念だった。
入管と保安検査を通ったあと、緊張がほぐれたのか初のイラン式トイレを体験。案外抵抗がなく、気持ちよかった。
(イランのトイレの使い方については、「歩き方」にも記述がなく私自身情報集めに苦心したので、クチコミで詳細に報告する。http://4travel.jp/overseas/area/middle_east/iran/tips/12446608/ よかったらご参照を。)
とりあえず100米ドルをリアルに両替して空港の外に出たものの、タクシーの姿はない。朝5時過ぎの地方空港だから仕方ないなと思ったところに1台の車が現れてタクシーだと言う。
白タクっぽいが20万リアルというので乗ることにした。ちなみに両替屋は40万が相場と言っていたけれど、あれは同胞同士の助け合いなんだな。 -
予約していたアルヨーバルザンホテルに着いたものの、玄関が開かない。
しまった!到着時刻を連絡しておくべきだった。まだ夜明け前なのにどうしようと思った時に、ドアボーイが気づいてくれて一安心。
しかし今度は予約の確認に時間がかかる。シーラーズの宿は直接予約が難航したので、地元の旅行社を通したのだが、連絡がちゃんとできていなかったようだ。
現地旅行社が日本の旅行社のようには正確にいかないのはよくあることだ。
それから、昨夜11時にドーハに着いて以降ほとんど眠っていないので、できればすぐ部屋に入りたいが値引いてくれないかと交渉。
すると値引きはできないが、9時過ぎには部屋には入れるかもしれないとの返答で、じゃあそれまで観光して来ようということになった。
※写真はその夜撮ったもの -
まずは朝6時から開いているアリー・エブネ・ハムゼ廟をめざして出発。歩いているうちに明るくなってくる。
もう近いかなと思った頃に、前方から自転車で来た男性が「おはよう。クローズド」と教えてくれた。どうやら工事のために前方が封鎖されているらしい。
そこから迂回して廟にたどり着くまで、随分回り道して1時間くらいかかり、その間4人に道を聞いて、みな親切に教えてくれた。
最後の人が教えてくれた通りの高いドームを持つアリー・エブネ・ハムゼ廟。まず、庭の池のまわりの水道で手と口を清める。 -
女性はチャードルを着用しなければならないので、妻はビジター用のチャードルを借りた。地元の女性たちはみな黒のチャードルだったが、ビジター用はなぜか花柄のものばかりが山と積まれていた。
入口で妻と別れ男性用ブースに入る。 -
中はこの通りのキラキラの世界。
私は正直言って祀られているアリー・エブネ・ハムゼがどういう人かもまったく知らず、このキラキラだけを見に来た不信心者なのだ。 -
しかし、十人ほどいた私以外の人たちは、全員絨毯の上に正座して真剣な表情だ。そのうちにコーランの斉唱が始まる。
とても好き勝手にカシャカシャ撮れる雰囲気ではなく、私も正座してコーランを拝聴する。
考えてみれば今日はイスラムの聖日である金曜日。その朝早くから来ている人たちは、とくに敬虔なムスリムなのかもしれない。
異分子の私は早々に退散した。 -
庭に出ると男性に話しかけられた。シーラーズはどうだった? この廟はどう? 政府についてどう思う?とインタビューされる。そして、2人並んでの写真を撮られる。
この旅で何度も経験することになるインタビューと、一緒に写真の、これが第1号だった。
妻の方には、小学生くらいのドングリ眼の少年が言葉が通じないのにくっついてきていた。なんだか人なつっこい人たちだ。 -
廟を出て、市場に向かったつもりがなぜか城に出てしまったので、近くの店で水を買い(1本5千リアル=15円!)、飛行機で出た朝食をベンチで食べることにした。
すると、通る人たちが次々と「やあ!」「イランへようこそ」 と、声をかけてくれる。「日本?いいね!」と言う人も。
うれしいけれど、でもどうして?
ベンチで朝食食べてる外国人に用もないのに声かけるなんて、日本じゃ絶対にないよ、そんなこと。
どうも、「おもてなし」のレベルが違うぞ。 -
ようやく見つけた市場は金曜日で休みだった。仕方ない、もう9時を回ったし部屋に入れるかもとホテルに向かった。
でも、受付の人は代わっていて、12時まで入れないとすげなく断られ、もう歩く元気もないのでロビーで仮眠。案外眠れた。
12時ちょうどにチェックインし、即昼寝。3時半に起きてシャワーを浴び洗濯。
洗面ボウルに栓がなかったけれど、最近読んだ4トラ旅行記でポリ袋を使って洗濯するという技術を学んだばかりだったので、さっそくあり合わせの袋で実践。とても効率よく洗えることが分かった。
しかし、このアルヨーバルザンホテルは、シャワーを使えば洗面所全体が水浸しになるし、洗面所のドアは閉まらないし、かつての高級ホテルが老朽化して手入れされていない感じでおすすめはできない。 -
夕方近所を散歩。駄菓子屋やキャンディ屋など甘味系の店多し。
夕食は、目当ての店に入れなかったので、ホテルのレストランへ。奥の席では地元の人たちの宴会があり、フランス人団体客なども入って盛況。
ブッフェだがピアノ生演奏もあり、食事も満足。1人30万リアルはここでは高級レストランなのだろう。
9時にはもう眠くて床につく。深夜乗り継ぎはこたえる。 -
現地2日目。
朝食は地元料理が豊富。ローズ水もおいしかった。フランス人女性客たちのスカーフはそれぞれ個性が感じられ、さすがにお洒落だった。
この日はまずタクシーで、マスジェデ・ナスィーロル・モルクまで行く。10万リアル。これが基本料金みたいな感じだ。
ナスィーロル・モルクの門は色使いが繊細だ。バラの花がモチーフになっていて、テレビの紀行番組ではバラのモスクと紹介されていた。 -
この見事な鍾乳石飾りはイスラム建築の特徴らしい。
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門の側面も美しい。シーラーズはバラの産地なのだ。
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西の礼拝堂に入ると、この光景が目に飛び込む。
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ステンドクラスを通してはいる朝日が絨毯の上に、そして観光客の身体にも鮮やかな模様を描いている。
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一眼レフ率の高い人気フォト・スポットだ。
ここでも無遠慮なのは東アジアの同胞で、「いい加減にどいてください」という中国語を覚えたいと一瞬思う。 -
美しいのはステンドグラスだけではない。ここにもバラがいっぱい。
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バラのモスクと呼ぶにふさわしい美しい寺院だ。
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中庭に出た。長方形の池を挟み、南北に高い門のような建物がそびえる。そのアーチ状の窪みをエイヴァーンと呼び、これもイスラム建築の特徴らしい。
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エイヴァーンの一つ。鍾乳石飾りが見事。
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主エイヴァーンの多面状天井。
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文字も装飾になっている。
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見応えのあるマスジェデ・ナスィーロル・モルクだった。
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活気あるシーラーズの街を歩く。
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イランにも柿があるんだ。
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金物屋の垂直的ディスプレイがおもしろい。
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反物屋の主は読書家だ。
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絨毯屋で品定めする女性。ペルシャ絨毯に興味はあるが店に入る勇気はない。
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店頭に山と積まれたキャンディ。イランの人はキャンディ好きらしい。
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年配の女性は黒一色だが、若い人は結構カラフル。
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客の集まる衣料品店。
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バーザールにはいった。
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どこも賑わっている。
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絨毯屋にはつい目が行く。
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レース店かヘジャブ店か。実に色とりどりである。
この女性のように鮮やかな色のヘジャブを後半分だけかぶっている人も見かける。金髪も若い女性の間で流行っているという話を帰国してから読んだ。
制約があっても、おしゃれは追求されるようだ。 -
香辛料の店は多い。
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こちらにも。イランの人たちが多彩な香辛料を愛好していることが分かる。
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今日も城の横を通って宿に戻る。
途中で買ったパイと水とザクロで昼食にして、午後のペルセポリス行きに備えた。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- aquamarine_324さん 2017/01/19 00:10:23
- いいなぁ〜イラン
- ひらしまさん
拙旅行記に投票いただきまして、ありがとうございます。
そして、このイラン旅行記!ちょうど次の旅先にイランを考えていたところで、興味深く読ませていただきました。
イランに入国してしまうと、アメリカに行くたびに大使館に行って面接を受けないとビザが取れない仕組みになっていると聞いて、非常に二の足を踏んでいます。
別にアメリカに行く用事はないですが、仕事などで突然「行け!」と言われる可能性がないわけではありませんし。
パスポートを更新したらチャラになるのなら、まだいいのですが。
その辺りは気にならなかったでしょうか?
aquamarine_324
- ひらしまさん からの返信 2017/01/26 23:03:16
- ぜひイランへ
aquamarine_324さん、返事がとても遅くなって申し訳ありませんでした。
書き込んだつもりが実は完了してなかったことに今頃気づいたうっかり者です。
今度こそ送信!
aquamarine_324さん、ご訪問ありがとうございます。
面接に行ってまでしてビザをとるのは確かに面倒ですね。
私は幸い米国には行ったばかりで、当分行く予定がないのであまり気にしませんでした。
仕事で行く可能性があるとなると考えちゃいますね。
でも、パスポートを更新すればそれ以前の渡航先は米国政府にはわからなくなるはずです。
aquamarine_324さんがよほどの重要人物でない限り、日本政府に問い合わせたりはしないでしょう。
更新時期に合わせてイランに行くのが一番楽でしょうね。
イランの旅は私の海外旅行ベスト3に入りました。
aquamarine_324さんにも、ぜひイランの人たちと交流してきていただきたいなと思います。
ひらしま
-
- sanaboさん 2017/01/16 18:48:13
- 今年もよろしくお願いいたします。
- ひらしまさん、
寒中お見舞い申し上げます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
ひらしまさんのイラン旅行記への訪問が
すっかり遅くなりまして、申し訳ありませんでした!
大変興味深く拝読させていただきました。
イランは私にとっては全くの未知の国、不思議の国でもあります。
町の人々は大変優しく、観光客にも親切な国民性のようですね。
特に日本人だからというわけでもないのでしょう?
おトイレは・・・ちょっと苦手かもしれません^^;
下水のインフラが整っていないのでしょうか?
奥様のチャードル(というのですね!)姿、素敵ですね。
(頭だけベールを被ればよいのかと思っていました)
アリー・エブネ・ハムゼ廟は、ドームの外観も美しいですけれど
中のキラキラ具合にはビックリしました。
観光客としては煌びやかな被写体は大歓迎ですけど(笑)
マスジェデ・ナスィーロル・モルクは薔薇のモスクと呼ばれるだけあり
本当に美しくて素晴らしいですね。
薔薇やペイズリー模様のタイルは、とても西欧的な感じがしますし
女性の心をグッと捉えますね。
スペインで見たアラベスク模様のタイルや
ポルトガルのアズレージョとも全く異なり、私もとても魅かれました。
内部のステンドグラスを通した光が映す絨毯も色鮮やかで美しいですね。
私も実物を見てみたくなりましたが、イランはちょっとハードルが
高い気もしますので、ひらしまさんの旅行記で楽しませていただこうと思います。
また楽しみに続きにお邪魔させていただきます。
今年もひらしまさんと奥様にとりまして
お健やかで、そして良い旅のできる1年となりますように
お祈りいたしております。
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2017/01/16 23:25:26
- 今年もよい旅を!
- 関東も底冷えする季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。
いつもながら丁寧に読んでいただいてありがとうございます。
> 町の人々は大変優しく、観光客にも親切な国民性のようですね。
> 特に日本人だからというわけでもないのでしょう?
イランの旅は、普通の人たちに親切にされ続けた旅でした。
たしかに日本に対しては好感を持ってくれているようですが、けして日本限定のことではないようです。
エスファハーンで道を案内してくれた女性には、その途中で「中国人?韓国人?日本人?」と尋ねられましたから。
昔から他民族が足繁く往き来したペルシャの人たちには、遠来の客をもてなすDNAが組み込まれているのではないかと想像しています。
> おトイレは・・・ちょっと苦手かもしれません^^;
> 下水のインフラが整っていないのでしょうか?
あれはあれで結構快適なので(笑)、彼らとしては変える必要を感じていないのだと思います。
異文化体験という意味でも楽しい旅でした。
sanaboさんの今年の旅先は決まりましたか。
(我が家は現在ギリシアが有力です。どんでん返しもありえますが。)
sanaboさんご夫妻の一年がよい年となりますように。
そしてどうぞよい旅を楽しまれることを願っています。
ひらしま
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