秋のお彼岸の頃の京都・奈良（４）－依水園他（奈良）－

2016/09/23 - 2016/09/24

秋分の日に、高校の同窓会が神戸で催され出席してきた。いつものことであるが、千葉の自宅から関西まで遠征するとなると、ひとつの用件だけで帰ってくるのは芸がなく、今回も京都・奈良の観光をプラスすることになった。最近は、古都の庭園巡りに興味が湧いているため行動もそれらが中心となっており、２泊３日の主な行程は以下の通りであった。

９月２２日：千葉～神戸、同窓会に出席、神戸泊
９月２３日：神戸～京都、南禅寺・南禅院・金地院・青蓮院門跡・建仁寺を見物、京都泊
９月２４日：京都～奈良、旧大乗院庭園・依水園見物、友人とランチ会、奈良～千葉

第４回目は、舞台が奈良に移る。京都観光の翌日、奈良在住の友人と奈良でランチ会を持つ約束をしており、地下鉄の四条烏丸駅から乗ったところ、驚くべきことに奈良まで直通の電車だった。京都駅で近鉄に乗り換えるつもりだったが、乗り換えなしで奈良まで直行だ。３年ほど前に、神戸の三宮から奈良まで直通の阪神電車に乗った時も驚いたが、関西は便利になっている。

奈良では、近鉄奈良駅～興福寺～旧大乗院庭園～依水園見物の様子となる。写真は、東大寺南大門・若草山・三笠山・春日山を借景とする依水園の庭園。

エリア 奈良市(奈良)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩

９時過ぎに近鉄奈良駅に到着。ランチ会の時刻まで東大寺近くの依水園に行く予定にしている。ただ、開園まで少し時間があるため、観光地図で見つけた旧大乗院庭園に少し寄り道をすることにした。

奈良公園から興福寺を抜けて旧大乗院に行くコースの途中、興福寺の世界遺産石碑を発見。３年前は、猿沢の池方面から興福寺に行ったので、遂に発見出来なかったものだ。

興福寺の東金堂（手前）と五重塔の横を通り抜ける。いずれも国宝だ。

五重塔はいつ見ても、いい姿をしている。

階段を下りて、猿沢の池から五重塔を振り返ってみる。

しばらく進んで行って、奈良ホテル方面に左折する。奈良ホテルの横の道を通っていると、キリスト教会が見えてくる。

旧大乗院庭園の入口。入場料100円と聞いて若干不安になるが、折角来たのでともかく入場。

ナショナルトラストが管理をしているようだが、敷地の真ん中に大きな池があるだけで、庭園らしき趣はあまりない。

入口建屋にあった昔の姿を表した模型。係りの方に聞くと、昔は興福寺の別院だったが、明治維新の時に取り壊しになったとか。今は、庭園だけが残っている。

次が控えているので、早々に退散。

地図で見ると、この大乗院庭園から依水園までは歩いて１０分ほどだ。

道路の両側にある荒池を通っている時に、絵を描いているおじさんを発見。近づいて暫く見ていたが、話し掛けてみた。奈良に住んでいて、天気の良い日には絵を描きに出てきて、これまでに何千枚も描いてきたとのこと。楽しそうだ。

向こうに見えるのは、興福寺の五重塔。

依水園の入口が見えてきた。向かっている人も、出てきた人も外人だ。

この依水園については、今回の奈良行きを計画するまで全く知らなかったが、「奈良の庭園」をネットで検索しているうちに、アメリカの雑誌「The Journal of Japanese Gardening」の日本庭園ランキングの８位であることが判明。１位は島根県の足立美術館の庭園で、これは良く知られていることだ。これを知って行ってみたくなり、ランチ会とセットで計画を組んだ次第だ。

外人が多いのもうなずける。

園内の案内図。

江戸時代に造られた前園と明治時代に造られた後園の２つで構成されている。お屋敷や寺院の庭園ではなく、独立した庭園として造られたらしい。

また、古い寺院の礎石や挽き臼を庭石に用いて、趣を出しているようだ。

園内には寧楽美術館もあるが、この日は休館日となっていた。

美術館の入場込の入園料はどうなるのかと思っていたら、割引料金になっていた。

入ってすぐ目に入る、蓮の葉の浮かぶ池。

庭園は大きく２つに分かれていて、こちら側（前園）はコンパクトになっている。

後園に移動。途中、館に向かう風情のある門が出現。

後園に入ってくると、こちらも真ん中に池がある。

庭園の向こうにわずかに見えるのは、借景となっている東大寺南大門、若草山、三笠山だ。

池の中の大きな蓮の葉が、アクセントになっている。

紅葉にはまだ早い。

ぐるっと池の周りを一周。

なるほど、真ん中の大きな庭石が礎石で、池の渡り石が挽き臼のようだ。

一番右側にわずかに見えるのは、春日山とのこと。

また前園に戻ってきた。

１時間余り依水園にいて、友人との待ち合わせのために、近鉄奈良駅まで戻る。

近鉄奈良駅前に着いて、待合わせの時間まで少し間があったので、駅前商店街にある奈良漬屋に土産を買いに行く。前に来た時も、ここで買って帰って美味しかった記憶がある。今回は、キュウリ２本とスイカ１個を頼んでパックしてもらい、1,300円程度だった。

約束の時間に友人と落ち合って、案内された昼食会場がなんと先程の奈良漬屋。店の奥に併設された、落ち着いた和食のレストランだった。

注文したメニューが「寧楽弁当」。美味しそうだったので選んだのだが、「ねいらく弁当」と言ったものの何の意味か分からないまま帰って調べてみたら、「なら」と読むのだった。恥ずかしい！

約１時間半のランチ会を終え、駅前からの空港バスに乗って伊丹～羽田～千葉の早めの帰宅となった。

この２泊３日の小旅行は、同窓会ついでに計画したものだったが、結構バラエティに富んで楽しいものだった。何より、「この一枚」の舞妓さんの写真が撮れたことも嬉しいことだ。

（完）

この旅行記へのコメント （2）

• rinnmamaさん 2016/11/08 15:28:04

  依水園

  ダイスケitさん、こんにちは
  
  ホイアンの旅行記に、ご訪問・ご投票を有難うございました。
  
  奈良は好きなのですが、お茶会の為に行く京都優先になってしまいます。。
  依水園・・いいですね！
  私も知りませんでしたが、落ち着いた雰囲気で上位になるのは納得です。
  訪問の候補にあげます（＾＾）ただ、何時になるかは未定ですが・・・
  
  同窓会のご縁での旅・・幸せを頂けましたね！
  私もお裾分け頂き、散策気分にさせて頂きました。
  
  寧楽弁当でなら弁当とは読めませんね！
  青丹吉　寧楽乃京師花乃・・・・となるのですね〜〜
  
  私も勉強になりました（＾＾）
  
  rinnmama

  ダイスケitさん からの返信 2016/11/08 21:29:30

  RE: 依水園

  rinnmamaさん
  
  コメントをいただき、ありがとうございます。
  
  友人とのランチ会を決めた後、依水園に行くか新薬師寺の仏像を見に行くか迷ったのですが、庭園の方は写真を撮れるし、雑誌のランキングの影響も大きく、依水園に決めたという経緯がありました。
  
  一般的な池泉回遊式庭園とは少し様式が異なっており、広さを感じさせない造りになっていましたが、これはこれで趣がありましたね。
  
  「あをによし　ならのみやこの・・・・」は有名な歌ですが、ここで「寧楽」が登場していても、やはり「なら」とは読めなかったでしょう。教養のなさを恥じるばかりです（笑）。