2016/07/26 - 2016/08/08
592位(同エリア1176件中)
yukiさん
例年夏休みはヨーロッパへ行くことが多かったのですが、去年あたりで未訪国が数えるほどとなり、こうなってくるとなかなか取れない貴重な長期休暇は長期休暇でしか行けない遠方へ行きたい、ということで選定したのは南米の中ではかなりメジャーなペルー。期待を裏切らない充実した旅となりました。
【FLIGHT DATA】
AF 293 Y 26JUL HNDCDG 2255 0430
KL1230 Y 27JUL CDGAMS 1015 1135
KL 743 Y 27JUL AMSLIM 1235 1810
2I1111 Y 29JUL LIMCUZ 0650 0800
AF 483 Y 5AUG LIMCDG 2130 1640
AF 272 Y 7AUG CDGHND 1110 0600
【TRAIN DATA】
30JUL Ollantaytambo1636(INCA RAIL)1809Machupicchu
31JUL Machupicchu1520(PERU RAIL)1905Poroy
1AUG Cusco800(PERU RAIL)1830Puno
PR
-
2016年7月30日(土)
悪夢のような夜が過ぎ朝を迎える。
最悪の状態は脱したもののまだ頭痛は続きかなりきつい。
クスコの宿にはたいていコカの葉が置いてあるらしく、これにお湯を注いだコカ茶が高山病に効くといわれており、溺れる者は藁をもつかむが如く、昨晩からこればかり飲んでいるが、その真偽は不明(気休め程度との説も)。
ちなみにお味の方は期待しないこと。というかお湯を飲んでいるのと大差ない。 -
高山病の薬はおろか頭痛薬も何も持ってきていなかったので適当な薬局で高山病の薬を所望しこちらの薬を購入。
-
さて、いよいよペルー旅行のハイライト、マチュピチュへ向かう。マチュピチュはここクスコより標高が1,000mほど低く、クスコで高山病に悩まされていてもマチュピチュではたいてい症状が和らぐそうなのが救い。
クスコから日帰りで済ませてしまう人も多いようだが、ここは時間をかけてしっかり見ておきたいのでマチュピチュに1泊することとし、チンチェーロ、オリャンタイタンボの各遺跡に立ち寄りつつマチュピチュに向かうことにし、ミニバスにて出発。 -
まずはチンチェーロで途中下車するつもりだったのだが、降りそびれてしまい、引き返すのも面倒だったので泣く泣くパスしてそのままオリャンタイタンボへ。このあたりも頭痛の影響かもしれない。
-
ということでオリャンタイタンボ遺跡へ。入口そばからいきなり斜面に沿って階段上の石組みが聳えている。
-
階段かと思われた構造物はかつての段々畑なんだそうな。
その段々畑の脇に設けられている本当の階段をゆっくり登っていく。 -
階段をのぼりつめると広場に出て(写真は失念)、ここにもクスコで見たのと同じような巨石を積み上げた石組みが残る。
-
遺跡の上の広場から遺跡の段々畑、そしてその向こうのオリャンタイタンボの町並みを見下ろす。
-
さて、いよいよマチュピチュへと向かうわけだが、マチュピチュへの道は鉄道に限られるため必然的にすべての旅行者が鉄道を利用することとなる。
クスコ-マチュピチュ間はペルーレイルとインカレイルの2社がそれぞれ列車を運行しており、せっかくなので行きと帰りで乗り比べてみることにする。 -
ダイヤの関係上行きはインカレイルに乗車。
-
通路側、進行方向逆向きの一番はずれな席があてがわれてしまった。ほぼ満席で適当な空席に移動することも能わずかなり残念な状態で定刻16時36分、出発。
-
乗車時間が短いこともありドリンクとスナックのみ配られる。
-
2分遅れの18時11分、マチュピチュに到着。
-
世界的観光地だけのことはありレストラン、土産物屋の類は充実。
-
2016年7月31日(日)
本日は早朝よりマチュピチュ遺跡を訪れる。
月並みではあるが、ここから400m登った山の上に遺跡があるとはふつうちょっと考えられない。 -
昨日はドミに泊まったのだが、自分が早起きで他の外国人旅行者は朝寝坊といういつものパターンとは逆に、5時ぐらいから他の旅行者が起きだすなど騒がしくなり、そんなに早起きしなくても…と悠長に構えて7時ごろのバスで出かければ十分などと考えていたのだが、遺跡へ向かうバス乗り場の列を見て唖然。奥に橋(バスの上)が見えるが、あの遥か向こうまでバス待ちの客の列が続いている。
-
はっきり記録を付けているわけではないが、デジカメの撮影時刻などから、遺跡入口に着いたのが9時ごろ。バスの乗車時間が30分程度なので、乗るまでの待ち時間に1時間半を要したことになり、はっきり言って想定外のロス。さらに入場までもご覧のとおり長蛇の列で、30分程度を要した。
-
ようやく入口を抜けしばらく歩くと遺跡の石組み、その背後にはワイナピチュ山が見えてくる。
-
遺跡全体とその背後にそびえたつワイナピチュという、ガイドブックなどでおなじみの一枚。
私の両親などは旅行に興味がなく、「写真で見れば十分」などと信じられないことをのたまうが、やはり実際にこの目で見たときの感動は写真なんかでは得られない。 -
さて、マチュピチュ観光には遺跡のみの見学のほか、オプション(別料金)としてワイナピチュ山登山、マチュピチュ山登山があり、一般的にはワイナピチュ山登山が人気のコースのようで、私が見たときには遥か数か月先まで予約でいっぱいだったのだが、マチュピチュ遺跡とワイナピチュ山を見下ろすことのできるマチュピチュ山登山コースもワイナピチュ山登山に負けず劣らず魅力のように思え、こちらを事前予約してきたのだが、上述のとおり2時間程度ロスしてしまい、登山に向かうと肝心の遺跡見学ができなくなってしまう…ということで登山は泣く泣く断念。しゃくなので登山道入口の受付だけ見ておく。
-
オリャンタイタンボで見たのと同じような段々畑が広がる。
オリャンタイタンボはともかく、こんな山の上の尾根に広がる都市にあっては耕作できる土地も限られ、段々畑を築き上げたのは必然といえるだろう。 -
見学ルートに沿って時計回りに遺跡各所を見て回る。
-
このあたりが遺跡の最高所で、こちらの変な形の石はインティワタナという日時計の由。
-
400mの標高差のある谷底をウルバンガ川が流れる。
1911年、ハイラム・ビンガムは記録を頼りにこの段々畑を登りつめ、ついにマチュピチュ遺跡を発見したとのことで、そのときの感動たるやいかほどのものであっただろうか。 -
こちらがワイナピチュ山登山道入口。
一日400人の入場制限があるようで登山をされる向きは数か月前には予約を入れる必要がある。 -
川に沿って走る列車。
-
出口近くにスタンプ台があり皆こぞってパスポートに記念押印しているがこういうことをしていいものか? ミニ国家ではいくばくかのお金を払って入国記念としてパスポートに押印するサービスがあったりするが、あれは実際に国に入国したことを証するオフィシャルなものなので問題ないだろうが、こちらは一体???
設置する方はパスポートへの押印を想定していないのかもしれないが、押す方はおおいに問題で、パスポートはあなたのスタンプ帳ではないと思うんだが。 -
行きのバスに予想外に時間を食われたこともあり、帰りにも同じように時間がかかり予約していた列車に乗り遅れるとまずいなと思っていたが、帰りは時間が分散されるようでさほど待つことなくバスに乗れ、まずは一安心。
-
15時22分、2分遅れでマチュピチュを出発。
行きのインカレイルに引き続きこちらも確か進行逆方向通路側がアサインされてしまう...
行きのインカレイルの車両よりこちらのほうが窓も大きく、開放的で眺めもよいが、各社いろいろ車両があるようなので、これだけをもってペルーレイルの方が上などと判断するのは早計かもしれない。 -
軽食が供されるもののなんだかどれもいまいちな内容で正直うまくない。
-
食事の後は乗務員によるセールスを兼ねたファッションショー。
-
数人の乗務員が様々な服装に着替えて代わる代わるデッキから通路を一往復していく。
-
そういえば沿線の車窓の写真がほぼないが、少なくとも日没までの区間はひたすら密林の中を進んでいくといった感で、特段目ぼしい風景はなかった。
-
10分遅れて19時15分、ポロイに到着。
ここからクスコへバスで向かうものの乗り込んだバスはどうやらクスコ市街へ行かないようで、最終的にはタクシーの世話になり29日と同じホステルに無事帰還。 -
2016年8月1日(月)
本日は実質移動日で、Andean Explorerという観光列車で1日かけてプーノへ向かう。
クスコ-プーノ間には2016年7・8月現在で週4日運行されており、ちょうど今日は運行日で、プランニングの時点でもこの列車の利用は候補に挙がっていたのだが、ネックはその運賃の高さで、バスならば15~20ドルもあれば行けるところ1人301ドルと相当な高額。
というわけで判断がつかず予約は見合わせたままペルー入りしたのだが、南米では旅客列車が非常に珍しく、ここはやはり鉄道を選択すべきという神のお告げ(?)により思い切って昨日クスコのペルーレイルのオフィスで大枚はたいて予約してしまった。
クスコ到着の日に見たサンペドロ駅とは別にワンチャック駅というのがあってプーノ行きの列車はそこから出ているのだが、通りに面した駅の入口はずいぶん簡素でPERU RAILの看板がなければまず駅とはわからない。 -
入口を抜けると列が二手に分かれている。
どうやらクスコ-プーノ間にもペルー人専用のローカル列車が運行されている模様で、右手の列はその切符を求める人の列らしい。
というわけで目指すAndean Explorerの客は左側の列へ。 -
右側の受付でチェックイン後左側のラウンジにて出発までのひとときを過ごす。
-
編成はDL(ディーゼル機関車)+荷物車+厨房車+客車3両+展望車だったかと。
-
編成最後尾のラウンジ兼展望車。
-
客室内はこんな感じ。
-
一人旅の私は客室最端部の1人席があてがわれる。
進行方向向きなのはうれしいが、一人席がいいか、あるいは話がしやすい相席の方がよかったかは人によるかな。 -
朝食は別料金だがランチ、アフタヌーンティーは料金に含まれている由。
-
定刻8時のところ8時1分、静かにワンチャック駅を離れる。
クスコ市街を抜け10分もするともうこんなアンデスの大自然が広がる。 -
朝食のオーダーを取りに来たので目玉焼きとトーストのシンプルな朝食を所望。4ドル。
-
列車は終始時速40㎞程度(体感)の比較的ゆっくりしたスピードで進んでゆく。スピードメーターを見て言っているわけではないが、クスコ-プーノ間385kmを10時間30分で走行するわけだから表定速度は36.7㎞。したがって時速40㎞は結構正確な数字だと思う。
-
展望車で思い思いの時を過ごす乗客たち。
-
最近は時間節約のため陸路10時間もかかるような距離の移動は飛行機を選択してしまうことが多く、昼間の列車で1日かけて移動するようなことはめっきり少なくなってしまったが、やっぱり鉄道の旅っていいもんだなあとあらためて実感。
-
車窓そのものはどこまで行ってもそう大差ない。
-
展望車にてドリンクがふるまわれる。
-
12時46分ごろ、南米鉄道最高所、標高4,319mのLa Rayaにて10分少々停車。
-
クスコから900m近く登ったことになるが、だんだん体が慣れてきたのか特に高山病の兆候はない。10時間半の行程中下車できるのはここだけとあってほぼすべての乗客が気分転換を兼ねて下車。
-
民芸品その他のお土産屋が手ぐすね引いて待っているが、私はこういうものには興味がなく、いつものごとく眺めるのみ。
-
プーノからの対向列車と行き違い。これでAndean Explorerの旅も半分来たことになる。
-
13時20分ごろ、昼食。
前菜のsmoked troutほか。 -
メインはbeef bourguignonとspring quinuaから選択でき、前者を選択。
-
デザートのチョコレート
-
最後はエスプレッソで締め。
いずれも飛行機のビジネスクラス並みにおいしく、すべて完食。ごちそうさまでした。 -
車窓に大きな変化はないので、乗客を飽きさせないよう、展望車ではいろいろなイベントが用意されている。こちらは民族舞踊と思われるダンスショー。
-
続いて民族音楽の披露。
-
1日がかりの長旅もいよいよ終盤に差し掛かり、クスコを出て久々というか初めての大きな町、標高3,825mのフリアカ市街を通過。
-
列車は商店などが立ち並ぶ一帯を最徐行で通過。
-
列車が通過して物の数分もしないうちにご覧のような状態に。
-
フリアカ駅を通過。
-
先ほどの昼食でもうおなかいっぱいだがアフタヌーンティー(もう17時近くだが)ということでハーブティーと軽食が供される。せっかくなのでこちらも完食。
-
最後の請求書で軽くトラブル。
朝食は当然として、昼食のエスプレッソが請求されているが、ランチのコーヒーは込みじゃなかったのかとデジカメに収めたメニューの写真を見せて抗議するも、曰く、「コーヒーは込みだがエスプレッソは別だ」と。
いや分からないだろそれという感じで、釈然としないまま支払うも最後にちょっとポイントが下がってしまう。それとも私が無知なだけのか。 -
18時35分、5分遅れでプーノに到着。
コーヒーの一件を除けば沿線の風景、食事、サービスなどなど、とても充実した鉄道旅行で、おすすめできるが、鉄道に特に関心のない一般人だと10時間半はやっぱり少し長いだろうな。あと、やっぱり少し(というかかなり)高い。私には贅沢極まるAndean Explorerのひとときだった。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
マチュピチュ周辺(ペルー) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
66