2015/08/16 - 2015/08/16
13位(同エリア165件中)
エンリケさん
2015年夏休みのスリランカ旅行3日目後半。
スリランカ島北部の古都アヌラーダプラにて、古代シンハラ王朝(紀元前5世紀~紀元11世紀)時代の仏教遺跡を堪能した後は、近郊にある仏教伝来の聖地ミヒンタレーへ。
現在はスリランカ中から巡礼の徒を集める一大パワースポットとなっているミヒンタレーは、実は20世紀半ばまでは草深いジャングルに埋もれ、人々の寄り付くことのなかった“忘れられた聖地”。
“再発見された”という山の上の巨大なダーガバ(仏塔)やインビテーション・ロックを見て、遥かなる古代人の信仰に思いを馳せることのできたミヒンタレー訪問となりました。
<旅程表>
2015年
8月14日(金) 成田→バンコク→コロンボ
8月15日(土) コロンボ→アヌラーダプラ
○8月16日(日) アヌラーダプラ→ミヒンタレー→アヌラーダプラ
8月17日(月) アヌラーダプラ→ポロンナルワ
8月18日(火) ポロンナルワ→ダンブッラ→シーギリヤ→ダンブッラ
8月19日(水) ダンブッラ→キャンディ
8月20日(木) キャンディ→ピンナワラ(象の孤児園)→キャンディ(ペラヘラ祭)
8月21日(金) キャンディ→コロンボ→ゴール
8月22日(土) ゴール→コロンボ
8月23日(日) コロンボ→バンコク→成田
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- タイ国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
8月16日(日)
11時30分、アヌラーダプラ遺跡地区最南端のイスルムニヤ精舎、ヴェッサギリヤの見学を終え、次の目的地ミヒンタレーに向かうべく、新市街のバス停までてくてくと歩いていきます。
途中、遺跡地区と新市街の境目には、かつての宗主国である英国の影響を感じさせるラウンドアバウト(環状交差点)が。
そしてその中央には時計塔(クロックタワー)。
スリランカでは街の主要なポイントには必ずといっていいほどこのような時計塔があり、街歩きの格好の目印となっています。 -
歩いていてふと道端に目を向けると、太陽を模したようなこんな石柱が。
周囲の土が掘り返され、今にも倒れそうな感じでぞんざいな扱いを受けているようですが、これも遺跡なのか?? -
新市街に入ったところでまたもやラウンドアバウト。
一角(写真奥)には巨大な仏像が屹立し、交差点を回る通行者たちを見守っています。 -
そしてコロンボへと続く線路をまたいでメインストリートへ。
・・・ここまで歩いたところであまりの暑さに汗びっしょり。
地図で見るとイスルムニヤ精舎から新市街のメインストリートまでは2kmほどですが、昼時のスリランカの灼熱の気候の下ではこんな距離でも歩くのは危険行為ですね。
たまらず近くにあった売店でペットボトルの水を購入(50ルピー=約50円)。
軒先であっという間にがぶがぶと飲み干してしまいます。 -
12時、ミヒンタレーへのバス停のある新市街のメインストリートにやってきました。
日差しもさらに強くなって、帽子なしでは髪の毛が焦げてしまいそうです・・・。 -
警察署前にあるバス停に行くと、ちょうどいい具合にバスがやってきて、呼び込みをしていた車掌にミヒンタレー行きであることを確認して乗車。
この時間帯は乗客は少なく、最前列に座って車内や外の景色をウォッチング。
運転席の前の日除けには、仏陀だけでなくヒンドゥー教の商売の神様ガネーシャの姿も見えますね。
・・・スリランカは仏教を信仰する多数派のシンハラ人とヒンドゥー教を信仰する少数派のタミル人との間で民族的な摩擦があるといいますが、こういうところでは両者は融合しているような感じですね。
やはり庶民的な視点では人々は平和を求めるもので、どこかの権力者が対立をあおっているだけなのでしょうね。
ちなみにバスはノーエアコンでしたが、どの席も窓を開けていて、涼しい風が入ってくるので暑くて不快になるということはありませんでした。 -
乗車してから約40分後の12時50分、バスはミヒンタレーの遺跡地区入口に到着(運賃は30ルピー=約30円で、車掌が乗客を巡回して徴収)。
車掌に“ここだ”と促されてバスを降りると、ラウンドアバウトのはるか先の木々が生い茂る山の頂上に、輝かしいほどの白さの仏塔が。
ここが聖地ミヒンタレーか・・・。 -
仏塔を見に行く前に、まずは遺跡地区入口にある考古学博物館へ(入場無料)。
といっても、入場無料だけあって、“考古学博物館”と名乗るには小さすぎるほどの平屋建ての博物館で、このあたりで出土したわずかばかりの土器や石器が陳列されているに過ぎないもの。
こちらの3つ積み重なった甕は何かと思えば・・・。ミヒンタレ考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー
-
なんと地中に埋められていたトイレの甕で、解説板を見ると、現代の便器とそれほど変わらない石の蓋が上に取り付けられていたようです。
このミヒンタレーの遺跡はアヌラーダプラとほぼ同じ、紀元前3世紀から紀元後11世紀頃までのもの。
トイレの形というのは、国や時代が変わってもそれほど差がないものなのですね・・・。 -
こちらは古代の病院についての解説。
ミヒンタレーは古代、仏教伝来の聖地として比丘(僧侶)たちの修行の地となっていたわけですが、仏塔や僧院だけでなく、修行僧のための病院施設が備わっていたようです。
解説によると、中国南北朝時代の東晋の僧侶法顕(337-422年)がスリランカを訪れた5世紀には、ミヒンタレーには2,000人の僧侶がいて病院での治療が行われていたとのこと。
解説板の中ほどにある石棺のようなものは10世紀頃のものとされる浴槽で、頭から足の先まで人の形にくり抜かれており、僧たちはここに仰向けになって薬湯に浸かったとか。
先ほどのトイレとあわせてやたら強調された解説を見ると、こんなふうに古代に公衆衛生の観念が進んでいたことは、スリランカでは誇りある歴史のひとつとして子どもたちに教えられているのでしょうね。 -
20分ほどで小さな考古学博物館の見学を終え、13時10分、遺跡地区の奥へ向かいます。
歩いてすぐ左側に見えてきたのは、前日アヌラーダプラの遺跡地区でも見たような、こんな古代の建物跡。
おそらくここで修行する僧侶たちの住居、すなわち僧院だったのでしょう。
・・・それにしても暑い。
日差しが強烈で少し歩いただけですぐ汗だくになってしまいます。 -
あまりの暑さにサルたちも日陰で休息・・・。
わたしも先ほどバスに乗る前に水をぐびぐび飲んだばかりですが、この気候ではすぐに喉が渇いて、参道脇の売店でコーラを購入(100ルピー=約95円)。
店先でぐびぐび飲んでいると売店のおばちゃんが寄ってきて、“どこから来たの?”と話しかけられます。
やはりスリランカの人々は人懐こい感じですね。
この後おばちゃんの息子も加わってちょっとした会話を楽しんでいたら、いつの間にか背中を登ってきた巨大なアリに首のあたりを刺されます。
ちょっとした刺激に痛がっていたら、息子さんがレモンを持ってきて、痒み止めにと汁を塗ってくれました。
スリランカの人ってなんて優しいんだろうと感動していたところ、こっそり息子さんが寄ってきて、ボールペンはないかとの事・・・。
うーむ、これでは“あの”エジプト人と一緒ではないか。
【エジプト紀行(1) ルクソール博物館にて】
http://4travel.jp/travelogue/10519843#photo_link_20702340 -
・・・と、ちょっぴり残念な出来事がありましたが、気を取り直して観光を続行。
13時30分、最初に見た山の上の白い仏塔へと続く大きな階段を昇っていきます。 -
この階段の両側に生い茂り、聖地らしい雰囲気を醸し出しているのはプルメリアの木。
その花は枝から落ちた後も形を崩さず、まるで階段の上に供えられているような感じで、参拝者たちをより敬虔な気持ちにさせてくれます。 -
そんなプルメリアの花が散りばめられた階段の参道を上へ。
-
中ほどまで昇ったところで下を見るとこんな感じ。
プルメリアの花は落ちたばかりのものが多いようで、階段は毎日毎日きれいに清掃が行われているようでした。
参拝者の中には初めから裸足で昇ってくる人もいて(*)、そういうところからも常に階段をきれいにしておく必要があるのでしょうね。
*もう少し上に昇ったところに靴の預かり所があります。 -
踊り場まで来たところで右側を見ると、こちらにも小さな階段が。
こちら側は誰も昇っている人がいないのですが、好奇心から上に行ってみることにします! -
脇道の階段を昇ったところで姿を現したのは、日本の円墳のようなこんもりした仏塔、“カンタカ・チェーティヤ”(Kanthka Cetiya)。
高さ12m、周囲の長さは130mもあるというこの仏塔は、紀元前2世紀のラージャ・ティッサ王(Lajjitissa、在位:BC119-BC109年)の時代に造られたもの。
11世紀に南インドのチョーラ朝の攻撃を受け、アヌラーダプラの古代シンハラ王朝が滅亡した後は、このミヒンタレーも放棄され、人が住まない地となります。
この地にあった仏塔や僧院など古代の建物群はジャングルの底になって長い眠りにつくこととなり、ようやく発見されて再び人々の信仰の対象となったのは、なんと20世紀になってからのこと。
それでも、このカンタカ・チェーティヤは完全に修復されておらず、聖地とはいえ、この場所を訪れる巡礼者は少ない様子。
今は失われてしまいましたが、創建当時は中央部分から空に向かって伸びる塔があったのでしょうか。カンタカ チャイッテヤ 史跡・遺跡
-
この仏塔の東西南北の方向にはそれぞれ祭壇があり、こんな動物の彫刻が。
この方角(東)は象ですが、西は馬、南は牛、北は獅子と、それぞれ描かれている動物が異なっているのが興味深いところです。
中国で言えば青龍(東)、白虎(西)、朱雀(南)、玄武(北)といったところでしょうか。 -
この仏塔の周りにはこんなふうにサルがたくさんいて、彼らの遊び場になっている様子。
襲われないように、敵意を出さずに通り過ぎます・・・。 -
このカンタカ・チェーティヤからは、山頂の白い仏塔がちらりと見えます。
あちらは輝くばかりの白になってきちんと復元されているようですが、こちらの仏塔もやがてはああいうふうに復元されてしまうのでしょうか?? -
13時50分、元の階段に戻ってきました。
目指す山頂の仏塔はまだまだ先、がんばって昇らねば。 -
14時、階段を昇り切って山の中腹の少し広々としたスペースへ。
階段脇にはチケットセンターがあり、ここで初めて、遺跡入場料として500ルピー(約470円)を徴収されます。
周囲を見ると、ここで修行していた僧たちの会議場や食堂だったというこんな古代シンハラ王朝時代の遺跡が。食堂跡と会議場跡 博物館・美術館・ギャラリー
-
日本ではお目にかかれないこんなおおきなトカゲもいますね(笑)。
-
頂上に至るにはもうひとつ、長い階段を昇っていかなければなりません。
灼熱の気候の中ですが、プルメリアの木々が作る木陰に助けられながら、頂上への道を急ぎます。 -
途中、階段に頭をへばりつけているこんな姿勢のサルが。
陰になっている階段で涼をとっているのでしょうか?? -
昇り始めてから5分後、ついに山頂の“仏教伝来の聖地”へ。
中央にはやや小柄な仏塔“アムバスタレー大塔”が、たくさんの円柱群に囲まれ、堂々とした姿で鎮座しています。
ここはさすがにミヒンタレーの中でも“聖地中の聖地”だけあって、階段を昇り切る手前に靴預かり所があり、外国人観光客であっても靴を預けることが必須となっています。
預かり料は“寄附”の扱いで10ルピー(約10円)くらいからが相場でしょうか。
わたしは管理人から“50ルピーくれ”と言われましたが、自分から要求してくるヤツにロクなのはいないので、要求通りにしませんでした・・・。アムバスタレー大塔 史跡・遺跡
-
さて、中央のアムバスタレー大塔はまず置いておいて、その背後の小高い丘の上に
そびえるメインの仏塔“マハー・サーヤ大塔”へ。
ここへ昇っていく階段で、日本語を勉強しているというスリランカ人のガイドと、彼がガイドしている欧米人の若者の一団と出会い、ちょっとした交流。
欧米人の若者たちは、スリランカの次は日本に行きたいとのことで、日本の観光スポットの話題で盛り上がりました。
スリランカは地元の人々とだけでなく、外国人観光客同士の交流もしやすい国ですね。
地元の人々がフレンドリーだから、他の観光客とも自然とそういう雰囲気になるのでしょうね。 -
そして階段を昇ったところにはミヒンタレー一巨大な“マハー・サーヤ大塔”(Maha Seya Dagoba)。
中腹にいるサルと比べると、その大きさは歴然です。
解説板には別名でしょうか、“Mihindu Seya”とあり、仏教伝来時の王であるデーヴァナンピヤティッサ王の弟、Upatissa王(在位:BC210-BC200年)によって建立された、スリランカでも最も古い仏塔(ダーガバ)とのこと。
その後、7~8世紀により大きいものに再建され、11世紀、アヌラーダプラを首都とする古代シンハラ王朝の滅亡とともにジャングルに埋没。
長い眠りの後、太平洋戦争の風雲漂う英国統治下の1941年に発見され、ジャングルに埋もれる前の姿に復元。
現在では考古学上の遺跡ではなく、再び仏教の聖地となり、スリランカ中の数多くの巡礼者や外国人観光客を集める一大観光スポットとなっています。マハー サーヤ大塔 史跡・遺跡
-
そんな聖なるマハー・サーヤ大塔ですが、せっかくの巡礼者のお供え物をサルがむしゃむしゃ・・・。
-
先ほどのカンタカ・チェーティヤ同様、このマハー・サーヤ大塔の周りもサルの縄張りとなっており、たくさんのサルたちが。
そんなサルを追って台座の端まで来てみると・・・。 -
ミヒンタレー周辺の大自然を見渡せるこんな絶景。
スリランカはアジアと言いながら、都市を出るとこんな熱帯雨林が広がっており、半ばアフリカっぽい印象ですね。 -
周りを見渡してみると、こちら側には新しく建立されたような真っ白な大仏が。
-
また別の方向には、ジャングルから突き出たようなこんな奇妙な形の岩。
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この奇妙な形の岩をズームアップ。
よくみると、頂上には人が。
実はこの岩、“インビテーション・ロック”と言われる聖なる岩。
スリランカにおける仏教伝来の物語の中心となる岩なのですが、詳しくは後ほど・・・。 -
さて、このマハー・サーヤ大塔のある丘の上には四角い管理所のような建物があり、何かと思って入ってみると、内部はこんな色鮮やかな世界が広がる寺院となっていました。
-
横たわる仏陀の像の前には、それを拝むこんな王侯や僧たちの人形が。
この人形たちのチープさ、なんとなくミャンマー臭を感じてしまう・・・。
【ミャンマー紀行(10) ヤンゴンのシュエダゴォン・パヤーの仏像】
http://4travel.jp/travelogue/10646249#photo_link_24596064 -
周り中、スリランカの素朴さに似合わない、ある意味サイケデリックな世界。
-
こんな困ったような表情をしている僧侶の人形も。
仏陀が涅槃に入ってしまうのを悲しんでいるのでしょうか。
とにかくいちばん印象に残った人形です。 -
14時30分、マハー・サーヤ大塔の丘を降りて、今度はアムバスタレー大塔を挟んで反対側にあるインビテーション・ロックの登頂に挑戦。
よく見ると下の部分は一枚岩になっていて、上の岩へと続く階段が刻まれている様子。
白い衣装を身にまとったスリランカ人の巡礼者たちに続いて、わたしもこの階段を昇っていきます。 -
その前にこのインビテーション・ロックの解説を。
この岩は紀元前247年、スリランカの仏教伝来の舞台となった場所。
この年、仏教流布のため、インド(マウリヤ朝)のアショーカ王は息子マヒンダをスリランカに派遣していましたが、当時のアヌラーダプラの王デーヴァナンピヤティッサは、山の神デーヴァが変身した鹿に導かれて、このマヒンダ王子に遭遇します。
その遭遇した場所とされているのが、現在のアムバスタレー大塔。
そして、マヒンダが王を待っている間に瞑想していた岩がこのインビテーション・ロック。
王はマヒンダとの問答の末、仏教に帰依し、現在まで続くスリランカの仏教の時代が始まります。
“ミヒンタレー”という地名は察しのいい方ならお気付きのとおり、このマヒンダにちなんで名付けられたということです。
(仏教伝来の物語を描いたこの絵画は麓の考古学博物館に展示) -
そんな2200年も昔の伝説が息づくインビテーション・ロックをもったいなくも5分程度で登り切り、岩の頂上へ。
ここからの眺めもスリランカの大自然が満喫でき、また最高! -
スリランカは遺跡も素晴らしいし自然も凄いし、それに人もいいしで、ほんとにおすすめの海外旅行先ですね。
-
サルも岩の上からこんな大自然を鑑賞・・・。
-
先ほどは大きすぎて写真の枠に入らなかったマハー・サーヤ大塔も、ここからなら一望のもとに見渡せます。
大自然の中の純白の仏塔、スリランカの人々の信仰心を体現しているようで素晴らしいですね。
その白い仏塔と比べ、向こうの空の雲行きが怪しくなってきたのが気になります・・・。 -
またこの日も一雨降りそうな感じになってきたので、このあたりで下山。
白い衣装の巡礼者たちに続いてゆっくり階段を降りていきます。
と、ここでハプニング。
聖地のため脱いでバッグに入れていた帽子がふとした拍子に落ちて岩の側面へ。
それほど深い位置ではなかったので、手すりを飛び越えて拾いにいこうとしたところ、巡礼に来ていた少年が一足先に手すりの向こうに飛び出して、帽子を拾って来てくれました。
宗教心ではなく、好奇心で訪れている外国人に対して身に余る行為・・・スリランカの人ってやっぱり優しいですね。 -
山頂部分の観光の最後はアムバスタレー大塔(Ambasthale dagoba)。
紀元前247年、アヌラーダプラの王デーヴァナンピヤティッサがアショーカ王の息子マヒンダと出会い、仏教に帰依した場所に建てられた仏塔です。
“地球の歩き方”では、デーヴァナンピヤティッサ王とマヒンダとの問答に使われた“マンゴーの木”から、それを意味する“アムバスタレー”という名前が付けられたと書かれていますが、傍らにある解説板を見ると、この仏塔の名前は“Sela Cetiya”となっていて、紀元前1世紀頃の王Kutakanna Tissaが建立したのだとか。
塔の高さは8m84cmで仏塔を取り囲んでいる柱は7世紀のもの。
当時はこの柱の上にドームが載っていたそうです。
アヌラーダプラやミヒンタレーの他の遺跡同様、この仏塔も11世紀の古代シンハラ王朝滅亡後に放棄され、ジャングルに埋もれていたのを1951年になって発掘。
やはり単なる遺跡にはならずに仏教伝来の“聖地”として、今では数多くの巡礼者を集めるスリランカの一大仏教スポットとなっています。 -
15時、この後はマハー・サーヤ大塔から見えた白い大仏を見に行こうと思ったら、やはりというか、熱帯雨林気候特有のスコールが。
まだポツリポツリとしているうちに急いで山頂を降りますが、中腹まで来たところでどしゃ降りの大雨に。
すると、先ほど遺跡地区の入場券を買ったチケットセンターの中から手招きが。
これ幸いとばかりに駆け込みます。 -
チケットセンターにはわたしと一緒に欧米人のカップルも駆け込んだのですが、売り場の主人はどうぞゆっくりしていってとばかりの雰囲気で、ミルクティーやビスケットなどを振舞ってくれます。
そのうちわたしが日本人だと気付くと、名古屋の自動車メンテナンス工場で働いていたことがあるんだと、日本の話題に。
スリランカの人々のフレンドリーさは、こういう雨宿りの際のコミュニケーションから来ているのかなと思ったりして。
主人は調子に乗ってきて、最後は“あなたのサングラスを売ってくれ”と言われたりしましたが(笑)。
いや、これから灼熱の日射しの下、シーギリヤ・ロックも昇らないといけないのでムリです・・・。 -
この日はスコールはなかなか降り止まず、中腹のチケットセンターで1時間半近く雨宿り。
売り場の主人は“トゥクトゥク呼ぼうか?”と気を遣ってくれますが、もう少しミヒンタレーを観光したかったので、雨が止むのを根気強く待ちます。
そして16時20分、ようやく雨が収まり、観光再スタート。
長時間雨宿りさせてくれたご主人に礼を言ってチケットセンターを後にします。 -
ここからはほとんど人のいなくなったミヒンタレーの聖なる山を、ほぼ独占状態で観光です。
中腹から今度はミヒンタレーの最高地点へつながるという別の階段を昇っていきます。 -
なんだか山賊でも出てきそうな鬱蒼とした林の階段でしたが、5分ほど昇り続けると、こんな開けたところに。
ミヒンタレーの最高地点はもうすぐか。 -
16時30分、ついに最高地点に到達。
先ほど間近で見た巨大なマハー・サーヤ大塔が、小さくなってあんな下の方に。
曇ってはいますが、この大自然の景色も壮観です。 -
しばらくこの壮大な景観を眺めていたら、マハー・サーヤ大塔の周りに霧が立ち込め出して、仏塔が雲海の上に立っているような幻想的な景色に。
-
まるで煙を巻き上げて発射するロケットのようにも見えますね。
こんな景色を見られるなんて、トゥクトゥクを勧めてくれたご主人には悪いですが、あのままアヌラーダプラに帰らなくてよかった・・・。 -
これでミヒンタレー観光に悔いはなくなったので、暗くなる前にアヌラーダプラに戻ります。
時刻は16時50分。
一雨降って、あんなぶっ倒れそうになるほどだった灼熱の気候が、この時点ではすっかり涼しくなりました。 -
麓に降りてくると17時。
バス通りへと続く園路沿いには、紀元前247年に王子マヒンダをこの地に派遣して仏教をスリランカに伝えたインドのアショーカ王(Emperor Dharmashoka)や、スリランカで最初に仏教に帰依した“Queen Anula”など当時の王族たちの像が。 -
そして大通りのバス停でアヌラーダプラへのバスを待ちます。
バス停にはこんな風にバスの絵が描かれた標識が設置されていて、外国人観光客にとっても分かりやすいです。 -
17時20分、やってきたバスに乗車。
帰りのバスも空いていて、シートに座って山登りの疲れを癒します。 -
18時、アヌラーダプラ旧市街に到着(運賃は往路と同じく30ルピー=約30円)。
こちらも雨は上がっていますが、日が沈んで薄暗い雰囲気に。 -
ここで夕食が食べられる店を探しに大通りを歩いていたら、網の格子でカウンターが遮られた、変わった店を発見。
近づいてみると、なんと酒屋。
スリランカは宗教上飲酒に対する制限が厳しく、酒類は特別に許可を受けた店でなければ販売できないと聞いていましたが、これは厳重な店構えです。
撮影は簡単に認めてくれましたが(笑)。 -
この店を逃したらアヌラーダプラでは酒は手に入らないと思い、迷わず酒を購入。
品物を渡す時も厳重で、他の人の目につかないようにとの配慮なのでしょう、こんなふうに新聞紙でぐるぐる巻きに包んでくれます。 -
夕食前に一杯飲みたくなって(笑)、いったん宿に戻って包みを開封。
出てきたのはスリランカの地ビール、ライオンビール(お代は170ルピー=約160円)。
つまみも何もない状態でしたが、ゴクゴクとあっという間に完飲。
やっぱり暑い中ひと観光した後はビールだわ(笑)。 -
19時、今度こそ夕食を食べにと街に出ると、辺りはすっかり暗くなって寂しい雰囲気に。
このアヌラーダプラ、北中部州の州都とはいえ、都市人口は少なく、わずか6万人ほど。
スリランカの地方都市ではナイトライフを楽しむという文化はまだないようで、街灯の数も少なく、夜になると途端に街なかで人を見かけなくなります。 -
当然、レストランの数も少なく、大通りを歩いていても、なかなかそれらしい店を見つけることができません。
裏通りにまで足を延ばして、ようやく明かりの灯ったそれらしい建物を見つけますが、近づいてみるとどうやら食べ物を食べさせるところではない模様・・・。
目を凝らしてよく見ると・・・屋根の上に金色の葱坊主が載っていて、これはもしやモスク。
写真を撮っていたら信者らしき人から近づかないよう注意され、どうやらその通りだったようです・・・。 -
そのモスクの向かいに、人々で賑わう明かりの灯った店を発見。
今度こそ本当に食べ物屋です。
20分近く暗い街をぶらついて、ようやく食べ物にありつけました・・・。 -
店は持ち帰りの人が多かったですが、店内で食べることもできるようで、テーブルに座って他の人も食べていたカレーチャーハンのようなものを注文(200ルピー=約190円)。
早速食べてみると、ところどころ骨のような固いものが混ざっていましたが、それが気になる以外はピリッとスパイスが効いていてなかなかの美味。
しかし、やや辛すぎる感があり、これしか頼まなかったので途中飽きてきて、最後は結局残してしまいました・・・。
ちなみにこの後、全部食べ切れないのを見た店員が、余ったご飯をビニールで包み、帰りに持たせてくれます・・・やはり食べ物や客人を大事にする国民性なのですね。 -
店内では、やはり白い顔の日本人が珍しいのか、あちこちから視線を感じます(笑)。
こちらも笑顔でコミュニケーション。
カメラを構えると、にっこりと微笑みを返してきたので気を逃さずパチリ。
いい笑顔に撮れてますよ(笑)。 -
そして20時、宿に帰ってくると、この日アヌラーダプラに着いたというロシア人の学生の一団が、玄関前のスペースで酒盛り。
わたしも半ば強引に引き留められ、彼らの持ってきたウォッカで乾杯。
領土問題に火が付かなければ、ロシア人とは仲良くやっていけそうですよね(笑)。
彼らに聞いたところ、これから半月の間、スリランカに滞在するとか。
やはり欧米人はバカンス。こちらはたった一週間の旅だなんて言えないよなあ・・・。
それにしてもスリランカは旅人同士も簡単に仲良くさせてしまう、不思議な魅力のある国ですね。
さて、2日間に及んだアヌラーダプラの旅もこれでおしまい。
翌日は、アヌラーダプラの次の時代の都、ポロンナルワを巡ります!
(灼熱と豪雨、そして笑顔のスリランカ旅行4日目~ポロンナルワ観光に続く。)
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 川岸 町子さん 2016/11/12 23:18:02
- 霧に包まれたミヒンタレー
- エンリケさん、おばんでした☆
今回もスリランカの良さが伝わってくる旅行記でした。
まずスリランカの良さと言えば、「人」ですね。
チケットセンターの方、普段からおもてなしをなさっておられるのでしょうか?
結局はペンをリクエスト(?)されちゃったけど、アリにかまれた所をレモンで治そうとしてくれる、これは「へぇ〜〜」でした(笑)
またラスト近く、お撮りになった向こうのテーブルの男性達の表情が、とっても自然で素敵です!
雨が強くなっても、予定通りミヒンタレーを見学なさったので、神秘的な霧に包まれた風景が見られたのでしょうね。
めったに見られない貴重な光景を見せて頂きました!
私はスリランカの白い服装の方々の姿が大好きでした(@^▽^@)
清々しくて、笑顔を引き立てるかのようでした。
様々な国で、神聖な場所は高い所に造られることも多いですが、こうして拝見するとスリランカもそうだなと、改めて感じます。
石段を一歩一歩登り、たどり着く所。
そこから見渡す緑の風景。
本当に美しい国スリランカです!
町子
- エンリケさん からの返信 2016/11/17 01:00:49
- アヌラーダプラとミヒンタレー、オススメです!
- 川岸 町子さん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます!
> まずスリランカの良さと言えば、「人」ですね。
まさにおっしゃるとおり。
これは訪れた人でないとなかなか分からないことですが、できる限りわたしの旅行記で伝えていきたいですね。
> またラスト近く、お撮りになった向こうのテーブルの男性達の表情が、とっても自然で素敵です!
本当に、これまで訪れた国の中で、スリランカがいちばん地元の方々の写真を撮りやすかったですね。
表情もこちらから笑ってと言わなくても自然に笑顔になってくれて。
> 雨が強くなっても、予定通りミヒンタレーを見学なさったので、神秘的な霧に包まれた風景が見られたのでしょうね。
> めったに見られない貴重な光景を見せて頂きました!
ペルーのワイナピチュに登ったときもそうでしたが、強い雨の中、我慢した甲斐があったというものです(笑)。
> 私はスリランカの白い服装の方々の姿が大好きでした(@^▽^@)
> 清々しくて、笑顔を引き立てるかのようでした。
この後もキャンディで白い巡礼姿の人々を見かけましたが、同様の格好をした人は、アヌラーダプラとこのミヒンタレーがいちばん多かったですね。
もし町子さんがスリランカを再訪する機会がありましたら、ぜひアヌラーダプラとミヒンタレーに行ってみてください。
きっと素敵な笑顔をした巡礼姿の優しい人々にたくさん出会えるはずです!
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