2015/08/16 - 2015/08/16
10位(同エリア152件中)
エンリケさん
2015年夏休みのスリランカ旅行3日目。
スリランカ島北部の古都アヌラーダプラ2日目は、遺跡地区残りのイスルムニヤ精舎と、近郊にある仏教の聖地ミヒンタレーを回ります。
まず訪れたのは、遺跡地区南にあるイスルムニヤ精舎。
巨大な岩と一体化したかのようなその姿から、通称“ロック・テンプル”と呼ばれるこの寺院は、紀元前の時代から紀元11世紀まで栄えた古代シンハラ王朝の彫刻などが残る今も現役の寺院。
アヌラーダプラの古代遺跡の中にあって、他の遺跡とは様相が異なるユニークな寺院の姿から、巨石信仰や後のシーギリヤ・ロックとのつながりを感じることができた遺跡鑑賞となりました。
<旅程表>
2015年
8月14日(金) 成田→バンコク→コロンボ
8月15日(土) コロンボ→アヌラーダプラ
○8月16日(日) アヌラーダプラ→ミヒンタレー→アヌラーダプラ
8月17日(月) アヌラーダプラ→ポロンナルワ
8月18日(火) ポロンナルワ→ダンブッラ→シーギリヤ→ダンブッラ
8月19日(水) ダンブッラ→キャンディ
8月20日(木) キャンディ→ピンナワラ(象の孤児園)→キャンディ(ペラヘラ祭)
8月21日(金) キャンディ→コロンボ→ゴール
8月22日(土) ゴール→コロンボ
8月23日(日) コロンボ→バンコク→成田
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 航空会社
- タイ国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
8月16日(日)
スリランカ島北部の古都アヌラーダプラ2日目、宿泊したゲストハウス、“ザ・マンションズ”(Tha Mansions)での朝です。
今回の旅の中では比較的遅めの7時30分、キッチン脇の小さな共用スペースで朝食。
まずは一日の腹ごしらえです。 -
朝食はこんなシンプルなものですが、ゲストハウスのご主人が心を込めて作ってくれたもの。
ありがたくいただきます。 -
食後の飲み物に紅茶かコーヒーかを聞かれますが、ここはスリランカ、もちろん紅茶を選択します。
本場で飲むセイロンティーは、心なしか味が濃くて、日本で飲むよりも一層美味しく感じられますね。 -
さて、この日は前日時間切れで見られなかった遺跡地区の残りのイスルムニヤ精舎と、アヌラーダプラ近郊の仏教の聖地ミヒンタレーを訪れる予定。
まずは9時、ゲストハウスを出て、近くを走っていたスリーウィーラー(トゥクトゥク)を呼び止め、3km以上離れたイスルムニヤ精舎目指してGO! -
スリーウィーラーの運賃は事前交渉で200ルピー(約190円)。
これでも地元民よりはやや高めかもしれませんが、スリランカのドライバーは例えばタイに比べ、それほどバカ高い金額を提示してはこないので、交渉はしやすいです。
・・・メインストリートを抜け、遺跡地区への一本道に入ると、交通量が少なくなって田舎っぽいのんびり感が漂ってきました。 -
そして9時15分、ゲストハウスから10分ちょっとでこの日の第一の目的地、イスルムニヤ精舎の入口に到着。
降り際にスリーウィーラーのドライバーに撮影の許可をお願いすると、くるっと回って撮りやすいようにポーズを決めてくれました。
・・・スリランカの人々はほんとに人懐こくてサービス精神が旺盛ですね。 -
イスルムニヤ精舎の前にはこんな広々とした蓮の池。
いかにも仏教の聖地といった感ですね。 -
イスルムニヤ精舎(Isurumuni Rajamaha Viharaya)の入口の門です。
外国人観光客はここで入場料200ルピー(約190円、アヌラーダプラの遺跡入場料とは別)を支払います。
そして靴を預けて(預かり料として寄附20ルピー=約20円)、いざ中へ。 -
門をくぐると、イスルムニヤ精舎の全景が。
左に見えるのが本堂で、そのバックには白いダーガバ(仏塔)がそびえています。
その右側には巨大な岩と、それに付着したような小さな御堂が。
紀元前3世紀、古代シンハラ王朝のデーヴァーナンピヤ・ティッサ王(Devanampiyatissa、在位:BC250-BC210年)によって建てられたというこのイスルムニヤ精舎は、何ともユニークな形態をした寺院です。イスルムニヤ精舎 寺院・教会
-
庭の一角にはこんな大きな菩提樹(The Sacred Bo-Tree)も。
-
さて、まずは向かって右側の小さな御堂(Old Shrine Room)から見学していきます。
イスルムニヤ精舎は紀元前3世紀に建てられた古代シンハラ王朝の僧院跡という貴重な文化財(世界遺産)である一方、近代における再発見後は寺院として修復され、現在もスリランカ中から多数の巡礼者を集める仏教の聖地。
この日も朝早くから熱心な巡礼者でいっぱいです。 -
御堂につながる階段の入口には、悪魔が入ってくるのを防ぐ役割を持つガードストーン。
スリランカの寺院には共通の建築様式ですね。
【灼熱と豪雨、そして笑顔のスリランカ(1) スリー・マハー菩提樹のガードストーン】
http://4travel.jp/travelogue/11108026#photo_link_42776599 -
そして階段の手前には動物や植物の図柄が円状に繰り返し描かれ、輪廻を表しているとも言われるハーフムーンストーン。
こちらもお馴染みの建築様式です。
【灼熱と豪雨、そして笑顔のスリランカ(1) スリー・マハー菩提樹のハーフムーンストーン】
http://4travel.jp/travelogue/11108026#photo_link_42776698 -
台座の階段を昇り、御堂の入口に来たところでまたもやガードストーン。
よほど悪魔を警戒しているのですね。 -
御堂に入る前に、建物の向かって右側を見ると、御堂と一体化している岩の表面にはこんな人物と馬のレリーフが。
一見、エジプトのツタンカーメンを思わせるような人物の造りですが、この男性が何者なのかは今もって不明だそうです。 -
そして御堂の中に入ると、ガラスで仕切られた中央の間には立派な仏像があり、その前には巡礼者たちの思いが込められたたたくさんのお花が供えられていました。
本当に、スリランカの寺院にはあちこちにこんなきれいなお花がお供えされており、スリランカの人々の優しさを感じることができますね。 -
御堂を出て、もう一度、写実的な人と馬の像をまじまじ。
なぜか惹きつけられてしまうレリーフですね。 -
御堂の向かって右側は池になっていて、池に近い岩の下部には象のレリーフも。
しかしこうしてみると、御堂の建物が岩と一体化しているのがよく分かりますね。
このイスルムニヤ精舎が通称“ロック・テンプル”と言われる所以です。 -
続いては御堂の左側にある本堂(New Shrine Room)へ。
こちらは19世紀の再発見後に建築された比較的新しい建物とのことですが・・・。 -
中に入ってみるとこんな色鮮やかな涅槃仏が。
“地球の歩き方”によると、東京の浅草寺の援助で色の塗り替えが行われたのだとか。 -
本堂の奥には背後にある巨大な岩の一部が。
ここだけ見ると、まるで洞窟寺院のようですね。 -
外に出て岩の隙間を覗いてみると、何やら黒いものがうごめいていて・・・。
目を凝らしてよく見ると、なんとコウモリ。
こんな大量のコウモリを見たのは子どもの頃に見た懐かしの水曜スペシャル、“川口浩探検隊”以来かも(笑)。 -
続いては巨大な岩の裏手に回って階段を昇り、岩の上の展望台を目指します。
-
岩の上にはこんなふうに手すりや柵が設けられており、巡礼者や観光客のためにしっかり安全対策がとられている模様。
-
そしてこちらが岩の上からのイスルムニヤ精舎周辺の眺め。
目に入ってくるのは広大な緑の自然の景色ばかりで、本当にイスルムニヤ精舎は農村の真っ只中の寺院という感じですね。 -
ここでパチパチと写真を撮っていたところ、ペアルックの兄弟と思われる男の子たちが興味深そうにこちらを見つめてきたため、“アーユボーワン”(こんにちは)と挨拶して写真を撮ってあげることに。
うーん、スリランカの人々はほかの国に比べて笑顔の出来がいいなあ(笑)。 -
岩のすぐ脇にあるダーガバ(仏塔)は手入れがよくなされているのか、純白ともいえる美しい色彩を保っています。
これも信仰のなせる業ですね。 -
この後は本堂の脇にある宝物殿(撮影禁止のため画像は看板のもの)で古代シンハラ王朝時代の彫刻群を鑑賞。
前日に訪れたルワンウェリ・サーヤ大塔を建てた紀元前2世紀の王ドゥッタガーマニーの息子、サーリヤ王子とその恋人マーラを描いたと言われる“恋人の像”(ISRUMUNI LOVERS、4~6世紀)や、その結婚後の家族を描いたと言われる“王族の像”(KING'S FAMILY、6~8世紀)など、巡礼に訪れたスリランカの人々に混ざって彫刻鑑賞を楽しむことができました。 -
10時30分、1時間ちょっと滞在したイスルムニヤ精舎を後にして、次の目的地ミヒンタレーに向かうべく、こんな田んぼの中の道を新市街の方へ歩いていきます。
向こうには新しい寺院なのか、白い大仏のようなものが見えますね。
・・・ちなみに若干曇っていて日差しが遮られているせいもあるのか、午前中のこの時間帯は気温はそれほど高くなく、田舎道を歩いていても汗だくというほどにはなりません。 -
田舎の道端にはこんな鳥たちもいっぱい。
-
10分ほど歩いたところで地図を見返してみると、イスルムニヤ精舎の南に“ヴェッサギリヤ”という遺跡らしいものの名前があることに気付きます。
・・・ミヒンタレーは半日で見て回れそうだし、少し時間があるので、ここは引き返してヴェッサギリヤに向かうことにします。 -
イスルムニヤ精舎から南は、こんな草深い野だけが見えるより田舎っぽいエリア。
こんなところに本当に遺跡があるのか?? -
そんな田舎道をてくてくと歩いていくと、何やら農作業中の男の子に遭遇。
この日は日曜日だから家の手伝いなのか、それとも貧しくて学校にいけないのか。
カメラを向けると喜んでくれたのでここでもパチリ。
いい感じに決まってますよ(笑)。
(スリランカの人々は素朴な人ばかりなのでまずチップの要求はありません。) -
引き返して20分後の11時、ゴツゴツした岩が背後にそびえる遺跡のようなところに到着。
ここが“ヴェッサギリヤ”(Vessagiriya)か・・・。
よく見ると前面には四角い建物の跡が残っていて、かつてここに宮殿か寺院のようなものが建っていたことをうかがわせます。
“ロック・テンプル”と呼ばれるイスルムニヤ精舎に近い場所にあるところを見ると、古代シンハラ王朝の一時期、巨石信仰のようなものが混ざった仏教の信仰が行われていたのでしょうかね・・・。
よく考えたらスリランカでいちばん有名な遺跡“シーギリヤ・ロック”も5世紀に巨石の上に築かれた王宮だし、その原型と言えなくもないかもしれません。
ちなみに今はこんな廃れたところでも、帽子をかぶって見学していたら、同じく見学に来ていた地元の人から脱ぐように注意されてしまいました・・・。
さすがは敬虔な仏教の国、スリランカですね。 -
建物跡は簡単に見て、背後にある丘の上に登ってみると、そこには奇岩がゴロゴロ。
こちらの岩は南インドのマハバリプラムで見た“クリシュナのバターボール”を思わせるナイフでスパッと切られたような断面をしています。
【南インド・タミル紀行(8) マハバリプラムのクリシュナのバターボール】
http://4travel.jp/travelogue/10844778#photo_link_31876113 -
こちらもクリシュナのバターボールと同じ仕組みなのか、すごいバランスで態勢を維持していますね。
-
こちらはまるで向かい合ってチューをしている小動物のような形をした岩・・・。
-
丘の上から建物跡を見下ろします。
今はほとんど遺跡の保護措置がとられていませんが、そのうち観光客が増えてくれば、遺跡保全のため、こうして丘の上に登ることはできなくなるかも。 -
逆側にはこんな緑が広がり、下では子どもたちが追いかけっこをしたりして公園のように遊びまわっています。
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下に降りてみると・・・こちら側もすごい奇岩。
岩に挟まれた洞窟の入口のような穴に通じる階段状のものは古代人が刻んだものなのか・・・。 -
こちらも古代人のものなのか、建物の基礎のようなものがゴロゴロしていますね。
-
よくみるとこの洞窟のような岩も加工がなされている様子。
-
岩に挟まれた穴の間から外側をパチリ。
何か原始人の住居のようにも見えますが、古代文字の刻まれた岩もあり、文明化された人々が使っていた形跡も。
超古代の原始人が最初に利用して、その数千年後に古代シンハラ人が再利用した、ということなのかもしれませんね。 -
11時15分、この後ミヒンタレーに行かなければならないので、ヴェッサギリヤの見学を早々に切り上げます。
帰り道、周辺をよく観察してみると、このあたりの農家と思われる家々があり、どれも一様に貧しそうな印象で、こんなふうに台風が来たら吹き飛んでしまいそうなほどぼろぼろ・・・。
やはり観光客がめったに訪れない奥地の方はかなり貧しい人々が多いのでしょうね。
・・・そんな貧しそうな人々でも、外国人を見かけるとにこやかな表情で手を振ってくれます。
ある意味素朴というか、それとも仏教の力なのか、貧富の差があっても心がすさんでいない方が多い印象ですね。 -
農家はぼろぼろでも道路はこんなふうに立派できれいなんだよなあ・・・。
-
トラクターで農作業をする人々。
一部機械化がなされていても、まだ人力が多い印象ですね。 -
そして先ほど写真を撮ってあげた男の子に遭遇。
今度はお兄さん(友達?)も一緒にいて、チップを要求することなく、またもやいい被写体になってくれました。
スリランカにはこんな素朴で人懐こい人々がいっぱいで、人物撮影が苦手な人でも地元の人々の笑顔を簡単に撮ることができます。
さて、次に向かうのはアヌラーダプラ近郊の仏教の聖地ミヒンタレー。
今度はどんな笑顔に会えるのやら。
(灼熱と豪雨、そして笑顔のスリランカ旅行3日目後半~ミヒンタレー観光に続く。)
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この旅行記へのコメント (3)
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- 川岸 町子さん 2016/10/26 13:52:02
- 輝く笑顔の国
- エンリケさん、こんにちは
今日は夏のような濃いくっきりした影のある日ですよね。
スリランカの強い陽射しを思い出します。
その中の輝く笑顔は、スリランカの財産だと思いますp(^-^)q
のどかな遺跡には、しっかりハーフムーンストーンが存在し、敬虔な祈りを捧げる人々がいて、本当に美しいと感じます。
暑い中出会った少年達も、きっとエンリケさんの事を覚えているでしょうね!
旅は人と人をつなぐのですね~(^-^)
一昨日帰国した町子です。
- 川岸 町子さん からの返信 2016/10/26 13:55:27
- お誕生日おめでとうございます!
- エンリケさん
遅ればせながら
お誕生日おめでとうございます!
この一年も、楽しい旅をなさり、私達にご紹介下さい。
何よりもお元気にお過ごし下さいねp(^-^)q
町子
- エンリケさん からの返信 2016/10/28 20:25:25
- 無事にご帰国、なによりです。
- 川岸 町子さん
こんばんは、帰国早々にわたしの旅行記にご訪問くださり、ありがとうございます!
あわせて誕生日のメッセージもいただき、うれしい限りです。
ネパール旅行記が完結したところで途中になっていたスリランカ旅行記を再開したのですが、その昔ヒッピーたちに開発された感のあるネパールよりも、スリランカの方が未開発で冒険的な旅ができているような感じがして、旅行記を書いていて自分でもわくわくしているところです(笑)。
おっしゃるとおり、スリランカの人々はほかのどの国よりも旅人に対して笑顔で振舞ってくれて、旅のいちばんの思い出になりますよね。
今度こそ、寄り道しないで真っ直ぐに旅行記を完成させたいものです。
町子さんの方も最新の旅行記を作成しているところでしょうか?
早くアップされることを楽しみにしています!
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