1996/09/25 - 1996/11/13
424位(同エリア716件中)
みどくつさん
出発の前夜、スロバキアのジリーナ駅で調べると、首都のブラチスラバへは列車がだいたい2時間おきに出ていた。
だから、朝はゆっくりとしても全く問題がないわけだが、根が貧乏性で気が小さいので、ついつい早起きして、用意をしてしまう。
ただ、あんまり早く移動してもつまらないわけでね。
だって、今日は、ジリーナからブラチスラバ経由で、ブダペストまで行けばそれでいいのだから。
朝7時50分発の急行列車に乗ると、コンパートメントはガラガラだ。
車窓からは川と山に挟まれたスロバキアの素晴らしい景色が眺められる。
ヨーロッパの鉄道旅行のいいところは、ガラガラの列車にポツンと1人乗っているってことだよね。
こんなステキな風景を自分で独り占めしていいのだろうか。
もちろんそうしていていいんだ。
だって、この素晴らしいパノラマは神が世界旅行者に、特別に与えたものなのだから。
しかもヨーロッパの風景には、日本のような鉄道線路に向けた、広告看板が全く存在しない。
日本の鉄道沿線に立つ広告看板こそが、日本人の「自然を愛さない下品な心性」をよくあらわしているよなー、と旅行哲学をする。
いくら「日本人は自然を愛する国民だ」などと言ったところで、日本の風景を金儲け主義がどれだけ汚しているか見れば、わかる。
日本人は、自然なんか愛していないってことがね(涙)。
ジリーナ発午前7時50分の列車に乗って、午前10時25分、予定通りにブラチスラバ駅へ到着。
駅があまりに小さく、周囲に何もない。
正直、これが本当にブラチスラバ駅なのか、疑ったが間違いないようだ。
近くにはブラチスラバの市内電車のターミナルがあったが、街中まで出るつもりがない。
だから、写真を撮っただけだ。
確認するためにうろついていたので、ここで乗り継ぐつもりだった10時31分発のブダペスト行きに乗り遅れる。
しかし、ブダペスト行き列車はたくさんあるので、ちょっと時間潰しをしてみるよ。
駅の外のキオスクでホットドッグとワインを買って昼食にする。
そのあと、郵便局で切手を購入する。
絵葉書を売ってないので、フィンエアでもらった絵葉書を書いて、自分と友人に送る。
ブラチスラバ12時31分発のブダペスト行きの切符を購入すると386スロバキアクローネ(約1500円)だ。
残ったクローネをハンガリーフォリントへ両替する。
847クローネが約3700フォリント、つまり1フォリントは1円と考える。
ジリーナからブラチスラバの列車が118クローネ(約400円)だったのに比べて、たいして乗車時間が変わらないのに高い。
これは、やはり国際列車だからだろうか。
この列車には名前が付いていてIC(インターシティ)77「Mathias Corvinus」。
だから特別料金が加算されているのかもね。
トーマスクックのヨーロピアンタイムテーブルをチェックすると、この列車はもともとはプラハ始発ブダペスト行きみたいだ。
列車に乗り込むと、オープンサロン形式でちょっと趣がない。
オープンサロン方式とは、客車に仕切りがなく、座席が一方向を向いて並んでいる。
つまり、日本人にはおなじみの普通の座席の並び方。
しかし、ヨーロッパの列車はもともとはコンパートメント方式が特徴だ。
コンパートメント方式とは、列車に部屋がいくつもあって、その部屋の中に乗客が向かい合わせで座るというカタチ。
コンパートメント方式だと、東洋人が1人で乗り込んでいると、他のヨーロッパ人は避けて入ってこない。
そういう意味では、非常に楽にコンパートメントを独占できてキモチいいんだけどね(笑)。
席についてしばらくすると、車掌が切符をチェックに来る。
そして、なんと追加料金40クローネを要求される。
クローネは全部両替したはずなので、ドルかフォリントで払えないかと聞くと、車掌は「クローネ払いだけだ」と、どう考えても理不尽な要求をする。
ジリーナの町をうろついていた経験からも、僕はこれは人種差別されていると感じたよ。
しかし、お土産用に残しておいたキレイな50クローネ札がたまたまあったので、それで支払うことができた。
この旅に出る前に、広尾の大使館へ行ってビザを取ったことがある。
チェコスロバキア大使館が、分離独立にあわせたかのように、半分ずつチェコとスロバキアにきれいに分かれていた。
そのときもチェコ大使館は愛想がよかったのに、スロバキアの方は変に冷たかったことを思い出したね。
13時30分「NOVE ZAMY」駅を出たところで、スロバキアとハンガリーの係官がやってきて、列車の中で出国、入国のチェックした。
次にハンガリーの女性車掌がやってきて、さらに追加料金を取られる。
これが510フォリントだ。
結局、追加料金がかかって、合計の料金は2160円くらいになったよ。
15時12分、ブダペストケレティ駅へ到着。
ここは昔、ベオグラードから深夜たどりついて、待合室の床に寝たことがある懐かしいところだよ。
客車から降りて歩き出すと、おばさんが話しかけてきた。
「マリア」というおばさんで、民宿をやっている。
写真をいろいろと見せて、客引きをしているらしい。
しかし、その料金は一部屋44ドル(!)というので、話にならない。
日本人旅行者の書いた日本語の推薦文を持っていたが、こんなところには世界旅行者は泊まらない。
駅の観光案内所で町の地図とユースホステルのシングルルーム(1850フォリント)を予約する。
ユースホステルへ地下鉄に乗ろうと歩き出したが、この地下鉄には有名な引っかけが仕組まれていたのだ。
しかしこの話は、また別の機会にすることにしよう。
【写真】ブラチスラバ駅
【旅行哲学】普通に列車に乗ってもわけのわからない追加料金をぼったくられる、それが東欧。
- 旅行の満足度
- 3.5
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