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近年、「ハートの滝」、「パワースポットの滝」として高知県内では知名度が上がっている落差34mの長沢の滝。その「ハート」は滝口の岩盤の形状を指しているのだが、ここは太古、中生代三畳紀ジュラ紀の三宝山帯の甌穴だった箇所が浸食・崩壊したもの。<br />横長の円い滝口が二つ並んでおり、ハートの滝口の左にも長円の滝口があり、一回り小さな滝が落下しており、この二条の滝を合わせて「長沢の滝」と呼んでいる。<br /><br />30台分の滝の駐車場(バイオトイレあり)には2015年、宮尾登美子の小説で有名になった絶滅危惧種のユキノシタ科キレンゲショウマが移植され、8月、可憐な花を咲かせている。<br /><br />滝の駐車場隅にある休憩舎の長谷川を挟んだ東向かいには、巨大な石灰岩の岩盤が見えているが、ここに奥行100mの長沢洞が開口している。この入口のすぐ上にも小さな貫通穴が開いているが、長沢洞内からその穴を見ると、長沢の滝の滝口よりもはっきりしたハート型になっている。これは帰宅後、写真を見て初めて分かったことで、地元民でも知る者は殆どいない。<br /><br />長沢洞は地形図には記載されているものの、残念ながら15mほど奥で深い竪穴となっているため、ケイビング装備がないと進めない。また、道もない急斜面にある。<br />四国では一番高知県が鍾乳洞の数が多いが、中でも津野町は特に多い。しかし入口に看板が設置されているのは二つのみ。<br /><br />その内の一つの洞へ向かう途中、久保川川の上流にある久保川洞に寄った。奥行30mの水穴で水量が豊富なため、取水されている。但し、この洞も途中、路面に深い竪穴がある。水流のため、それが分からず危険、ということで教育委員会が入口に柵を設けている。<br /><br />そこから西に1km少々の所の林道上、看板の建つ愛宕洞が開口している。奥行は18mだが、内部は「大き目のマクロポア(洞内洞)」というか、奥がいくつもの空間・広間に分かれており、上下左右斜めに走る広間の柱的鍾乳石がSFチック。<br />平成11年、この洞の地下1mから縄文時代後期の土器片や貝塚が発見された。<br /><br />入口のすぐ奥には地蔵を祭った祠があるが、これは奥の広間の一つで藩政期、身分が違うが故、成就しない恋に悲観して心中した若い男女を供養するために建立されたもの。<br /><br />愛宕洞を右上に過ぎると、左手の岩盤下部に赤いペンキで矢印が描かれており、貝ノ川集落から愛宕洞へと前述の男女が上ってきた峠道が下りている。<br />この踏み跡を下りていくと数分以内で奥行80mの貝の川洞に達する。開口部は巨大だが、立って歩ける区間は十数mほど。そこは落盤のある広間で、奥に腹這いにならないと入れない三つの穴が開いている。<br /><br />左端か真ん中の穴だったと思うが、奥の小さな空間の壁面には、幕末時、子供が自分の名を落書きした跡が残っていたという。<br />右端の穴はしゃがんで入れるが、すぐ腹這いでしか通れない穴になる。その小さな穴は二つの方向に開いており、左側の穴の奥には一瞬、人工の石板ではないかと思えるような鍾乳石がある。<br /><br />車に戻ると貝の川が林道を横断している箇所まで行き、龍神洞を探すことに。しかし事前に問い合わせた教委の葉山分室の情報が誤っており、本来、林道から下流に洞はあるのに、上流を探索したため、骨折り損に終わった。しかしその代わり、落差20mほどの形の良い無名の滝を発見できた。「貝ノ川の滝」と名付けたい。<br /><br />その後、長沢の滝の駐車場へと移動し、長沢洞、長沢の滝を探訪後、滝の南西から上がる遊歩道を上がって612.6m三角点の南西に建つ長沢神社に参った後、砂防ダム上流沿いの遊歩道を遡ったが、草刈りが全くされておらず、ズボンと靴が泥だらけになってしまった。沢の自然美も今一つだった。<br /><br />[アプローチ]<br />永野(旧葉山村)のかわうそ自然公園に渡る春日橋の手前、岡崎酒店のある三差路(国道197号)を右折(北東に折れる)し、久保川川を遡る。川をえびす橋で渡ると左折して行き、通称「中腹林道」へと上がる。<br /><br />中腹林道へ出ても左折。300mほど進むと久保川川を渡るが、渡って少し行った所の右手広場に駐車。少し引き返し、久保川川に向けて斜めに上がる歩道を行き、適当な所から沢に下り、遡行する。<br />急勾配の涸れ沢との出合から本流を少し上がった所に久保川洞が開口している。<br /><br />愛宕洞は林道を北西に1kmほど進んだ箇所。<br />貝ノ川の滝への道はないが、沢の左岸(東岸)から上の植林帯によじ登ると、すぐ滝の音が聞こえてくる。<br /><br />長沢洞は長沢の滝の駐車場から少し林道長谷線を引き返し、カーブミラーと電柱の建つカーブ部から長谷川を渡渉。増水時は下流の橋まで引き返し、東岸を遡る。<br /><br />渡渉した先は狭い植林帯で、少し南下すると小動物が入れるような洞穴が開いている。その少々先の岩盤沿いから斜面を見上げると、辛うじて長沢洞入口周辺の石灰岩が見える。但し、入口は段差のある狭いスタンス(足掛かり)のため、メタボリックな者には厳しいかも知れない。

ハート型の鍾乳洞と滝(津野町の四ヶ所の洞窟と二ヶ所の滝)

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2016/08/20 - 2016/08/20

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マローズ

マローズさん

近年、「ハートの滝」、「パワースポットの滝」として高知県内では知名度が上がっている落差34mの長沢の滝。その「ハート」は滝口の岩盤の形状を指しているのだが、ここは太古、中生代三畳紀ジュラ紀の三宝山帯の甌穴だった箇所が浸食・崩壊したもの。
横長の円い滝口が二つ並んでおり、ハートの滝口の左にも長円の滝口があり、一回り小さな滝が落下しており、この二条の滝を合わせて「長沢の滝」と呼んでいる。

30台分の滝の駐車場(バイオトイレあり)には2015年、宮尾登美子の小説で有名になった絶滅危惧種のユキノシタ科キレンゲショウマが移植され、8月、可憐な花を咲かせている。

滝の駐車場隅にある休憩舎の長谷川を挟んだ東向かいには、巨大な石灰岩の岩盤が見えているが、ここに奥行100mの長沢洞が開口している。この入口のすぐ上にも小さな貫通穴が開いているが、長沢洞内からその穴を見ると、長沢の滝の滝口よりもはっきりしたハート型になっている。これは帰宅後、写真を見て初めて分かったことで、地元民でも知る者は殆どいない。

長沢洞は地形図には記載されているものの、残念ながら15mほど奥で深い竪穴となっているため、ケイビング装備がないと進めない。また、道もない急斜面にある。
四国では一番高知県が鍾乳洞の数が多いが、中でも津野町は特に多い。しかし入口に看板が設置されているのは二つのみ。

その内の一つの洞へ向かう途中、久保川川の上流にある久保川洞に寄った。奥行30mの水穴で水量が豊富なため、取水されている。但し、この洞も途中、路面に深い竪穴がある。水流のため、それが分からず危険、ということで教育委員会が入口に柵を設けている。

そこから西に1km少々の所の林道上、看板の建つ愛宕洞が開口している。奥行は18mだが、内部は「大き目のマクロポア(洞内洞)」というか、奥がいくつもの空間・広間に分かれており、上下左右斜めに走る広間の柱的鍾乳石がSFチック。
平成11年、この洞の地下1mから縄文時代後期の土器片や貝塚が発見された。

入口のすぐ奥には地蔵を祭った祠があるが、これは奥の広間の一つで藩政期、身分が違うが故、成就しない恋に悲観して心中した若い男女を供養するために建立されたもの。

愛宕洞を右上に過ぎると、左手の岩盤下部に赤いペンキで矢印が描かれており、貝ノ川集落から愛宕洞へと前述の男女が上ってきた峠道が下りている。
この踏み跡を下りていくと数分以内で奥行80mの貝の川洞に達する。開口部は巨大だが、立って歩ける区間は十数mほど。そこは落盤のある広間で、奥に腹這いにならないと入れない三つの穴が開いている。

左端か真ん中の穴だったと思うが、奥の小さな空間の壁面には、幕末時、子供が自分の名を落書きした跡が残っていたという。
右端の穴はしゃがんで入れるが、すぐ腹這いでしか通れない穴になる。その小さな穴は二つの方向に開いており、左側の穴の奥には一瞬、人工の石板ではないかと思えるような鍾乳石がある。

車に戻ると貝の川が林道を横断している箇所まで行き、龍神洞を探すことに。しかし事前に問い合わせた教委の葉山分室の情報が誤っており、本来、林道から下流に洞はあるのに、上流を探索したため、骨折り損に終わった。しかしその代わり、落差20mほどの形の良い無名の滝を発見できた。「貝ノ川の滝」と名付けたい。

その後、長沢の滝の駐車場へと移動し、長沢洞、長沢の滝を探訪後、滝の南西から上がる遊歩道を上がって612.6m三角点の南西に建つ長沢神社に参った後、砂防ダム上流沿いの遊歩道を遡ったが、草刈りが全くされておらず、ズボンと靴が泥だらけになってしまった。沢の自然美も今一つだった。

[アプローチ]
永野(旧葉山村)のかわうそ自然公園に渡る春日橋の手前、岡崎酒店のある三差路(国道197号)を右折(北東に折れる)し、久保川川を遡る。川をえびす橋で渡ると左折して行き、通称「中腹林道」へと上がる。

中腹林道へ出ても左折。300mほど進むと久保川川を渡るが、渡って少し行った所の右手広場に駐車。少し引き返し、久保川川に向けて斜めに上がる歩道を行き、適当な所から沢に下り、遡行する。
急勾配の涸れ沢との出合から本流を少し上がった所に久保川洞が開口している。

愛宕洞は林道を北西に1kmほど進んだ箇所。
貝ノ川の滝への道はないが、沢の左岸(東岸)から上の植林帯によじ登ると、すぐ滝の音が聞こえてくる。

長沢洞は長沢の滝の駐車場から少し林道長谷線を引き返し、カーブミラーと電柱の建つカーブ部から長谷川を渡渉。増水時は下流の橋まで引き返し、東岸を遡る。

渡渉した先は狭い植林帯で、少し南下すると小動物が入れるような洞穴が開いている。その少々先の岩盤沿いから斜面を見上げると、辛うじて長沢洞入口周辺の石灰岩が見える。但し、入口は段差のある狭いスタンス(足掛かり)のため、メタボリックな者には厳しいかも知れない。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通手段
自家用車
  • 久保川洞のある本流西の支流の岩

    久保川洞のある本流西の支流の岩

  • 久保川洞

    久保川洞

  • 久保川洞入口左の窪みには鍾乳石が

    久保川洞入口左の窪みには鍾乳石が

  • 久保川洞の奥。入口部は自治体の調査時に拡幅されている。

    久保川洞の奥。入口部は自治体の調査時に拡幅されている。

  • 愛宕洞入口

    愛宕洞入口

  • SFチックなマクロポア

    SFチックなマクロポア

  • 脳みそのような鍾乳石

    脳みそのような鍾乳石

  • 綱のような鍾乳石

    綱のような鍾乳石

  • ヘリクタイトか

    ヘリクタイトか

  • 石柱

    石柱

  • 二つ連なる半円形の岩盤の中間が貝の川洞への下り口

    二つ連なる半円形の岩盤の中間が貝の川洞への下り口

  • 開口部は巨大な貝の川洞

    開口部は巨大な貝の川洞

  • あと何万年かすれば氷柱石となる

    あと何万年かすれば氷柱石となる

  • 左端か真ん中の小穴

    左端か真ん中の小穴

  • 幕末の落書きは消えているか

    幕末の落書きは消えているか

  • 右端の小穴の左側の小洞だったか

    右端の小穴の左側の小洞だったか

  • 一瞬、化石か人工石板かと思った鍾乳石をズームで。

    一瞬、化石か人工石板かと思った鍾乳石をズームで。

  • 右端の小穴の直進方向の小洞だったか

    右端の小穴の直進方向の小洞だったか

  • 貝ノ川の滝

    貝ノ川の滝

  • 貝ノ川の滝の狭い滝壺

    貝ノ川の滝の狭い滝壺

  • 長沢の滝駐車場入口付近に咲くキレンゲショウマ

    長沢の滝駐車場入口付近に咲くキレンゲショウマ

  • 長沢の滝

    長沢の滝

    長沢の滝 自然・景勝地

  • 歪なハート

    歪なハート

  • 平成に入り、滝見の橋も架けられた。

    平成に入り、滝見の橋も架けられた。

  • 滝壺から見る長沢の滝

    滝壺から見る長沢の滝

  • 滝の左手の岩盤に岩屋があり、観音像が祭られている。

    滝の左手の岩盤に岩屋があり、観音像が祭られている。

  • 長沢神社下の駐車場に咲くキンポウゲ科オキナグサ。キレンゲショウマと同時期に移植された。

    長沢神社下の駐車場に咲くキンポウゲ科オキナグサ。キレンゲショウマと同時期に移植された。

  • 612.6m三角点

    612.6m三角点

  • 砂防ダム上流の沢

    砂防ダム上流の沢

  • 三角形の形に三つの穴が開く長沢洞。右端の穴が本洞だったと思う。

    三角形の形に三つの穴が開く長沢洞。右端の穴が本洞だったと思う。

  • 上下の穴を内側から見る

    上下の穴を内側から見る

  • ハートの形に開いた上の穴

    ハートの形に開いた上の穴

  • 竪穴っぽい箇所

    竪穴っぽい箇所

  • 深い竪穴

    深い竪穴

  • 支洞だったか

    支洞だったか

  • 入口に向けて戻る

    入口に向けて戻る

  • 獣穴付近の岩をよじ登る。

    獣穴付近の岩をよじ登る。

  • 岩の上にも洞穴があったが、奥は小さく進めない。

    岩の上にも洞穴があったが、奥は小さく進めない。

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