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旅行最終日、まずは宿泊所であるうみがめ荘の東方にある、徳島県最大の海食洞、恵比須洞を探訪。徒歩なら10分ほどの距離。<br />標高52mの海岸の岩山に高さ31m、幅32mの半円状の海食洞が貫通しており、荒波が洞に押し寄せ、出口に噴出して轟音を響かせている。<br /><br />高知県の白山洞門より規模は小さいものの、山上を巡って周回する遊歩道がつけられているため、探勝のし甲斐はある。<br /><br />次は由岐港西岸に移動。西由岐公民館南の月極駐車場南東角にある「阿波沖海戦小公園」に寄った。これは慶応4年1月4日、この沖合で幕府軍艦・開陽丸と薩摩藩の軍用輸送艦・春日丸が「阿波沖海戦」を繰り広げたことを記念して整備されたもので、公園内には開陽丸に18門搭載されていた16センチ・カノン砲の砲身を一基、復元・展示し、薩摩藩の武装輸送船・翔鳳丸乗組員上陸之地碑を建立している。<br /><br />開陽丸は幕府海軍の最強艦で、この時、カノン砲以外にも8門の大砲を搭載しており、速力10ノット、排水量2,590トンを誇った。<br />春日丸はアームストロング砲等6門を搭載、排水量は1,015トンだが、速力は16.9ノットと速かった。<br /><br />海戦では両艦、三回ほど周回運動をして砲撃し合ったが、春日丸側の一弾が跳弾となって開陽丸を僅かに傷つけただけだった。その隙に春日丸は逃走。海戦前まで春日丸に曳航されていた翔鳳丸は機関の修理のため、由岐港に入港しようとした所、浅瀬に衝突、船体を損傷する。<br />結局、翔鳳丸は爆薬によって自焼し、乗組員らは土佐へ逃れた。<br /><br />次は阿部の大井峠に移動し、潮吹展望台に上った。<br />眼下の海岸沿いには「岡の息引」、「沖の息引」という岩がある。後者には南北に貫通する海食洞があり、満潮時に波が押し寄せると、大音響と共に水柱が高さ30mほどまで上がるという。<br />残念ながら探訪時、海は凪いでいた。<br /><br />この次は阿南市に移動し、四国本土最東端の蒲生田岬に行ったのだが、生憎雨が降り出した。この岬には四国本土最東端の湿原「蒲生田湿原」、最東端の灯台「蒲生田岬灯台」、そして最東端の戦争遺跡「海軍電波探信儀の台座基礎」がある。<br /><br />蒲生田湿原とは、岬の駐車場南にある蒲生田大池の中の湿地化している箇所のことで、ヒメガマやアンペライを始め、45種の植物が確認されており、天然記念物に指定されている。<br />岬の突端に建つ蒲生田岬灯台は大正13年に点灯された。高さ11.5mで沖合19kmまで照らす。<br /><br />湿原から灯台までは回遊遊歩道が整備されているが、灯台の南西、尾根の最高所脇が削平されていることに気づいた。疑問に思い、削平地に入ってみると、六角形のコンクリート基礎があった。この形状は海軍の電波探信儀(「レーダー」の海軍用語)の台座基礎に多く見られる。<br /><br />蒲生田岬の半島の付け根部はベニヤ張りの特攻艇・震洋の基地の予定地でもあることから、第22突撃隊管轄の電探基地だったのだろう。但し、ボルト穴が開いていないことから、未完成のまま終戦を迎えた模様。<br />同様の基礎で、ボルトが付いたままのものが高知県須崎市の法印坂に残っている。<br /><br />雨はやまないが、中林町南林の北の脇海岸へと移動した。ここは2kmに亘って遠浅の海岸と松林が続いており、人気の海水浴場となっている。<br />昭和後期、環境庁が水質調査を行った結果「日本一美しい海」と評した。<br />降雨が悔やまれる。<br /><br />PS:離島を含めた「真の四国最東端」である伊島にも真の最東端の湿原、灯台、戦争遺跡があるので、旅行記を9月以降に投稿したい。

四国最東端の戦争遺跡と湿原(徳島一の滝群と四国一の海崖と四国最東端の戦跡・3日目)

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2008/09/13 - 2008/09/15

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マローズ

マローズさん

旅行最終日、まずは宿泊所であるうみがめ荘の東方にある、徳島県最大の海食洞、恵比須洞を探訪。徒歩なら10分ほどの距離。
標高52mの海岸の岩山に高さ31m、幅32mの半円状の海食洞が貫通しており、荒波が洞に押し寄せ、出口に噴出して轟音を響かせている。

高知県の白山洞門より規模は小さいものの、山上を巡って周回する遊歩道がつけられているため、探勝のし甲斐はある。

次は由岐港西岸に移動。西由岐公民館南の月極駐車場南東角にある「阿波沖海戦小公園」に寄った。これは慶応4年1月4日、この沖合で幕府軍艦・開陽丸と薩摩藩の軍用輸送艦・春日丸が「阿波沖海戦」を繰り広げたことを記念して整備されたもので、公園内には開陽丸に18門搭載されていた16センチ・カノン砲の砲身を一基、復元・展示し、薩摩藩の武装輸送船・翔鳳丸乗組員上陸之地碑を建立している。

開陽丸は幕府海軍の最強艦で、この時、カノン砲以外にも8門の大砲を搭載しており、速力10ノット、排水量2,590トンを誇った。
春日丸はアームストロング砲等6門を搭載、排水量は1,015トンだが、速力は16.9ノットと速かった。

海戦では両艦、三回ほど周回運動をして砲撃し合ったが、春日丸側の一弾が跳弾となって開陽丸を僅かに傷つけただけだった。その隙に春日丸は逃走。海戦前まで春日丸に曳航されていた翔鳳丸は機関の修理のため、由岐港に入港しようとした所、浅瀬に衝突、船体を損傷する。
結局、翔鳳丸は爆薬によって自焼し、乗組員らは土佐へ逃れた。

次は阿部の大井峠に移動し、潮吹展望台に上った。
眼下の海岸沿いには「岡の息引」、「沖の息引」という岩がある。後者には南北に貫通する海食洞があり、満潮時に波が押し寄せると、大音響と共に水柱が高さ30mほどまで上がるという。
残念ながら探訪時、海は凪いでいた。

この次は阿南市に移動し、四国本土最東端の蒲生田岬に行ったのだが、生憎雨が降り出した。この岬には四国本土最東端の湿原「蒲生田湿原」、最東端の灯台「蒲生田岬灯台」、そして最東端の戦争遺跡「海軍電波探信儀の台座基礎」がある。

蒲生田湿原とは、岬の駐車場南にある蒲生田大池の中の湿地化している箇所のことで、ヒメガマやアンペライを始め、45種の植物が確認されており、天然記念物に指定されている。
岬の突端に建つ蒲生田岬灯台は大正13年に点灯された。高さ11.5mで沖合19kmまで照らす。

湿原から灯台までは回遊遊歩道が整備されているが、灯台の南西、尾根の最高所脇が削平されていることに気づいた。疑問に思い、削平地に入ってみると、六角形のコンクリート基礎があった。この形状は海軍の電波探信儀(「レーダー」の海軍用語)の台座基礎に多く見られる。

蒲生田岬の半島の付け根部はベニヤ張りの特攻艇・震洋の基地の予定地でもあることから、第22突撃隊管轄の電探基地だったのだろう。但し、ボルト穴が開いていないことから、未完成のまま終戦を迎えた模様。
同様の基礎で、ボルトが付いたままのものが高知県須崎市の法印坂に残っている。

雨はやまないが、中林町南林の北の脇海岸へと移動した。ここは2kmに亘って遠浅の海岸と松林が続いており、人気の海水浴場となっている。
昭和後期、環境庁が水質調査を行った結果「日本一美しい海」と評した。
降雨が悔やまれる。

PS:離島を含めた「真の四国最東端」である伊島にも真の最東端の湿原、灯台、戦争遺跡があるので、旅行記を9月以降に投稿したい。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通手段
自家用車
  • 恵比須洞前を通る遊歩道

    恵比須洞前を通る遊歩道

  • 恵比須洞下

    恵比須洞下

  • 恵比須洞北西の浜の巨岩群

    恵比須洞北西の浜の巨岩群

  • 恵比須洞

    恵比須洞

  • 恵比須洞周辺の岬

    恵比須洞周辺の岬

  • 恵比須洞の岩山尾根につけられた恵比須洞神社参道。

    恵比須洞の岩山尾根につけられた恵比須洞神社参道。

  • 翔鳳丸乗組員上陸之地碑

    翔鳳丸乗組員上陸之地碑

  • カノン砲

    カノン砲

  • 潮吹展望台からの眺望

    潮吹展望台からの眺望

  • 潮吹岩

    潮吹岩

  • 蒲生田岬遊歩道

    蒲生田岬遊歩道

    蒲生田岬 自然・景勝地

  • 蒲生田岬灯台へ

    蒲生田岬灯台へ

  • 遊歩道沿いの海崖

    遊歩道沿いの海崖

  • 蒲生田岬灯台

    蒲生田岬灯台

  • 蒲生田岬灯台付近からの眺望

    蒲生田岬灯台付近からの眺望

  • 崖上を通る遊歩道

    崖上を通る遊歩道

  • 電探基礎

    電探基礎

  • 基礎内

    基礎内

  • 電探東方の巨大なコンクリート片

    電探東方の巨大なコンクリート片

  • コンクリート片から斜面を北に下ると、至る所に軍の壕跡があった。

    コンクリート片から斜面を北に下ると、至る所に軍の壕跡があった。

  • 壕

  • 蒲生田湿原木道

    蒲生田湿原木道

  • 蒲生田湿原

    蒲生田湿原

  • 蒲生田大池

    蒲生田大池

  • 北の脇海岸

    北の脇海岸

  • 雨に煙る北の脇海水浴場

    雨に煙る北の脇海水浴場

    北の脇海水浴場 ビーチ

  • 北の脇海岸の松林

    北の脇海岸の松林

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