千葉県はディズニーリゾートだけではない・房総和田浦でクジラの解体を見学する。

2016/07/18 - 2016/07/18

土曜日の早朝、眠気まなこの妻に「ホエール・ウォッチング」でも行くかい？と話してみると、ぜひ行きたいとの返答。さっそく車に乗り込み館山方面へ走り出しました。決してだましているつもりはなく、俗にいわれる「ホエールウォッチング」は平成に入って急に定着した観光産業で、こちらは約８０００年の歴史ある生業で日本の歴史の一部である。でも、妻がどんな反応を示すのがちょいと心配ではあるが・・・
クジラの解体は毎日行っているわけでなく、毎年６月から８月の房総沖でツチクジラを捕獲した翌日にある。
外房捕鯨（株）のＨＰを随時チェックし、土日にぶつかる今日がチャンスなのです。
http://gaibouhogei.blog107.fc2.com/
沿岸捕鯨を行っているのは日本国内で５か所、網走市、函館市、石巻市、南房総市、和歌山県太地町。ここ南房総市の和田浦では年間２５〜３０頭のツチクジラを捕獲している。

エリア 和田・丸山(千葉)

• 交通手段: 自家用車

館山道をひた走り、解体が始まる午前９時の４０分ほど前に和田漁港に到着。

和田浦海水浴場 ビーチ

外房の海岸にありがちなとても静かな漁村である。

どうやらここでクジラの解体が行われそう。ここら辺りで妻が今日は船に乗らないホエールウォッチングを知る。ちょっとブツブツいわれるが、いつものことだと意外と冷静。

ぶらぶら周囲を歩いていると、ようやくクジラを発見。岸壁にロープで括りつけられていました。クジラの解体は、捕獲後１６時間熟成と決められているらしいです。ということは前夜の７時ごろに捕獲されたということか。腹を裂いているのは、体内を冷やして腐敗を防ぐため。

どうやら時間通りに解体が始まりそうなので、和田浦の街をぶらぶらと歩いてみました。

しかし、閑静な漁村で何もない。

洗濯物を干してあり、生活臭がたっぷりする。それもそうですね。千葉は千葉でも、ここは浦安の人工的で、夢と魔法で国民を洗脳するディズニーリゾートではないのです。先祖代々クジラを含む魚を捕獲して生活をしてきた漁師町なのです。

５分くらいで元の場所に戻りました。

おいしい鯨は日本の宝と訴えるポスター。

９時になると動きが出てきました。ロープでクジラを引き上げ始めます。

もうちょっとで陸揚げされます。

クジラの周囲の海水が赤く染まります。

陸揚げされました。見学者は子供も含め５０人ほど。

入念に海水でクジラを洗い流します。

解体が始まりそうです。

三国志に出て来そうな大きな刃で解体を始めました。

腹から解体していきます。解体作業はかなりの力仕事なので男性が行いますが、一番左の女性は、クジラの大きさなどを詳細にチェックし、記録し続けます。

大きな刃で切れ目を入れ、ロープをウインチで引っ張り、少しずつ裂いていきます。ロープで引っ張られるごとに「ミシミシ」という鈍い音が響きます。

引き続き撮影をしましたが、ちょっと自粛。生臭くグロテスクかと思いそうですが実はそうでもないのですが。気分が悪くなるかと思いましたが、まったくそんなことはありません。先週、初めてアジとイワシを３枚におろした時の方が来ました。妻や他の見学者もずっと注視したままでした。
引き裂かれた後、脂身が多い本皮をてきぱきと切り身にしていきます。

氷が入ったケースに収められた肉。

どんどん解体されていきます。

フォークリフトで運ばれ、

どんどんケースに入れていかれます。

向こう側は赤身の肉の解体。

手際よく切り身にされていきます。

解体場には、骨と内臓と頭だけが残されました。

口の周囲まで計測している姿がシュールでした。
歯を調べると年齢がわかるらしい。これもとても重要なお仕事です。

並べばクジラ肉を購入できますが、とてもキロ単位の消費が我が家では難しく、今回はパスしました。

とはいえ、和田浦まで来たら食べないわけにいきません。

お食事処 くじら家 グルメ・レストラン

クジラ料理。一番客となりました。

私はクジラの刺身定食。

妻がクジラの竜田揚げ定食。ともにおいしかったですが、竜田揚げの方が食べやすいかと思いました。お値段はそれぞれ９５０円。
クジラだけでなく、いつも食している動物へ、そしてそれに携わる業者の皆様へ深く感謝しなくてはと感じた一日でした。

この旅行記へのコメント （8）

• ラクパグさん 2016/08/06 10:43:54

  貴重な　映像　初めて見ました！

  
  てくてくさん　初めまして　いつもありがとうございます！
  
  　千葉の漁港で　クジラの解体作業を　見せておられるのですね。
  
  　理解するのに　とても　大切なことだと　知りました。
  
  　歯を　調べると　年齢が　分かるのですね。クジラを　大切に
  
  　されてる　様子が　伝わってきて　驚きました！
  
  　顔が　イルカに　そっくりですね。　言われてみないと分からないです。
  
  　お刺身　初めてですが　どんな　お味なのでしょうか！
  
  　貴重な　旅行記　ありがとうございました。　ラクパグ

  てくてくさん からの返信 2016/08/09 16:39:42

  RE: 貴重な　映像　初めて見ました！

  ラクパグさま
  
  こんにちは。
  クジラの刺身って、料理で提供されている肉は冷凍であるうえ、
  イワシやアジなどに比べてそんなに美味しいわけでもないのです。
  クジラ肉のなかではベーコンが一番好みなのですが、
  今回の定食の中にはそれがありませんでした。
  竜田揚げは一番食べやすくて結構美味しいと思います。
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　てくてく

• ほいみさん 2016/08/01 13:06:16

  クジラの竜田揚げ

  初めまして。
  クジラの竜田揚げは、学校給食の王様でした。
  月に1回は出ました。
  
  あんな美味しいものを知らずに、マックとかを美味いと感じる今どきの子供が可愛そうです！
  
  竜田揚げは何時行っても食べられるのでしょうか？・・・って自分で調べますね。

  てくてくさん からの返信 2016/08/02 12:25:42

  RE: クジラの竜田揚げ

  ほいみさま
  
  こんにちは。
  和田漁港周辺にクジラ食のお店がいくつか出ています。
  クジラ肉は全て冷凍だとおもいます。
  地産のツチクジラだけでなく、ミンククジラの肉も提供されているようですね。
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　てくてく
  

• 大島敏幹 ooshimatoshimikiさん 2016/08/01 09:26:27

  大きさの違いだと分かる写真でした。

  イルカと鯨は大きさの違いだけだと聞いていましたが、実感出来る写真ですね。
  
  そういえば、イルカ漁に反対していた、海外の金儲け団体はこの頃ニュースで聞きませんね。

  てくてくさん からの返信 2016/08/02 12:22:51

  RE: 大きさの違いだと分かる写真でした。

  timeupさま
  
  こんにちは。
  そういえばツチクジラってイルカっぽい顔をしていますよね。
  自分でも写真を見ていてそう感じました。
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　てくてく
  

• メイリンさん 2016/07/28 21:53:09

  クジラの解体

  はじめまして。メイリンと申します。
  
  和田漁港のクジラ解体、すごいですね。
  クジラの顔だけの写真は、なんともいえないですねぇ…。
  和田は住んでいる場所からは近く、解体を行っていることは知っていたのですが、なかなか足を運ぶ機会がありませんでした。でも大事な日本の文化の一つだし、私も外房捕鯨のHPをチェックして見学に行ってみたいと思います。とても旅行記が参考になりました。ありがとうございます。
  
  
  

  てくてくさん からの返信 2016/07/29 11:46:55

  RE: クジラの解体

  メイリンさま
  
  こんにちは。
  和田浦の旅行記を見ていただきましてありがとうございました。
  捕鯨って理解されていないことが多いですけど、
  船舶の体当たりや有毒な化学薬品を投げつけるような、
  凶悪な特殊海外団体が跋扈している中、
  こういう解体作業が闇の中で行われるのではなく、
  公開されていることが素晴らしいと思います。
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　てくてく