3度目の中国 新疆ウイグル自治区(ウルムチ トルファン)～敦煌～洛陽への旅 vol.4 憧れの火焔山に登る

2012/05/28 - 2012/06/13

　かねてから行きたかった新疆ウイグル自治区の外務省の危険情報が2009年のウルムチ騒乱以来、レベル3（渡航自粛）からレベル1（十分注意）になったの早速訪ねる事にした。
　大阪港～上海～ウルムチ～トルファン～敦煌～西安～洛陽～上海～大阪港、前回と違って余裕をのある日程を組んだが、前回よりも予想外、想定外の事が起きてしまったのである。

エリア 吐魯番(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

平成24年6月3日（日）トルファン観光地図
　
　トルファンは天山山脈の南東麓、トルファン盆地の中央にあるにあるオアシス都市。
トルファンはウイグル語で「くぼんだ土地」の意味で市の南にあるアイディン湖は、湖面が標高マイナス154メートルと、世界で二番目に低い所にある湖。
世界一は死海でマイナス399メートル。
古来、「火州」と呼ばれ、夏の平均最高気温は38度を超える。一方、降水量は年間で16.3ミリと極端に少ない。北へ向かえば天山の北麓に、南に向かえば天山南路にぶつかる。その地理的な位置により、古くからシルクロード上最も重要な拠点の一つになっている。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　食堂を出てから30分程経った頃、いきなり前方に火焔山が見えて来た。こんな車の往来の激しい道路の傍にあったので驚いてしまった。イメージ的には砂漠の中にあると思っていたからである。ちょっと拍子抜けもした。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　すぐ近くには立派な道路があった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　入場券40元520円

　火焔山は新疆ウイグル自治区の天山山脈付近にある丘陵。
タクラマカン砂漠タリム盆地の北部、トルファン市の東部に位置する。
砂岩が侵食してできた赤い地肌には、炎を思わせる模様ができている。
平均標高は500メートルであり、比較的平らな山頂が、長さ98キロメートル、幅9キロメートルにわたって横たわっていて途中の何箇所かが川で切断されている。
　この特徴的な地形は、火山活動による溶岩が、長年にわたってガリ侵食などで削られてできたものである。
　平均気温が高いことで知られ、夏の気温が摂氏50度を超えることも頻繁である。この地形と気候が特徴的なため、中国での人気観光スポットの一つとなっている。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　相変わらず天気も悪いので入場券は買わず、駐車場で写真を撮ろうかと思っていたら、火焔山は見えないようにしてフェンスが設置されていた。入場券を買わない自分もせこいが、金を払わない者には見させない発想にはいかにも商魂逞しい中国人らしいと妙に感心した。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　40元520円の入場券を買ってゲートに入ると地下になっていてお土産店が立ち並んでいてそれを見て行かないと地上に出る事は出来ないのであるが、ここは建物内なので逆順路の階段を昇るとすぐ地上に出られた。今まで訪ねた中国の観光地のほとんどは駐車場から入場券売り場まで1〜2キロ程あってお土産店の前を通らなければならなかったのである。
　ところが近道した為、世界最大の温度計としてギネス世界記録に登録されている直径0.65メートル、高さ12メートルの巨大な金の延べ棒を模した温度計を撮り逃したのである。そのためその時の肌寒い気温が何度だったか分からないのであるが、感覚的には20℃ぐらいだった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　地上に出ると真夏には70℃前後に熱せられる山肌が今朝からの雨に急激に冷やされ水蒸気が立ち込めて雲が発生していた。まるでたき火に水を掛けたような現象だった。
　こんな天候の中、30分で25枚の写真を撮ったが最悪の出来栄えだった。どうしても太陽光と青空が無いと火焔山にはならなかったのである。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　天候も回復せず16時近くになったので諦めて火焔山一帯にあるベゼクリク千仏洞に行く事にした。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞に向かう途中

　だんだん空が明るくなって山肌が火焔山らしくなって来た。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞に向かう途中

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞に向かう途中

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞に向かう途中

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞に向かう途中

　こんな乾いた山あいの谷間に川が流れていて感動した。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞に向かう途中

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞に向かう途中

　張帰 傳さんのタクシー、後にも先にもこれより綺麗なタクシーには巡り合わなかった。写真を撮る為に小刻みに止まってもらった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞駐車場
　
　三蔵法師ご一行の像、先頭の孫悟空は火焔山の火を消す芭蕉扇を持っている。
　写真を撮りながら25分程でベゼクリク千仏洞駐車場に着くと青空が出て来た。

https://www.youtube.com/watch?v=9gOAH6jL1Pc

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞駐車場から

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞駐車場から

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞駐車場

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞入場券20元260円

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞

　ベゼクリク千仏洞はトルファン市内から約45キロ東側の火焔山の麓、木頭溝西岸の崖に位置している。
　83の石窟のうち現存しているのは57。その中で、石窟内に壁画が描かれていたのは40前後です。
　総面積は1200平方メートルで、そこはトルファンで現存する石窟の中に、石窟の数が一番多く、壁画の内容が一番豊かで、新疆では割りと広い仏教石窟の一つ。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞

　ベゼクリク千仏洞は造営されてから、繁栄した時代と衰退した時代を経た。
　17、18番目の石窟は西暦6〜７世紀南北朝後期に掘られたもの。
　16番目の石窟は中唐時代に掘られ、20番目の石窟内には回鶻高昌王と皇后の壁画が描かれている。
　38番目の石窟内にある壁画は古代のマニ教の生活を描いていて、51番目の石窟は回鶻高昌の時代に建てられ、20番目石窟内の石窟。
　82、83番目の石窟は西暦10〜11世紀高昌回鶻王国が強い時、仏教の有名な僧侶のために建築した小型な記念石窟。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞

　壁画の中には、インド人、ペルシア人、ヨーロッパ人などの様々な人物が大きく描かれたブッダを囲んでいる構図のものもある。
　壁画の質は結構な差があり、芸術として稚拙なものもあれば、宗教絵画中の傑作といえるものもあるという。
　ベゼクリク千仏洞を代表する壁画が『誓願図』と呼ばれるひときわ大きい壁画である。これは釈迦牟尼の前世における「誓願」を描いたものとされる。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞
　
　ベゼクリク千仏洞は南北朝後期から始まり、唐、五代、宋、元の時代に至る７世紀に亘り、ここはずっと高昌地域の仏教の中心だった。
　石窟が一番繁栄していた時は回鶻高昌の時代で、13世紀末、高昌王族は甘粛永昌に引越し、それに、イスラム教がトルファンに伝えられてから、仏教がだんだん衰退するとともに、ベゼクリク千仏洞も衰えた。
　イスラム教と仏教が対立していたので、ベゼクリク千仏洞は破壊され、壁画上の人物の目は全部抉られた。地域住民によって他の理由で壁画が部分的に破壊されている場合もあった。
　19世紀後半から20世紀前半にかけて、ヨーロッパ人や日本人の探検家が、完全な状態の壁画が砂に埋もれているのを発見した。
　20世紀の戦争で石窟はさらに破壊され、様相ががらりと変わってしまった。
　その多くは持ち去られ、世界中に散乱した。最もよく保存された壁画のいくつかはアルベルト・フォン・ル・コックによってドイツに送られた。
　それらの中でも誓願図のような大きな壁画はベルリンの民族学博物館に完全に固定された状態で所蔵された。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞

　そのため第二次世界大戦中に保護のために持ち出すことができず、連合国によるベルリン爆撃で博物館が被害に遭った際にそれらの壁画も破壊されてしまった。
　他の壁画は今日でも、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、日本の東京国立博物館、ロンドンの大英博物館、朝鮮やインドの国立博物館といった世界中の展示施設で見られる。
　破壊と侵食による傷みが激しいが、仏像はやはり派手で、残る壁画は鮮やかで美しい。ベゼクリク千仏洞は規模が大きい文化芸術の宝庫で1982年に中国国務院に全国重点文化財保護団体と認められた。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞

　石窟の前で民族楽器を奏でるウイグルの老人、じっくり聴いている時間はなかった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞

　石窟内に壁画が描かれているのは40前後で、その内見学出来るのは5，6か所で写真撮影は禁止で係員がついて来て見張られたが、窟内は薄暗く壁画は損傷が激しく描かれている程度にしか見えなかった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞近くで

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　ベゼクリク千仏洞近くで

　ベゼクリク千仏洞の見学を終えて高昌故城に向かった。15分程たって車はそのまま行けば火焔山、左に行けば高昌故城に差し掛かろうとした時、火焔山の方向を見ると青空だったので、張帰 傳さんに急遽、火焔山に向かうよう無理をお願いしたが、劉敏さんは嫌な顔一つせず応じてくれた。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　三蔵法師ご一行様の銅像

　火焔山は16世紀の明で呉承恩が書いたとされる小説『西遊記』にも登場する。西遊記では炎が上がる山として描かれている。
　この山の燃え盛る炎により、行く手を遮られた三蔵法師の一行は、その炎を消すことができるという芭蕉の扇を手に入れる為、その持ち主の鉄扇公主と孫悟空が戦ったという物語である。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　三蔵法師ご一行様の銅像


　漢の古い伝承によると、火焔山はサルの王が天界で窯をひっくり返した残り火が地上に落ちたものである。『西遊記』でも、「美猴王」と名乗っていた頃の孫悟空が閉じ込められていた八卦炉から脱出した際に壊れた八卦炉の破片が地上に落ちたものとされている。
　ウイグル人の伝承によると、天山山脈にはドラゴンが住んでおり、人々の子供を食い殺したため、ウイグル族の英雄がドラゴンを8つに切り刻んだ。その8つの部分が火焔山となり、その山肌はドラゴンの血で真っ赤に染まった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　牛魔王の銅像

　牛魔王は、中国の雑劇の元曲、二郎神醉射鎖魔鏡や西遊記に登場する魔王。
西遊記では、第一夫人は翠雲山の鉄扇公主、積雪山の玉面公主（万年狐王の娘）が第二夫人。
　主人公の孫悟空とかつては義兄弟の仲で、長兄として天界に歯向かったが、のちに三蔵法師の弟子となった孫悟空に息子の紅孩児を観音菩薩の弟子にされ、猪八戒に玉面公主を殺され、芭蕉扇を巡って孫悟空と哪?太子をはじめとする天界の将と戦った。孫悟空と義兄弟時、平天大聖と自称していた。正体は体長1,000丈（3,330m）、体高800丈（2,666m）の白牛。彼の弟である如意真仙という妖仙が西梁女国にいる。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山　鉄扇公主の銅像

　鉄扇公主は、西遊記などに登場する宝貝である扇、芭蕉扇をもったキャラクターである。日本では羅刹女の名前で知られている。
　火焔山より西南に千四五百里もの先にある翠雲山芭蕉洞に住み、火焔山の燃え盛る炎を消すことが出来る秘宝・芭蕉扇を持っている。
　鉄扇公主は牛魔王の妻であるが、牛魔王が愛人の玉面公主を作って芭蕉洞へ帰って来ないため不機嫌を募らせていたところに孫悟空が芭蕉洞を訪ね、火焔山の炎を消すために芭蕉扇を借りたいと頼み込む。
　ところが鉄扇公主にとって孫悟空は息子である紅孩児の仇であるため、彼女は烈火の如く怒り狂って、追い返そうと二振りの青峰の宝剣をもって襲い掛かる。2人は夕刻まで一騎打ちを続けるも、形勢不利と見た鉄扇公主が芭蕉扇で悟空をあおぎ吹き飛ばしてしまう。
　悟空が一晩かかって吹き飛ばされた先は、かつて黄風大王の件で世話になった霊吉菩薩の住む小須弥山であった。悟空から事情を聞いた霊吉菩薩は風鎮めの秘薬「定風丹」を彼に与える。
　再び芭蕉洞に取って返した悟空は昨日と同じように鉄扇公主を呼び出し、両者は再び一騎打ちを始める。やがてひるんだ彼女は芭蕉扇で悟空をあおぐが、少しも飛ばされる気配が無い。せせら笑う悟空を気味悪がった公主は芭蕉洞に逃げ帰り、堅く扉を閉めてしまった。
　疲れて喉に渇きを覚えた彼女は、侍女に命じて茶を持ってこさせる。ところが、孫悟空が1匹の虫に化けてお茶に飛び込み、そうとは知らずにお茶を飲んだ鉄扇公主の胃の中で暴れ回ったため鉄扇公主は腹痛に苦しみ、遂にたまりかねて孫悟空に芭蕉扇を渡すと約束するが、その芭蕉扇は偽物であった。
　早速悟空はそれを持って火焔山に向かうが、偽物であったため逆に火の勢いは強まり、全身に炎を浴び両股の毛まで焦げてしまう。ほうほうの態で引き返してきた彼の前に火焔山の土地神が現れ、公主の夫の牛魔王に頼むよう勧める。
　しかし悟空が牛魔王を訪ねる途中、玉面公主と偶然いざこざを起こしてしまった為、「俺の妻や妾に無礼を働くとは」と牛魔王とも交渉決裂となってしまった。この後、彼らの間で芭蕉扇をめぐって化けくらべや騙しあいなど、数々の戦いや駆け引きが繰り広げられる。
　やがて哪托太子たち天将の加勢もあって牛魔王が捕らえられたので、鉄扇公主も観念して悟空に本物の芭蕉扇を渡し、自らも正しい道に入るべく修行を積むために地上を去った。

　鉄扇公主の銅像、観光客に胸ばかり触られ、バストトップが露わに　
　
　中国新疆ウイグル自治区トルファンの火焔山にある「鉄扇公主」の銅像。長年、観光客たちに触られ続けた胸の部分だけが、色褪せてしまった。12日付で中華網が伝えた。
　地表温度が70度にも達した11日の火焔山。三蔵法師や孫悟空たち、牛魔王、鉄扇公主などの銅像はやけどしそうな暑さとなっている。
　それでも、鉄扇公主の胸を触りたい観光客が後を絶たないようだ。長年、触られまくられた結果、無残にもバストトップがあらわになってしまった。
2013年8月12日付の中華網

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　青空を気持ち良く飛ぶハンググライダー

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　古代の東西交易にとってタクラマカン砂漠は難所の一つであった。交易商人たちは、タクラマカン砂漠の北端を、シルクロード天山南路として利用した。その途中にあるオアシスは、高昌のように貿易中継地として栄えた。彼ら交易商人達に仏教の僧侶も同行し、その路上に仏教寺院を作った。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　火焔山は、全長が約100キロ、幅約10キロで、トルフアン盆地の中部に位置し、最高峰の海抜は851メートル。ヒマラヤの造山運動の期間に形成し、今から約2億年間、ジュラ紀と白亜紀第三紀の岩層赤色砂岩が主。
　火焔山には植物が全くなく、夏の地表温度は70℃以上に達し、強い日光に照らされた赤色砂岩は、盛んに燃える火のように見える。南北朝は「赤石山」、唐代は「火山」と呼ばれ、明朝に初めて「火焔山」と称した。明代呉承恩の著作「西遊記」には、唐僧、孫悟空師徒四人が天竺へ取経、この山を経由し、「八百里の火焔」という称号を付けたので、火焔山は一層不思議な色彩が漂う、有名な奇山になった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　トルファンは中国語で火洲と呼ばれ、夏は酷暑で有名で、かつて最高気温49.6℃を記録したことがある。また、正午の時間の地表温度は80℃にも達する。この地方には、“砂の中でゆで卵をつくり、壁の上でパンを焼く”という言い方がある。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　駐車場で張帰 傳さんに火焔山を登っても良いか？と訊くと大丈夫と言ったので山に向かって歩き出したが、近づいている筈なのに遠ざかっている感覚がした。
　それは火焔山の周りに大きさを比較する物が何も無い為、実際より近くに見える錯覚なのである。距離間が掴めず歩いても歩いても山に近づけない不思議な感覚なのである。
　スイスのグリンデルワルドの麓からアイガー北壁を見た時もそう感じたのである。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　火焔山のあるトルファン盆地は独特な地形で、最も低い場所は、海抜マイナス154ｍ。年間降水量は16.3ミリ、地面からの水分蒸発量は1366.6ミリで何と降水量の80倍に及ぶ。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　山肌に刻まれた無数の溝、それがあたかも燃え上がる炎にも見える事から燃える山、火焔山と名付けられたと云われている。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　炎の模様を全身にまとい、シルクロードを行く旅人を見下ろして来た火焔山、今から1400年程前一人の旅の僧侶がこの山の麓を通った。西遊記に描かれた三蔵法師である。三蔵法師に土地の老人が話しかけた。「西の道は険悪で砂漠は非常に道が悪く、長い、もし、魔物が起こす熱風に遭えば免れる者はいない、大勢で行ってもなお時々道に迷う、ましてや法師のようにお一人で行かれるのであれば、どうして行き着く事が出来ましょうか。どうかお命を軽々しく扱われませぬよう。」
　灼熱の火焔山は昔から訪れる旅人を苦しめ、時にはその命さえも脅かしてきた。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　登りながら疲れると後ろを振り返って休んだ。灼熱の火焔山と云われているが,感覚的には20℃ぐらいか。日射しもあるが心地良い風も吹いているせいか汗もあっという間に蒸発するので気持ちが良かった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　延々と続く恐竜の背骨のような急勾配の尾根を登っていく。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　内陸部にある火焔山は寒暖の差が激しく、冬には氷点下となって雪が積もる、火焔山の斜面には草木も生えていない為保水力もない、その為、春の雪解け水、夏の豪雨が急勾配の斜面を一気に流れ落ち山肌を削ったのである。その結果、無数の溝が生まれた。
　山の表面は強い日射しによる風化が原因で出来た細かな土が水で流されて、その後乾いたぼろぼろの泥状で覆われている。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　溝の深さは、深い所は5ｍもあって下りると見た目よりずっと深く急だった。
下りる時も登る時も乾燥した赤い土がずり落ちて難儀した。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　登り始めて1時間程経ったが、他に誰も登って来ないので不安になって来た。時計を見ると18時を過ぎていた。ここら辺で引き返すのが賢明だと思って下山する事にした。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

４５９下山平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山から

　管理棟が小さく見える。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　下山したら登る前に気付かなかった石碑、読んでいれば登らなかったかも。

旅行者へのアドバイス
火焔山にようこそ。
夏の暑い気候に関して幾つかアドバイスします。
日中の温度が70℃にもなる場合があります。
山に登るのは危険です。それでも登るのなら日射病で倒れるでしょう。
単独行動は禁止。リスクは最小限にする為、登る前に事務所で登録しなければなりません。その為に私たちはあなたに必要なサービスを提供します。
ご協力有難うございました。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　火焔山に行って来てから22日経って驚きのニュースが入って来た。

　あの「西遊記」の火焔山で、最高地表温度75℃に！　
2012年6月25日(月)チャイナフォトプレスの報道

　2012年6月22日、旧暦で端午の節句を迎えた中国は3連休の終末となった。国内で人気の観光地、新疆ウイグル自治区トルファン市の火焔山にも多くの観光客が詰めかけたのだが…。
古くは、燃えさかる山として「西遊記」にも登場している火焔山、トルファン市の東42キロに位置する長さ98キロの平らな頂の丘陵だ。その名の通り、酷暑でも知られる。気温50℃を越えることも珍しくないが、この連休をはさんだ数日間、火焔山風景区の地表温度は最高で75℃を記録した。
これが観光客の客足に影響するかと考えられたが、彼らの好奇心が暑さに打ち勝ったようだ。多くの旅行客が暑さをものともせず、伝説の火の山をひと目見ようと酷暑を押してかの地を訪れていた。(翻訳・編集/愛玉)

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　灼熱の火焔山を体験できなくて残念だったが、気温が低かったから登る事が出来た。天気も回復し青空を背景に写真も撮れたので満足した。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　時間の経過、日射し、空の様子によって火焔山は変化する、何時間見ていても見飽きる事は無かった。

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

平成24年6月3日（日）トルファン　火焔山

　駐車場に着くと18時半だった。高昌故城の方向を見ると青空が広がっていたので
張帰 傳さんに言って貰うようお願いした。この時も張帰 傳さんは快く応じてくれた。